幻の防護巡洋艦「畝傍」-Unebi :protected cruiser-
ついに「畝傍」が、本日(2018.10.13)、水雷艇2隻と日本に回航されてきた。
今回は少し息抜き。
水雷艇「小鷹」「白鷹」とともに、ようやく日本へ到着。
すでに記載したように、日本海軍は明治16年度の艦艇拡張計画で3隻の防護巡洋艦を英仏2国に発注した。イギリスに発注された2隻が、浪速級防護巡洋艦「浪速」「高千穂」、一方、フランスに発注された1隻が「畝傍」であった。
3,600トンの船体に、舷側4箇所の張り出し砲座に設置された24センチ砲、15センチ砲7門などを搭載し、18.5 ノットの速力を発揮する艦である。
同時期に発注されたにも関わらず、「浪速」級とは、上の写真のように、全く異なる艦容を示している。「浪速」に同等なスペックを持ち最新式の防護巡洋艦であるはずなのだが、その外観は、流麗でやや古めかしい三檣バーク形式である。その喪失については、未だに謎のままである。
浪速級と比較すると、やや低めの乾舷と、舷側の4箇所の砲座に搭載された24センチの主砲が、ややバランスの悪さを感じさせる。フランス艦には時に復元性能に問題がある場合があり、回航途上に暴風雨などに遭遇しその弱点が瞬時の転覆など、もたらしたかもしれない。
しかしその流麗な艦容で高速を発揮し敵に肉薄する姿など、期待を持たせる外観である。
西京丸 に似た船(その2)
西京丸ではないので、ご注意を。しかし艦首部がもう少し垂直であれば、ほぼ、西京丸。
次回は、いよいよ日本海海戦、つまり近代戦艦・装甲巡洋艦の終焉。
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