相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

フェアリーランド王国海軍:「海軍事始め」の最初の一歩?

本稿、前回投稿で少し触れたことですが、筆者の帰省もあって、本当は今週末はスキップの予定でした。

が、帰省中に、着手中だった「Melguid級」戦艦と「Fontenland級」戦艦の就役時のモデルが、予定より早く完成に漕ぎ着けました。この週末に出力依頼を行いましたので、今回は予定を少し変更してそのご紹介を。

合わせて、こちらは予定通り筆者の帰省中に手元に届いていましたので、こちらも無垢のモデルを簡単にご紹介しておきます。

 

「Melguid級」戦艦 「Fontenland級」戦艦の就役時形態のモデル:データの完成と出力依頼

これらの艦級は、王国海軍が列強海軍の弩級戦艦・超弩級戦艦の大建艦時代に、建造した王国海軍を代表する超弩級戦艦です。本稿では前回投稿でもご紹介した通り、両級の就役時のモデルを一旦作成しましたが、籠マストの外観、艦幅に違和感が生じ(多分に筆者の主観的なものです)、モデルを再製作、筆者の帰省先で完成し、現在出力を依頼中です。

今回は完成したデータのキャプチャー画像をご紹介しておきます。

 

「Melguid級」戦艦(就役:1913年 同型艦2隻)

(下図は、就役当時の「Melguid級」戦艦:原作者さんご提供の資料より)

同級は王国海軍が初めて建造した超弩級戦艦です。

当時の王国は宗教的な背景からヨーロッパ圏では異端視され孤立していましたので、設計や建造にまつわる技術支援を王国系移民が多く、宗教的にも文化的にも多様性に関して寛容なアメリカ合衆国に求めました。

上図では前檣は典型的な三脚マストになっていますが、米海軍の強い勧めもあって、籠マストの戦艦として建造されました。

建造の経緯・背景

それまで沿岸警備に重点を置いていた王国は、同艦の建造以前には、沿岸に領地を与えられた王家の支族、あるいは沿岸地方の有力実業家(多くは政治家でもありました)が、沿岸警備、主として隣国イングランドからの渡海侵攻阻止用に自ら購入した特設軍艦を寄せ集めたような海軍しか持っていませんでした。

一方で王国の状況を見てみると、1840年の「穀物危機(ジャガイモ飢饉)」に端を発し、当時の第24代国王「カーディアン」が半ば強制的に推進した海外移民政策、対外的な「王国」の独立表明(1850年)などによる国際社会への積極参加、さらにはこうした「拡張政策」指向と第25代国王「エリュシアン」の卓越した経済政策などが相まって、王国の国際的なプレゼンスは著しい向上を示していました。こうした背景から、王国は増加した(させた)海外移民の権益保護も併せて、本格的な海軍を早急に設立する必要に直面することになります。

一方で世界の海軍整備の趨勢を見ておくと、普墺戦争でのリッサ海戦(1866年)での装甲蒸気軍艦同士の海戦、その後極東で俄に勃興した日本海軍の実施した二つの対外戦争(日清・日露)での戦訓を経て、画期的な戦艦「ドレッドノート」の登場(1906年)へと目まぐるしく動きます。

各列強が競って建造した弩級戦艦は瞬く間に超弩級戦艦へと発展し、これらの展開は各国が前日まで営々と蓄積整備してきた海軍装備を一気に陳腐化させるという両刃の刃でもありました。

王国はこれらの変化を新興海軍が装備面で列強に追いつく本格海軍建設の絶好の機会として捉えるに至ります。

 

こうして生まれたのが初の航洋性を持った本格水上戦闘艦「Melguid級」戦艦でした。

同級は同時に、ヒルベニア周辺海域に強いプレゼンスを示す存在となることも期待され、設計段階で最後まで実用面での議論が続いた中間砲(20センチ砲)を搭載していました。次級「Fontenland級」とともに史上他に類を見ない中間報を装備した超弩級戦艦群となりました。

(「Melguid級」戦艦のキャプチャ画像に見る概観:151mm in 1:1250:下の画像では、装備に長い議論のあった上部構造物脇に搭載された中間砲と、舷側に装備された12,5センチ副砲、同級の特徴である籠マストなどのアップを示しています)

タレット上には36センチ主砲(下の写真)が搭載されます。

同級の2隻(「Melguid」「Dom Doara」)は就役後は本国水域にとどまり、本国沿岸の警備、周辺通商路の護衛任務などを務めていましたが、第一次世界大戦後、戦時特需で得た経済力を背景に国際社会の承認を取り付けた多くの王国民が移住していた東地中海の海外領設立(ラ・デューン州:現レバノン・モクスター州:現キプロス)に伴い創設された地中海艦隊に派遣されました。

後に両艦の存在を目障りとしたギリシアの破壊工作で大破着底させられ、損害の比較的軽かった「Melguid」は浮揚され戦艦として復旧されましたが、損害の大きかった「Dom Doara」は戦艦としての復旧を断念し、大規模な改造が加えられ世界初のアングルドデッキを備えた空母として再生されました。

空母「Dom Doara」

(制作中の空母「Dom Doara」のキャプチャ画像に見る概観:151mm in 1:1250:船体の下半分は、今回製作した「Milguid」のモデルを流用しています。「世界初」のアングルドデッキを装備した空母ということで、まだモデルとしては製作途上なので、またいずれ)

 

「Fontenland級」戦艦(就役:1915年 同型艦2隻)

(下図は、就役当時の「Fontenland級」二番艦の「Rimuldarl」:原作者さんご提供の資料より)

同級は「Melguid級」戦艦の強化発展型として建造されました。

連装主砲塔を一基増設し36センチ主砲12門という強大な火力を備え、船体形状の洗練と新型機関の採用で艦型が大型化したにも関わらず速力は向上しています。「Melguid級」同様の理由で、本級も中間砲を搭載した珍しい超弩級戦艦として建造されました。

(「Fontenland級」戦艦のキャプチャ画像に見る概観:166mm in 1:1250:下の画像では、装備に長い議論のあった上部構造物脇に搭載された中間砲と、舷側に装備された12,5センチ副砲、同級の特徴である籠マストなどのアップを示しています)

同級は就役後も本国海域に留まり、特に一番艦「Fontenland」は本国艦隊の旗艦を務めました。王国が第二次世界大戦に参戦すると二番艦「Rimul Darl」は王国海軍の主戦場となった地中海に移動、地中海艦隊の旗艦となりました。

両艦共に第二次世界大戦を生き抜き、大戦後、退役しました。

 

今回投稿のもう一つのお題は王国海外領の成立と地中海艦隊の創設時のお話です。

王国地中海艦隊:創設期の基幹艦艇

本稿前回投稿で「現在、モデルを出力依頼中」とご紹介していましたが、出力モデルが届きましたので、簡単にご紹介します。

モデル作成にあたっては、原作者さんの設定をかなり大きく変更しています。これは全て筆者の妄想によるもので、地中海艦隊の創設を急いだ「王国」は、敗戦国のオーストリア=ハンガリー帝国海軍が戦後賠償として戦勝国に供出した艦艇を複数取得し、まずは当面の地中海艦隊の基幹戦力とした、というストーリーに沿って取得艦艇を決定したためです。

それぞれのモデル製作に当たっては、それなりに工夫があったのですが、それは前回投稿で「ブツブツ」書いていますので、そちらをご一読ください。

下記ではそれぞれのオリジナルとなった艦艇から、王国海軍への編入時の改良点などを簡単にご紹介しておきます。

 

装甲巡洋艦「Boza Logram」となった戦艦「バベンベルク」:「ハプスブルグ級戦艦」2番艦(1902年~就役:同型艦3隻) 

ja.wikipedia.org

 

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(装甲巡洋艦「Boza Logram」の概観:92mm in 1:1250:WTJのモデルデータをベースに、艦尾の砲塔を単装から艦首と同じ連装に換装しています。出力されたままの無垢のモデルです)

「Boza Logram」は表題の通り「ハプスブルク級」前弩級戦艦の三番艦「バベンベルク」を王国海軍がイタリアから買い取ったものです。王国海軍への編入にあたっては、新しい機関への換装で出力が18000馬力まで高められ、速力は22ノットへ向上しました。兵装面では主砲を連装砲塔と単装砲塔の混載から23センチ連装砲塔2基に改めています。副砲以下の兵装はそのまま維持されました。

元々はオーストリア=ハンガリー海軍が建造した最初の前弩級戦艦ですが、アドリア海での運用を想定したために、列強の同時期の戦艦よりもかなり小型の戦艦になっています。

王国海軍は同艦を装甲巡洋艦として就役させました、

 

装甲巡洋艦「Garu Derota」となった海防戦艦「ブダペスト」:「モナルヒ級海防戦艦」3番艦(1898年~就役:同型艦3隻)

ja.wikipedia.org

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(装甲巡洋艦「Garu Derota」の概観:93mm in 1:1250:WTJのモデルデータをベースに、機動性を高めるために上部構造はそのままに、船体の寸法を拡大しています。出力されたままの無垢のモデルです)

「Garu Derota」は王国が地中海艦隊の構成艦として、賠償艦としてイギリスに引き渡された「モナルヒ級」海防戦艦の二番艦「ブダペスト」を英国から購入し、装甲巡洋艦として地中海艦隊に編入したものです。

王国は地中海艦隊の基幹構成艦として、紛争海域への早期の展開を目指して、速力と航洋性を改善するために、機関と船体形状を変更するほどの大きな改造を加えています。この改造は一定の効果を上げたものとみられ、王国地中海艦隊への就役後はコンパクトな艦型と改善された機動性で、かなり使い勝手の良い艦とみなされ、警備行動の必要事象等の有事発生の際には真っ先に現地に派遣されました。

 

装甲巡洋艦「Andor Genesis」となった戦艦「ズリーニ」

:「ラデツキー級戦艦」3番艦(1910年~就役:同型艦3隻)

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(装甲巡洋艦「Andor Gemnesis」の概観:108mm in 1:1250:STAFFABRの1:700スケールの「ラデツキー級」戦艦のモデルデータを1:1250スケールにスケールダウンしたものです。元のモデルは複雑な構造で1:1250スケールでは再現できないので、やや簡素化しています)

「Andor Genesis」は王国が当面の新設地中海艦隊の旗艦として、イタリアから購入した「ラデツキー級」準弩級戦艦の三番艦「ズリーニ」です。同艦はアドリア海を運用海域として機動性を重視し比較的小型な艦艇を装備し続けたオーストリア=ハンガリー海軍が初めて建造した列強並みの大きさと強力な火力を持った準弩級戦艦で、比較的新しい船であったこともあり就役に当たっては地中海艦隊の旗艦設備等の追加以外には大きな改造は行われませんでした。

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(準弩級戦艦「ラデツキー級」をベースとしていますので。就役時には主砲(下段左)に加え中間砲(下段右)を備えています)

就役時には中間砲を備えていましたが、その後、中間砲は対空火器に換装されています。

 

王国海外領の成立と通商路警備艦艇の導入

王国は第一次世界大戦後のヨーロッパ列強の混乱に乗じる形で一気に海外領を獲得した王国は、海軍に海外領の警備・哨戒と本国と海外領を結ぶ通商路の保護・警戒の任を新たに課す事になります。上述のように東地中海の海外領警備については新たに地中海艦隊が創設されましたが、通商路の警戒には、より展開力が期待され、つまり足が早く航洋性に優れた強力な艦が求められる事になるわけです。

こうして王国は英国から2隻の巡洋戦艦を購入しました。

巡洋戦艦「Starreyna」(元英海軍巡洋戦艦「インフレキシブル」:1908年竣工:王国海軍への編入は1922年)

インヴィンシブル級巡洋戦艦 - Wikipedia

インフレキシブル (巡洋戦艦) - Wikipedia

上記のような経緯から、フェアリーランド王国海軍は英国海軍の「インヴィンシブル級」巡洋戦艦の3番艦「インフレキシブル」を購入します。

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(巡洋戦艦「Starreyna」の概観:137mm in 1:1250 by WTJ)

「Starreyana」はほぼ「インフレキシブル」原型のままフェアリーランド海軍に編入され、本国と東地中海を結ぶ航路の護衛・警戒任務に着きましたが、第二次世界大戦直前の1933年から34年にかけて近代化改装が行われ、対空能力のある両用砲が搭載されるなど対空戦闘の能録が強化されています。同時期に機関が換装され、前部上構にあった煙突2本が1本に改められ、前檣上に射撃指揮所がおかれ、電探も装備されました。f:id:fw688i:20261008090202j:image

(第二次世界大戦参戦時の巡洋戦艦「Starreyana」の概観:煙突が2本構成に改められ、対空兵装の増設・強化等が行われています。下地処理をした段階のモデルです。無垢のモデルと比較すると、下地書影をしただけでも締まって見えるもんですね)

 

巡洋戦艦「Frescana」(元英海軍巡洋戦艦「ニュージーランド」:1912年竣工:王国海軍への編入は1922年)

インディファティガブル級巡洋戦艦 - Wikipedia

ニュージーランド (巡洋戦艦) - Wikipedia

上述の「Starreyana」とほぼ同様の経緯で、王国海軍は英国が放出した「インディファティカブル級」巡洋戦艦の2番艦「ニュージーランド」を取得し「Frescana]と命名して就役させました。

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(巡洋戦艦「Frescana」の概観:141mm in 1:1250 by WTJ)

王国海軍に編入された「Frescana」は上述の「Starreyana」同様、本国と東地中海を結ぶ航路の護衛・警戒任務にあたりましたが、第二次世界大戦直前の1933年から34年にかけて近代化改装が行われ、対空能力のある両用砲。さらに近接戦闘用のポンポン砲などが搭載され対空戦闘への対応力が強化されています。前檣上の射撃指揮所が改装され、電探も装備されました。

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(第二次世界大戦参戦時の巡洋戦艦「Frescana」のの概観:141mm in 1:1250 by WTJ:前檣の大型化、対空兵装の増設・強化を施してあります。下地処理をした段階のモデルです)

 

ここまで書いて、次回投稿時までには「Melguid級」「Fontenland級」のモデル出力が終わっているかどうか次第ですが、第一次世界大戦直後の、フェアリーランド王国海外領の成立に伴う同海軍初期の艦艇群のモデル整備のアップデートがどこまでご紹介できるか、その辺りのお話になろうかと思っています。このところモデルデータの製作に時間が取られ、肝心のモデルの仕上げが滞っている傾向が気になっています。少し本稿の投稿間隔を開けてでも、モデルの仕上げに集中したいところではあります。

 

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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フェアリーランド王国海軍 模型整備の拘泥と本格海軍創成期の艦艇整備計画の進捗

今回は前回投稿以降の、フェアリーランド王国海軍の艦艇モデルの整備状況のアップデートです。

・・・と言っても、いくつか問題が顕在化して、あまり捗々しい進捗のご紹介にはなりません。が、ゆっくりとではありますが、進行中。

 

この筆者が最近注力している一連のシリーズは、「砂漠のウサギ」に登場する「フェアリーランド王国海軍」という枠組みがあるのですが、原作は第二次世界大戦の北アフルカ戦線に参戦した王国陸軍の戦車隊の物語であり、海軍に関する記述はほとんどありません。原作者さんのご好意でご自身で「発掘」していただいた作品初期の貴重な背景資料をご提供いただき、これを資読み解くうちに(「眺めるうちに」が正しいですね。どう考えても理解までは至っていない)、資料の狭間を埋めるべく筆者の妄想がひとり歩きしてしまって、ついに前回からは原作背景の資料(原作者さんのメモ的な資料です)で提示された設定を無視して暴走するところまで至っています。

まあ、モデル・コレクターの私的なコレクション、しかも架空の艦艇の話だし、と筆者なりの割り切りで整理しているのですが、原作者さんが、そしてコアのファンの方々がどう思われているのかは・・・。原作者さんからは「自由にやってください」とありがたいお言葉をいただいてはいますが、「オイ、それはやりすぎ」といつかおっしゃるかもしれません。そこまで行くか?

 

というわけで、架空艦船のモデル設計、若干の背景資料あり、というかなり広範な自由を与えられて、しかし悲しいかな想像力が事前に働かず、モデルになってから違和感が生じ気になってしまう、という完成までの工程を行きつ戻りつしている状況が発生してきています。今回は一つはそんなお話です。こちらは今回投稿の後半でご紹介します。

そしてもう一つは、筆者が開始してようやく6ヶ月目に至った3Dモデルのデザインがスキル的にもう一つランクアップしたがっているのに、決定的な基礎知識の欠如から(CADの基礎知識は必要ですね。「そうじゃない」と始めたんですが、今更ながら)、モデル・デザインと実際のプリントアウト工程のギャップを埋められずにいる(つまり、「アイディアは理解できますが、このスケールで、それ、どうやってプリントするんですか」という状況)、そんな「拘泥」にはまりつつ過ごしたこの2週間ほどでした。

今回は艦船のモデル・データ制作のお話が中心で、途中l工程の出力モデのル紹介はあるものの、完成モデルのご紹介はありません。そんな報告で、ご容赦を。

 

モデル・データ製作とモデル出力のギャップ

まずは2番目のスキル欠如によるモデル制作の停滞のお話から。

本稿前回投稿で、王国海軍は王国の海外領の取得から、地中海艦隊を創設した、というお話をしました。

fw688i.hatenablog.com

艦隊の新編成を急いだ王国は、敗戦国のオーストリア=ハンガリー帝国海軍が戦後賠償として戦勝国に供出した艦艇を複数取得し、まずは当面の地中海艦隊の基幹戦力とした、という筆者の妄想をお話ししました。このストーリーに沿って艦船モデルを整備中、という流れだったのですが、下記で一応製作できたと考えていたモデルが、プリントアウト段階でうまくいきません。

装甲巡洋艦「Boza Logram」となった戦艦「バベンベルク」:「ハプスブルグ級戦艦」2番艦(1902年~就役:同型艦3隻) 

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(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦「Bosa Logram」就役時の制作中のモデル:モデルデータのキャプチャー画像です:WTJの「ハプスブルク級」戦艦をベースに、艦尾も連装主砲塔に変更しています:投稿時には出力を依頼中)

 

装甲巡洋艦「Garu Derota」となった海防戦艦「ブダペスト」:「モナルヒ級海防戦艦」3番艦(1898年~就役:同型艦3隻)

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(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦「Garu Derota」就役時の制作中のモデル:モデルデータのキャプチャー画像です:WTJの「モナルヒ級」海防戦艦をベースに、海防戦艦から航洋性を高めた装甲巡洋艦的なフォルムににしたかったので、乾舷を高め、船体を延長、主砲塔を他艦と同じものに換装するなど手を入れています。船体長は88mm、オリジナルの「モナルヒ級」海防戦艦よりも15%ほど長い船体になっています。上部構造物はほぼ元のままです:投稿時には出力を依頼中)

 

装甲巡洋艦「Andor Genesis」となった戦艦「ズリーニ」:「ラデツキー級戦艦」3番艦(1910年~就役:同型艦3隻)

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(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦「Andor Genesis」就役時の制作中のモデル:モデルデータのキャプチャー画像です:STAF FABRの「ラデツキー級」戦艦の1:700スケールのモデルをスケールダウンしたもの。特に手は入れていません。同艦の中間砲の主砲塔を上述の他の2隻の主砲等として流用しています:投稿時には出力を依頼中)

このストーリーに沿って上掲の3隻の艦船モデルを王国地中海艦隊の創設期の基幹戦力として整備中、という流れだったのですが、下記で一応製作できたと考えていたモデルが、プリントアウト段階でうまくいきません。

上掲のモデルはそれぞれ、単装砲塔を連装砲塔に換装したり、航洋性を高めるために乾舷を上昇させたり、艦首・艦尾形状を延長させたり、他のスケールのモデル・データを1:1250スケールにスケールダウンしたりと、オリジナルのモデル・データに手を入れて製作しているのですが、これによってモデル・データの連続性が失われたりしているようなのです。

装甲巡洋艦「Boza Logram」

このモデルでは、艦尾部の主砲塔を連装に変更しています。3隻の中では最も変更に少ないモデルです。結果的には、上掲の「Boza Logram]」は強度不足を警告されながら破損のリスクを承諾の上でプリントアウト工程に進むことを合意を得ています。

装甲巡洋艦「Garu Derota」

「Garu Derota」は上記のモデル・データのキャプチャ画像へのコメントで記載した通り、航洋性を改善するために沿岸部用の艦艇である「海防戦艦」の船体を延長した、という設定で船体と上部構造を一旦切り離し、船体の延長処理をした上で再度統合する、というデザイン過程を経たのですが、この上下のパーツの再統合がうまくいかず(何がうまくいかなかったのかは、未だに筆者には説明できません。何度も途中でデータの欠損修正をおこなったり、追加でデータ生成の演算工程を追加したり、都度、AIに訊いて、言われるがままに・・・。工程自体は全部アプリが行なってくれるのですが)、これを解決するために数度のモデルデータの作り直しを行いました。結果、外観はほぼ以前と同じながら再統合の課題はクリアされましたが、上掲の「Boza Logram」同様、出力時の破損のリスクについては同意を求めらました。

装甲巡洋艦「Andor Genesis」

最も難航したのは「Andor Genesis」で、このモデルは元々母型である「ラデツキー級」戦艦の1:1250スケールのモデル・データが見つかられず、1:700スケールのモデルのデータからのスケールダウンによる製作を行うこととしました。

この1:700スケールのモデル・データは、組み立て用(つまり通常のプラモデルのような部品集)で、参考に組み立てサンプル、というモデルデータが付属していて、これをベースに1:1250スケールへのコンバートを行ったのですが、実はこんなにお手軽にはいきませんでした。小さなパーツが多く、1:1250スケールでは再現できず、つまり上下間の接合点が失われるなどの現象が多発。結局、オリジナルのパーツデータを一つ一つチェックして手動で簡素化を行い、多くのパーツをサンプル・モデルから除去、再統合をこなった後、欠損データ(繋がっていない箇所)のチェックを実施した後、データをプリント工房に送信。すると「まだ、データ統合が確認できない」と差し戻されたり、というようなやり取りを繰り返し行いました。さらに印刷工程で、ブリッジが再現不可、という結果が出たので、ブリッジを別のモデル・データの差し替えてその周辺の形状も再度調整し作成し直す、など、途中で何度か「諦めようか」と思いつつも、なんとかプリント・アウトに進めることができました。

(上の写真は「Andor Genesis」の最終形のきゃあぷチャー画像:上掲の元のデータキャプチャーと比較すると上述の「手動での簡素化」や「ブリッジを別のモデル・データの差し替え」などが想像していただけるかと)

というような次第で、王国の地中海艦隊の創成期の基幹艦艇のモデルは、ようやくプリント・アウト工程に進んでいます。

 

出力モデルへの違和感

さて次は、モデル出力後の違和感による再制作への動き、についてです。

「Melguid級」戦艦 「Fontenland級」戦艦の就役時形態のモデル:出力モデルの違和感と再作成へ

(下図は、就役当時の「Melguid級」戦艦:原作者さんご提供の資料より)

(下図は、就役当時の「Fontenland級」二番艦の「Rimuldarl」:原作者さんご提供の資料より)

本稿の前回投稿で、「Melguid級」戦艦と「Fontenland級」戦艦の両級について就役時(第一次世界大戦直前)のモデル・データを作成し出力依頼中、というお話をしました。

両艦級の出力モデルと違和感

出力された両級のモデルが以下の写真です。

(「Melguid級」戦艦の出力モデル:151mm in 1:1250:砲塔は別パーツとして制作し回転可能です。中間砲(こちらの別パーツとして制作済み)を砲塔形式で後付けする構想です)

(「Fontenland級」戦艦の出力モデル:166mm in 1:1250:砲塔は別パーツとして制作し回転可能です。中間砲(こちらの別パーツとして制作済み)を砲塔形式で後付けする構想です)

筆者としては、籠マストがうまくできるのかどうか、特に3Dモデルの場合、こういうトラス構造は本当にトラスだけでは再現が難しく、ある程度、中身がないと強度が出せません。それがうまく行けるのかどうか、に関心が集中していた感があります。ですので実はこのモデル、初見の注意は園に集中していました。結果、「おお、籠マスト、ちゃんと出来たあ」とひたすら感動でした。これは嬉しかった。

しかし、少し落ち着いてくるとむくむくと違和感が。

「なんか、籠マスト、大きすぎるんじゃないのか?こんなに太くていいんだろうか・・・」

原作者さんから共有していただいたイラスト(上掲)をベースに制作したモデルですので、原型のイラストには近いのですが、実際の籠マストと比較してみると、明らかに「大きすぎる」と。

ということで、実際の比較を。

下の写真は米海軍の「ニューヨーク級」戦艦(1914年から就役)との比較です。筆者の勝手なストーリーでは王国は、お隣の英国とは歴史的な支配、被支配の関係から継続して緊張関係が継続しており、ヨーロッパ全体の視点で見ても、宗教的にもキリスト教の強いヨーロッパでは異端視され孤立傾向が強かったので、親王国傾向が比較的良好で、宗教的にも多様性を受け入れる下地のあったアメリカに主力艦建造を依頼した、ということになっています。

そこで「Melguid級」とほぼ同時期に建造された同じく14インチ主砲搭載の「ニューヨーク級」戦艦との比較をしてみた、という次第です。(下の「ニューヨーク級」戦艦はNavis製モデルです。Navis社製のモデルは筆者のコレクションでは第一次世界大戦前後の期間で最も精度に対する信頼性の高いモデルです)

籠マストが太すぎるのは明らかで、斜め情報からの写真で、わかりにくいのですが、高さも2割ほど今回制作したモデルの方が「ニューヨーク級」戦艦のモデルよりも高くなっていました。

ということで、最初の「できたあ」感が沈静し、再制作への思いが日々強くなってゆきました。この種の違和感は、一旦、頭に浮かぶと如何ともなしがたく、本来なら早速、下地処理に入っているタイミングでも手がついていません。つまり早々に再制作をすることに。

新籠マストモデルの製作へ

再制作に当たっては、都合のいいことに、1:700スケールの籠マストだけのパーツ・モデル・データが販売されていることがわかりました。

スケールダウンのリスクはあるのですが(現時点まで、まだプリントアウトができていないので、このリスクは消えていないのですが)、これをベースに再制作を決定することにしました。

そして「Fonteland級」戦艦の籠マストを含めた上部構造を再製作したモデル・データをキャプチャーしたものが、下の写真です。

さらに下の写真では、今回、出力まで進んだモデル(奥)と、上掲の籠マストを差し替えたモデル(手前)の比較をしています。

やはり差し替えた方が良さそうでしょう?

