相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

2021-01-01から1年間の記事一覧

日本海軍 空母機動部隊小史 7:艦隊決戦構想の崩壊:ミッドウェー海戦(その2)

ミッドウェー海戦の二回目。いよいよ日米の空母機動部隊が激突します。 ちょっとおさらい。 MI作戦の概要 繰り返しになることを恐れずに記すと、この作戦(MI作戦)は、長期の総力戦では勝機を見いだせない日本海軍が、一時的に現出できた数的(多分、質的に…

日本海軍 空母機動部隊小史 6:艦隊決戦構想の崩壊:ミッドウェー海戦(その1)

ちょっと大層なサブタイトルを付けてしまいましたが、正直に言うと、切り口が明確に見つからないままです。が、取り敢えず模型のサイトだと言う原点に立ち返って始めてみよう、今回はそう言うお話です。今回は日米両軍の参加部隊を空母紹介を中心に。次回以…

日本海軍 空母機動部隊小史 (番外編):空母艦載機の話(その1)

最初にお詫びと言い訳を。 またまた「ミッドウェー海戦」の本論には入りません(入れません、が正確ですね)。どうも切り口が見つからないのです。で、色々と迷っているうちに、艦載機が気になり始め、そちらの情報整理とコレクションの整理を始めてしまった…

新着モデルのご紹介:長らく捜していた・・・機雷敷設艦艇の話

予告通り(?)「ミッドウエー」ちょっと先送りです。切り口が難しい・・・。 一方で、筆者としてはかなり嬉しい出来事があり、今回はその報告です。(究極のマニアック報告、と言ってもいいかも) 「機雷敷設艦小史」のミッシングリンク 本稿では以前、下記…

脇道探索アップデート:スウェーデン海軍の新着モデルご紹介:第二次大戦期の海防戦艦

本稿では「日本海軍の空母機動部隊小史」をミニ・シリーズにしてこのところお届けしていますが、今回は少し嬉しい(個人的に)ことがあったので、急遽そちらをお届けします。 2021年の2月から3月にかけて、本稿では「脇道探索」と称して、「スウェーデン海軍…

日本海軍 空母機動部隊開発小史:番外編:ドーリットル東京空襲

開発小史の本編はいよいよ「ミッドウェー海戦」なのですが、ちょっと諸々でお休みです。 今回はスピンアウトというか「真珠湾攻撃」の番外編のお話です。 少し内輪話的なお話をすると、前回「珊瑚海海戦」で米機動部隊についてもご紹介の機会があったわけで…

日本海軍 空母機動部隊小史 5:史上初、空母機動部隊の激突:珊瑚海海戦

第二段作戦の展開 前々回に記述したように、日本海軍は1942年4月の一連のインド洋作戦で、開戦第一段の一連の作戦を終了し、以降第二段作戦に移行してゆきます。 第二段作戦は、第一段作戦の成功で太平洋戦争のそもそもの目的であった南方資源地域の確保に成…

空母小史:ちょっと一休み:重巡洋艦改造空母の制作:「伊吹」「筑摩」

この週末、ちょっとしたイベントがあって、今回は空母小史をお休みして、いま取り組んでいるモデルのご紹介を、簡単に。 日本海軍の重巡洋艦改造空母 これまで「空母小史」で何度か触れているように、日本海軍は有事の際に補助的な役割の空母に比較的短時間…

日本海軍 空母機動部隊小史 4:空母機動部隊の活躍と第一段作戦の終了、第二段作戦への移行

空母機動部隊の南方攻略戦支援 1941年12月の「真珠湾攻撃」の後、南雲機動部隊は第二航空戦隊(「飛龍」「蒼龍」)を第四艦隊に分派し、難攻していたウェーク島攻略を支援します。 (難攻するウェーク島攻略戦に分派された第二航空戦隊:「飛龍」(上)と「…

日本海軍 空母機動部隊小史 3:空母機動部隊の創設と真珠湾攻撃の意味

本稿前回では、日米間の戦雲が熟する時期に、日本海軍の航空母艦整備状況がどのような段階であったか、それを少し整理してみました。 今回は、それらがどのように使われることになったのか、そういうお話です。 10隻の航空母艦 少しおさらいをしておくと、19…

