相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

2018-01-01から1年間の記事一覧

号外 Vol. 3 公開! 列強主力艦カタログ (国別)

これまで本稿に登場した各艦の情報を下記に国別にまとめました。 fw688i.hatenadiary.jp 内容は当ブログの内容と同様ですが、Wikiへのリンクなど貼ってありますので、詳しい情報をご覧になりたい時などに、辞書がわりに使っていただければ幸いです 艦船ラン…

(補遺7)スペイン海軍弩級戦艦、日本に回航

スペイン海軍唯一の弩級戦艦エスパーニャ級が、装甲巡洋艦エンペラドル・カルロス5世を護衛として日本に到着した。 エスパーニャ級戦艦 - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Espa%C3%B1a-class_battleship (1913年、15,452トン: 30.5cm連装砲4基、19.…

(補遺6-2)オーストリア=ハンガリー帝国新超弩級戦艦、就役

オーストリア=ハンガリー帝国海軍の未成超弩級戦艦モルナヒ代艦級が就役した。 前回紹介した3Dプリンティングモデルに、プラスティックロッドでマストを追加し、エナメル塗料で塗装を施した。主砲等は、予定通り1:1200スケールのイタリア戦艦アンドレア・ド…

(補遺6-1)回航中のオーストリア=ハンガリー海軍新戦艦、到着

かねてから発注していた本稿号外Vol. 2で (no photo) 扱いだったオーストリア=ハンガリー帝国海軍初の超弩級戦艦モナルヒ代艦級の1:1250モデルが手元に到着した。 本艦は、その名の示す通り(Elsatzはドイツ語で代替:replaceを意味する)、本稿号外 Vol.1: …

第12 回 第一次世界大戦の主要海戦と主力艦の活動

第一次世界大戦は、前回でも触れた通り、当時の列強諸国間に時間をかけて醸成された同盟関係が連鎖的、かつ短期間に発動されたため、未曾有の規模の戦争になった。1914年7月28日の開戦から1918年11月11日の終結までに、両陣営で7000万人が動員され、戦闘員90…

(補遺5)回航中の仏・英艦が日本に無事に到着

日本に回航中であった仏前弩級戦艦イエナと、英超弩級戦艦エリンが、無事日本に到着した。 イエナ (戦艦) - Wikipedia(同型艦なし1:1902-) https://en.wikipedia.org/wiki/French_battleship_I%C3%A9na 前級シャルルマーニュの改良型として1隻建造された。…

(補遺4)回航中の露・米艦が日本に無事に到着

日本へ回航中であった、ロシア艦、アメリカ艦が到着した。 ガングート級戦艦 - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Gangut-class_battleship (1914年、23,360トン: 30.5cm3連装4基、23ノット)同型艦4隻 ロシア海軍初の弩級戦艦で、バルト海での運用を…

第11回 第一次世界大戦の勃発と日本海軍の活動

第一次世界大戦の勃発 1914年6月28日、当時オーストリア=ハンガリー帝国内の共和統治国ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボを訪問中のオーストリア=ハンガリー帝国皇太子フランツ・フェルディナンド大公の車列を、6人のユーゴスラビア民族主義者たちが…

(補遺3)回航中の仏・伊艦が無事日本に到着

仏・伊回航艦隊の到着 前回の「補遺」に引き続き、日本へ向け回航途上であったフランス近代戦艦(前弩級戦艦)シャルルマーニュ級が、フランス海軍が世界に先駆けて登場させた世界初の装甲巡洋艦デュピュイ・ド・ロームを伴い日本に無事到着した。 併せて、…

(補遺2)回航中の2隻が無事日本に到着

日本へ向け回航途上であったロシア準弩級戦艦インペラトール・パーヴェル1世級、英装甲巡洋艦マイノーター級、無事到着した。それぞれのページ(号外 Vol.1、号外 Vol.1.5)に、写真をアップしました。 現在、さらに数隻が日本に向け回航中です。到着次第、順…

号外 Vol.2: カタログ:第一次世界大戦時の弩級戦艦・超弩級戦艦/巡洋戦艦 一覧/List of Dreadnought, Super-dreadnought

列強の弩級戦艦・超弩級戦艦 弩級戦艦の始祖ドレッドノートの登場が1906年、それから第一次世界大戦の開戦までに、主として英独間で弩級戦艦の大建艦競争が繰り広げられた。その途上で、超弩級戦艦が登場する。 本稿は、これから第一次大戦中の海戦に言及し…

第10回 日本海軍の弩級戦艦整備状況(第一次世界大戦前)

初の弩級戦艦河内級の建造 繰り返しを恐れずに記すと、日露戦争で極東における重大な脅威であったロシア艦隊を完勝に近い形で退けた日本海軍は、1911年時点で、数の上では近代戦艦(前弩級戦艦)9隻、強化型近代戦艦(準弩級戦艦)4隻、戦艦に匹敵する砲力を…

号外 Vol.1.5: カタログ : 装甲巡洋艦抄録 英独の開発史を中心に そして、コロネル沖海戦/ Summary of Armored Cruisers and Battle of Coronel