・・・とここまで書いて、筆者は思おうのです。「どうして、こんなことを、製作前に、せめてプリントアウトに回す前のデータを見ている時点で気づけないんだろか」と。

実は正直にいうと、なんとなく違和感はあった(なくななかった、のほうが正確ですかね)のです。「少し太すぎやしないだろうか、こんなにマストって高かったっけ」と。その時に「ニューヨーク級」のモデルを見てみたか、と言うと、そうはしていないのです。就役時のモデルを原案イラストから再現する、という製作に気持ちがいってしまっていた、というか、砲塔などのパーツを分けて製作することに、筆者の関心は集中していました。

「準備をもっと大事にしよう」・・・まあ、これも「学び」なのかもしれません。

新たな違和感:艦幅、広すぎないか?

・・・と書き進むうちに、実はもう一つ、上掲の制作中の新籠マストモデルのモデル・データで違和感が。

それは「艦の幅が大きすぎないか?」ということ。

早速「ニューヨーク級」戦艦の諸元にあたってみることに。そうすると全長に対し全幅の比率は29%でした。

この数値に基づいて、現在制作中のモデルと比率を29%に設定し調整したモデルを比較したものが下のにカットです。(左が「Melguid級」で右が「Fontenland級」の船体部分の比較です。いずれも右側が現在制作中のモデルで、左が全幅の対全長比を29%に調整したものです。

ということで、今回はプリントアウト前に、合わせて艦幅も調整することにし、再度、モデル・データを再作成することにします。

籠マストをあらためて、併せて感幅も調整した「Fontenland級」戦艦はこんな感じです。舷側の副砲のケースメートも製作してみました。

懸案だった籠マストの大きさ・高さはオリジナルのモデルよりもかなり「小柄」になりました。(下の写真:いずれも左が今回の新籠マストモデルです)

同じ要領で「Meiguid級」戦艦も制作中。(下の写真は投稿時点で船体概観までできましたよ、というカットです:「Melguid級」は副砲の装備数が「Fontenland級」の1.5倍です)

と、ここまでモデル・デザインの再制作を進めた時点で、新たな検討事項が。

中間砲の搭載形式をどうしようか

今回の籠マストモデルでは、王国海軍の超弩級戦艦の特徴の一つである中間砲(20センチ砲)を、主として砲の重量と砲弾の重量から、機械力による回転機構、装弾機構を備えた単装砲塔形式で搭載する予定でした(少し原作者さんの設定とは異なることも覚悟しての設定です)。この単装砲塔は既に別パーツとして準備済みです。しかし艦幅を狭くすると、前檣と後檣の両脇に射界をある程度確保した単装砲塔を搭載するスペースがとれるだろうか、と疑問が湧いてきます。原作設定の通り、回転機構と装弾機構を備えた砲盾つきの砲架形式の方が良くはないだろうか、と考えるわけです、砲塔形式で搭載しても、射角は限定されています。かつ全周装甲の重い砲塔より、明らかに回転機構への負担は軽そうです。何より原作設定に忠実です。

ということで、中間砲の搭載形式も、併せて要検討です。

ここからは密かな呟きですが。こうなってくると、既に製作済みの両戦艦の近代化改装時のモデルも再製作かと。寸法なんていう基礎情報に対する違和感はきっと放置できないので。

f:id:fw688i:20261020063017j:image

(本稿で以前にご紹介した戦艦「Melguid」(上段)と「Fontenland級」戦艦の近代化改装後のモデル:上述の通り艦幅が違うので、いずれは再制作になりそうです。こちらは少し遠い将来に、着手します、多分・・・・)

 

次回投稿は、帰省などの私用で2週後になりそうです。その際には、この続き、地中海艦隊の基幹戦力である装甲巡洋艦群については、うまくいけば出力されたモデルのご紹介ができるかと。さらに、籠マスト戦艦のモデルについては、多分、出力までには至っていないと思うので、モデルデータのご紹介ができればと考えています。並行してこちら前回投稿でご紹介した2隻の英国海軍から購入した通商路警戒用の巡洋戦艦のモデルの仕上げの進捗状況のご紹介などできればと考えています。

ここまで書いて、どうやら第一次世界大戦直後の、フェアリーランド王国の海外領取得に伴う本格海軍創設期の主力艦艇が一揃えできそうな、そんなところに、今年中いは行けそうなそんな気がしてきました。

 

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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フェアリーランド王国海軍:王国地中海艦隊の設立と英国からの購入巡洋戦艦をめぐって

前回投稿で「出力依頼中」とご紹介していたフェアリーランド王国海軍が英国から購入した旧式巡洋戦艦のモデルが予定通り到着しました。

今回はそちらをご紹介、と予定していたのですが、導入系統をまとめ出すと、王国の海外領の取得に的割、実はとその海外領防衛、と本国との通商路警備の二軸が王国海軍のその後の整備目標であったことが明らかになってきました。この為、海外領防衛艦隊である地中海艦隊の創設にも触れることとなり、今回の投稿も地中海艦隊創設と英国巡洋戦艦の購入、の二つのお題で進めてゆきたいと考えています。

 

まず、簡単にフェアリーランド王国の海外領取得の経緯等を。

(以降の一連の記述は、基本的に「砂漠のウサギ」原作者さんから提供していただいた資料から刺激を得て、筆者の「妄想」をまとめたものですので、ご注意を)

第一次世界大戦と王国海外領の獲得

ご承知の通り(?)、フェアリーランド王国は第一次世界大戦には参戦していません。長らく続いた英国支配への抵抗の歴史と、ヨーロッパ圏では稀有な非キリスト教国である、という宗教的な歴史的経緯から、王国は常に異端視され、そのような選択となったのですが、このことで王国はヨーロッパにおける物資供給国(主として農作物など)となり、経済的な繁栄(戦時特需:多分に参戦国との対比での相対的な評価ではありますが)を得ることとなりました。

一方で英国は、第一次世界大戦では戦勝国とはなりましたが、長い戦時体制で疲弊し、大戦後の王国からの戦時借款の償還のために、北アイルランド地方を割譲してへの王国編入を承認(王国側からの視点では返還(奪還?)ではあったのですが)することとなりました。

同様にこの時期に王国は強まった経済力を背景にヨーロッパ諸国に対する働きかけを強化し、東地中海(現キプロス・現レバノン、のちに現シリアも王国の委任統治領の段階を経て、やがて王国領に編入されます)や南東アフリカ(現モザンビーク)などの王国民の海外移民先の王国への正式編入承認を獲得しています(1922年)。

地中海艦隊(テーチス・フリート)の新編と艦艇整備事情

このような経緯で東地中海、南東アフリカへと領域を広げた王国、特に王国海軍にとって、それらの海外諸州警備と本国間の通商路警備のための艦艇整備が喫緊の課題として浮上してきます。

当時の王国海軍は、本稿でご紹介してきた「Melguid級」戦艦2隻と「Fontenland級」戦艦2隻、14インチ主砲装備の米国で設計・建造された超弩級戦艦4隻を中核とした本国水域警備を本務として整備された海軍で、いずれも米国艦隊由来の優れた航洋性は有していましたが、通商路を長躯機動して哨戒警備する、という性格の設計ではありませんでした。(余談ですが、このような経緯を書いてしまうとやはり両級の就役時のモデルが製作したくなってしまいます)

加えて新たに獲得した東地中海領の警備のために、地中海艦隊(テーチス・フリート)を急遽編成することにあります(1923年頃)。

地中海艦隊創設の当面の手当てとして、第一次世界大戦で敗れ瓦解したオーストリア=ハンガリー帝国が敗戦国の戦後賠償として戦勝国に供された同帝国海軍の主力艦(海防戦艦・前弩級戦艦・準弩級戦艦)を何隻か戦勝国から購入しこれに当てました。これらの艦艇はいずれも第一次世界大戦前の建造で、すでにかなりの旧式艦でしたが、アドリア海・地中海での運用を想定して設計されており、東地中海での当面の運用にはかなり適性が高胃という評価を得ていました。併せてオーストリア=ハンガリー帝国海軍そのものが解体されていますので、職を失った同海軍の軍人をまとめて雇用することもありました。

これらの艦は第二次世界大戦参戦時までに対空火器等の近代化改装をして大戦中の海域警備に使用されています。

(第二次世界大戦参戦当時の王国地中海艦隊の主力艦群:装甲巡洋艦「Boza Logram」旧オーストリア=ハンガリー帝国海軍(A=H海軍)の「ハプスブルグ級」戦艦 「Garu Derota」:旧A=H海軍の「モナルヒ級」海防戦艦 「Andor Genesis」:旧A=H海軍の「ラデツキー級」戦艦 いずれも明確な記載された資料はなく、筆者の妄想的な解釈です)

以下、筆者妄想に基づき、上掲の各級をご紹介しておきます(基本的には過去投稿の再録です)。史実と上掲の記述の間には排水量や搭載兵装等のスペック(これらは兵装の近代化や機関の換装等で、いくらでも説明がつくのですが)、特に艦のサイズで結構大きな差異がありますが、そこは一応、オーストリア=ハンガリー帝国海軍の軍艦を購入した、というストーリーを優先させていただくこととします。理由は・・・、筆者が同海軍の軍艦に思い入れがあるから、です。原作者さん、並びにファンの方、このブログは模型のブログだというご理解で、何卒ご容赦願います。

装甲巡洋艦「Boza Logram」となった戦艦「バベンベルク」:「ハプスブルグ級戦艦」2番艦(1902年~就役:同型艦3隻) 

ja.wikipedia.org

(1902-, 8232t, 19knot, 9.4in *2+1, 3 ships)f:id:fw688i:20220116133817p:image

(「ハプスブルグ」級戦艦の概観:84mm in 1:1250 by Navis)

同級は20世紀に入ってA=H帝国海軍が初めて就役させた戦艦です。前級「モナルヒ」級海防戦艦と同様、島嶼地域と狭水道の多いアドリア海での行動に適した列強の同時期の戦艦に比べるとやや小ぶりな艦型でした。「モナルヒ」級に比べると航洋性を重視した艦型を有していました。8500トン級の船体に新型のクルップ社製の24センチ主砲を艦首部に連装砲塔で、艦尾部に単装砲塔で搭載していました。同時期の戦艦(いわゆる「前弩級戦艦」)としては高速の19.5ノットを超える速力を発揮することができました。

f:id:fw688i:20220116133829p:image

(直上の写真は同級の特徴である主砲塔の配置。艦首部に連装砲塔、艦尾部に単装砲塔で配置しています)

「ハプスブルグ」「バベンベルグ」「アルパード」の3隻が建造されました。(いずれもオーストリアとハンガリーの名門家の名前を冠しています)

第一次世界大戦期には3隻で戦隊を構成していましたが、海軍の主力艦は既に砲力・速力で格段に強化された「弩級戦艦・超弩級戦艦」の時代に入っており、旧式(前弩級戦艦)の同級の活躍の場は多くはありませんでした。

大戦前期には、当時同盟国であったトルコ海軍の強化のためにドイツ帝国からトルコ海軍に編入されることになったドイツ弩級巡洋戦艦「ゲーベン」の回航作戦の支援や、イタリア沿岸への砲撃作戦等に参加しました。大戦後半は既に旧式であったことに加え、A=H帝国海軍の基本戦略であった「現存艦隊主義」に則り港湾で保全され、乗員を潜水艦や航空機に転属させられ港湾警備や練習艦任務についていました。

大戦終結後は英国への賠償艦となり、1921年に解体されています。

(追加の記述:ここからは史実ではなく筆者版の追記です)

王国海軍は英国への賠償艦となった同級のうちの一隻(2番艦「バベンベルク」)を解体前にイタリアから購入しています。

その際に新しい機関への換装で出力が18000馬力まで高められ、速力は22ノットへ都向上しました。兵装面では主砲を連装砲塔と単装砲塔の混載から23センチ連装砲塔2基に改めています。副砲以下の兵装はそのまま維持されましたが、1935年ごろから大規模な近代化改装が行われ、副砲等の兵装を廃止して対空戦闘を重視した両用砲装備とされました。

これらの改装等により、排水量は最終改装時点では9600トンとなっています。

(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦「Bosa Logram」就役時の制作中のモデル:モデルデータのキャプチャー画像です:WTJの「ハプスブルク級」戦艦をベースに、艦尾も連装主砲塔に変更しています:投稿時には出力を依頼中)

 

装甲巡洋艦「Garu Derota」となった海防戦艦「ブダペスト」:「モナルヒ級海防戦艦」3番艦(1898年~就役:同型艦3隻)

ja.wikipedia.org

(1898-, 5878t, 15.5knot, 9in *2*2, 3 ships)

f:id:fw688i:20220116133937p:image
(「モナルヒ」級海防戦艦の概観:76mm in 1:1250 by Navis: 大洋での活動を意識せず長い航続距離を必要としないから(?)、比較的重武装でコンパクトな艦型をしています)

同級はアドリア海の沿岸警備を主目的として設計された艦級です。島嶼地域の狭い水路でも取り回しの良さそうな5500トン級の船体を持ち、船体の大きさの割には強力な24センチ連装砲塔2基を主砲として搭載しています。同海軍で主砲を砲塔形式で搭載したのは同艦級が最初でした。他には15センチ単装砲を6基、副砲として搭載していました。同時期の戦艦としては高速の17.5ノットを発揮することができました。2隻が建造され「モナルヒ」「ブタペスト」「ウィーン」と命名されました。(「モナルヒ」は君主を意味し、その他はオーストリアとハンガリーの首都名を冠されています)

第一次世界大戦では同級の「ウィーン」が1917年トリエステ沖でイタリア海運の魚雷艇により撃沈されています。他の二艦は大戦後、賠償艦として英国に引き渡され解体されました。

(追加の記述:ここからは史実ではなく筆者版の追記です)

前述の「Boza Loglam」の英国からの購入に先駆けて、王国海軍は英国への賠償艦となった同級のうちの一隻(「ブダペスト」)を解体前に現地で購入しています。

購入後、就役に当たって、海防戦艦的な性格の同艦を、東地中海での哨戒・警備任務への適性を高めるために、航洋性、速力等の改善が図られ、艦首形状の変更、艦尾の延長や乾舷を高めるなどの艦型の見直し、機関換装を含めた艦容を一変するような大規模な改装が行われました。改装工事は範囲が広く長期に渡ったため、王国海軍への就役は「Boza Logram」の後になりました。

兵装面では主砲を「Boza Loglam」と同じ23センチ連装砲塔2基としています(本来は主砲口径の決定はこちらの方が先だったのですが)。就役後はコンパクトな艦型と改善された機動性で、かなり使い勝手の良い艦とみなされ、警備行動の必要事象等の有事発生の際には真っ先に現地に派遣されました。

同艦も1933年ごろから近代化改装が行われ、副砲等の兵装を廃止して対空戦闘を重視した両用砲装備とされました。最終改装時の排水量は9000トンと大幅に増加しています。

(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦「Garu Derota」就役時の制作中のモデル:モデルデータのキャプチャー画像です:WTJの「モナルヒ級」海防戦艦をベースに、海防戦艦から航洋性を高めた装甲巡洋艦的なフォルムににしたかったので、乾舷を高め、船体を延長、主砲塔を他艦と同じものに換装するなど手を入れています。船体長は88mm、オリジナルの「モナルヒ級」海防戦艦よりも15%ほど長い船体になっています。上部構造物はほぼ元のままです:投稿時には出力を依頼中)

 

装甲巡洋艦「Andor Genesis」となった戦艦「ズリーニ」:「ラデツキー級戦艦」3番艦(1910年~就役:同型艦3隻)

ja.wikipedia.org

 (1910-, 14508t, 20.5knot, 12in *2*2 & 9.4in *2*4, 3 ships)

f:id:fw688i:20220116133929p:image

(「ラデツキー」級戦艦の概観:109mm in 1:1250 by Navis)

A=H帝国海軍はアドリア海をその主要な行動範囲と想定するために、同海軍の戦艦は、高速を有する反面、他の列強の同時期の戦艦に比較して艦型が小さく、口径の小さな主砲を有しており、やや非力さを感じさせることは否めませんでした

本級は、それを一新し、諸列強の主力艦と遜色のない15,000トン級の船体に、30.5センチ砲を主砲とし、さらにそれまでの同海軍の標準的な戦艦の主砲であった24センチ砲を中間砲として連装砲塔4基の形式で搭載し砲力を格段に強化した強化型近代戦艦(準弩級戦艦)となっています。さらに速力は、従来の優速を保持する20.5ノットを発揮することができ、実に有力な艦級でした。

f:id:fw688i:20220116133826p:image

(同級に搭載された主砲(30.5センチ)と中間砲(24センチ)の配置。更に舷側には副砲がケースメート形式で搭載されています)

しかし同級の完成時には、「弩級戦艦、超弩級戦艦の時代」が始まっており、同級は完成後間もなく、旧式戦艦の部類に類別されることになってしまいます。

「ラデツキー」「ズリーニ」「エルツヘルツォーク・フランツ・フェルディナンド」の3隻が建造されました。(艦名はいずれも帝国の名家の名前が冠されています)

第一次世界大戦時には、同級は艦隊主力としてモンテネグロ、イタリア沿岸部の砲撃作戦等に従事していましたが、同海軍のとった「現存艦隊主義」の方針から温存策が図られ、海戦等の海上戦力本来の戦闘参加の機会はほとんどありませんでした。

大戦の終結後は紆余曲折の経緯を経てイタリアに賠償艦として引き渡され、1921年に「ラデツキー」以外の2隻が、そして1926年には「ラデツキー」が解体されました。

(追加の記述:ここからは史実ではなく筆者版の追記です)

王国海軍は最終的にイタリアへの賠償艦となった同級のうちの一隻(「ズリーニ」)を解体前に現地で購入しています。

同艦は購入艦の中では最も艦齢が若く、損傷もないことから大きな改装は加えられませんでした(中間砲の口径は他の装甲巡洋艦と併せて23センチに改められましたが)。就役後は王国の地中海艦隊で最大の艦で、強力な火力と共に王国の海上勢力の顔とみなされ、1920年台前半、艦隊発足時には旗艦を務めました。その後、本国から1928年に「Melguid」級戦艦2隻が地中海艦隊に編入されると艦隊旗艦は「Dom Doara」に引き継がれましたが、「Melguid」級戦艦2隻はその後(1932年)、時奥の海軍戦力を大きく凌駕する火力を有する両艦の存在を不快としたギリシア(原作コミックでは「オリュンポス」)の破壊工作で大破着底してしまい、再び艦隊旗艦の任に就いています。この旗艦任務は大破着底した「Melguid」の再就役まで4年ほど続きました(それまでの旗艦「Dom Doara」は損傷が大きく、揚収後は空母に改造されました)。

旗艦の任から解かれた1937年ごろに大規模な近代化改装を行い、その際、中間砲を廃止して対空戦闘を重視した両用砲に換装しています。近代化改装終了後、「Melguid」が第二次近代化改装に入ったため、、三度、地中海艦隊旗艦を務めています。この旗艦任務は本国から地中海艦隊に回航されてきた戦艦「Rimuldarl」にひきつがれ短期間で終了しますが、以降、電探装備を追加するなどの小改装を経て、第二次世界大戦の終了時に退役するまで、「Ando Genesis」は第一線にあり続けました。

(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦「Andor Genesis」就役時の制作中のモデル:モデルデータのキャプチャー画像です:STAF FABRの「ラデツキー級」戦艦の1:700スケールのモデルをスケールダウンしたもの。特に手は入れていません。同艦の中間砲の主砲塔を上述の他の2隻の主砲等として流用しています:投稿時には出力を依頼中)

地中海艦隊創設時の主力艦艇一覧

(フェアリーランド海軍地中海艦隊創設時の装甲巡洋艦群の一覧:奥から「Andor Genesis」「Boza Logram」「Garu Derota」の順)

モデル製作の方針としては、まずは就役時(艦隊創設時?)のモデルを作成し、その後、第二次世界大戦期の近代化改装時のモデルが製作できそうかどうか、検討してみようと考えています。

原作とのサイズの差異

上述の通り筆者の独断(=単にオーストリア=ハンガリー帝国海軍が好き)で、王国が海外領の獲得で急遽編成する必要が発生した地中海艦隊創設時の艦艇を、手っ取り早く第一次世界大戦の敗戦で瓦解したオーストリア=ハンガリー帝国海軍の戦後賠償艦の購入で賄った、なんて無理筋の話をでっち上げたものだから、制作中のモデルと原作で示された艦のサイズ(特に水線長)には大きな差異が生じています。以下のその際の整理を示しておきます。

「Boza Logram」:原作で示されたサイズは140mですが、モデルは「ハプスブルグ級」戦艦のものをベースとしていますので、115m想定です。

「Garu Derota」:原作で示されたサイズは136mですが、モデルは「モナルヒ級」海防戦艦(全長99m)を速力向上と航洋性の改善を目指し船体延長したという設定ですので110m想定です。

「Andor Genesis」:原作で示されたサイズは138.3mですが、モデルは「ラデツキー級」戦艦を用いていますので137.5m想定です。

上記のうち「Ando Genesis」は12インチ(30センチ)主砲搭載、かつ中間砲まで搭載した準弩級戦艦です。このサイズが是(原作スペックとほぼ合致している)とするなら、他の2隻は23センチ主砲搭載の小型戦艦・海防戦艦ですので、排水量とも併せて考慮すると、やや原作で設定されているサイズ(全長)はやや大きすぎるような気がしています。

 

・・・・などなどと、手元にある資料を読み繋ぐうちに、興が乗ってしまい、つい「地中海艦隊小史」的な脱線、さらには結局モデル作成まで、長々と続けてしまいました(「よくあること」、よくご存知で、仰る通りです・・・)。

 

さてここからが今回の本題です。

英海軍巡洋戦艦の取得

既述のように、第一次世界大戦の大戦特需による経済的な成長を背景に、一気に海外領を獲得した王国は、海軍に海外領の警備・哨戒と本国と海外領を結ぶ通商路の保護・警戒の任を新たに課す事になります。上述のように東地中海の海外領には新たに地中海艦隊が創設されましたが、通商路の警戒には、より展開力が期待され、つまり足が早く航洋性に優れた強力な艦が求められる事になるわけです。

折から、英国は戦勝国とはなったものの、戦時下での産業の荒廃し、戦時公債の償還等を消化しつつ、経済の復興等に向けて始動せねばならず、まずはその手始めとして膨れ上がった軍備の整理は急務でした。

海軍装備はその最たるもので、大戦下ですら既に活動の場を失っていた旧式艦から退役が進められ、あるいは戦時負債の償還原資として、新鋭艦以外は他国への売却の機会が検討され始めます。

上述のフェアリーランド王国海軍の航洋性と機動性に優れた有力艦調達の希望と、上記の英国の事情が合致し、2隻の巡洋戦艦が王国に売却されました。

巡洋戦艦「Starreyna」(元英海軍巡洋戦艦「インフレキシブル」:1908年竣工:王国海軍への編入は1922年)

インヴィンシブル級巡洋戦艦 - Wikipedia

インフレキシブル (巡洋戦艦) - Wikipedia

上記のような経緯から、フェアリーランド王国海軍は英国海軍の「インヴィンシブル級」巡洋戦艦の3番艦「インフレキシブル」を購入します。

「インヴィンシブル級」巡洋戦艦は列強の主力艦開発史において革命的な存在となった戦艦「ドレッドノート」と同時期に開発された艦級で、戦史を併せて考慮すると、「ドレッドノート」以上にその後の主力艦開発に大きな影響を与えたとも言える艦級です。

その証左は、第一次世界大戦の英独両海軍間で戦われた主要な海戦で、実際に砲火を交えたのは英独の巡洋戦艦とその後継である高速戦艦のみで、両国、あるいは諸列強海軍が整備に努めた弩級戦艦・超弩級戦艦は戦場ではひたすら艦隊運動を行うのみであった、というのが実情だった、という点に明らかになっていると言えます。