日本海軍 空母機動部隊小史 2:艦隊空母の建造

今回は日本海軍、航空母艦開発小史の第二回目。いよいよ日本海軍の本格的な艦隊空母の建造が始まります。 少しおさらいをしておくと、日本海軍の空母建造は第一次世界大戦後、急速に加熱した主力艦建艦競争に歯止めをかけたワシントン軍縮条約により、背中を…

日本海軍:空母機動部隊小史 1:航空母艦の黎明期

いよいよ日本海軍の「空母」です。 前回、いきなりレイテ沖海戦時の空母機動部隊の紹介、つまり「機動部隊の終焉」から始まった感のあった「航空母艦発達小史」でしたが、このミニ・シリーズは、日本海軍の航空母艦開発小史とともに、空母機動部隊という日本…

レイテ沖海戦:小沢艦隊(第三艦隊:空母機動部隊)日本海軍、空母機動部隊の終焉(その2)

今回はレイテ沖海戦時の「小沢機動部隊」の続き。 前回、二つの航空戦隊(第四航空戦隊は搭載機を持たない航空戦隊でしたが)をご紹介しましたので、今回は機動部隊の警戒部隊をご紹介します。そういうお話です。 第三十一戦隊:司令官:江戸兵太郎少将 第三…

レイテ沖海戦:小沢艦隊(第三艦隊:空母機動部隊)日本海軍、空母機動部隊の終焉(その1)

今回はようやくレイテ沖海戦時の「小沢機動部隊」、つまり日本海軍最後の空母機動部隊のお話です。 この回を初回として、本稿ではこれまであまり触れてこなかった日本海軍の航空母艦の開発史、というか空母機動部隊の変遷を何回かで追いかけてみたいと考えて…

模型製作Weekにつき:製作中モデル雑感

本当にすみません。 前回、「次はいよいよ「小沢機動部隊」(本当か?)」(一応、こうなる予感があり「か?」とつけてのですが)と予告したのですが、その前にちょっと見つけた「脇道」に入り込んでいます(シルバーウィークで、時間がありそうなので、模型…

米海軍:護衛空母;レイテ沖海戦・第七艦隊第77任務部隊・第4群から

予告ではレイテ沖海戦に参加した日本海軍の中で唯一残った「小沢機動部隊」のご紹介となっていましたが、やはりもう少し準備が必要です。 そこで今回は「繋」的に、前回レイテ沖海戦のサマール沖海戦で第一遊撃部隊に追い回された米第七艦隊の護衛空母の関連…

レイテ沖海戦:栗田艦隊(その2):第一遊撃部隊 第二部隊とレイテ沖海戦の概要(経緯)

今回は前回に引き続き、第一遊撃部隊 第二部隊のお話です。 第一遊撃部隊は第二艦隊を基幹部隊とし、第十戦隊他を加えて編成されていました。 少しおさらい。最終的なレイテ突入部隊の戦闘序列は以下の通り。 第一遊撃部隊(第二艦隊を基幹に第三艦隊所属の…

レイテ沖海戦:栗田艦隊(その1):第二艦隊(第一遊撃部隊 第一部隊)

今回は珍しく予告通りレイテ沖海戦当時の「栗田艦隊:第二艦隊(第一遊撃部隊)第一部隊(栗田長官直卒)」のお話です。 第一遊撃部隊 マリアナ沖海戦に際し、日本海軍はその主戦力のほぼ全力を投入して空母機動部隊を中心戦力とした第一機動艦隊を編成し、…

レイテ沖海戦:志摩艦隊:第五艦隊(第二遊撃部隊)の話

本稿前回で、「扶桑級」戦艦に関連して「西村艦隊:第二艦隊 第二戦隊基幹の別働部隊(第一遊撃部隊 第三部隊)」についてご紹介した訳ですが、その流れで、今回は「西村艦隊」に後続してレイテ 湾に突入した「志摩艦隊:第二遊撃部隊(第五艦隊)」について…

レイテ沖海戦:西村艦隊:第二艦隊(第一遊撃部隊)第三部隊の話

本稿前回で、最近目にした「扶桑級」戦艦の41センチ主砲搭載改装案をセミ・スクラッチ・モデル化してご紹介しましたが、その資料を当たる際に、「扶桑級」戦艦というとそのほとんど最初で最後の戦場であった「レイテ沖海戦」の資料にぶつかるわけで、今回は…