装甲巡洋艦の終焉 前回の号外で、ドレッドノートという革命的な戦艦の登場により、ほぼその歴史上の役割を終えた近代戦艦(前弩級戦艦、準弩級戦艦)の総覧を行なったが、同様に、装甲巡洋艦という艦種も、その役割を終えようとしている。 これまで見てきた…

号外 Vol.1: カタログ: 近代戦艦(前弩級戦艦・準弩級戦艦)一覧/ List of Pre-dreadnought, Semi-dreadnought

近代戦艦の起点をどこに置くかは、大変難しい問題ではあるが、一般的には1892年に就役したイギリス海軍のロイヤル・ソブリン級がそれに当たるとされている。その要件は、1万2千トン〜5千トン級の船体を持っていること、12インチ級(30センチ級)主砲を旋回可…

第9回 日露戦以降の日本の主力艦事情 或いは空前の危機

ポーツマス講和会議 1905年8月、ポーツマスでの講和会議で、日露間の戦争が終結した。 日本海軍はロシアの、いずれもほぼ連合艦隊に匹敵する戦力を持つ二つの主力艦隊を壊滅させ、ほぼ完勝に近い結果を得た。当時、世界の三大海軍の一角を占めていたロシア海…

第8回 バルティック艦隊回航と海戦

バルティック艦隊の極東回航 「壮図」、という言葉にふさわしい。 バルティック艦隊の本拠リバウ軍港から、旅順、あるいはウラジオストックまでの距離、約18,000浬、30,000キロ。計画の当初40隻を超える艦艇がこの遠征に参加する予定で、最終的には50隻を超…

第4回(補遺1) 畝傍 ついに日本に回航

幻の防護巡洋艦「畝傍」-Unebi :protected cruiser- ついに「畝傍」が、本日(2018.10.13)、水雷艇2隻と日本に回航されてきた。 今回は少し息抜き。 水雷艇「小鷹」「白鷹」とともに、ようやく日本へ到着。 畝傍 (防護巡洋艦) - Wikipedia すでに記載したよう…

第7回 黄海海戦と蔚山沖海戦;近代戦艦・装甲巡洋艦の時代

黄海海戦 −ロシア旅順艦隊 ウィトゲフトが出撃する。 旗艦ツェザレヴィッチ以下、旅順にいた6隻の戦艦全てを率いている。他には3隻の防護巡洋艦を含み、損傷で動けない艦を除くと、ほぼ旅順の艦隊全てを率いての出撃、と言っていい。 こと戦艦の数だけで言え…

第6回 日露開戦 旅順口を巡る戦い

日露間に戦端が開かれた。 同時に、日本海軍は、旅順にあるロシア太平洋艦隊に対し、攻撃を開始した。 当時の日本海軍は六六艦隊計画を完成させ、すなわち戦艦6隻、装甲巡洋艦6隻を基幹に艦隊を構成していた。 6隻の戦艦(三笠:左上、朝日:右上、敷島級の2…

第5回 近代戦艦の導入「富士級」建造と六六艦隊計画、その周辺

初の近代的戦艦 富士級:Fuji class :battle ship (富士:1897-1945/八島:1897-1905) 少し時間をさかのぼることになるが、日清開戦が濃厚に予感される時期、当面の仮想敵である清国北洋艦隊は、ドイツ製の定遠級戦艦(甲鉄砲塔艦)2隻をその主力として就役さ…

第4回 連合艦隊結成と黄海海戦(その2)第一遊撃隊、その他

引き続き、黄海海戦時の連合艦隊、である。 第一遊撃隊は坪井航三少将を司令官とし、吉野、高千穂、秋津洲、浪速の4隻の防護巡洋艦で編成されていた。いずれも建艦年次の新しい当時の新鋭高速艦で、軽快に機動し、中口径砲の連射、速射砲の薙射で敵艦の上部…

第3回 連合艦隊結成と黄海海戦(その1)

明治維新は、そもそもアヘン戦争に敗れた清国が列強の蚕食を受けることを間近にした危機感から始まったと言っていい。 当時の清国は確かに国家としての晩年期を迎えていた。体制は弾力を失い、民心を繫ぎ止めるには宮廷も官僚も、その腐敗が過ぎた。列強はこ…

第2回 初の戦艦 初代「扶桑艦」と「鎮遠」、その周辺

扶桑艦と鎮遠。この二隻は日清戦争においては敵として相見え、日露戦では同じ艦隊で、味方として戦った。それぞれ1878年、1885年の就役であるが、わずか10年足らずの間に、建艦思想、戦術ともに大きく変化した。今回はそれぞれの年代をある種代表する両主力…

第1回 究極! イージス艦「やまと」と、小さな海軍の星 「東艦」(旧ストーンウォール、旧甲鉄)

既にどなたかの文章で目にした記憶もあるが、重複を恐れずに記すと、1:1250スケールは日本でこそ傍流であるが、特に欧州においては多くのメーカのひしめく国際スケールとして認知されている。 その多くは、ダイキャスト製の完成品として販売されている。その…