つまり、機動性の劣る艦隊は、その砲力を海戦で発揮することすらできない、という事なのです。

「インビンシブル級」巡洋戦艦は、新たに成立した「巡洋戦艦」というジャンルの草分けで、通商路や海外領に異変が生じた際に駆けつけて対処するという性格の巡洋艦に「戦艦並みの砲力を保有」させれば、同様の有事に駆けつける敵性の巡洋艦を撃破し優位を確保できる、という狙いで設計された艦種でした。

この為、戦艦と同じ12インチ主砲を連装砲塔4基8門搭載し、巡洋艦並みの25ノットを発揮する高出力の機関を搭載していました。

同級の出現は種列強が整備していた装甲巡洋艦を火力の差で圧倒し過去にの存在に押しやってしまい、一方でその高速性で強力な火力を持つ弩級戦艦・超弩級戦艦には追随を許さず、従って戦場で放火を交わすのは両軍の巡洋戦艦のみ、という状況が現出されました。

しかし同じ巡洋戦艦ながら英独両海軍の巡洋戦艦設計の経緯は異なり、多くの海外領を持つ英国の巡洋戦艦があくまで通商路を哨戒する機動性に富んだ巡洋艦の火力強化型であったのに対し、独帝国の巡洋戦艦は、高い防御能力を持った戦艦に高速性を付与したものであったため、両軍の巡洋戦艦同士の砲戦は一方的な結果となりました。

英国は第一次世界大戦中に戦闘に投入した巡洋戦艦は12インチ砲装備の弩級巡洋戦艦が2艦級6隻、13.5インチ主砲装備の超弩級巡洋戦艦は2艦級4隻の合計10隻でしたが、うち3隻がドイツ帝国の巡洋戦艦との砲戦でいずれもドイツ艦のほぼ一撃で失われています。一方、ドイツ帝国が大戦に投入した巡洋戦艦は全て11インチあるいは12インチ主砲搭載の弩級巡洋戦艦で4艦級7隻でしたが、うち1隻が複数の巨弾を被弾したのちに失われました。

上述の通り英国式の巡洋戦艦は装甲巡洋艦の発展形で、その軽防御が弱点として露呈した結果でした。

「インビンシブル級」巡洋戦艦は3隻が建造され、ネームシップの「インビンシブル」はユトランド沖海戦で失われ、残る大戦を生き延びた2隻のうち3番艦「インフレキシブル」をフェアリーランド王国海軍が取得したのでした。

(巡洋戦艦「Starreyana」の王国海軍への編入時の概観:138mm in 1:1250 by WTJ:モデルデータのキャプチャーです。モデルは現在、出力依頼中です)

「Starreyana」はほぼ「インフレキシブル」原型のままフェアリーランド海軍に編入され、本国と東地中海を結ぶ航路の護衛・警戒任務に着きましたが、第二次世界大戦直前の1933年から34年にかけて近代化改装が行われ、対空能力のある両用砲が搭載されるなど対空戦闘の能録が強化されています。同時期に機関が換装され、前部上構にあった煙突2本が1本に改められ、前檣上に射撃指揮所がおかれ、電探も装備されました。

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(上のカットは、近代化改装後の巡洋戦艦「Starreyana」の概観:両用砲が搭載され対空装備が充実、前檣上の指揮所が大型化しています。モデルは下地処理をした段階のモデルです。下のカットでは、「Starreyana」の王国海軍編入後の改装の目玉を示したものです:上段がオリジナルモデル/下段が近代化改装後:前檣上の指揮所が大型化して居ます。前部上構造物に組み込まれた煙突が2本から1本に。対空戦闘力向上を目指し両用砲が追加されています。仕上げ段階で、できれば電探のアンテナ等を追加したいと思っています)

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近代化改装後も機動性を活かした通商路警備に従事しましたが、大戦末期には老朽化が否めず、砲術訓練や基礎訓練の宿泊艦となり、戦後退役しています。

 

巡洋戦艦「Frescana」(元英海軍巡洋戦艦「ニュージーランド」:1912年竣工:王国海軍への編入は1922年)

インディファティガブル級巡洋戦艦 - Wikipedia

ニュージーランド (巡洋戦艦) - Wikipedia

上述の「Starreyana」とほぼ同様の経緯で、王国海軍は英国が放出した「インディファティカブル級」巡洋戦艦の2番艦「ニュージーランド」を取得しました。

「インディファティカブル級」巡洋戦艦は英海軍が建造した2番目の巡洋戦艦で、主要な搭載兵装、設計の目的・同級への期待、運用については、「インビンシブル級」に準じています。主砲塔の配置を改善し射界をより広くとるなど、「インビンシブル級」の改良型と位置付けられます。

同級は3隻が建造され、ネームシップ「インンディファティカブル」は1916年のユトランド沖海戦でドイツ帝国巡洋戦艦船体との砲撃戦で命中弾を受け火薬庫の誘爆で爆沈しています。

同級の建造時、英国本国では計画した3隻のうち1隻しか予算が取れず、英連邦のオーストラリア、ニュージランド両政府の基金供出によって建造されたため、2番艦は「ニュージーランド」、3番艦は「オーストラリア」と命名されました。これらの両艦は大戦を生き延び、2番艦「ニュージーランド」は戦時負債の償還原資として王国に売却され巡洋戦艦「Frescana」と命名され王国艦隊に編入されました。3番艦「オーストラリア」は戦後、オーストラリア海軍に移り、その旗艦となりましたが、後の軍縮会議で破棄対象となり海没処分とされました。

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(巡洋戦艦「Frescana」の王国海軍への編入時の概観:141mm in 1:1250 by WTJ:下地処理をした段階のモデルです)

王国海軍に編入された「Frescana」は上述の「Starreyana」同様、本国と東地中海を結ぶ航路の護衛・警戒任務にあたりましたが、第二次世界大戦直前の1933年から34年にかけて近代化改装が行われ、対空能力のある両用砲。さらに近接戦闘用のポンポン砲などが搭載され対空戦闘への対応力が強化されています。前檣上の射撃指揮所が改装され、電探も装備されました。

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(近代化改装後の巡洋戦艦「Frescana」の概観:両用砲・ポンポン砲などの対空装備が充実し、前檣上の指揮所が大型化しています。モデルは下地処理をした段階のモデルです:下のカットでは、近代化改装でのポイントを。上段写真では大型指揮所が追加された前哨と複雑化した艦橋:下段写真では、対空戦闘力重視により、砲塔上に追加装備されたポンポン砲と両用砲を。仕上げ段階で、できれば電探のアンテナ等を追加したいと思っています)

f:id:fw688i:20261008090724j:image

近代化改装後、従来通り通商路警備にあたりましたが、大戦末期には前述の「Starreyana」同様、老朽化が否めず、砲撃練習艦任務等についた後、大戦後すぐに退役しています。

 

ということで、今回はこの辺りで。

現在、原作者さんからの提供資料に基づき、フェアリーランド王国海軍の主力艦「Melguid級」戦艦、「Fontenland級」戦艦の就役時(第一次世界大戦勃発時前後:弩級戦艦・超弩級戦艦の建造で世界が騒がしかった頃、ですね)のモデルを出力依頼中です。

(下図は、就役当時の「Melguid級」戦艦:原作者さんご提供の資料より)

(下図は、就役当時の「Fontenland級」二番艦の「Rimuldarl」:原作者さんご提供の資料より)

これらのモデル作成にあたっては、筆者としては従来からの画像からの一括出力のモデルではなく、いろいろなモデルデータから使えそうなものを収集してまとめる、という方法に挑戦しています。この方法がうまくいけばかなり応用が効くように思っています。

次回はこの最初の成果をご紹介しようかと考えています(「失敗でした」、というご報告になるかも。でも、まあ、新たな一歩、ということでご容赦いただければ、と)。

もう一つ、「Melguid」は結局、「Fontenland」にあわせて作者さん提供の上掲のイラストは傍に置いて、籠マストでのモデルを作成しています。米国由来、というのを強調してみた、そんなところでしょうか。こちらもどんな仕上げになっているか。

ということで、当面は「フェアリーランド王国海軍」に関するお題が続きそうです。

 

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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フェアリーランド王国海軍 戦艦「Fontenland」の制作

今回は前回投稿でご紹介したフェアリーランド王国海軍の戦艦「Fontenland」の自作モデルのご紹介をごく簡単に。

 

フェアリーランド王国海軍「Fontenland級」戦艦(1915年就役:同型艦2隻 モデルは第二次世界大戦期:1941年の大改装後の概観)

 

「Fontenland級」戦艦はフェアリーランド王国海軍が「Melguid級」(同型艦2隻)に続き、建造した二番目の超弩級戦艦の艦級です。「Fontenland」と「Rimuldarl」の2隻が建造されました。

就役時の姿

就役時には29900トンの船体に40000馬力を発揮する蒸気タービンを機関として搭載し、23ノットの速力を発揮する設計でした。

(下図は、就役当時の「Fontenland級」二番艦の「Rimuldarl」:原作者さんご提供の資料より)

「Melguid級」の火力強化版と言っていい設計で、14インチクラス(356mm)の主砲を、前級の42口径から、より長砲身の45口径に改め散布界を改善し射程を伸ばすことを狙っています。同砲を前級の連装砲塔5基搭載から、連装砲塔6基搭載に強化し、火力を格段に強化していました。

主砲以外の兵装をみると、前級『Melguid級」を踏襲して同時期の超弩級戦艦としては異色とも言える中間砲を搭載していることが大きな特徴として挙げられます。この中間砲として選ばれたのは当時の装甲巡洋艦の主砲級の20センチ単装速射砲で、装弾・装填と砲塔の回転は機力で行う単装砲塔形式での搭載でした。砲塔形式であったことから、砲撃指揮所から主砲と共に一元指揮を狙ったものだと思われます。(二番艦「Rimuldarl」は一番艦「Fontenkand」が就役後に中間砲の砲塔の装甲重量の課題が明らかになったことへの反省から、建造途中から独立の砲塔形式から、上部構造物に組み込まれたケースメート形態の半砲塔に改められています)。副砲には5インチ(127mm)速射砲が選ばれ、舷側のケースメートに各舷6基が搭載されました。

基本設計と建造は、当時、王国を宗教的に非キリスト教国として異端視する国が多かったヨーロッパ列強ではなく、フェアリーランド系移民が多く、王国に対し親近感が強く、また文化的に寛容だったアメリカに委ねられ、その設計の特徴は主砲・副砲の口径、籠マストの導入などに見ることができます(この辺りは原作者さんの図面を拝見した筆者の妄想ですのでご注意を)。

同級は就役後から一貫して本国艦隊に所属し、長く海軍の「顔」として国民に親しまれました。王国は第一次世界大戦には参戦しませんでしたので、第一次大戦での戦歴はありませんが、英国に対して実施されたドイツ帝国による潜水艦戦や通商破壊戦などの戦禍から、領海を防護すべく哨戒警備に従事していました。

近代化大改装(1940−41年)

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(フェアリーランド王国海軍の「Fontenland級」戦艦(近代化改装後)の概観:166mm in 1:1250)

第二次世界大戦直前に、より対空戦闘を重視した近代化改装を受け、艦容が一変しています。上部構造は前檣が塔形式の構造物に改められ、装甲強化やバルジの装着などにより、排水量は33000トンに増加しています。一方で機関は同じ蒸気タービンながら、新型に仮装され、出力向上により速力が24ノットに高められました。

兵装面では、中間砲・副砲が全廃され、新たに開発された5インチ連装両用砲に換装されました。これはいち早く駆逐艦への両用砲の搭載等に踏み切った米海軍の先見性による影響が大きいと思われます。

第二次世界大戦中は依然として王国海軍の顔として本国艦隊に留まり、周辺海域の警備や、船団の護衛業務に従事しました。

今回製作のモデルはこの時期を表したものです。

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(「Fontenland級」戦艦(近代化改装時)の主要兵装:上段写真)艦首の45口径 356mm連装主砲塔2基と艦橋脇の127mm両用砲塔が少しだけ見えています:中段写真:このカットは右舷側からですので、右から順に)艦橋脇の連装両用砲2基、煙突脇のポンポン砲、中央群の連装主砲塔2基:下段写真;こちらのカットは左から順に)後檣脇のポンポン砲と連装両用砲、後部の連装主砲塔2基)

参考:前級にあたる戦艦「Melguid」と「Fontenland級」戦艦とのツーショット

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(フェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」(近代化改装後)の概観:149mm in 1:1250)

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(「Fontenland級」(奥)と「Melguid」:いずれも第二次世界大戦参戦時:近代化改装後の姿です:同じ設計系譜にある、ということが感じていただけるショットになっていると嬉しいのですが)

 

「Fontenland」就役時モデル制作の始動

上掲の「Rimuldarl」の図面に基づいて、「Fontenland級」戦艦の就役時のモデル制作計画を始動しています。

(再掲:下図は、就役当時の「Fontenland級」二番艦の「Rimuldarl」:原作者さんご提供の資料より)

既にモデルの原型データは以下のようにかなり完成に近づいています。

(上の写真は「Fontenland級」戦艦就役時の製作中のモデルデータをキャプチャしたもの:右下は別パーツとして準備中の14インチ連装砲塔と20センチ単装砲塔)

現在、手をつけているモデルでは、いくつか新たなチャレンジがあります。上掲の図でも明らかなように、砲塔類を別パーツとして作成していることです。この別パーツ作成は今回のモデルでも、両用砲やポンポン砲などの小さなパーツでは行なっていますが、これまでは原則として大枠の外観はモデルのものを生かすこと、でした。

しかし、これはこれまで何度も本稿でもお話ししているように、3Dモデルを仕切っているAIと細部の修正希望を伝達する機能がなく、限界があることを痛感してきました。

今回のチャレンジがうまくいけば、あるいは、うまくいかせる方法を見出すことができれば、かなりモデル製作で挑める範囲が増えてくると考えています。

あと検討すべきはこのモデルの大きな特徴である籠マストが、どこまで1:1250スケールで、つまり小さまモデルで出力できるか、というあたりです。トラス構造もあまりうまくいったためしがないのに、籠マストのような複雑な構造が再現可能がどうか。大いに「?」ですね。

既成のモデルデータは、より大きなスケールであれば、市販されているようですので(下の写真)、スケールダウンも含め検討してみたいと思っています。

 

「Melguid級」戦艦の就役時モデルの制作計画

ほぼ同じ方法で下図の「Melguid級」戦艦の就役時のモデルも製作できるかと考えています。

(下図は、就役当時の「Melguid級」戦艦:原作者さんご提供の資料より)

(「Melguid級戦艦の就役時のモデルについては、ここまではモデル化はできているのですが・・・:製作アプリ上の画像キャプチャです)

「妄想」ついでに考えると、超弩級戦艦の設計・建造を米国に委ねた、としたら(筆者が勝手に妄想した話なんですが)、この船も籠マストでもいいかも、と思います。この方向でモデルを作ってみても面白いかもしれません。両方データを作ってみて検討、ですかね。

 

その他のアップデート

「もがみ級」多機能護衛艦のモデル勢揃い

「もがみ級」多機能護衛艦のモデルは12隻分、出力されてきました。下地塗装まで終わっていますが、ヘリ甲板に何故か段差が出てきてしまっているので、この修正と、主砲砲身とアンテナの追加等を進めているところです。

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(「もがみ級」多機能護衛艦12隻の出力済みモデル:なかなか壮観です。現時点では下地処理をしただけの状態で、こののち、ヘリ甲板の段差修正、主砲方針の取り付け、艦橋上のユニコーンの小アンテナの設置などの作業ののち、塗装して仕上げる予定です:これだけ数があると、結構時間がかかりそうです:コレクターとしての性癖を考えると、ここで安心してしまうので要注意<<<これは戒めとしてのメモです)

「Romancia級」巡洋戦艦のモデルは出力されてはきましたが・・・

フェアリーランド王国海軍の「Romancia級」巡洋戦艦のモデルが手元に届いたのですが、満足のいく出来のものにはならなかったので、多分、再びこのまま「ボツ」、製作には進みません。もう一度、モデルデータの作成に戻ってやり直しです。

(「Romencia級」巡洋戦艦の自作モデルのキャプチャー画像)

上記のキャプチャ画像を見る限りでは、かなり「いいもの」が出ていくると思ったのですが、ちょっとスマートすぎて、「フェアリーランド海軍最強」の戦闘艦と言うには、物たりないかも。そう少し時間をかけてみたいと思います。

 

ということで、今回はこの辺りで。

次回は上掲の就役時の「Fontenland級」戦艦のモデル製作の進捗、「Melguid級」就役時のモデルデータの作成のお話、前回投稿で触れた、多分、出力が終わって手元に届くであろうフェアリーランド王国海軍の2隻の巡洋戦艦(英国の旧式巡洋戦艦を第一次世界大戦の戦費償還の一部として取得した2隻)「Frescana」と「Starreyna」のモデルご紹介、この辺りを考えています。

(上段は巡洋戦艦「Frascana」となった英巡洋戦艦「インディファディカブル級」;下段は「Starryna」となった「インヴィンシブル級」:いずれもWTJの販売データをキャプチャーしたもの)

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

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フェアリーランド海軍戦艦「Melguid」のモデル誤謬の修正 海上自衛隊の次世代哨戒艦「さくら級」の制作

今回は本稿の前回投稿でご紹介したフェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」で発見した誤謬の修正と、同海軍の他の主力艦モデルの整備状況のご紹介、あわせてこちらも前回投稿でご紹介した海上自衛隊の次世代哨戒艦「さくら級」のモデル整備状況のご報告、です。

 

戦艦「Melguid」の自作モデルの誤謬について

前回投稿後(なんとも横着なことに、「事後報告」なのです)、「砂漠のウサギ」の原作者うるぶさんに投稿のご報告をしました。

そのやり取りの中で筆者の投稿内の20cm単装砲に関する疑問についてコメントをいただきました。ご自身でも「あの20cm砲は謎」とおっしゃっていて、「投稿当時に何かを参考にしたのだが、なんだっけ」と言うことでした。続けて「20cm砲の下段に使っていないケースメート跡があるので、恐らくそこにも備砲があったけどそれは廃止してイラストの形に改装しているものと思われます」とのこと。

「やっぱり中間砲だったんだ」と納得しながらも、「あれ、そうすると、20cm砲は設置階層が一つ上じゃない?」

慌ててイラストを確認すると、確かに20cm砲はケースメート跡の一段上に描かれています。

と言う次第で、早速モデルを修正しました。(前回投稿分も下記に差し替えておきます)

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(フェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」(近代化改装後)の概観:149mm in 1:1250)

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(戦艦「Melguid」(近代化改装後)の主要兵装の配置:艦首から順に、42口径356mm主砲連装砲塔が背負い式に配置され、2番砲塔上にはポンポン砲、上甲板上のケースメート(?)には20センチ副砲が両舷各2門、設置されています(上段):前檣横には10センチ連装高角砲の砲塔が各舷2基、1番・2番煙突横にポンポン砲が各舷各1基(中段):後檣脇の上部構造物内(?)には20センチ副砲が両舷に各3門、艦尾には背負い式に配置された連装主砲塔2基と3番主砲登場にポンポン砲1基が搭載されています)

中間砲であると言う確認は取れましたが、まだ重い20cm砲弾の装填・装弾をどのようにクリアしていたのか、射撃管制はどのように行われたのか、についての疑問は残りますが、何れにせよ過渡期にはこうした試みが行われるものす。・・・と一応決着。

原作者さんとのやりとりでのもう一つの収穫:「Melguid」就役時の姿

一連のやりとりの中で「こんな設定資料が出てきましたよ」とシェアしていただいたのが以下の資料。

なんと就役時には同型艦があったこと、34cm連装砲5基装備艦だったこと、舷側のケースメートに副砲(12.7cm砲)が片舷10基装備されていること、その上の上部構造内に中間砲(今回の焦点である20cm砲ですね)が設置されていること、なんと3本煙突艦だったことなど、よくわかる資料です。

「こんなの見せられちゃったら・・・」などと思いながら、この原作者さん、とことん筆者の琴線を刺激してくる人だなあ、などど嘆息してしまいます。つまり、既に「どうやって作ろうか」などと考えている自分がいることに、はたと気づく、そんな感じでした。

早速、手持ちの情報と画像情報で3Dモデルを作成はしてみましたが、そんなにうまくいくはずもなく、しばらく試行を続けることになりそうです。

 

フェアリーランド王国海軍のその他の主力艦モデルの整備状況

「Fontenland級」戦艦の自作モデル到着

同艦については前回投稿で出力依頼中、とお知らせしていましたが、モデルが到着しました。

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(手元に届いた「Fontenland級」戦艦のモデル:ホワイト・レジンでの出力で、下地を塗布してあります:166mm in 1:1250: 超弩級戦艦らしい重厚な、見方によっては鈍重な外観をしています。中央砲塔群を挟んだ煙突配置は特徴ではありますが、20cm中間砲(このモデルは近代化改装後のを再現していますので、副砲・中間砲は廃止され、両用砲に換装されているので、搭載されてはいないのですが)と並んで「ナゾ」なのです)

以下のカットでは、同級にとっては前級となる「Melguid」とのツーショットも。両艦は第一次世界大戦時から海軍の顔として親しまれてきた、とか。

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なんとなく一連の系譜にある、と言うことが感じていただけるといいかなあ、と思っています。

これから連装両用砲(副砲と高角砲を兼ねる)やポンポン砲、マスト(特に後檣)の整備や、塗装などして仕上げたいと思っています。

就役時の設定資料も

ちなみに、こちらも原作者さんからシェアしていただいた資料の中に就役時の姿についての記述がありました。

なんと籠マストです。かつ、こちらも20cm砲を中間砲として上甲板に搭載しています。

主砲口径が36センチ砲であること、副砲口径は12.7cmであること、そして籠マスト、とくれば、同級の建造は米国かなあ、などと妄想してしまいます。そいいえば船体の構造も中央楼型だったりしますね。確か王国の歴史の設定資料でも米国とはかなり強い結びつきがあったはずです。

こちらも自作モデル製作を検討してみます。

 

「Romancia級」巡洋戦艦の自作モデルの出力依頼

第二次世界大戦参戦時には、フェアリーランド王国海軍を代表する主力艦であった同級について、以前製作した自作モデルがあまりよえろしくなかったので、再製作の機会を狙っていました。

前出の原作者さんとのやりとりで、同級についても「設定資料などありませんか?」とお尋ねしたのですが、「ちょっと見当たらない。多分にフッドとリナウンの良いとこ取りの巡洋戦艦なので改装前の形状は恐らくリナウンぽいのではないか」とのコメントをいただき、その通りに製作してみたものが、以下です。

(「Romencia級」巡洋戦艦の自作モデルのキャプチャー画像)

前述の原作者さのひと言を頼りに、英海軍の「リナウン級」巡洋戦艦のデザインを基軸にして作成してみたモデルです。「リナウン級」巡洋戦艦といえば、最も美しい外観の軍艦との呼び声が高いですので、かなり端正な外観になるのではないかと考えています。同王国の地中海艦隊(テーチスフリート)の主力として1940年にイタリア・ギリシアの鼻先を突破して配置され、以降「東地中海の女王」と言う二つ名が・・・(なんてね)。

モデルは現時点で出力中です(細くいうとChinaの工場で配送業者の引き取り待ち、だそうです)。

うまくいけば、こちらは次回投稿でモデルの到着をご報告できるかもしれません。

 

巡洋戦艦「Frescana」と「Starreyna」のモデル制作準備へ

同海軍には第一次世界大戦終了後に英国が戦時負債の返済原資の一部として放出した巡洋戦艦を、安値で買い付けています。

それがこの2隻で、ベースとなるモデルのデータは手元に購入済みですので、いずれこちらも製作に手をつけたいと考えています。

(上段は巡洋戦艦「Frascana」となった英巡洋戦艦「インディファディカブル級」;下段は「Starryna」となった「インヴィンシブル級」:いずれもWTJの販売データをキャプチャーしたもの)

両艦ともに弩級巡洋戦艦の初期世代に属する既に第一次大戦時でも旧式艦でしたが、対空火器や電子装備が追加され前檣を大型化するなどの改造を受けました。

「Starryna」は一番と二番の煙突を集合にしたのでしょうか、大型の煙突になっています。さてこれをどう処理するか、この辺りが最も難度の高い改造になるかと。データ上での修正にチャレンジするか、手馴れた仕上げ時の加工にするか。

 

と言うような次第で、時間はかかりそうですが徐々に進めていけそうです。当面の課題は、筆者の関心が、今回の原作者さんとのやりとりでシェアしていただいた設定資料、特に就役時のモデルに向かって行ってしまっていることでしょうか。上述のように、実は既に3D自作モデルの作成、画像資料の収集など初めてしまっています。ろくに資料もないので、まだうまくいきません。前回投稿でも書きましたが、AI君は同じ大きさの連装主砲塔を複数、中央線上に搭載する、と言うのが大変苦手のようなのです。こうなると船体だけを作成し(主砲塔を切り取る、と言うことですね)、砲塔は別途製作してモデルの仕上げ時に後付けで搭載する、と言う方法も検討しなくてはならないかと。