扶桑級戦艦の改装:41センチ砲搭載案

今回は(筆者としては珍しく)予告のとおり「扶桑級」戦艦の41センチ砲装備大改装案が完成していれば、という計画艦、架空艦の制作中のモデルが完成したのでそちらをご紹介します。 「扶桑級」戦艦:41センチ搭載案の製作 発端は本稿では実は「扶桑級」「伊…

日本海軍:大和級戦艦とその周辺

最近、少し「大和級」戦艦が話題にあがる機会があり、今回はなんと「大和級」戦艦、という結構大きなお題を。 これまでにも数度にわたりこのお題は取り上げてきているのですが、ここら辺りで一度まとめておこう、という訳です。既にご紹介したモデルばかりで…

スプルーアンス・ファミリー

いよいよオリンピックが始まりました。 「ええ、こんな状況でやるのかよ、なんか盛り上がらない」とか言いながら、開会式を見てしまいました。なんと4時間、前からこんない長かったっけ?なんとか日付が変わる前に終了してましたが、十分に時間をかけるあた…

ロイアル・ネイヴィーの駆逐艦(その1.5=その4:第一次世界大戦期の駆逐艦=アップデート版)

「ああ、「●●●●の箱」を開けてしまったかも」というフレーズから始まった本稿の「ロイアル・ネイヴィーの駆逐艦」発達史のミニ・シリーズですが、初回は下記の通りこのミニ・シリーズが「V/W級駆逐艦のヴァリエーション」に関する筆者の興味からスタートした…

ロイアル・ネイヴィーの駆逐艦(その3:航洋型駆逐艦の模索)

今回はイギリス海軍の駆逐艦発達史の3回目。 このミニ・シリーズの2回目では、英海軍における駆逐艦という艦種の誕生期のお話をしましたが、少しおさらいをしておくと、駆逐艦という艦種は19世紀の半ばに、高い破壊力を持つ魚雷を抱いて高速で主力艦に向けて…

新着モデルのご紹介:久々の日本海軍:八八艦隊計画:加賀級戦艦・最終改装時のご紹介とその周辺

久々の日本海軍の主力艦の新着モデルです。 なんと八八艦隊計画の「加賀級戦艦」の近代化改装(最終改装)時のモデルです。もし「加賀級」が建造されて、太平洋戦争に参加していたら、という想定ですね。 ご承知のように「加賀級」はワシントン軍縮条約によ…

第二次世界大戦期のアメリカ戦艦(その2):レキシントン 級の懸案のデザイン案追加:未成艦・架空艦満載!

前回に続いて、今回はアメリカ海軍の第二次世界大戦期の戦艦のお話。 ついでに言っておくと、前回・今回は一種の「まとめ」なので、本稿の長い「読者」の方にとっては(そんな人がいらっしゃるのかどうか、分かりませんが)、基本、新しいお話はあまりありま…

第二次世界大戦期のアメリカ戦艦(その1)

本稿では、主力艦の変遷を追う、と言いつつも、肝心の各国「主力艦」について、表題のようなまとめを行なってこなかった事に、はたと気がつきました。 これも最近の興味領域である「ロイアル・ネイヴィーの駆逐艦」発達史のミニコーナーを行なっている波及効…

ロイアル・ネイヴィーの駆逐艦(その2:黎明期の駆逐艦)

今回は、ロイアル・ネイヴィーの駆逐艦の成立期のお話です。 駆逐艦という艦種 駆逐艦という艦種は19世紀の半ばに誕生します。そもそもは高い破壊力を持つ魚雷を抱いて高速で主力艦に向けて突っ込んでくる「水雷艇」に対し、駆けつけて追い払う=駆逐する艦…

ロイアル・ネイヴィーの新着モデルとあれこれ

今回は前回からの流れでロイアル・ネイヴィーの新着モデルとその関連、そういうお話を少々。 前回の「第一次世界大戦期の英国(ロイアル・ネイヴィー)の駆逐艦」の4艦級で欠けていた「S級」が到着しましたので、まずはそのご紹介から。(以下の項は、前回分…