そんなことを考え始めているところです。

(起きさの異なる主砲塔を試作してみました:左から45口径12インチ砲、14インチ砲、15インチ砲の順です:できれば砲塔デザインにもヴァリエーションが出せると・・・)

と言うことで、フェアリーランド海軍関連は、ゆっくりとですが進捗しています。原作者さんの資料をシェアしていただけたことが大きいなあ、と言うのが正直なところです。

 

海上自衛隊 次世代哨戒艦「さくら級」の進捗

さくら型哨戒艦 - Wikipedia

さて、次は「さくら級」哨戒艦のモデル整備のお話です。

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(「さくら級」哨戒艦の概観:76mm in 1:1250 :大変シンプルな外観を示しています)

同級は2027年から就役が予定されている海上自衛隊初の新鋭哨戒艦です。同級の運用により、現時点では海上自衛隊としては哨戒機の運用で賄っている常時広域監視を洋上からも強化することができるようになります。

かつての地方隊に該当する哨戒防備群に所属し、2027年に退役の決まっている「あぶくま級」護衛艦に代わり海上自衛隊の各基地に配置される予定です。

同級は徹底的に省力化し警戒監視に特化した設計となったため、固有の兵装は30mm機関砲1基のみで、他に上部構造物後部の多目的格納庫からは無人航空機(ドローン)の運用が想定されています。固有兵装を補うために、開発の進んでいるコンテナ式対艦ミサイルを将来搭載することが検討されています。

「さくら級」哨戒艦のモデルを、建造予定数の12隻分、出力してもらいました。そのうち取り急ぎ、既に進水し、あるいは予算化されている6隻分を、まず仕上げてみました。

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(2026年9月現在、進水済みの「さくら級」哨戒艦の一覧(中段):上段左から、「さくら:FFM-901」(2027年1月就役予定)「たちばな:FFM-902」(2027年2月就役予定)「ひのき:FFM-903」(2027年3月就役予定)、下段左から、「すぎ:FFM-904」(2027年3月就役予定)「艦名未定:FFM-905」(就役予定未定)「艦名未定:FFM-906」(就役予定未定)、

 

付帯的なご報告:「もがみ級」多機能護衛艦(FFM):12隻製作を決定

もがみ型護衛艦 - Wikipedia

「さくら級」哨戒艦の製作によって、哨戒防備群の艦艇を個艦レベルでもコレクションすることを決定し、「もがみ級」多機能護衛艦の12隻製作を決定しました。すでにコレクションには2隻が加わっているのですが、微妙な差異が発生すると思いますので、12隻を製作する予定です。

前回投稿でも述べていますが、実は筆者は同級のモデル製作に不安がありました。一応、モデルデータ上では形になったモデルは準備済みですが、実際の出力時点で船体外壁の強度、やや特殊な形状の煙突がうまく再現できるのか等々、不安があり、F-toys さんの現用艦船キットコレクション第9弾での「もがみ級」多機能護衛艦モデルのラインナップを強く期待していたのですが、先日の同社の広報では、2027年1月の第9弾では含まれないことが明らかになり、かなりガッカリ。

そんな経緯で、自作モデルでのコレクションに踏み切りました。

まず、2隻の試作を依頼し、今週、試作品が上がってきました。

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(試作出力をしてもらった「もがみ級」多機能護衛艦2隻:下地を塗布した状態で、この時点で手を入れているのは、主砲の砲身と「統合マスト=ユニコーン」から突き出したアンテナ線くらいです)

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(上述のように筆者にやや不安のあった箇所のアップ:上段)同級の大きな特徴の一つである統合マスト=ユニコーンの再現状況:下段)最も懸念していた煙突周りの再現状況=モデル段階で肺炎炉のみ再現されるようなケースがあったり、壁の破損が警告されたり・・・。対艦ミサイルのランチャーも含め、筆者な満足のいくで気になっていて一安心)

結論は、やや脆い部分はあり、製作に注意は必要ですが、大きな問題にはならなさそうです。と言うことで引き続き残る10隻の出力を依頼しています。おそらく9月中には出力は完了するかと。

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(前述の「さくら級」哨戒艦(OPV)と「もがみ級」多機能護衛艦(FFM)を並べて大きさなどを比較したカット:この両級が2027年以降、海上自衛隊の沿岸哨戒・警戒の主力となってゆきます:近未来の姿ではあるのですが、なんか全部のっぺりしてきて、古い艦船マニアとしては、やや寂しいかも。特に今回がフェアリーランド王国海軍の戦艦等との対比をしてしまったからかもしれません)

 

と言うことで、今回はここまで。

次回はフェアリーランド王国海軍の主力艦関連の進捗直状況など、今回投稿の続きを予定しています。

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

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特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

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フェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」のご紹介と海上自衛隊の自作モデルの進捗状況

今回は本稿の前回投稿でご紹介したフェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」のご紹介と、海上自衛隊関連の自作モデルの荒魂プリントアウトが届いたので、そちらのご紹介も併せて。この二本立てで。

 

フェアリーランド王国海軍 戦艦「Melguid」(1941年近代化改装時)

本艦をご紹介するに当たって、耳慣れない「フェアリーランド王国」やその「海軍」について、ご紹介しておく必要があるでしょう。(本稿の熱心な読者で「そんなのもうよく解っている」とおっしゃる方は、以下、は処理はしますがくどくどとした説明が続くので、どうおか読み飛ばしてモデルの写真に進んでください)

フェアリーランド王国とは

同王国はコミック「砂漠のウサギ」に登場する架空の王国で、架空と言いつつも現在の「アイルランド」を本国とし、現「キプロス」、現「レバノン」、現「シリア」(当初は統治委任領)などの東地中海、ならびに現「モザンビーク」などに食糧危機から本国から流出した海外移民を基軸として諸州を設立し統合した国家です。

王室はケルト神を信仰しヨーロッパでは珍しい非キリスト教国家で、他の欧州列国からは異端視されていますが、王国の国是に宗教的な色合いは希薄で、宗教・人種・性別には寛容な文化を育てています。

「砂漠のウサギ」はこのフェアリーランドの東地中海に展開する陸軍部隊が、英国側に立って北アフリカでの枢軸軍(この物語の場合には、ドイツ・イタリア・ギリシア:それぞれ別の呼称があるのですが)のエジプト侵攻からの防衛戦を行う、という陸軍戦記物のコミックです。

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(「砂漠のウサギ」1巻から4巻:このコミックは全6巻構成で表題にあるように1941年6月から1942年8月ごろまでの北アフリカ戦線での戦闘が描かれています。史実での北アフリカ戦線と照らし合わせてみると、連合国が枢軸軍に包囲されたトブルク解放を目指して発動し失敗に終わったバトルアクス作戦からエル・アラメインでの戦闘と戦線膠着、戦局をその後打開するモンゴメリーの着任あたりまで、という時期にあたります。実はフェアリーランド王国はこの時期に連合軍を離脱し、現在のトルコ周辺を統治していた王国と連合王国を設立するのですが・・・)

王国のケルト起源に由来して(と端折ってしまっていいかどうか?)、人口構成比で女性の比率が著しく高く、かつ亜人類の国民(いわゆるネコミミ族やウサミミ族のような)も多く、これらの混成戦車部隊(主人公の戦車の搭乗員は全て女性で亜人も含む)が活躍する、そんなお話です。

そもそも筆者はストックのコンテナ底で謎の戦車のレジンキットを発見し、その正体を探るうちにこのコミックにたどり着いた、そんな経緯でこの物語に出会いました。

その探索の途上で、実は原作コミックよりも先に原作者さんの下記のサイトを発見。

www.linkclub.or.jp

ここで語られるフェアリーランド王国に関する設定や歴史、さらには戦闘車両の開発系統の紹介などは、筆者の大好物(本稿の読者の方はよくご存じかと)」で、まさに「ネコにまたたび」状態が発生してしまいました。

結果、2026年3月から5月下旬まで艦船モデルにはあまり力の入らない投稿を連発しています。(下は、その「初回」とも言える2026年3月8日の投稿:興味のある方はここから辿っていただければ)

fw688i.hatenablog.com

 

そしてフェアリーランド王国海軍とその艦艇のお

www.linkclub.or.jp

「砂漠のウサギ」自体は、装甲部隊の戦記コミックなのですが、上掲の「フェアリーランド王国」に関するサイトには海軍の紹介ページも設定されていて(「砂漠のウサギ」には海軍はほとんど出てきません)、そこではかなり詳細な艦船の紹介が行われています。

少しまとめておくと、同王国海軍は、第一次世界大戦期までは本国に隣接する英国を仮想敵としていました。一方、第一次世界大戦後は海外諸州の保有を国際社会から承認されたことにより、逆に特に東地中海の領土をめぐり地中海諸国(イタリア・ギリシア)からの圧力が高まり、仮想敵をこちらに切り替え艦艇群の整備・近代化が進められました。

戦艦「Melguid」(1941年近代化改装時)

(上の画像は、上掲のサイトから「Melguid」に関する記述部分を抜粋引用)f:id:fw688i:20260921172409j:image

(フェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」(近代化改装後)の概観:149mm in 1:1250)

戦艦「Melguid」はフェアリーランド王国が最初に保有した超弩級戦艦で、第二次世界大戦参戦時には近代化改装が施されていました。

26000トンの船体に356mm連装砲塔4基を搭載し、22ノットの速力を発揮できました。上掲のスペックをもう少し見ておくと、副砲として当時の条約型重巡並みの20センチ砲を片舷5門搭載しています。対空火器はこの時期の戦艦としてはかなり充実していて、10センチ連装高角砲を6基12門、8連装ポンポン砲を6基、23mm連装機関砲6基を搭載しています。f:id:fw688i:20260921172408j:image

(戦艦「Melguid」(近代化改装後)の主要兵装の配置:艦首から順に、42口径356mm主砲連装砲塔が背負い式に配置され、2番砲塔上にはポンポン砲、上甲板上の上部構造物内(?)には20センチ副砲が両舷各2門、設置されています(上段):前檣横には10センチ連装高角砲の砲塔が各舷2基、1番・2番煙突横にポンポン砲が各舷各1基(中段):後檣脇の上部構造物内(?)には20センチ副砲が両舷に各3門、艦尾には背負い式に配置された連装主砲塔2基と3番主砲登場にポンポン砲1基が搭載されています)

 

 

この「20センチ副砲」をめぐる考察

こうして装備を改めて見てみると、少し考察が必要だと思われるのは(つまり、なんらかその兵装を選んだストーリーが必要でしょう、というほどの意味です)片舷5門(とはどこにも明記されていません。ただ単装砲10門とだけ)の20センチ砲、ということになるかと思います。

おそらく副砲として搭載されたのだろうと思いますが、一般的に副砲は主力艦が、中口径砲を乱射しながら、あるいは接近しあわよくば魚雷を放とうと肉薄してくる中型艦・小型艦を撃退するための兵装で、そういう意味では「手数」を放つことが重要になってきます。列強の第一次世界大戦型の戦艦では速射性の高い12センチから15センチの口径の速射砲を舷側に片舷8〜10門程度、搭載することが一般的でした。長射程を持つ大口径の主砲が砲塔に搭載され統合された射撃管制下での公算射撃による命中率の向上を図るのに対し、特に第一次大戦型以前の戦艦で多く見られたなケースメート方式での搭載では、砲側照準、独立打ち方が基本的な運用になると思われますので、少し乱暴にまとめてしまうと速射性に頼った乱射により命中弾を狙う、あるいは接近を阻むというような「殴り合い的な」運用法が想定されていたと考えられますので、やはり副砲の搭載意義は持ち前の速射性、「手数」が前提だったと考えます。

一方で20センチ砲というと重巡洋艦の主砲級の火砲で、射程も大きく威力は大きなものがありましたが、速射性という視点では15センチ砲には敵わず、高速で接近する中小型艦を足止めするという目的にはあまり適性が高いとは言えないのではないかと思います。

戦艦の発展史でも、大口径の主砲を最大限搭載する弩級戦艦の登場の直前の、ある意味「模索」時期に前弩級戦艦の火力強化の一案として採用された「準弩級戦艦」が設計された時期がありましたが、これはあくまで主砲の補完の意味を持った中間砲で、多くは砲塔形式での搭載、つまり管制射撃の一貫を担うことを期待した設計だったと考えられます。

併せて20センチ砲弾はその重量から人力での装填が困難で、つまり機械力を用いた装填機構が必要となります。それも砲塔形式での搭載が主流だった要因かと考えています。砲塔という複雑な機構を複数種類混載する、搭載砲の種類が異なる砲塔は重量も当然異なりますので砲塔の旋回機構も複数なくてはなりません。などなどの設計の複雑性の増大も、搭載砲の口径を主砲に統一した弩級戦艦へと移行して消えてゆく要因の大きな部分かと。

ところが「Melguid」では副砲を搭載せず、中間砲だけを搭載しているのです。ケースメートに見えていましたが、実は舷側に単装砲塔が埋め込まれていた、とか?これは「Melguid」の建造時期の設計上の試行錯誤の産物と考えるのが妥当かもしれません。

次級の「Fontenland級」戦艦では近代化改装時に副砲は廃止され127mm両用砲に中口径砲は統一されていますので(後述の「Fontenland」のスペック表をご覧ください)、やはりあまり実用性は高く評価されていなかったのかも。「Melguid」の近代化改装時にはまだ両用砲が開発されておらず、対空火器の充実に合わせた重量の制約から、20センチ砲はその搭載数を片舷8門から5門に減らされた、という辺りが妥当な解釈かもしれません。(筆者の知る限り、近代化改装の時期や狙いについて明確な資料や文章は見出せていませんので、多分に筆者の艦艇開発小史的な妄想を整理したものですので、ご注意を)

 

仮想敵「イタリア海軍」の主力艦事情

当時のイタリア海軍は地中海における最大海軍であったことは間違いありません。1940年からは待望の新世代の戦艦「ヴィットリオ・ヴェネト級」が就役し始めていました。同級は列強が競って建造することになるワシントン・ロンドン軍職条約体制下の「新戦艦」の先駆けの1隻となった戦艦で、新開発の50口径38センチ主砲を三連装砲塔3基に都合9門と強大な火力を持つだけでなく、31.5ノットという高速をは発揮できる戦艦でもありました。

「ヴィットリオ・ベネト級」戦艦(1940年より就役;同型間3隻(計画では4隻))

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(「ヴィットリオ・ヴェネト級」戦艦の概観:192mm in 1:1250 by Neptun:第二次世界大戦開戦後の1940年から就役し始めました)

これに対抗すべき38センチ級(42口径)の主砲を持った戦艦といえば、英海軍の地中海艦隊にも「クイーン・エリザベス級」や「リヴェンジ級」などの戦艦が3−5隻が配置されていましたが、いずれも第一次世界大戦型戦艦を近代化改装した旧式艦で、速力はせいぜい22ノットで、火力でも機動性でも単艦では歯が立ちませんでした。

「クイーン・エリザベス級」戦艦(近代化改装後:1914年から就役:1937年ごろから順次第二次近代化改装に着手:同型艦6隻)

(「クイーン・エリザベス級」戦艦の1942近代化改装後の概観: ,154mm in 1:1250 by Argonaut::同級は時空である「リヴェン時給」戦艦と並び38センチ主砲塔盛んで、第二次世界大戦期にも活躍しました。地中海海艦隊や東洋艦隊の主力と見做されていましたが、速力は22−24ノットでやや見劣りがしました)

 

イタリア海軍の第一次次世界大戦型戦艦の大改装

1940年から就役開始した「ヴィットリオ・ヴェネト」級戦艦は地中海では一つ頭の抜け出た存在となりましたが、それ以前にイタリア海軍は保有する第一次世界大戦型の戦艦の近代化大改装に取り組みました。対象となったのは「コンテ・ディ・カブール級」(1914年から就役)の2隻(「コンテ・ディ・カブール」「ジュリオ・チェーザレ」:いずれも1937年再就役)と「カイオ・ドゥイリオ級」(1915年から就役)の2隻(「カイオ・ドゥイリオ」「アンドレア・ドリア」:いずれも1940年再就役)で、その改装範囲は機関の換装。主砲口径のボーリングによる拡大など多岐に渡り、艦容を一変するほどのものでした。

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(直上の写真:原形を留めぬほどの改装を受けた「コンテ・ディ・カブール級」戦艦:上段、改装前、下段、改装後)

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(直上の写真:原形を留めぬほどの改装を受けた「カイオ・ドゥイリオ級」戦艦:上段、改装前、下段、改装後)

両級ともに船体規模は基準排水量で23000トン級から28000トンに拡大され、機関の換装で速力は21.5ノットから28ノットに向上しています。さらに主砲口径は砲身のボーリングにより30.5センチから32センチに拡大されました。副砲は舷側のケースメート搭載から砲塔での搭載形式に改められ、搭載位置も変更されました。機関お乾燥で煙突位置も変わり、全長が10mあまり延長されました。

近代化改装後の「コンテ・ディ・カブール級」戦艦(再就役1937年から:同型艦2隻)

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(近代化改装後の概観:150mm in 1:1250 by Neptune)

近代化改装後の「カイオ・ドゥイリオ級」戦艦(再就役1940年から:同型艦2隻)

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(近代化改装後の概観:150mm in 1:1250 by Neptune)

 

フェアリーランド王国海軍の戦艦「Melguid」の近代化改装に当たっては、これらのイタリア海軍の生まれかわったと言ってもいいほどの改装を受けた戦艦と東地中海で相対するることが想定されたわけです。

「ヴィットリオ・ヴェネト級」戦艦はさておき、近代化改装後の両級戦艦と「Melguid」の比較をしておくと、船体規模はほぼ同等、火力は36センチ砲8門搭載の「Melguid」に対しイタリア海軍の両級は32センチ砲10門搭載で単艦の比較では「Melguid」の方に威力でも射程でも優位がありました。一方速力では「Melguid」22ノットに対し改装後の両級は28ノットと、隔絶しており、「Melguid」はイタリア戦艦には大きく及ばない、そのような結果でした。

 

ということで戦艦「Melguid」の3Dモデル製作に当たって、筆者の「妄想」をまとめてみました、・・・というご報告でした。

 

模型事情のお話:次級「Fotenland級」戦艦のモデル再製作状況

(上の画像は、上掲のサイトから「Fontenland」に関する記述部分を抜粋引用)

前回投稿では、「Melguid」の後継である「Fontenland級」戦艦についても3Dモデルは出力されている、というお話をしました。一方で、今回ご紹介した「コミック版:Melguid」とはデザインの一貫性がないかも、というお話も。

というのも筆者の勝手な思い込みで、実は「コミック版」のモデルはあまり筆者のコレクションに馴染まないだろう、という先入観があったからだったのですが、これは全くの杞憂でした。(実際に筆者は「Melguid」を筆者流に解釈した「リアル版」というのも製作しているのですが、こちらはなんの面白味も感じないモデルになってしまいました。お蔵入り=「コンテナの肥やし」になりそうです)

併せて、前回出力されたモデルでは、これは筆者の過去の経験から「主砲塔一体型のモデルは、あまりうまくいかない」だろう、という予見があったのですが、これは『Melguid」以外のモデルについては予見通りになってしまいました。(「Melguid」は奇跡的にうまくいった、と言うべきか)

というわけで、今回の「Melguid」とできれば一貫性のあるモデルを作成したい、という思いで3Dモデルの再製作にトライしました。AIサポートの3Dモデルのデザイン作成ではインプットした画像から立体モデルが生成されるのですから、今回の「Melguid」の画像を加工して砲塔6基搭載戦艦の画像を作成し、これをAIにインプット、その上でモデル生成を実行させる、という流れにトライしたわけです。試案を生成する事、十数案の試行錯誤の末(「連装砲塔の中央構造上への背負い式配置」というのが画像解析からAIくんが生成するのがかなり難しいようで、単装砲塔が混じったり、並列になったりするのです。現時点のAIサポートの3Dモデル生成アプリには、生成されたモデルデータが気に入らない場合には「再生成」を指示する機能は全て搭載されているのですが、「ここを修正してほしい」と言うピンポイントを指摘するリクエスト機能がないので、細部を修正するのではなく、インプットするデータを変えて再トライするしか方法がないようなのです。もし「いや、それは違うだろう」と言う知識をお持ちの方がいらっしゃたら、これはモデル自作歴2ヶ月ほどの素人の妄言ですので、是非、ご教示ください)、ようやくなんとかものにできそうなモデル生成に辿り着き、まさに今、出力を依頼中です。

(再製作中の「Fantenland級」戦艦の3Dモデルのキャプチャ画像:「Melguid」のモデルデータのキャプチャー画像をベースにしています:下の写真は上掲のイラストに似せた角度から:ちょっと似てきた、かな?)

現時点で、プリントアウトは完了し仕上げ工程に入っているようですので、次回投稿までには成果がご報告できるかと。マストは再現できなかったようですが、「Melguid」もそうでしたので、想定内です。到着が楽しみです。

到着次第、またご紹介します。

と言うことで、フェアリーランド王国の主力艦モデルのお話はここまで。

 

海上自衛隊自作モデルの進捗状況

いよいよ大詰めを迎えた感のある筆者の海上自衛隊艦艇のコレクションですが、以下の進捗があったのでご紹介しておきます。

潜水艦救難艦モデルの再作成

まず前回投稿でご紹介した潜水艦救難艦「ちはや:ASR-403」と「ちよだ:ASR-404」について、モデル全体への違和感から、両方のモデルを再作成しました。特に「ちはや:ASR-403」については乾舷の低さからモデル自体の再作成に遡った作業を行いました。

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(再製作を実施した潜水艦救難艦2隻:「ちはや:ASR-403」(手前)と「ちよだ:ASR-404」:下地処理をした段階です)

モデル製作についても新たな技法を少しお勉強。

海自の潜水艦救難艦は上掲の2隻なのですが、両艦ともに深海救難艇(DSRV:Deep Submergence Rescue Vehicle)の運用能力を備えています。DSRVは自立航行のできる小型の潜水艇で、1500m程度の深海までの潜水能力があるとされています。この潜水艇は救難艦の艦底の開口部(センター・ウェル)から昇降台に乗せられて海中に降ろされ、対象となる事故潜水艦から乗組員を救出して再びセンター・ウェルから下げられた台に戻り、救難艦本線に収容される、簡単に整理するとそういう運用がされます。

このためモデルの内部にもセンター・ウェルを穿ってみました。

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(モデルに追加してみたDSRV昇降用のセンター・ウェル:わかりますかね)

潜水員、あるいはケースによっては救助された潜水艦の乗組員のための減圧室なども完備されており、幅広い治療が船内で可能です。

モデルではあまり細部まで再現できていませんが、この救難艦の装備は大変興味深いものがあります。

下記で大変詳しく説明されています。興味のある方はご参考に。

mamor-web.jp

 

「さくら級」哨戒艦(OPV)のモデル作成

2027年から就役が予定されている海上自衛隊の新型艦「さくら級」哨戒艦のモデル作成を行いました。すでに浸水している4隻に加え、就役予定が確定している5番艦、6番艦までの仕上げを予定しています(モデル自体は計画されている12隻分出力済みです)。

さくら型哨戒艦 - Wikipedia

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(「さくら級」哨戒艦(OPV)の自作モデル概観:76mm in 1:1250 )

「さくら級」哨戒艦は2027年に退役、フィリピンへの売却が決まっている「あぶくま級」護衛艦と2032年に退役予定の「はやぶさ級」ミサイル艇にかわり、整備が済んでいる「もがみ級」多機能護衛艦と共に哨戒防備群の基幹を構成する予定の艦級です。

同級の運用により、現時点では海上自衛隊としては哨戒機の運用で賄っている常時広域監視を洋上からも強化する、そのような構想です。

同級は徹底的に省力化し警戒監視に特化した設計となったため、固有の兵装は30mm機関砲1基のみで、他に上部構造物後部の多目的格納庫からは無人航空機(ドローン)の運用が想定されています。固有兵装を補うために将来的には開発の進んでいるコンテナ式対艦ミサイルの搭載も検討されています。

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(「さくら級」哨戒艦(OPV)と「もがみ級」多機能護衛艦の大きさ比較:「さくら級」哨戒艦のモデルは12隻分準備してあります。まずは既に就役予定の決まっている6隻のみ下地処理をしました)

上のカットは2027年以降、海上自衛隊で、日本周辺海域の警備監視、不審船対応などを担うことになる哨戒防備群の主要艦艇です。当面(2032年まで)は、これに「はやぶさ級」ミサイル艇が加わり、日本の周辺警備を担当することになります。

こういうカットを見ていると、既に「はやぶさ級」ミサイル艇は6隻全てがコレクションに加わっていることもあり、やはり「もがみ級」多機能護衛艦も12隻揃えて見たくなりますね。要検討です。

「もがみ級」多機能護衛艦(FFM)を自作モデルで揃えるのか?

実は「もがみ級」のモデル製作は大変難しい箇所があります。

上の写真はモデルデータから製作時の厚みを解析した図なのですが、赤い色で表示されている箇所は壁面が薄くて出力時に破損が生じる可能性がかなり大きい、とのことなのです。しかし1:1250というスケールとモデルのディテイルの保持を考慮すると、これ以上厚みを持たせるわけにいかず、かなり大きな冒険を行う覚悟がいりそうなのです。しかもこの出力で同級の全全艦、つまり12隻揃えるとすれば、どこかでそうした事態が起こる可能性は一層高まります。さてさて、どうしたものか。

実は、このモデル化の難しさもあって、前回投稿でも触れたのですが、先日、発表されたF-toys の「現用艦船キットコレクション 第9弾」(2027年1月発売予定)に「もがみ級」多機能護衛艦のモデルが含まれているんじゃないかと密かに(でもかなり強く)期待していました。

しかし、残念ながら今回のラインナップは「横須賀基地」編と言うことで、従来艦のヴァリエーションに留まるようで、改めてモデル自作に向けて検討を深めることになりそうです。

 

ということで、今回はここまで。

次回は「さくら級」哨戒艦や潜水艦救難艦の進捗状況のご紹介などを予定しています。もちろん「Fontenland」の出力が手元に届いていればそちらも併せてご紹介できるかと。

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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自作3Dモデル:海洋観測艦「にちなん」「ふたみ級」の改修と練習艦隊の製作

今回は、前回ご紹介した海洋観測艦のモデルの改修と、練習艦隊の「旗艦(と言っていいのかどうか):かしま:T V-3508」のモデルが完成したので、改めて同艦も含めた海上自衛隊の「練習艦隊」のご紹介、さらに新たな自作3Dモデルのお話など。

 

海洋観測艦モデルの改修

まずは前回投稿でご紹介した海洋観測艦関連のアップデートを。

前回投稿で、海上自衛隊の現役の海洋観測艦のうちで唯一、バウ・シーブを装備している海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」をご紹介しました。その部分の再掲を。

海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」(就役:1999-就役中 同型艦なし)

にちなん (海洋観測艦) - Wikipedia

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(海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」の概観:88mm in 1:1250 )

同艦は海上自衛隊の保有する海洋観測艦の最古参で、現時点では唯一バウ・シープ(艦首に設置されたケーブル用の大型の滑車)を保有し、これが本艦の大きな外観的な特徴となっています。

満載排水量4500トンの船体を持つディーゼル・エレクトリック推進の艦艇で、20ノットの速力を発揮することができます。観測環境の保持に配慮が払われ、減揺タンクを搭載し減揺対策が取られている他、低速での定点性の維持、直進性維持のためにサイドスラスターを艦首に2基、艦尾に1基、装備しています。

観測機材としては、前述のとおり、艦首にはバウ・シーブを備えこれに伴い艦首甲板にケーブルの収納庫とクレーンが装備されています。艦尾には観測甲板が設けられ、観測機器の没入・揚収用のクレーンを各種搭載しています。

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(海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」の主要部:艦首のバウ・シーブとガントリークレーン、ケーブル庫とクレーンなど(上段):艦尾の観測甲板に搭載されたクレーン群、搭載作業艇など (下段))

(再掲ここまで)

更に最新鋭の海洋観測艦「あかし:AGS-5107」の就役を待って退役した「わかさ:AGS-5104」の属する「ふたみ級」のご紹介もしています。こちらも再掲。

参考:「ふたみ級」海洋観測艦 (就役期間:1979-2026 同型艦2隻:AGS-5102/5104)

ja.wikipedia.org

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(「ふたみ級」海洋観測艦の概観:78mm in 1:1250 by Hai:モデルは「ふたみ:AGS-5102」:Hai社の標準的な仕上がりの精度の高いモデルです)

対潜戦闘における海洋状況の把握が重要となるにつれ、海上自衛隊は保有する唯一の海洋観測艦「あかし」(初代)とこれを補佐する掃海艇改造の海洋観測艇群を運用していましたが、さらにこれを強化すべく設計されたのが「ふたみ級」海洋観測艦でした。音響情報の観測機材運用のため艦首にケーブル敷設機構を搭載し、さらに低速での作業対応のため減揺タンクやバウ・スラスターを装備していました。固有の武装は搭載していません。

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(「ふたみ級」海洋観測艦の細部拡大: 上左)艦首のケーブル敷設用のバウ・シーブ(滑車のことですね:艦首のガントリークレーンは省略されています、多分?)とケーブルの収容施設など 上右)艦尾に搭載された各種観測機器の懸吊や巻揚などの作業甲板 下左)左舷は観測用の作業艇・内火艇の格納スペース。遠隔操作の無人潜水機も搭載しているかも 下右)右舷には観測作業室などが設置されています)

満載排水量2050トンの船体にディーゼルエンジン2基を搭載し16ノットの速力を発揮できました。

二番艦「わかさ:AGS-5104」は「ふたみ」の就役から7年後の就役となり、一番艦での知見や新たな技術の導入等により、外観は同じながら搭載する機関、船内レイアウトなど大幅な改正が行われています。「ふたみ」は2010年に退役していますが、「わかさ」は2026年まで現役で運用され、その代替として下述の「あかし」(二代目)が建造されています。

(再掲ここまで)

両艦はいずれも艦首にケーブル懸吊用の滑車を有するバウ・シーブ形式の海洋観測艦なのですが、既述のようにこの形式は「にちなん:AGS-5105」以降は建造されていません。これは推進器や位置補正技術の進歩に伴い、直進性や艦位の保持についてケーブルや探査機の懸吊装備を艦首に保持する優位性が減少したことによるもので、加えて館内機構の簡素化が実現されました。

形状的には特異で面白い外観でしたので、少し残念だなあ、などと思っていたのですが、jy上掲の「ふたみ級」のモデルご紹介で「あれ、このHai製のモデルはバウ・シーブ用の艦首のがんトリー・クレーンが省略されているんだなあ」と気づいてしまいました。(上掲のコメントでも「省略されています」などとさらっと書いてはいるのですが)

併せて「にちなん」のモデルでは「ガントリー・クレーンのこのスケール(=1:1250)での3Dプリントでの再現は難しいだろうなあ」と考え、別パーツにして出力するなどの工夫もしてみたのですが、やはりあまり満足のいくものではありませんでした。

ということで、ガントリー・クレーンをリプレイスしたモデルを作成することに。

ガントリー・クレーン改修後の海洋観測艦「にちなん」概観

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下の写真ではガントリー・クレーン改修後(上段)と改修前の比較を。スッキリしましたね。

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ガントリー・クレーンを追加した「ふたみ級」海洋観測艦の概観

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(下の写真は「ふたみ級」の観測関連主要部の拡大:上左)艦首のケーブル敷設用のバウ・シーブ(滑車)とガントリー・クレーン、ケーブルの収容施設など 上右)艦尾に搭載された各種観測機器の懸吊や巻揚などの作業甲板 下左)左舷は観測用の作業艇・内火艇の格納スペース。遠隔操作の無人潜水機も搭載しているかも 下右)右舷には観測作業室などが設置されています)

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艦首のガントリー・クレーンはいずれも白金戦で作成しています。(白金戦は真鍮線と異なり柔らかいので曲げなどの加工が比較的容易にできます)

これらのモデル写真は、前回投稿の写真と差し替えておきます。

 

練習艦隊の所属艦艇の話

海上自衛隊の練習艦隊は初任幹部自衛官と術科学校学生の海洋実習を主目的として編成されています。呉基地に司令部が開かれ、従来から防衛大臣直轄の組織で、2026年の海上自衛隊の大改編でも扱いは変わりませんでした。

隷下には専任練習艦「かしま:TV-3508」と護衛艦から種別変更された「しまかぜ:TV-3521」と「やまぎり:TV-3515」が所属しています。

専任練習艦である「かしま:TV-3508」については本稿でも何度か記述しているように、市販のモデルがないながらも、以前は幕之内弁当三次元造形さんの製作による素晴らしいディテイルの3Dモデルがあったのですが、例のShapeways破綻問題で、入手不可能になってしまいました。Shapewaysの破綻後、何度か連絡を取ろうと試みたのですが、果たせず、今回の自作モデルのリストに入れていました

練習艦「かしま:TV-3508 」(就役:1995-就役中 同型艦なし)

かしま (練習艦) - Wikipedia

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(練習艦「かしま:TV-3508」の概観:114mm in 1:1250 )

本艦は海上自衛隊初の専任練習艦として建造された「かとり:TV-3501 」(就役期間:1969-1998年 満載排水量4100トン)の老朽化に伴い建造されました。5400トン(満載)と「かとり」をひと回り大きくした船体にガスタービンとディーゼルエンジンの複合機関を搭載し、25ノットの速力を発揮できます。

170 名の収容力を持つ実習員講堂が設けられた他、後部のヘリ発着甲板にはレセプション会場としての利用も配慮され、引き込み式の天幕の設備などが組み込まれています。さらに女性実習生の上官を想定し、女性専用の居住区が設けられました。

固有の兵装は76mm単装速射砲と三連装短魚雷発射管のみで、対空・対艦ミサイルやアスロックなどの発射訓練はシミュレーションで実施されています。

毎年、練習艦隊の旗艦として海外を訪問するため、礼砲を装備しています。

1995年の就役以降、実施された32回の遠洋練習航海の全てで練習艦隊旗艦を務めています。

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(練習艦「かしま:TV-3508」の主要部:比較的低い艦橋を持っています。艦尾のヘリ甲板は発着艦のみに使用され、上述のようにレセプション会場としても使用できます)

 

上掲の「かしま:T V-3508」以外の現役の2隻の練習艦「しまかぜ:TV-3521」と「やまぎり:TV-3515」については、本稿で既にご紹介済みです。いずれもF-toys製のモデルをベースに、艦番号を変更しています。

練習艦「しまかぜ:TV-3521 」

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(練習艦「しまかぜ:TV-3521」の概観:121mm in 1:1250 by F-toys)

元は海自の第三世代のミサイル護衛艦「はたかぜ級」の2番艦です。ターター・システムの搭載艦としては最終世代に属し、イージスシステム搭載艦以前の従来型ミサイル駆逐艦としては頂点にあるとされていました。しかしシステムの陳腐化は否めず、ネームシップである「はたかぜ」と共に最終キャリアを練習艦として終えることになりました。

はたかぜ型護衛艦 - Wikipedia

「はたかぜ」は2025年3月に練習艦籍からもはずれ退役(?)していますので、現在(2026年3月時点)では「しまかぜ」のみ、練習艦として就役しています。

www.mod.go.jp

練習艦「やまぎり:TV-3515」

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(練習艦「やまぎり:TV-3515」の概観:108mm in 1:1250 by F-toys)

同艦は「あさぎり級」汎用護衛艦の2番艦として1989年に就役、2004年に一度練習艦籍に変更されましたが2011年に護衛艦籍に再度変更されました。同級の他艦は2026年の大改編以前は地方隊所属の所謂二桁護衛隊に所属し、地方隊の基幹戦力となっていましたが、大改編以降は、主力水上戦力である水上戦群に編入されています。

第一水上戦群(横須賀)には「ゆうぎり:DD-153」と「あまぎり:DD-154」の2隻、第二水上戦群(呉)には「さわぎり:DD-157」と「うみぎり:DD-158」の2隻、そして第三水上戦群には「はまぎり:DD-155」と「せとぎり:DD-156」の2隻、以上の6隻がそれぞれ配属されています。

あさぎり型護衛艦 - Wikipedia

同級の一番艦「あさぎり:DD-151」は大改編直前の2026年3月に除籍され、二番艦である本艦は2025年3月に練習艦籍に移行しています。www.mod.go.jp

第70回遠洋練習航海

第70回遠洋練習航海は、2026年5月から北中米からヨーロッパの5カ国を訪問し、161日をかけて11都市に寄港、北極圏までをその予定航路に含み、10月24日に帰国する予定で、まさに航海中です。練習艦「かしま:TV-3508」を旗艦とし「やまぎり:TV-3515」が随伴しています。

(下は第70回遠洋練習航海に参加している練習艦2隻:「かしま:TV 3508」(奥)と「やまぎり:TV-3515:「かしま」が練習艦らしいゆったりした艦容ををしていることがわかるかと)

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ちなみに下の写真は練習艦隊の3隻。手前から「しまかぜ:TV-3521」「やまぎり:TV-3515」「かしま:TV-3508」の順。

f:id:fw688i:20260901103437j:image

 

その他の自作3Dモデルの製作進捗

海上自衛隊の残りの艦艇

さて、海上自衛隊の現役艦艇については、残り少なくなってきました。

実は手元に残りの艦艇のうち潜水艦救難艦「ちはや:ASR-403」と「ちよだ:ASR-404」さらに南極観測艦「しらせ:AGB-5003」を出力したもの届きました。下はそれぞれのモデルに下地処理を施した段階のもので、これから仕上げに移りたいと思っています。

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(下地処理をしたばかりの3隻のモデル:上から南極観測艦「しらせ:AGB-5003」、潜水艦救難艦「ちはや:ASR-403」、同「ちよだ:ASR-404」の順)

コレクション的な視点で言うと、上記の3隻で海自の現役艦艇については、欠落している「艦級」はようやく埋めることができた、と言うことになります。

コレクションに欠落しているモデルを個別艦の視点で整理しておくと、「あぶくま級」護衛艦3隻(「DE-232 せんだい」「DE-233 ちくま」「DE-234 とね」)、「もがみ級」多機能護衛艦10隻(「FFM-3 のしろ」「 FFM-4 みくま」「FFM-5 やはぎ」「FFM-6 あがの」「FFM-7 によど」「FFM-8 ゆうべつ」「FFM-9 なとり」「FFM-10 ながら」「FFM-11 たつた」「FFM-12 よしい」)、第一エアクッション艇隊のエアクッション艇3隻が欠けている、と言うことになります。これらは時間をかけて揃えてゆく、と言う方向で検討したいと考えています。

2027年には「あぶくま級」護衛艦6隻と「はやぶさ級」ミサイル艇の退役が決まっており、これに代わって「さくら級」哨戒艦が順次編入されることになるでしょう。このうち「さくら級」哨戒艦についてはまさに現時点で自作3Dデータの出力を依頼中です。

余談:現用艦船きとコレクション 第9弾 発売予定が発表

余談ですが、ようやく2027年1月にF-toys社から待望の「現用艦船キットコレクション 第9弾」が発売されると言う予告が発信されました。

筆者は密かに「もがみ級」多機能護衛艦が含まれているのではないかとかなり強く期待し、これで一気に揃えようかなどと勝手な妄想を膨らませていたのですが、今回のラインナップは「横須賀基地」編と言うことで、従来艦のヴァリエーションとしての発売のようです。ちょっと残念。

 

「フェアリーランド王国海軍」の主力艦群の整備状況

もう一つ、現時点で3Dデータを製作し出力依頼をしていた「フェアリーランド王国海軍」の主力艦のモデルについて、こちらも出力されたものが手元に届きました。

下の写真は同王国海軍の最初の超弩級戦艦である「Melguid」の出力モデルで、コミック掲載版と、「もう少しリアルに考えてみた」版です。いずれも対空火器等、少し細部に手を入れる必要はあるでしょうが、概ねそのまま仕上げに移行できそうです。

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上は今回届いた戦艦「Melguid:コミックデザイン版」です。なんかいい感じに出力されているように思います。そして下は「もう少しリアルに考えると・・・版」です。これはこれでいい感じです。

正直言うと、「コミック版」が筆者が思ったほど「コミックデザイン」ではなかった、という感想です。いい意味で想定外、でした。これなら両方製作する必要はなかったかもしれません。(両方出力したからそんなことが言えるんですがね。まあ無駄ではなかった、と言うことで)

まずはこの「コミック版」を中心にしっかりしあがて行きたいと思っています。


実は同時に戦艦『Melguid」の発展形である「Fontenland級」戦艦と同海軍最大最強の「Romancia級」巡洋戦艦のモデルも出力されてきたのですが、いずれのモデルも主砲塔がうまく再現されておらず、主砲塔を切除して、代替品を筆者のストックパーツから手当てする等の作業が必要になりそうです。

(下の写真は「Fontenland級」(上段)と「Romancia級」のそれぞれ主砲塔の拡大:いずれも「このまま製作に」と言うわけには行かなそうです)

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このモデルを使おうとすると、かなり大きな「加工」が必要だと見込まれ、筆者が対応できるのかどうか、覚悟を決めてかからねばならないかと考えています。

実はこれは、筆者にとってはそれほど意外な結果ではなく、これまで筆者がShapways等で調達した市販の3Dモデルでも、主砲塔の仕上がりはかなり出来不出来がはっきりしていましたので、ましてや素人がAIで作成したモデルで最初からうまくいくとは考えていませんでした。

そう言う意味では、ある意味想定内であって、「Melguid」がビギナーズ・ラックというか、うまくいっただけでも「ついていたな」と言うのが正直な実感です。

さて、では「Fontenland」と「Romancia」をどうしようか、と言うことについては、3Dデータの製作に立ちかえることも含め、検討したいと思っています。(といいつつ、Amazonで電動工具を見てみたりしているのですが)

モデルデータの再制作にあたっては、前出の「Melguidコミック版」モデルをベースに検討できないかと考えています。とは言え3Dモデル初心者の筆者には、どうすればうまくいくのか、今のところ、皆目見当がつきません。つまりこれまで通り「試行錯誤」を繰り返してゆく、そう言うことだと思っています。

ということで、自作モデルの製作進捗はこの辺りで。

 

次回は上記の進捗でご紹介した南極観測艦「しらせ」や潜水艦救難艦、上掲の戦艦「Melguid」のモデルについての進捗のお話などを。

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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自作3Dモデル:第一海洋業務隊の海洋観測艦・敷設艦など

今回は、本稿ですでにご紹介した「ひびき級」音響観測艦4隻で構成された第一音響観測隊と共に、作戦情報群を構成している第一海洋業務隊の海洋観測艦・敷設館のご紹介です。

 

まずはすでに投稿済みの「ひびき級」音響測定艦のご紹介部分の再掲から。

「ひびき級」音響測定艦(就役:1991-就役中:同型艦4隻:AOS-5201〜5204)

ひびき型音響測定艦 - Wikipedia

(上の写真は「ひびき級」音響測定艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:このモデルでは後述のようにトラス構造マストの再現の一試行として、モデルのSolid化によってモデルをやや太らせプリント・アウトに耐えられる構造を目指する、という試みを行なっています。ですのでエッジの表現などはやや緩め、です)

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(「ひびき級」音響測定艦の概観:52mm in 1:1250  双胴形式という特異な形状をした船です)

 同級は仮想敵国の潜水艦の音紋データの収集を主任務に開発された艦艇で、満載排水量3800トンの、荒天時にもある程度曳航するソナーの直線安定性を確保できることを狙った「双胴船」という特異な船体形状を持つ艦船です。この船体形状は上述のように安定直進性をもたらすほか、曳航式ソナーの長大なワイアーの収納、想定される長期間の航行任務における居住性、補給や乗員搬送等のヘリコプターの発着艦にも適した形状とされています。

ディーゼル・エレクトリック方式の基幹を搭載し11ノットの速力を発揮できる設計です。

艦の後半部はヘリ甲板になっていますが、固有の搭載機・格納庫は持たず、個艦防御等の兵装も装備されていません。

作戦情報群:第一音響測定隊

2026年の大改編で新たに発足した防衛大臣直轄の情報作戦集団作戦情報群に属し、その指揮下にある呉基地の第一音響測定隊に4隻共に所属しています。

同型艦4隻:「ひびき:AOS-5201」「はりま:AOS-5202」「あき:AOS-5203」「びんご:AOS-5204」:

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(同型艦4隻と各艦の艦番号: AOS-5201〜AOS-5204のアップを:実は二番艦と三番艦の建造には20年近い感覚があり、マストやヘリ甲板の形態が異なるらしいのですが、詳細が把握できていません:ちなみにAOS=Auxiliary Oceanographic  Surveillance)

これで作戦情報群、第一音響測定隊は勢揃いです。

第一音響測定隊関連の再掲はここまで。

 

さて、ここからが今回投稿の本題です。

作戦情報群:第一海洋業務隊 の艦艇群

この作戦情報群には上掲の第一音響測定隊に加えてもう一つ、第一海洋業務隊があります。

こちらは上掲の音響測定艦で構成される第一音響測定隊が潜水艦の推進器音紋の測定に重点を置き、潜水艦の特定とそれに基づく対応に寄与する情報を収集することを主任務とする艦種であるのに対し、海洋観測艦は、海域の海底地形、海底地質、潮流状況、水温層、塩分濃度の構成等の海中状況に関する情報を収集することを目的としています。

両隊の収集する情報はいずれも潜水艦の探索・隠匿について非常に重要な情報で、該当海域での潜水艦戦の立案・実施に当たっては、基礎情報として活用されます。

現在、海上自衛隊の海洋観測艦は「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」の3隻で、これに敷設艦「ARC-483 むろと」を加えて、第一海洋業務隊が編成されています。

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(上の写真は現時点で自作モデルの製作を予定している海上自衛隊第一海洋業務隊に所属する4隻のモデル・データのキャプチャー:上から海洋観測艦「AGS-5105 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」の順:ちなみにAGS= Auxillary General Surveillance  /ARC=Auxillary Repairing Cable)

作戦情報群に属する、第一音響測定隊、第一海洋業務隊を構成する各艦艇は、いずれも非武装の補助艦艇ですが、収集する情報は上述のように潜水艦戦・対潜水艦戦の立案・実施に当たって重要で、そのため原則、これらの艦艇については内部公開はされないなど、厳重な機密保持に配慮が払われています。

いずれも1:1250スケールでは市販モデルが見当たらず、3Dモデルの自作に至っています。

 

海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」(就役:1999-就役中 同型艦なし)

にちなん (海洋観測艦) - Wikipedia

(海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」の概観:88mm in 1:1250 )

同艦は海上自衛隊の保有する海洋観測艦の最古参で、現時点では唯一バウ・シープ(艦首に設置されたケーブル用の大型の滑車)を保有し、これが本艦の大きな外観的な特徴となっています。

満載排水量4500トンの船体を持つディーゼル・エレクトリック推進の艦艇で、20ノットの速力を発揮することができます。観測環境の保持に配慮が払われ、減揺タンクを搭載し減揺対策が取られている他、低速での定点性の維持、直進性維持のためにサイドスラスターを艦首に2基、艦尾に1基、装備しています。

観測機材としては、前述のとおり、艦首にはバウ・シーブを備えこれに伴い艦首甲板にケーブルの収納庫とクレーンが装備されています。艦尾には観測甲板が設けられ、観測機器の没入・揚収用のクレーンを各種搭載しています。

 

(海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」の主要部:艦首のバウ・シーブとガントリークレーン、ケーブル庫とクレーンなど(上段):艦尾の観測甲板に搭載されたクレーン群、搭載作業艇など (下段))

 

海洋観測艦「しょうなん:AGS-5106」(就役:2010-就役中 同型艦なし)

しょうなん (海洋観測艦) - Wikipedia

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(海洋観測艦「しょうなん:AGS-5106」の概観:83mm in 1:1250 )

本艦は、1979年就役の「ふたみ級」海洋観測艦の一番艦「ふたみ」の退役に伴い、上述の「にちなん」の改良型として設計はスタートしましたが、コスト低減のための徹底的な構造の簡素化が検討されました。その結果「にちなん」までの観測艦では標準装備とされてきたバウ・シープが廃止され、これに伴って艦首のケーブル庫や艦首側のクレーンも廃止され、観測機材等は艦尾の観測甲板に集中して装備されることとなりました。これに伴い艦内のレイアウトも簡素化されています。

満載排水量4150トンの船体を持ち統合電気推進を主機として搭載し、16ノットの速力を発揮することができます。

一方で、海上自衛隊としては初めて360度旋回可能なポッド形式のアジマススラスターを推進器として採用し、これにバウスラスター2基を加えて、観測時の艦位保持能力等が格段に向上しています。

アジマススラスター - Wikipedia

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(海洋観測艦「しょうなん:AGS-5106」の主要部:バウ・シーブをなくしてスッキリした艦首の形状(上段)と艦尾の観測甲板。ちょっとわかりにくいですが艦尾には海面に開口したスターン・しーぶも)

 

参考:「ふたみ級」海洋観測艦 (就役期間:1979-2026 同型艦2隻:AGS-5102/5104)

ja.wikipedia.org

(「ふたみ級」海洋観測艦の概観:78mm in 1:1250 by Hai:モデルは「ふたみ:AGS-5102」:Hai社の標準的な仕上がりの精度の高いモデルです)

対潜戦闘における海洋状況の把握が重要となるにつれ、海上自衛隊は保有する唯一の海洋観測艦「あかし」(初代)とこれを補佐する掃海艇改造の海洋観測艇群を運用していましたが、さらにこれを強化すべく設計されたのが「ふたみ級」海洋観測艦でした。音響情報の観測機材運用のため艦首にケーブル敷設機構を搭載し、さらに低速での作業対応のため減揺タンクやバウ・スラスターを装備していました。固有の武装は搭載していません。

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(下の写真は「ふたみ級」の観測関連主要部の拡大:上左)艦首のケーブル敷設用のバウ・シーブ(滑車)とガントリー・クレーン、ケーブルの収容施設など 上右)艦尾に搭載された各種観測機器の懸吊や巻揚などの作業甲板 下左)左舷は観測用の作業艇・内火艇の格納スペース。遠隔操作の無人潜水機も搭載しているかも 下右)右舷には観測作業室などが設置されています)

満載排水量2050トンの船体にディーゼルエンジン2基を搭載し16ノットの速力を発揮できました。

二番艦「わかさ:AGS-5104」は「ふたみ」の就役から7年後の就役となり、一番艦での知見や新たな技術の導入等により、外観は同じながら搭載する機関、船内レイアウトなど大幅な改正が行われています。「ふたみ」は2010年に退役していますが、「わかさ」は2026年まで現役で運用され、その代替として下述の「あかし」(二代目)が建造されています。

 

**ちょっと余談:バウ・シーブの廃止の背景

海洋でのケーブルの補修などの際に巻き上げる際(観測機器も同様です)には、風や波に対応した船舶のポジションを維持することが重要です。このため操船や機関制御のしやすい船首に巻き上げ機能等を集中したバウ・シーブを装備することが有用で、多くのケーブル関連の船舶はバウ・シーブとスターン・シーブ(船尾の滑車:主としてケーブルの敷設時にケーブルを長く流す際に有用)の両方を装備することが一般的でした。

しかし近年では強力な水力を発揮するスラスターの開発、上述のような特殊な機構の主機推進器(アジマススラスターなど)の搭載、さらに艦位を保持するための自動位置保持装置の進化などを背景として、スターン・シーブ(艦尾滑車)で全てを賄う設計に移行してきています。

 

敷設艦「むろと:ARC-483」(就役:2013-就役中 同型艦なし)

むろと (敷設艦・2代) - Wikipediaf:id:fw688i:20260824145156j:image

(敷設艦「むろと:ARC-483」の概観:104mm in 1:1250 )

同艦は初代敷設艦「むろと」の後継艦として2013年に就役しています。

「敷設艦」という名称から、機雷敷設を連想してしまうかもしれませんが、単に「敷設艦」という場合には機雷の搭載能力等は無く、ケーブルの敷設を主任務とする艦種です(ちなみに現時点では海上自衛隊は「機雷敷設艦」という艦種は保有していません)。

満載排水量6400トンの船体にディーゼルエンジン3基を搭載し16ノットの速力を発揮する設計です。推進器には上述の海洋観測艦「しょうなん」と同様、360度旋回可能なポッド形式のアジマススラスターを推進器として採用し、これにバウスラスター2基を加えて、観測時の艦位保持能力等を確保する設計となっています。

艦尾にはスターン・シーブを装備していて、海底に固定式ソナーや通信・観測ケーブルを敷き、潜水艦の動向把握に不可欠な水中環境や動向情報等を収集しています。

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(敷設艦「むろと:ARC-483」の主要部:左舷にオフセットして設置された煙突(上段)と特報的なスターン・シーブや各種のリールの目立つ艦尾の作業甲板)

 

海洋観測艦「あかし:AGS-5107」(就役:2026-就役中 同型艦なし)

あかし (海洋観測艦・2代) - Wikipedia

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(海洋観測艦「あかし:AGS-5107」の概観:88mm in 1:1250 )

上述のように本艦は「わかさ」の代替艦として2026年に就役したばかりの最新鋭の海洋観測艦です。「しょうなん」の就役が2010年でしたので16年ぶりに海洋観測艦が新造されたことになります。

満載排水量4500トンの船体を持ち、ディーゼル・エレクトリック推進方式で16ノットを発揮する設計です。前級「しょうなん」同様、360度旋回可能なポッド形式のアジマススラスターを推進器として採用し、これにバウスラスター2基を加えて、観測時の艦位保持能力等を確保する設計となっています。

外観的には高度な観測・分析能力を暗示する大きな上部構造物を持ち、左舷にオフセットして配置された煙突から、艦中央部には大きな収納スペースが設置されていることが推測できます。

観測機材等は基本的に艦尾の観測甲板から運用される設計です。

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(海洋観測艦「あかし:AGS-5107」の主要部:大きな上部構造物と左舷にオフセット配置された煙突(上段):完備の作業甲板と大きな開口部の見える収納庫 )

 

作戦情報群の構成艦艇の一覧

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(上段写真:第一海洋業務隊:左から海洋観測艦「AGS-5105 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」の順 下段写真:第一音響測定隊:左から音響測定艦「ひびき:AOS-5201」「はりま:AOS-5202」「あき:AOS-5203」「びんご:AOS-5204」の順)

 

ということで、投稿済みの第一音響測定隊の「ひびき級」音響測定艦と併せて、作戦情報群を構成する艦艇のラインナップは完了しました。

 

次回はあと残りわずかとなってきた感のある海上自衛隊の未保有艦艇群(南極観測艦「しらせ」や潜水艦救難艦)のモデルについての自作進捗のお話や、うまくいけば以前少しご紹介したコミック「砂漠のウサギ」関連の「フェアリーランド王国海軍」の主力艦のモデル製作の進捗状況のお話などできれば、と考えています。もしかすると別のお題を挟むかも。

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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自作3Dモデル:大型補給艦「ましゅう級」の製作と第一水上補給隊、海洋観測艦のモデルアップデート

今回は、2026年の海上自衛隊の大改編に伴い発足した水上艦隊の養生補給の要、第一水上補給隊の補給艦のご紹介です。

週末に予定、さらに来週の帰省等に伴い、少し早め(かつ短い)の投稿です。

 

第一水上補給隊

第1水上補給隊 - Wikipedia

発足当初の周辺海域の警備・シーレーンの安全確保等の任務から、海賊対策・機雷掃海等、海外派遣海上自衛隊の活動領域の拡大に伴い、これらの任務に従事する海自の艦艇の活動期間が長期化するわけですが、これらの長期活動を支える燃料・食料等の洋上補給の重要性は増してゆきます。これらを担うのが、大型補給艦で構成される第一水上補給隊です。

2026年の大改編に伴い「第一会場補給隊」から「第一水上補給隊」に呼称が変更されました。

    海自が保有する以下の2艦級、5隻の補給艦で構成されています。

    「とわだ級」補給艦

    補給艦「とわだ:AOE-422」(母港:呉基地)

    補給艦「ときわ:AOE-423」(母港:横須賀基地)

    補給艦「はまな:AOE-424」(母港:佐世保基地)

    「ましゅう級」補給艦

    補給艦「ましゅう:AOE-425」(母港:舞鶴基地)

    補給艦「おうみ:AOE-426」(母港:佐世保基地)

     

    「とわだ級」補給艦(就役:1987-就役中:同型艦3隻:AOE-422〜424)

    とわだ型補給艦 - Wikipedia

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    (「とわだ級」補給艦の概観:133mm in 1:1250 by F-toys)

    1980年代に海上自衛隊は4群の護衛隊群を基幹戦力として整備してゆきますが、この整備に伴い円滑な活動を実現するために、洋上補給能力の強化が求められましたが、それまで海自が保有する補給艦は「さがみ:AOE-421」1隻のみでした。1護衛隊群に1隻の洋上補給艦の随伴を可能にするために同級が建造されました。

    基本的には「さがみ」の改良型でしたが、荒天時での活動能力が強化され、髙乾舷の遮波甲板線形が採用されています。

    基準排水量8100トンの船体(前級「さがみ」は5000トン)に大型のディーゼルエンジン2機を搭載し、22ノットの速力を発揮することができます。

    洋上補給の施設としては前級「さがみ」を踏襲しており3箇所6基の補給ステーションを装備しています。右舷側最前列が1番ステーションと呼称され、最後尾(ブリッジ前)左舷側が6番ステーションです。1・2・5・6のステーションは燃料や航空燃料、真水等の液体貨物の補給用で、3・4のステーションは食料や弾薬等のドライ・カーゴの移送用です。

    f:id:fw688i:20260807133415j:image

    (「とわだ級」補給艦の補給ステーション:左から液体貨物用の 1番・2番ステーション、ドライ・カーゴ用の3番・4番ステーション、液体貨物用の5番・6番ステーション)

    固有の兵装としてはデコイ発射機のみで、CIWSの装備は計画されていますが、現時点では搭載されていません。重機関銃用の銃架が2基装備されていて、必要に応じ重機関銃が設置されますが、前回投稿でご紹介したように、海上自衛隊では重機関銃は火器として扱われ、武装とは見なされていません。

    f:id:fw688i:20260807133428j:image

    (「とわだ級」補給艦の上部構造物とヘリ発着甲板(下):艦橋上に対空防御用のデコイ発射機が装備されています)

    艦後部にはヘリ甲板がありますが、発着艦専用で固有の搭載機、整備庫等の装備はありません。

     

    同型艦3隻:「とわだ:AOE-422」「ときわ:AOE-423」「はまな:AOE-424」

    f:id:fw688i:20260807133945j:image

    (同型艦3隻と各艦の艦番号: AOE-422〜424のアップを:実は三番艦「はまな:AOE-424」はF-toysからロービジ化後のモデルが発売されているのですが、筆者の知識不足でこの情報を知らず、「とわだ」のモデルの艦番号張り替えで揃えています。下はF -toysから販売されている「はまな」のモデル:ちなみにAOE=Auxiliary Oiler Explosives)

     

     

     

    「ましゅう級」補給艦(就役:2004-就役中:同型艦2隻:AOE-425/426)

    ましゅう型補給艦 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260807134733j:image

    (「ましゅう級」補給艦の概観:176mm in 1:1250 :自作の3Dモデルです)

    同級は前出の「とわだ級」補給艦の性能向上型です。

    従来の艦隊への洋上補給任務に加え、国際平和協力や災害時の国際緊急援助活動等、多様な任務への対応力を強化しています。

    基準排水量を前級の約1.6倍の13500トンとし、海自の補給艦としては初めて主機をガスタービンとし、24ノットの速力を発揮できます。

    洋上補給ステーションは前級「とわだ級」と同じ6基設定され、艦首よりの1・2番が燃料用、3・4番がドライ・カーゴ(食料・弾薬・物資等)用 、5・6番が燃料・航空燃料・真水用とされています。搭載量は大幅に拡大し、燃料・航空燃料は10000トン、「とわだ級」の1.5倍となっています。

    f:id:fw688i:20260807134752j:image

    (「ましゅう級」補給艦の補給ステーション:左から液体貨物用の 1番・2番ステーション、ドライ・カーゴ用の3番・4番ステーション、液体貨物用:主燃料・航空燃料・真水)の5番・6番ステーション)

    艦後部には前級同様ヘリの発着甲板が設けられていますが、より大型のヘリに対応できるように拡大され、さらにヘリ甲板に隣接してバンカーが設けられ、ヘリ搬入物の保管倉庫、あるいはヘリ自体の格納庫として活用され、ヘリコプターによる物資輸送・補給への対応力が高められました。

    f:id:fw688i:20260807142257j:image

    (「ましゅう級」補給艦の上部構造物とヘリ発着甲板(下):艦橋上に対空防御用のデコイ発射機が装備されています。ヘリ発着甲板に隣接してヘリ輸送物資の保管スペース、あるいはヘリの格納・整備庫としても活用されるバンカーが設置されています)

    同級で導入された新基軸として医療区画の拡充が挙げられます。手術室・集中治療室から歯科治療室まで設けられ、隔離室の設定まで可能な46床の入院設備を装備し、海自の艦艇では最も高度な医療対応能力を保持しています。内外への大規模災害派遣や現地病院船としての運用が考慮されています。

    個艦防衛機能は兵装としては、デコイ発射機のみで、CIWSの搭載計画がありながら未搭載な「とわだ級」同様です(重機関銃の住家も同様に搭載しています)。

    模型的なお話

    同級は筆者の知る限り1:1250スケールでの市販のモデルはなく、今回、3D自作モデルの作成対象としました。

    (上の写真は「ましゅう級」補給艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:モデルの仕上げに当たっては、艦上の補給ステーションのポール類、マストの頂部・ボート類等はF ~toysの「とわだ級」補給艦のストックモデル:「すがしま級」掃海艇などの収集のために発生しました)から転用しています)

    同型艦2隻:「ましゅう:AOE-425」「おうみ:AOE-426」

    f:id:fw688i:20260807134842j:image

    (同型艦2隻と各艦の艦番号: AOE-425/426のアップを:実はヘリ甲板のマーキングは同級の就役時には白線のみのデザインに返納されていたはずで、モデルに使用しているものは事実と異なります。が、このサイズの甲板マーキングのデカールがないので、やむなく。ご容赦を)

     

    ということで、「水上艦隊」の「第一水上補給隊」のラインナップは完了です。

     

    作戦情報群:第一海洋業務隊 の艦艇群のモデルのアップデート

    本稿前回投稿で、第一海洋業務隊の海洋観測艦「AGS-5105 にちなん」、「AGS-5106 しょうなん」、「AGS-5107 あかし」のモデルについて、プリンティング・ラボに依頼中、多分、次回紹介できるかも、という予告をしています。

    f:id:fw688i:20260713174246j:image

    (上の写真は現時点で自作モデルの製作を予定している海上自衛隊第一海洋業務隊に所属する4隻のモデル・データのキャプチャー:上から海洋観測艦「AGS-5105 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」の順:このうち敷設艦「ARC-483 むろと」を除く3隻の海洋観測艦について制作依頼中でした)

     

    本稿の投稿当日に、モデルがプリントアウトされてきましたので、速報的にご紹介しておきます。

    海洋観測艦「にちなん:AGS-5105」(就役:1999-就役中 同型艦なし)

    にちなん (海洋観測艦) - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260809164927j:image

    サポート部材をざっと外しただけのモデルです。艦尾甲板のクレーン等、少し手を入れるかもしれません。

    筆者は、自作モデルで課題としてご紹介しているトラス構造のマストの再現について試行錯誤している、というお話をしています。本艦もトラス構造のマストを保有していますので、この再現性を高める一つの試行として、今回、マスト部分だけを別パーツでプリントアウトしてもらう、という方法をとっています。

    下の写真では本体に接着後のマストと、その元となった別プリントアウト部品のヴァリエーションをご紹介しています。f:id:fw688i:20260809165114j:image

    併せて、本艦の艦首のケーブル敷設軌条には櫓状の構造物があるのですが、こちらも別パーツでプリントアウトしたものを使用しています。

    海洋観測艦「しょうなん:AGS-5106」(就役:2010-就役中 同型艦なし)

    しょうなん (海洋観測艦) - Wikipedia

    構造の簡素化が図られ、「にちなん」までの観測艦では装備されていた艦首のケーブル敷設軌条が廃止されました。こちらも艦尾のクレーン等少し手を入れるかもしれません。少し全体の高さも気になるので、もしかすると再プリントアウトを依頼するかも。

    海洋観測艦「あかし:AGS-5107」(就役:2010-就役中 同型艦なし)

    あかし (海洋観測艦・2代) - Wikipedia

     

    f:id:fw688i:20260809164930j:image
    こちらもプリントアウト仕立て、サポート部材ざっくり外しただけの状態です。左舷にオフセットして配置された煙突の再現には、かなり苦労をした記憶があります。でもこちらはいい感じかと。

    (ちなみにAGS= Auxillary General Surveillance)

    これから粛々と仕上げてゆく予定です。

    併せて積み残した敷設艦「むろと:ARC-483」と、必要に応じて上述の「しょうなん:AGS-5106」の再制作なども進めておきます。

     

    ということで今回はここまで。

    イベント・帰省などにより、2回ほど投稿を休みします(我慢できず、何か投稿するかもしれませんが、新しいモデル等の制作はお休みです)。

    次回は海洋観測艦のモデル作成の進捗状況や、残りの海上自衛隊の補助艦艇のモデル(かなり残り少なくなってきました)の制作のお話などを予定しています。

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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    自作3Dプリントモデル:音響測定艦・第一水上訓練支援隊を構成する訓練支援艦・多用途支援艦の製作

    今回は自作3Dプリントモデルの制作進捗として、前回投稿でも一部紹介していますが、「ひびき級」音響測定艦の仕上げ、、第一水上訓練支援隊を構成する訓練支援艦「くろべ」「てんりゅう」、さらに「ひうち級」多用途支援艦の制作のお話などを。

     

    まず、自作モデルの第二弾以降の制作状況のアップデートです。

    「ひびき級」音響測定艦(就役:1991-就役中:同型艦4隻:AOS-5201〜5204)

    ひびき型音響測定艦 - Wikipedia

    (上の写真は「ひびき級」音響測定艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:このモデルでは後述のようにトラス構造マストの再現の一試行として、モデルのSolid化によってモデルをやや太らせプリント・アウトに耐えられる構造を目指する、という試みを行なっています。ですのでエッジの表現などはやや緩め、です)

    f:id:fw688i:20260802173758j:image

    (「ひびき級」音響測定艦の概観:52mm in 1:1250  双胴形式という特異な形状をした船です)

     同級は仮想敵国の潜水艦の音紋データの収集を主任務に開発された艦艇で、満載排水量3800トンの、荒天時にもある程度曳航するソナーの直線安定性を確保できることを狙った「双胴船」という特異な船体形状を持つ艦船です。この船体形状は上述のように安定直進性をもたらすほか、曳航式ソナーの長大なワイアーの収納、想定される長期間の航行任務における居住性、補給や乗員搬送等のヘリコプターの発着艦にも適した形状とされています。

    ディーゼル・エレクトリック方式の基幹を搭載し11ノットの速力を発揮できる設計です。

    艦の後半部はヘリ甲板になっていますが、固有の搭載機・格納庫は持たず、個艦防御等の兵装も装備されていません。

    作戦情報群:第一音響測定隊

    2026年の大改編で新たに発足した防衛大臣直轄の情報作戦集団作戦情報群に属し、その指揮下にある呉基地の第一音響測定隊に4隻共に所属しています。

    同型艦4隻:「ひびき:AOS-5201」「はりま:AOS-5202」「あき:AOS-5202」「びんご:AOS-5204」:

    f:id:fw688i:20260802173812j:image

    (同型艦4隻と各艦の艦番号: AOS-5201〜AOS-5204のアップを:実は二番艦と三番艦の建造には20年近い感覚があり、マストやヘリ甲板の形態が異なるらしいのですが、詳細が把握できていません:ちなみにAOS=Auxiliary Oceanographic  Surveillance)

    これで作戦情報群、第一音響測定隊は勢揃いです。

    余談:模型的なお話

    すでに前回投稿でも触れていますが、今回、さらに今後の3Dプリントモデルの自作にあたり、1:1250スケールという小スケールではどうしても再現が困難な部分があることが、まさに体感としてわかってきました。

    その一つがマスト。特にトラス構造のマストは収集画像から生成されたモデル・データだけでは再現が難しく、この「ひびき級」のモデルでその対策アイディアの一案にトライしています。

    以下、前回投稿を再録して、説明しておきます。

    トラス構造のマストを3Dモデリングすると、モデル・データとしては下の写真の上段の2点の画像のように表現されます(おお、いい感じ、です)。しかし、スライサー(データをプリンターにかける設計ソフト)にかけると下段のような表示になり、半透明の部分は「プリント不可」という意味ですので、マストの基部から多分プリント・アウトされないことになります。

    つまり、かなり厳しいのだなあ、と。

    初歩的なトライとして「ひびき」で取り組んだのがSolid処理。この言葉が正しいかどうか、初心者である筆者にはわかりませんが、要は「細くて再現できないのなら、少しモデルを太らせればいいのでは?」という発想です。

    結果的には一定の効果があった=トラス構造らしきマストが再現できた、と考えています。

    f:id:fw688i:20260802174115j:image

    (音響観測艦「ひびき」の概観(上段)とマスト部分の拡大画像:下段左からマスト部分:未処理データでのスライサー画像(左)、ソリッド処理後のスライサー画像(中央)、実際にプリント・アウトされたモデル(右))

    しかし今回の「ひびき」のモデル概観がそれほど特徴的な突起などもない平板な構造だったので今回は処理が功を奏した、と考えるべきだと思っています。多くの場合では、この処理をモデルにかけた場合には、せっかくモデル・データではシャそのお話はープなフォルムを得ているのに、太らせることによって、モデル全体がエッジの立たない「ぼんやり」としたモデルになってしまうのです。

    汎用的に適応できる処理ではない、というのが正直なところではあるのですが、では「ひびき」のモデルに限定した成果かというと、実はそうではなくトラス構造のマストのみ分離して別パーツとしてソリッド処理をし、船体(本体)はソリッド処理をしないできるだけシャープなものを出力してもらい、部品として組み立てる、という方法が取れないか問模索へと繋がってゆきます。そのお話は、後述の訓練支援艦の項で。

    作戦情報群:第一海洋業務隊 の艦艇群:制作進行中

    ちなみに、この作戦情報群にはもう一つ、艦船を保有する第一海洋業務隊があり、海洋観測艦「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」が属しています。

    こちらは上掲の「ひびき級」音響観測館が潜水艦の推進器音紋の測定に重点を置いた艦種であるのに対し、海底地形、海底地質、潮流状況、水温層、塩分濃度の構成等の海中状況に関する情報を収集することを目的としています。

    いずれも1:1250スケールでは市販モデルが見当たらないので、筆者としては自作の3Dモデルで埋めてゆく予定です。現時点では「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」のプリントアウトを依頼中です。

    f:id:fw688i:20260713174246j:image

    (上の写真は現時点で自作モデルの製作を予定している海上自衛隊第一海洋業務隊に所属する4隻のモデル・データのキャプチャー:上から海洋観測艦「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」の順:ちなみにAGS= Auxillary General Surveillance  /ARC=Auxillary Repairing Cable)

    作戦情報群に属する、第一音響測定隊、第一海洋業務隊を構成する各艦級は、いずれも非武装の補助鑑定ですが、収集する情報はいずれも潜水艦の行動を規定し、海域での潜水艦戦の立案・実施に当たって重要です。そのため高度な機密保持が要求され、原則、これらの艦艇については内部公開はされないことになっているようです。

     

    第一水上訓練支援隊

    2026年の海上自衛隊の大改編で、海上自衛隊の水上艦隊には、護衛艦等の各種訓練を支援する第一水上訓練支援隊が編成されました。「くろべ」「てんりゅう」の2隻の訓練支援艦に加え、それまで各地方隊に配置されていた「ひうち級」多用途支援艦5隻で構成されています。

    訓練支援艦

    海上自衛隊の水上艦隊にはいわゆる第一線戦力である三つの「水上戦群」、港湾防備・周辺海域の哨戒等、以前は地方隊と呼ばれる組織が担当していた業務を実行する「哨戒防備群」、そして先に紹介した「水陸両用戦機雷戦群」の他に、養生補給を主要任務とする「第一水上補給隊」と「第一水上訓練支援隊」が水上艦艇としては所属しています。(前述の第一音響測定隊・第一海洋業務隊の所属する「作戦情報群」は三自衛隊横断の組織で防衛大臣直轄の組織で、つまり水上艦隊には所属していません)

    (上の写真は訓練支援艦「くろべ」(上段)と訓練支援艦「てんりゅう」(下段)の自作3Dモデルのキャプチャー画像:このモデルではトラス構造を含むマストの再現の一試行として、マスト部分を切り出し別パーツ化しSolid化のレベルの異なる別パーツを準備してみました。これにより本体の精度は保ったまま、トラス構図のマストも再現してみよう、という狙いだったのですが・・・)

    訓練支援艦は主に護衛艦等の対空射撃訓練をサポートする艦船です。無人標的機・標的ミサイル(ターゲット・ドローン)の射出、操縦、射撃効果を測定し評価するシステムなどを搭載しています。

    en.wikipedia.org

    en.wikipedia.org

    現在就役している2隻の訓練支援艦(「くろべ」「てんりゅう」)はいずれも艦橋構造物上のフューズドアレイレーダーによって複数の標的(ターゲット・ドローン)の誘導・完成が可能です。艦後部にはバンカーとヘリ発着甲板が設置されていますが、固有のヘリの搭載能力はなく発着のみ可能で、この甲板とバンカーは、主としてターゲット・ドローンの射出、整備等に用いられています。

    訓練支援艦「くろべ」(就役:1989-就役中:同型艦なし:ATS-4202

    くろべ (訓練支援艦) - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260802174832j:image

    (訓練支援艦「くろべ」の概観:81mm in 1:1250  後部の作業甲板では標的の射出準備が進んでいます(下段))

    「はつゆき級」汎用護衛艦に始まる一連の短SAM搭載の新世代汎用護衛艦の就役で、海上自衛隊の防空装備は一新され、高度な訓練に対する要求が高まってゆきます。訓練支援艦「くろべ」は、フューズド・アレイ・アンテナに加え複数の飛行標的(ターゲット・ドローン)管制機器を搭載し、訓練評価機器も備えた新基軸の訓練支援艦として設計されました。

    2550トンの船体にディーゼルエンジン4基を搭載し、20ノットの速力を発揮できました。

    艦後部には広く標的(ターゲット・ドローン)の発射用の作業甲板、標的整備等のバンカーが設置されています。ヘリの発着艦甲板としても利用されました(固有の搭載・整備能力はありません)。個艦の武装として3インチ単装速射砲を搭載していますが、これは操縦不能となったターゲット・ドローンの撃墜用です。

    f:id:fw688i:20260802174846j:image

    (訓練支援艦「くろべ」の主要装備:艦首には故障標的撃墜用の3インチ速射砲(上段)、後部の作業甲板では標的射出用のスペースとして使用されています(下段))

    後述の「くろべ」と共に呉基地を母港としていますが、2027年度に退役が予定されています。

    (ちなみにATS=Auxillary Training Support) 

     

    訓練支援艦「てんりゅう」(就役:2000-就役中:同型艦なし:ATS-4203)

    てんりゅう (訓練支援艦) - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260802175254j:image

    (訓練支援艦「てんりゅう」の概観:84mm in 1:1250  後部の作業甲板では標的の射出準備が進んでいます(下段))

    前出の「くろべ」の性能向上型として建造されました。2750トンの船体にディーゼルエンジンをを4基搭載し22ノットの速力を発揮できます。搭載装備等は「くろべ」に準していますが、女性自衛官の居住スペースの確保や遮音性・防振対策等、乗員の居住性に配慮がされた設計になっています。

    f:id:fw688i:20260802175311j:image

    (訓練支援艦「てんりゅう」の主要装備:艦首には故障標的撃墜用の3インチ速射砲(上段)、後部の作業甲板では標的射出用のスペースとして使用されています(下段))

    実は各国海軍を見ても「訓練支援艦」という特化した艦種の設定は珍しく、訓練方式の陸上化、シミュレーションへの移行が進められており、併せて「もがみ級」多機能護衛艦の就役に伴い、その優れた無人機運用機能に訓練支援を集約・肩代わりさせる計画もあり、上述の「くろべ」と同様、2027年度には退役する予定です。訓練支援艦という艦種自体がなくなりそうで、少し寂しい気がします。

    余談:模型的な話:分割パーツ製作へのトライ

    「ひびき級」モデルの項で少し触れましたが、トラス構造マストの製作の第二案として、「トラス構造のマストのみ分離して別パーツとしてソリッド処理をし、船体(本体)はソリッド処理をしないできるだけシャープなものを出力してもらい、部品として組み立てる」という方法に今回の訓練支援艦のモデルではトライしています。

    結論としては、今回の完成モデルが全てなのですが、6つの分割パーツを出力してもらい、そのまま使えたものは一つでした(「てんりゅう」に使用)。残りの5つはマストの基部とマスト部分が切断されていました(サポート材からの剥離の際に筆者がうまく剥がせなかった、というケースも含め)ため、エポキシ・パテ等での接合が必要でした(「くろべ」に使用しています)。

    f:id:fw688i:20260802175428j:image

    (分割作成されたマスト部分の拡大:一点だけうまくう出力されたマスト部品を使用した「てんりゅう」のマスト(左)とエポキシ・パテで補修したマスト部品を使用した「くろべ」のマスト(右))

    塗装をすれば見栄えはあまり変わらない、というところで、一案としてはアリかな、という評価が妥当かと思います。

    現在出力を依頼中の海洋観測艦「にちなん」のマストも同じようなトラス構造ですので、同様の仕様で出力を依頼しています。こちらの結果も待ってみましょう。

     

    「ひうち級」多用途支援艦(就役:2002-就役中:同型艦5隻:AMS-4301〜4305)

    ひうち型多用途支援艦  - Wikipedia

    (上の写真は「ひうち級」多用途支援艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:このモデルではマストの再現の一試行として、モデルのSolid化によってモデルをやや太らせプリント・アウトに耐えられる構造を目指する、という試みを行なっています。ですのでエッジの表現などはやや緩め、です)

    同級は上掲の訓練支援艦が対空戦闘の訓練に重点を置いた装備を搭載した設計であるのに対し、射撃訓練のための洋上目標の曳航、自走式射撃標的の搭載・管制・運用、訓練魚雷の回収等の訓練支援に加え、災害派遣時の物資輸送、救難、故障両艦の曳航等、文字通り多目的に対応するよう設計されました。それらの目的のために、艦尾部には広い作業甲板が確保され、災害時には車両運搬などにも対応が可能です。船舶火災や港湾施設の消火救援のための放水銃、目標や故障僚艦の曳航のための大型のウィンチ、物資搭載のためのクレーンなどを装備しています。バウ・スラスターを装備し小回りが確保され小規模の港湾でも運用可能で、文字通り多用途に対応する能力を付加されています。

    1400トンの船体にディーセルを主機として搭載し、15ノットの速力を発揮する設計です。

    後期型の2隻には建造当初から重機関銃の銃架が艦橋上に設置され(後に先行した1〜3番艦にも搭載)警備出動などの際の近接戦闘への能力が付加され、されに水中通話機が装備されるなど潜水艦の訓練支援機能が強化されています。

    **余談ですが海上自衛隊では重機関銃は武装とは見做されず、搭載火器(乗員用の小銃や拳銃と同じ扱い?)と解釈されるようです。つまり公式資料の武装には当たらない、ってことでしょうか?

    f:id:fw688i:20260802180612j:image

    (「ひうち級」多用途支援艦の概観:52mm in 1:1250: 後部の作業甲板上には自走式水上標的バラクーダを搭載しています:下の写真は大型のクレーン、リール、射撃用自走標的バラクーダ(黄色いボート形状のもの:実物は多分グレー基調だと思います)を搭載した後甲板の拡大)

    f:id:fw688i:20260802180619j:image

    takaoka.zening.info

     

    同型艦5隻:「ひうち:AMS-4301」「すおう:AMS-4302」「あまくさ:AMS-4303」「げんかい:AMS-4304」「えんしゅう:AMS-4305」

    f:id:fw688i:20260802180400j:image

    (同型艦5隻と各艦の艦番号: AMS-4301〜4305のアップを:ちなみにAMS=Auxiliary Multipurpose Support)

    訓練支援艦の2027年度退役に伴い、同級の去就が気になりますが、今のところ退役予定は公表されていないようです。同級は前述のように訓練支援等に加え、物資搬送や補給等のまさに「多用途艦」ですので、災害時派遣等の任務にも用いられています。まさに海自のワークホース、というところかと。

     

    ということで、なんと、第一水上訓練支援隊が真っ先にモデルのラインナップを完了してしまいました。

    (実は本稿は「ほぼ週刊」とうたっていますが、今回、この「ひうち級」のモデルが先週末に到着し、この制作で一回飛んでしまいました:言い訳です。モデルを触っている方が、面白いので)

    今回はここまで。

     

    次回は「現在プリントアウト依頼中」と紹介した海洋観測艦のモデルのアップデートなどを予定しています。第一補給隊(「とわだ級」補給艦3隻、「ましゅう級」補給艦2隻で構成)も鋭意作成中です。どこかで水陸両用戦機雷戦群の紹介もしなくては、と思っているのですが。

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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    自作3Dモデル製作咄:イメージを具体化する、について考える事など

    変なタイトルになりました。

    何を言いたいのかというと、自作の3Dモデルの製作に手をつけてから、頭の中の情報(この段階ではイメージにまで至っていないことが多いので、あえて「情報」と表記しておきます)を立体に具体化する、という面白い作業をいくつかの工程に分けて取り組もうとしているわけですが、その工程毎に色々な課題が出てきて、それをどのように系統化すればいいのか、そんなことを考え続けている、そういうことなのです。このため、模型自体の製作がほとんど進行していないという困ったこと(えっ、誰か困っている人がいるんでしたっけ?)が起こっています。が、まあこれも必要な「充電期間」と考えて、時間をかけてゆきましょう。

    今回はそんなお話を、筆者自身の頭の整理のために、少し。筆者自信に向けたメモ、です。何卒ご容赦を。

     

    何を作りたいのか?:デジタル・データの作成フェイズ

    本稿ではこのところ、海上自衛隊の「2026年大改編」を機に、現有艦船の整理に取り組んでいます。既存モデルの市販されているものは、長年の積み重ねで、手に入るものはほぼ網羅できているので、市販モデルのない艦級のモデル化が、自作3Dモデル製作の主眼になっています。

    海上自衛隊艦船のモデル化進捗

    実は「これ等」については、モデルのデジタル・データの制作はほぼ完了しています。実艦との齟齬をどう埋めていくかの検証が次ステップですが、「1:1250」という小スケールに少し甘えさせていただければ、まずはコレクションの完了を目指すべきかと思い、粛々とプリントアウト以降の工程へと進めていく予定です。これはこれまでの筆者の少ないながらもこのプロセスでの経験から、どうやら筆者は具体的に物を目にして、あるいは手にして、始めてその不具合に気づく、という思考過程のアラが見えてきた(今更、な話ですが)という実情に沿ったものでもあると考えています。とは言え、プリント・アウトの費用手当て、さらにはその後の仕上げ作業を考慮して、現実的なスケジュール化をする必要があり、一気にというわけにもいかないのです。

    f:id:fw688i:20260713174246j:image

    (上の写真は現時点で自作モデルの製作を予定している海上自衛隊第一海洋業務隊に所属する4隻のモデル・データのキャプチャー:上から海洋観測艦「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」の順)

    f:id:fw688i:20260629120216j:image

    (上の写真は実際にプリント・アウト段階に着手しているモデル・データのキャプチャー画像:訓練支援艦「くろべ」(上段)「てんりゅう」(中段)「ひうち級」多用途支援艦(下段左)「ましゅう級」補給艦(下段右))

     

    次のテーマは?:大きな二つの制作軸

    現時点(2026年7月)で筆者がデザイン・データの製作に手をつけている領域が二つあります。

    一つは筆者がほとんどモデル保有していない(一点のみ)、かつ、市販モデルもほとんどない「海上保安庁」の巡視船系のモデル。

     

    海上保安庁の巡視船

    海上保安庁は現時点(2026年7月?)で多くの巡視船を就役させており、以前からその体系的な情報の整理・理解などの機会を探していました。ついにその機会が訪れた、そんな期待感満載です。

    一方で、1:1250スケールの市販の模型状況を整理しておくと、正直言って体型的なコレクションには程遠く、いつもお世話になっているsammelhafen.deでも、以下が見つかる程度です。

    Manufacturer

    No.

    Name

    Type

    Year rep.

    Albatros

    ALK 457

    Shiretoko (PL 65)

    Coast Guard

    2011

    Albatros

    ALK 461

    Izu (PL 31)

    Coast Guard

    2019

    Albatros

    ALK 462

    Kojima (PL 31)

    Coast Guard

    2016

    HB

    HB 37

    Banna

    Coast Guard

    1999

    HB

    HB 37a

    Mizuki

    Patrolboat

    2000

    筆者が保有してるのは上記のKojima(PL 31)のみで、実はBannaかMizukiのいずれか(いずれも「びざん型」小型巡視船です)も保有しているはずなのですが、小さなモデルでどこかに紛れてしまっていて、見つけられずにいます。

    (海上保安庁の巡視船で筆者が唯一保有している巡視船「こじま:PL21」のモデル:92mm in 1:1250 by Albatros: モデルはArbatros社標準の大変精度の高いモデルです)

    (目下、行方不明の筆者が保有しているはずの「びざん型」巡視艇:by HBモデル)

    そんな状況なので、筆者としてはこれまでほぼ未着手、つまり体系的な取り組みを始めるには大変いい対象ではあるのです。

    少し、海上保安庁の巡視船(巡視艇までは今回は手を広げるのはやめておきます)について、系統的な整理しておくと「ヘリコプター搭載型大型巡視船:PLH」「大型巡視船:PL」「中型巡視船:PM」「小型巡視船:PS」と分類されます。

    就役中の艦級が「ヘリコプター搭載型大型巡視船:PLH」が1979年就役の「つがる型」から2020年就役の「しゅんこう型」まで6タイプ、固有の搭載ヘリコプターは持たず概ね750トンを超える船体を持つ「大型巡視船:PL」が「おじか型(1991年就役)」から最新の「いつくしま型(2024年就役)」まで11タイプで(上掲の筆者保有の「こじま:Kojima (PL31)はこのグループに属しています)、これ等の船舶が外洋での警備活動の基幹を構成しています。

    (下の画像は上述のPLH, PLの筆者が製作中の3Dモデル画像をキャプチャーしたもの:上段はPLH:手前から「つがる型」「あきつしま型」「れいめい型」、下段ではPL:手前から「おじか型」「ひだ型」「こじま型」「いつくしま型」の各タイプを示しています:数が多いので代表的なものをピックアップしています)

    f:id:fw688i:20260721094551j:image

    昨今の不審船対応など高速を生かし即応性を狙った「中型巡視船:PM」が「あまみ型(1992年就役)」から「かとり型(2016年就役)」まで4タイプ、450トン未満の近海での活動を中心に設計された「小型巡視船:PS」が「たかつき型(1992年就役)」から「しもじ型(2016年就役)」まで4タイプとなっています。

    (下の写真:上段はPM:手前から「あまみ型」「てしお型」(砕氷船タイプですので少し形状が特異です)、「とから型」、「かとり型」の順:下段ではPL:手前から「たかつき型」「びざん型」「つるぎ型」「しもじ型」の各タイプを示しています画像では大きさが逆転していますが、モデル・データの実寸では下段の方がかなり小さなモデルになっています)

    f:id:fw688i:20260721103130j:image

    上掲の海保の巡視船全タイプのモデル・データは、ほぼ第一ドラフトの製作を完了しています。とは言え、数が大変多いことに加え、筆者があまりにも海保の船舶に関する知識を持ち合わせていないことも改めて認識したので(例えば、就役の順序がわからない、などの基本的な知識ですら・・・。情けないことです)、作りながら情報を蓄え、必要に応じて再製作、そんな手順を踏むことになるかと想定しています。

     

    そしてもう一つの軸が、架空の「フェアリーランド王国海軍」の艦艇群。

    こちらは本稿で2026年3月から5月頃にかけて取り組んだ「砂漠のウサギ」というコミックに登場する「フェアリーランド王国」という架空の国家(現在のアイルランド、キプロス、シリア、モザンビークなどに領土を持つ多種族(人類以外も含んでいます!)国家の第二次世界大戦参戦の顛末を描いたコミックです)の海軍艦艇のモデル化を目指してみよう、という試みです。

    コミックの本筋は北アフリカ戦線に投入された同王国の機甲部隊の戦記なので、海軍艦艇は本筋にはほとんど登場しません(と記憶しています)。登場する戦車のガレージキットを、どういう経路か忘れてしまいましたが筆者が保有しており、その製作を機に、このコミックに辿り着き、「砂漠のウサギ」ワールドにはまっていったという経緯の出会いだったので、本稿でも装甲車両のモデル製作、という本稿の「主題」からは少し離れた投稿を連発した時期がありました。

    fw688i.hatenablog.com

     fw688i.hatenablog.com

     

    3D プリントへの道を開いてくれた「砂漠のウサギ」

    この一連の装甲車両の製作を機に、筆者は3Dモデルの世界に足を踏み入れて行くことになるのです。最初ほモデル・データを購入してスケール調整をするというところから始まり、今は自作のモデル・データの製作へとたどり着いた、そのきっかけがこの「砂漠のウサギ」との出会いだったのです。間違いなく2026年の筆者の模型生活においては最大のトピックであり、模型製作のエポックであったと言っていいと考えています。

    まさに、出逢いに感謝、です。

    「フェアリーランド王国海軍」艦艇、モデル化計画

    前述のように、このコミックは陸戦戦記なのですが、上述のように「フェアリーランド王国」は海を越えた広く点在する領土を抱えた国家であり、その維持には海軍は欠かせません。原作者の運営されるサイトにも下記のような記載があり、海軍艦艇についても記述があります。

    www.linkclub.or.jp

    筆者はこれまで架空艦・未成艦のモデルはいくつか手がけてきていますので、「これもいつか作れるといいなあ」という思いで見てきたわけです。これまでの筆者の架空艦・未成艦への取り組みは、既存のモデルをベースに、あるいは市販されている架空艦のモデル(多くは3Dプリント・モデルだったのですが)をベースにしてディテイルを整えてゆく、という手順でしたので、取り組みには限界がありました。

    3Dモデル自作の取り組みは、どうやらこの限界を大きく広げてくれることになりそうです。

     

    というわけで、以下の取り組みを具体化させています。

     

    戦艦Melguid

    26000トンの船体を持ち、35.4センチ主砲8門搭載の超弩級戦艦です。第二次世界大戦当時はこれに近代化改装を施して、現役として配備されていました。

    上のカットはMelguidの3Dモデル製作を段階的に説明するために作りました。

    まず、上段は筆者が知る限りでは唯一の戦艦Melguidのイラストです(*もっと他にあることをご存知の方、是非、お知らせください)。

    そして中段は、少し似ていそうな実在する戦艦(イタリア海軍とかフランス海軍、英海軍の「リヴェンジ級」戦艦あたり)の画像データをAIにインプットして生成させた、3Dモデルのキャプチャーです。中段のモデルは、原案のイラストにかなり忠実ではありますが、これでは筆者のコレクションに加えるには、まだコミック的な表現になっていて、ややリアリティが不足するような気がします。そこで、今度はこれをベースとして実在の戦艦のイラストを4面図的な平面図を画像加工(つまり切ったり貼ったり)して生成させたモデルが最下段に掲示したものになります。

    細部に引っかかり出すとキリがないのですが、全体的には、おそらく大改装は「フェアリーランド王国」の東地中海の領土であるキプロスかレバノンあたりで行われたであろうという想定をした上で、そうすると背景にはイタリアの技術の影響が大きいのではないかと想像を膨らませ(アンサルド社とか?)、結果的には塔状の前檣など、ちょっとイタリア艦的な雰囲気を出せているような気がして、気に入っています。

     

    Fontenland級戦艦

    35.4センチ口径の搭載主砲をMelguidの連装4基から6基に強化した戦艦で、2隻が建造されています。排水量は33000トン、速力24ノットを発揮するいわゆる超弩級高速戦艦の部類に属する艦、と言っていいでしょう。近代化改装を受けて第二次世界大戦には臨んでいるのですが、その際に、舷側のケースメートの副砲を廃し、連装両用砲への換装などが行われています。

    上の画像では上段が原作者が上掲のサイトで公開していらっしゃるFontenland級戦艦のイラストで、下段が筆者が生成した同級のモデルのキャプチャーです。
    原画では艦中央部のスペースが小さく、ここに3番主砲塔と4番主砲塔を背負い式で搭載するにはかなり無理があり3Dモデルのダイレクトな生成はうまくいきませんでした。

    一方、実在した超弩級戦艦で連装砲塔6基搭載の背負い式配置の実例は、実は非常に少なく、唯一、日本海軍の「伊勢級」戦艦しかありません。しかもFontenlandは煙突を前檣直後と後檣直前に装備しており、ボイラーの間に主砲塔群を配置しているというかなり特異な設計になっていて、これも実例がありません。

    結局「伊勢級」戦艦の平面図をベースに、煙突位置の移動やイタリアの戦艦風の艦橋構造などの修正を加え、ベースデータとしてインプットして3Dモデルを生成させることになりました。

    ボイラー室の間に主砲塔、という位置ドリはあまりしっくりきませんが、原画案に近いものができたのではないかと思っています。もう少しファンネルキャップなど、極端なデザインでも良かったかもしれません。

     

    Romancia級巡洋戦艦

    34000トン、全長244メートルの巨大な船体に、38センチ連装砲塔4基を搭載した強力な巡洋戦艦です。下の画像の下段では英海軍の巡洋戦艦「フッド」をベースにレイアウトや前哨の構造など手を加えた画像で生成させたのですが、原案イラストでは長船首楼型の船体になっているのに、モデルはそこが反映されていないことに気がつきました。これは明らかに「要再制作」モデルですね。

    修正版:Romancia級巡洋戦艦

    修正版を上げてみました。

    船幅をやや絞って少しほっそりした艦型にしてみました。長船首楼と副砲用のケースメートのないすっきりした舷側にできました。

    3隻のモデルデータを並べてみると、こんな感じ。手前から戦艦「Melguid」、「Fontenland級」戦艦、「Romancia級」巡洋戦艦の順です。

    やはりもう少しファネルキャップは大げさにデザインしてみてもいいかもしれません。

    あと同海軍は、第二次世界大戦時にはかなり旧式化していると思われるのですが、「Frescana」「Strarreyna」という第一次世界大戦期の弩級巡洋戦艦を2隻保有しています。この2隻は英海軍から調達した(もしかすると「Starreyna」はドイツ帝国から、かもしれません)ものだと思われます。こちらはいずれも筆者保有の既存モデルの手直しでいけるんじゃないかと思っています。寸法など細かい点を検討して、やっぱり3Dでいこう、という結論になるかもしれませんが。

    並行して「フェアリーランド王国海軍」の保有する空母もモデル化。こちらは「空母」という平べったい艦型上、ある意味仕方がないのかもしれませんが、原作者さんのサイトの画像情報だけでは詳細がつかめず、英海軍の初代「イーグル」と「ハーミーズ」の写真から三面図を作成して、少し手を入れた程度なので、もう少し情報があればなあ、と色々と物色中です。

    一応これまでの作業状況をちらっとご紹介しておくと、手前から、空母「Sympson」、空母「Dom Dora」、「Kissy級」空母(いずれもまだ「らしきもの」)の順です。

    と、ここまでがモデル・データの整備状況のお話でした。

    ***余談ですが、登場艦船の資料になりそうな他のスケッチなど、ないかどうか、原作者さんに聞いてみるかもしれません。

     

    「さて、データはできたぞ。模型制作の時間だ」のフェイズ

    上記のように、ともあれ(どこまで掘り下げるかはさておき)3Dモデル化の取り組みの対象がかなり明確になってきました。

    モデル・データができれば、具体的なモデル作成へとフェイズが移るわけですが、このフェイズは大きく「プリント・アウト」と「模型の仕上げ」の二つの作業工程があると考えています。

    まずは、出来上がったモデルのデータをプリンターに送り込んでプリントアウトしてもらうのですが(筆者はプリンターを所有していないので、ここは外部に委託していることはご承知の通りです)、この際に「スライサー」というアプリケーションを通して、デジタル・データを立体にどのようにして置き換えてゆくかの作業が行われます。

    この段階で、データでは表現されていても、プリンターでは出力できない部分がアラート表示されます。理由は、「小さすぎて」「細すぎて」だったりしますが、例えば艦船モデルの場合には、こうしたことはマスト周辺や装備に付随するデリック、小口径砲の砲身辺りで発生する頻度が高いのではないかと思います。

    これを防ぐには、モデルのデザインそのものを太らせればいい(すごく簡単に表現しています)のですが、そうするとモデルのシャープさが失われたり、なんとなく「もったりした」モデルになってしまったりするので、この辺りのバランスをどう考えるのか、これから体験的にも学んでいかねばならないところだと思っています。

    トラス構造のマスト製作へのチャレンジ

    今のところ、筆者が困っている(なんとかしたい、と思っている)のは、このところの新造艦などではステルス性への配慮から使用例が減ってきているように思いますが、トラス構造のマストについてです。元々、1:1250スケールでは、従来のモデル:インジェクション・モデルでも、メタルのモデルでも、それほど精度が求められるパーツではなく、多くのケースではパーツの表面のモールド処理で表現されてきたパーツでした。

    (下の写真はトラス構造のマストの既存モデルでの標準的な表現:左がインジェクション・モデルで、右はメタル・モデル:いずれもそれらしいモールド処理での表現が基本でした)

    こうしたトラス構造のマストを3Dモデリングすると、モデル・データとしては下の写真の上段の2点の画像のように表現されます(おお、いい感じ、です)。しかし、スライサーにかけると下段のような表示になり、半透明の部分は「プリント不可」という意味ですので、マストの基部から多分プリント・アウトされないことになります。

    つまり、かなり厳しいのだなあ、と。

    音響観測艦「ひびき」での事例

    ところが、筆者が製作した(まだ途中なんですが)音響観測艦「ひびき」では少し異なる結果を出すことができました。

    (音響観測艦「ひびき」の概観(上段)とマスト部分の拡大画像:下段左からマスト部分:未処理データでのスライサー画像(左)、ソリッド処理後のスライサー画像(中央)、実際にプリント・アウトされたモデル(右))
    筆者の試みとしては、モデル・データそのまま(下段左)ではプリントアウト不可という結果になると予測できたので、ソリッド処理をかけて各パーツの強度を上げればプリント・アウトできるのでは、と考えたのです。このケースでは、右のプリント・アウトを得たので、うまく行きました。

    しかし今回の「ひびき」のモデル概観がそれほど特徴的な突起などもない平板な構造だったので今回は処理が功を奏した、と考えています。多くの場合では、この処理をモデルにかけた場合には、モデル全体がエッジの立たない「ぼんやり」としたモデルになってしまうのではないかと考えています。

    しかし筆者としては今回のトラス構造の表現には満足しているので、例えばトラス構造のマストのみ分離して別パーツとしてソリッド処理をし、船体(本体)はソリッド処理をしないで、できるだけシャープなものを出力してもらい、部品として組み立てる、という方法が取れないか、実は次のモデルで試みるべく動いています。

    (試作依頼中の訓練支援艦「くろべ」のモデルデータのキャプチャー画像:前檣上部のトラス構造部分を別パーツとして、ソリッド処理のレベルを変えた斧を準備し、プリントアウトを依頼しています:スライサーでみると、下段左のパーツはプリント・アウトできそうなんですが。うまくいくといいなあ。楽しみです)

    別パーツとして作る、という方法を考慮するなら、他のパーツの製作方法もあるかも、などと広めの視野で考えてゆきたいと思っています。まずはパーツ分割でのトライを。

     

    過去知見の活用も

    一方で、3Dモデリングでは筆者はこの表面にモールドを施す、という方法をまだ知らない(あるのかどうかも知りません)ので、これに変わる方法も模索してみたいと思っています。

    その一例を。

    (上の写真は「あわじ級」掃海艦の概要)

    上の画像「あわじ級」掃海艦はモデル自体が小さすぎて、「ひびき」と同様の処理でもトラス構造のマストは再現できませんでした(とはいえ、これから開始する「パーツ化」ならうまくいんじゃないかな、と少し期待はしているのですが)。全くの別案として、本稿前回でもご紹介したのですが、以前、機帆船のマストのシュラウド表現にトライする際に使ってみたネット素材を貼ってみる、という方法を試行しました。前回投稿ではネット素材を梯子状に貼っていたのですが、諸々考慮して斜め構造で貼り直してみました。なかなかそれらしいのでは?モールド程度の効果はあるかと。こういう試行も、これから続くだろうという一例でした。

    主砲塔の扱いの検討

    もう一つ、筆者のこれまでの経験から、戦艦の主砲塔をモデル本体と一体で出力したものはあまり関心した出来にならない、という学びがあります。ですので、これから取り組むことになるであろう「フェアリーランド王国海軍」の戦艦群など、どのようなモデルにしてゆこうかと考え始めています。砲塔類は筆者のストックパーツを使うなら、船体本体は砲塔の基部まで表現されていればいいですし、船体と砲塔を別パーツで出力する、などの方法も検討の俎上に上がりそうです。

    結局この段階で3Dモデリングだけでは事足りなくなるような予感もしています。上記のマスト部分でも「モールド作成」なども併せて、モデル制作の広がりは得られるのでしょうが、できれば直感的に対応できる方法が気楽でいいのですが。まあそうも言ってられないのかな。

     

    海上保安庁の巡視船の塗装:「白」の筆塗りが大の苦手だ

    表題の通りなのですが、これまで艦船モデルはグレーが基調でした。一方で筆者は筆塗りで白を綺麗に塗るという作業で、満足のいく結果を得たことがありません。が、海保の巡視船に体系的にトライ、ということになると「白」は避けて通れそうもありません。

    これまで、筆者の中国海軍の艦艇群では「明灰白色」を基本色として使ってきましたが、今度はフラットな「白」ということになり、筆者にとっては大きなチャレンジになるかと考えています。

    オフホワイトのマテリアルでモデルを出力してもらい、艶消し白のサーフェサーを塗る、という手は使えるかも。事前に検証してみましょう。

    さらに海保の巡視船には船首部分にブルー系のライン(海保の主要な使命とモットー:8つのSをデザイン化したものだそうです)やJapan Cost Guardの文字、ペナントナンバーをどうしようか、と色々と課題が出てきています。デカールの専門屋さん(1:1250 Decals)に相談してみようかな。

    (海上保安庁の巡視船の基本食:こんな感じですよね。「明灰白色」じゃダメですよね。ペナントナンバーや海保のマークなど、どうしましょうか?デカールサイズを4種類くらい準備すれば、なんとかなりますかね。本当はモデルができてからサイズを取る王がいいのですが。いろいろな資料を見ても、あまり舷側の高さを示した資料はありません。検討事項、山積みです)

    **ちなみに前出の8つのSとは、4つの使命:Security, Search and Rescure,Safety, Survey と4つのモットー:Speed, Smart, Smail,Service だそうです。

    まずは筆者の手に負えそうな「白」探しからでしょうか。これが見つからないと、多分、海保のコレクションには手が出ないかもしれません。

     

    ということで、筆者のこれからのメモ、終了です。

    本来なら、このあたりから海上自衛隊の2026年度大改編された新生「水上艦隊」の艦艇群の話に入りたいのですが・・・。ちょっと様子をみながら、ですかね。

    まずは、今回の3Dモデル第一弾で勢揃いした「水陸両用戦機雷戦群」あたりから始めたいと。

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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    自作3Dプリントモデル第一弾:機雷戦艦艇群のほぼ完成と音響測定艦の製作

    今回は本稿前回でお話しした筆者の自作3Dモデルの第一弾、海上自衛隊の機雷戦艦艇群の仕上げのお話と、第二弾として取り組んでいる「ひびき級」音響測定艦のお話を簡単に。

     

    まず、第一弾の機雷戦艦艇群はほぼ完成です。

    「うらが級」掃海母艦(就役:1997-就役中:同型艦2隻:MST-463, 464)

    うらが型掃海母艦 - Wikipedia

    (写真は「うらが級」掃海母艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルの今のとこrの最終版:このモデルで出力し仕上げています)

    同級は前回投稿時に、1回目の出力モデルがやや乾舷が低いという筆者の評価で(誰が悪いわけでもなく、筆者の指定ミスなんですが)、作り直しをしたモデルをベースに「うらが:MST-463」「ぶんご:MST-464」の2隻、ほぼ完成しています。

    f:id:fw688i:20260713162210j:image

    (上の写真は「うらが級」掃海母艦のモデル概観:112mm in 1:1250 下の写真ではその特徴的な前檣と艦尾の形態を)

    f:id:fw688i:20260713162243j:image

    (下の写真では作り直し前のVersion(中段:本校前回に掲載したもの) との比較を)

    f:id:fw688i:20260713162233j:image

    特に下段お写真では、筆者の違和感を呼び起こした艦尾の形態、開閉扉位置もいい感じになりました。

    ・・・おっと、煙突上部にアンテナ線をつけるのを失念していました。ですので、やっぱり「ほぼ完成」です。

    同型艦2隻:「うらが:MST-463」と「ぶんご:MST-464」

    2隻の作り分けは、外観的には1:1250スケールでは艦首に主砲を搭載しているかどうか、くらいかと。主砲を搭載している方が二番艦の「ぶんご:MST-464」です。

    f:id:fw688i:20260713162524j:image

    (同型艦2隻のカット(上段)と看板号と豊後の寒暑主砲塔)

     

    「あわじ級」掃海艦(就役:2017-就役中:同型艦計画では9隻:2026年時点では4隻が就役中、1隻が就役準備中:MSO-304〜308)

    あわじ型掃海艦 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260629091742j:image

    (上の写真は「あわじ級」掃海艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

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    (「あわじ級」掃海艦のモデル概観:53mm in 1:1250:下段ではトラス構造の表現にトライしたマスト(下段左)と艦尾に搭載された掃海具などを)

    このモデルでは、前回投稿でも最後に少し触れたのですが、マストの特徴的なトラス構造をどのように表現しようか、という試行が続きました。上掲のモデルのキャプチャー画像のように、データ上ではトラス構造のマストを再現できていても、プリントする際には細すぎて再現できない、という物理的な限界が示されたわけです。しかし、今回の投稿の最後でご紹介するのですが、同じような構造のマストを持つ「ひびき級」音響測定艦ではある程度うまくいったので、なんとかこれに近づけないか、という試みを最後まで続けたのです。なぜ「ひびき」ではうまくいったのか、これが「AIがやることなんで」わからない、というもどかしさはあります。もう一つ、筆者がモデル制作の工程を模索中で確立できていない(精度の高そうな手順は一応、「手中に入れた」つもりではありますが、それもあくまで「確率が高そう」というレベルにすぎません。その上、生半可な知識と聞き齧りの情報で「あれやこれや」とトライしてしまっているので、「どこが分岐点になりそうか」が結局、後で辿れない。つくづく、自分にはロジックが欠けている、というのを痛感させられます)。

    で、結論として辿り着いたのは、「あわじ級」については、アナログ対応=出力後のモデルの仕上げで工夫する、ということでした。マストの柱に、本稿の機帆船モデルでの「シュラウド再現の試行」として試用してみたネット素材を貼ってみる、という方法を取りました(実はいつもの3Dプリント・ラボで、この課題について相談し、やはりモデルの小ささで出力できない、という結論を伺い、彼らの事務所を出たまさにその瞬間に、この方法が「舞い降りて:まさにこの言葉通り」きたのです。ちょっと大袈裟か?)。

    f:id:fw688i:20260713163250j:image

    この方法であれば、かなり応用が効きます。幸いなことに、ステルス性への配慮から、近年の海上自衛隊の艦船からはトラス構造のマストは消えつつあります。が、「ひびき級」の例のように皆無ではないので、ある種の定番処理として位置付けておきたいと思っています。

    同型艦5隻:「あわじ:MSO-304」「ひらど:MSO-305」「えだじま:MSO-306」「のうみ:MSO-307」そして就役間近の「けらま:MSO-308」

    f:id:fw688i:20260713164048j:image

    (同型艦5隻と各艦の艦番号: MSO-304〜MSO-308のアップを)

     

    「えのしま級」掃海艇(就役:2012-就役中:同型艦3隻:MSC-604〜606)

    えのしま型掃海艇 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260629091849j:image

    (上の写真は「えのしま級」掃海艇の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

    f:id:fw688i:20260713164501j:image

    (「えのしま級」掃海艇のモデル概観:50mm in 1:1250)

    前回投稿ではこのモデルも初回ロットではデータ欠損があり、結局、出力仕直しになった、というお話をしました。今回ご紹介しているのは欠損を修正し再出力後のモデルを仕上げたものです。

    このモデルからも初回ロットでのデータ欠損の見落とし等の失敗を通じて「必ずスライサーにかけてみる」「作業中に表示されたアラートを読み飛ばさない」などいくつかの学びを得ています。

    同型艦3隻:「えのしま:MSC-604」「ちちじま:MSC-605」「はつしま:MSC-606」出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260713165310j:image

    (同型艦3隻と各艦の艦番号: MSC-604〜MSC-606のアップを)

     

    「ひらしま級」掃海艇(就役:2008-就役中:同型艦3隻:MSC-601〜603)

    ひらしま型掃海艇 - Wikipedia

    結局このモデルも、前回投稿で記述したように「えのしま級」掃海艇との対比から、舳先の形状に対する違和感が生じ、モデル・データ自体から新たに製作することになりました。

    f:id:fw688i:20260706184230j:image

    (第二版「ひらしま級」掃海艇のモデル・データのキャプチャー画像:下のカットは上掲の「えのしま級」(下)との舳先形状等の比較)

    f:id:fw688i:20260713165909j:image

    (「ひらしま級」掃海艇のモデル概観:45mm in 1:1250)

    前回投稿時までは、このモデルはこのままいける、と位置付けていたd¥のですが、結局、最も進行の遅れているモデル、ということになり、まだ最終仕上げ(ペナント・ナンバーのデカール転写)を残した状態です。

    同型艦3隻:「ひらしま:MSC-601」「やくしま:MSC-602」「たかしま:MSC-603」

    f:id:fw688i:20260713165918j:image

     (これから艦番号のデカール転写作業を行い仕上げてゆきます)

    自作3Dプリントモデル、第一弾を振り返って

    上掲のように、今回の筆者が初めて取り組んだ自作3Dモデルの第一陣は、結局、全て初回モデル・データは使えず、従って出力されたモデル自体も全て破棄、という惨憺たる結果でした。

    結論から言うと、自作モデルは製作できる、と言う確証は得たものの、一定の精度を得るにはもっと学習と手順化が必要、と言うことを学ぶ機会であったと言えるでしょう。そう言う意味では実りの多い「試行」だったと前向きに捉え、一応準備中のモデル・データの見直し、場合によってはモデル・データの再制作を進めているところです。

    もう一つの収穫は、これはとてつもなく「面白い作業」だという実感を得たことでした。

    筆者の作業としては、集めてきた画像をAIに食べさせるだけ、という単純な作業です。でもその画像のチョイス次第で、生成されるモデル・データは大きく異なってしまいます。ですので画像チョイスの時点では、生成されるモデルの精度を上げるためには、やはりその艦船の特徴理解とか、落としたくない特徴などに関する知見が大事になってくると考えています(AIに聞けば、そんなの知ったこっちゃないよ、ということなのかもしれませんが、幸い、AIはそんなコメントを自分では発信しないので、そう信じることにします)。・・・こうした思いで、ひたすらに試行錯誤を繰り返すわけですが、とにかくこのプロセスは結構楽しめます。

     

    と言う中で、第二弾のモデルが上がってきました。

    今回はレジンでの製作も試みてみたくて(いつも頼りにしている3Dプリント工房は、本業がある種の教育機関であることもあって、環境にやさしい植物由来のPLA樹脂での出力のみなのです)、Chinaの大手のプリント工房にデータを送り出力してもらう、と言う手順を取ってみました。

    前回投稿から少し引用しておくと。

    筆者がメインでお付き合いしている3Dプリント・ラボは小規模で融通を利かせてくださっているので、出力についてはあまり課題は出てきません。単純に、このスケール(1:1250)でこの細かいトラス構造は無理、あるいはこのパーツは出力できない、のようなもので納得しやすいのですが、China(今回の依頼先、ですね)などの大規模なプリントサービスの場合、工程ごとにセクションがあり、それぞれにレギュレーションが決まっているようなので、ここは最低0.8mmは欲しい、それ以下の場合には出力がうまくいかない場合があるかもしれないので、強行するなら一筆欲しい、というようなコミュニケーションが担当者(これがどうやらモデル毎に違う方がつくようです)と多くやりとりされます。費用は送料を入れても多分、上記のラボの25%程度なので、使いこなせれば、大変メリットがあるのですが・・・。

    そのレギュレーションのクリアの仕方が、今の筆者にはつかめていません。わかったところでクリアするような技術もまだありませんし。クリアするようなモデルにするとやたらエッジの立たない、丸いモデルになってしまったりします。

    と言う状況ではありますが、今回の「ひびき級」音響測定艦はうまくいったので、ご紹介しておきます。

    「ひびき級」音響測定艦(就役:1991-就役中:同型艦4隻:AOS-5201〜5204)

    ひびき型音響測定艦 - Wikipedia

     同級は仮想敵国の潜水艦の音紋データの収集を主任務に開発された艦艇で、満載排水量3800トンの、荒天時にもある程度曳航するソナーの直線安定性を確保できることを狙った「双胴船」という特異な船体形状を持つ艦船です。この船体形状は上述のように安定直進性をもたらすほか、曳航式ソナーの長大なワイアーの収納、想定される長期間の航行任務における居住性、補給や乗員搬送等のヘリコプターの発着艦にも適した形状とされています。

    ディーゼル・エレクトリック方式の基幹を搭載し11ノットの速力を発揮できる設計です。

    艦の後半部はヘリ甲板になっていますが、固有の搭載機・格納庫は持たず、個艦防御等の兵装も装備されていません。

    2026年の大改編で新たに発足した防衛大臣直轄の情報作戦集団作戦情報群に属し、その指揮下にある呉基地の第一音響測定隊に4隻共に所属しています。

    f:id:fw688i:20260713153118j:image

    (「ひびき級」音響測定艦の外観:52mm in 1:1250  双胴形式という特異な形状をした船です。 写真は下地処理を施した段階のモデルです:下段左はトラス構造の再現まで実現できているマスト:なぜこれができたのか、筆者にはわかりません。下段右は現在就役中の4せき:これで第一音響測定隊は勢揃いです。実は二番艦と三番艦の建造には20年近い感覚があり、マストやヘリ甲板の形態が異なるらしいのですが・・・)

    これから塗装や艦番号のデカール転写など行い仕上げてゆきます。

    ちなみに、この作戦情報群にはもう一つ、艦船を保有する第一海洋業務隊があり、海洋観測艦「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」が属しています。いずれも1:1250スケールでは市販モデルが見当たらないので、いずれは自作モデルで埋めてゆく予定です。

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    (上の写真は現時点で自作モデルの製作を予定している海上自衛隊第一海洋業務隊に所属する4隻のモデル・データのキャプチャー:上から海洋観測艦「AGS-5107 にちなん」、「AGS-5106しょうなん」、「AGS-5107 あかし」、および敷設艦「ARC-483 むろと」の順)

     

    ということで今回はここまで。

    次回は今回の続き、「ひらしま級」まで揃った2026年の海上自衛隊の対改編で新たに編成された水上艦隊から水陸両用戦機雷戦群の全貌のご紹介などできないかな、あるいは、多分手をつけるであろう自作3Dモデルの新作のお話でも。

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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    自作3Dプリントモデル第一弾の進捗状況

    今回は本稿前回でお話しした初の自作3Dプリントモデルの進捗状況のアップデートです。

    アップデートと書きましたが、モデルの完成には至っていません。というよりも、やり直しが二点、多分それに付随して、残りの二点も再製作になるかもしれません。

    が、まあそんな見直し過程も「進捗」と言えばそうですので、今回はそんなとことを簡単に。

    まずは前回投稿ご紹介したモデル四点をおさらいしておきます。

    手前から「ひらしま級」掃海艇、「えのしま級」掃海艇、「あわじ級」掃海艦、「うらが級」掃海母艦の順で、出猟されたものに、少しマスト周りなど手を入れてある状態です。

    f:id:fw688i:20260629095502j:image

    今回投稿では、ある程度形になったものをご紹介する予定で作業を進めてきました。下の写真はいわば「この1週間の成果」です。筆者固有の海上自衛隊の標準色での塗装まで作業は進んでいます。

    f:id:fw688i:20260706093630j:image

    以下で、個別に各モデルについてご紹介してゆきます。

     

    「うらが級」掃海母艦(就役:1997-就役中:同型艦2隻:MST-463, 464)

    うらが型掃海母艦 - Wikipedia

    (写真は「うらが級」掃海母艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629093928j:image

    (上の写真は今回出力した「うらが級」掃海母艦のモデル概観:112mm in 1:1250)

    下の写真では同艦の特徴であるマスト周りと艦尾のヘリ甲板やバンカー、艦尾の掃海ヘリ用の開閉扉なども再現されていることは見ていただけるかと。

    f:id:fw688i:20260629093936j:image

    塗装作業まで完了

    マスト周りなどに手を入れて塗装まで終わらせました。

    f:id:fw688i:20260706093626j:image
    ここまで作業を進めて、さて、あとはヘリ甲板や艦番号などのデカール転写でほぼ仕上がる、という状態まで至ったのですが、違和感がむくむくと。
    「乾舷が低いんじゃないのか?」というところが気になり始めたわけです。上述のモデル紹介にもあるように、同級の艦尾形状は大きな特徴でもあったわけですが、下の実艦の写真でもあるように(下段)、艦尾は両舷から斜めに切れ込んでいます。

    f:id:fw688i:20260629100807j:image

    しかし今回、ウォーターライン・モデルにするためのモデル出力前のデザイン指定の際に、護衛艦の乾舷の高さを意識して、この切れ込み形状の上で船底部分を分離する指示を出してしまった、そんな筆者の指示出しのミスがあったわけです。このことに塗装を終えてデカール転写の作業直前まで、気がつかないところが、情けないというか、不明を恥じるばかりです。

    初の自作モデル、というところで舞い上がってしまっていたのでしょうね。

    修正版の出力

    気がついてしまうと、筆者の常として「そのまま進行」という訳にもいかず、結局、修正したデザイン(最近は自分でモデルデザインの大きさ調整や、喫水のカットの指定などできるようになりました!)で、再度出力を依頼しました。

    週末直前に出来上がった修正版モデルがこちら。

    f:id:fw688i:20260706171158j:image

    まだ、この週末に出力されたばかりなので、下地処理をした段階です。細部の手直し等はこれからです。ですが、前のモデルで一度作業していますので、それほど手間取らないかと。上の写真の右下のカットでは修正前のモデル(右)と修正版モデル(左)の比較をしています。気になってしまってリメイクに至った艦尾の形状と、乾舷の高さの違いがわかっていただけるかと。全体のフォルムも乾舷が高く見え、母艦らしさが出てきたかと(自画自賛の類です)

    f:id:fw688i:20260706172801j:image

    デカールも準備済み。オリジナル・デカール発注の際の艦船リストには入っていないので、ストックから組み合わせで対応することになります。一応、デカールのストックから、ヘリ甲板のマーキング、と「うらが級」のペナント・ナンバー、「うらが:MST-463」「ぶんご:MST-464」を上の写真の数字から組み合わせて作ります。ちなみに今回ベースになった「462」は掃海母艦「はやせ:MST^462」で、モデルは既に筆者のコレクション位加わっています。

    掃海母艦「はやせ」(就役期間:1971-2002-特務艦への艦種変更ののち退役) 同型艦なし:MST-462)

    ja.wikipedia.org

    f:id:fw688i:20260118195042j:image

    (掃海母艦「はやせ」の概観:79mm in 1:1250 by Hai:Hai社の標準的な仕上がりの精度の高いモデルです)

    https://blog.hatena.ne.jp/fw688i/fw688i.hatenablog.com/edit?entry=17179246901344839737

     

    というような次第で、これから細部の仕上げ、塗装、デカール転写など、作業をしておそらく次回、完成状態を見ていただけるかと考えています。

     

    「あわじ級」掃海艦(就役:2017-就役中:同型艦計画では9隻:2026年時点では4隻が就役中、1隻が就役準備中:MSO-304〜308)

    あわじ型掃海艦 - Wikipediaf:id:fw688i:20260629091742j:image

    (上の写真は「あわじ級」掃海艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629094527j:image

    (今回出力した「あわじ級」掃海艦のモデル概観:53mm in 1:1250)

    このスケールではマストや艦尾の装具群など、細いパーツは出力できないので、ロッドや白金線で再現しています。仕上げる途中でさらに手を入れたくなる箇所が出てきそうな予感がしています。

    塗装作業まで完了

    特に装具類に工夫を加えて、手持ちの艦船パーツなどから調達したもので整え、塗装まで完了しました。

    f:id:fw688i:20260706093619j:image

     

    「ひらしま級」掃海艇(就役:2008-就役中:同型艦3隻:MSC-601〜603)

    ひらしま型掃海艇 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260629091809j:image

    (上の写真は「ひらしま級」掃海艇の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629094922j:image

    (今回出力した「ひらしま級」掃海艇のモデル概観:45mm in 1:1250)

    マストや艦尾の作業甲板の装具類など、白金線やプラロッドで手を入れてあります。

    塗装作業まで完了

    特に装具類に工夫を加えて、手持ちの艦船パーツなどから調達したもので整え、塗装まで完了しました。

    f:id:fw688i:20260706093623j:image

     

    「えのしま級」掃海艇(就役:2012-就役中:同型艦3隻:MSC-604〜606)

    えのしま型掃海艇 - Wikipediaf:id:fw688i:20260629091849j:image

    (上の写真は「えのしま級」掃海艇の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629095154j:image

    (今回出力した「えのしま級」掃海艇のモデル概観:50mm in 1:1250)

    前回投稿では「こちらも前述の「ひらしま」級掃海艇同様、マストや艦尾の作業甲板の装具類など、白金線やプラロッドで手を入れてあります。仕上げながら、細部をもう少し考えてみることにします。」と記述していますが、実は大きな課題が見つかりました。これも色を塗るまでは気にしていなかった。

    データの欠損による空白

    f:id:fw688i:20260706094434j:image

    上の写真でブリッジの中程に隙間が見えています。実はこれはデータ欠損により生じた隙間で、データ上は空白、出力された状態では、一見緩衝材のように見える一種の空洞になっていたのです。

    下の写真は、スライサー(3Dデータの状態のモデルを3Dプリンターが理解できる『印刷用の設計図(Gコード)』に変換する機能=AIによる簡単な説明です)のプレビュー画像をキャプチャーしたものです。ブリッジ下層の中ほどに空白(ゼブラ模様の薄い部分)が示されていますが、これがデータ欠損により生じている空間、です。これを放置したまま出力すると、中身の詰まっていない上掲の写真のような隙間となって出力されるのです(実はスライサーは「空白があり指定の形態には出力できませんよ」というアラートをこの時点で出してくれています。後で気が付いたのですが)。

    筆者はこのソフトの別機能で、モデルの寸法調整やウォーターライン・モデルへの船底の切り分けなどの作業をしています。ご承知のように筆者の取り組みの場合、モデルのデータ自体は複数の画像からAIが生成したものです。ですので、データの欠損など、筆者レベルでは予期するはzもありません。AI相手ですので、もちろん「なぜ、そんなことが」とか「どこで、そうなったのか」とか、いわゆる「これからどこを改めればいいんでしょうか?」的な疑問符には、回答が得られません。「AIとはそういうもの」と割り切るしかない、というのが、定番の回答のようです。

    まあ、世の中にないものを図面とかCADとか全く知識も経験もない人でも作れるのだから、本来の目的に立ち帰れば、どうってことないんでしょうね。「次に起きないようにするには、だって?またやり直せばいいじゃん」と。

    さらにありがたいのは、何回ミスしても怒らないこと。言い訳も聞かせてくれませんが、こちらに釈明も求めません。試行錯誤の過程を楽しめる余裕があれば、とても楽しいことです。(つくづく、仕事じゃなくてよかったなあ)

     

    今では(と言っても、自作モデルの作成に取り組み始めたのが6月の中旬あたりでしたから、およそ1ヶ月しか経過していないんですが)、自作3Dモデルの修正等の際には必ずスライサーにかけて空白がないかどうか、確認するようになりました。空白を埋めてくれる自動修正AIも発見。「だったらワンストップでやってよ」とついつい愚痴りながらも、なんとなく自分なりの工程が出来上がってきています。

     

    ということで・・・。

    欠損データ部分の修正版「えのしま級」掃海艇のモデルがこちら

    f:id:fw688i:20260706172817j:image

    (修正版「えのしま級」掃海艇のモデル概観)

    マスト周り少しだけ修正前のものよりもディテイルを加えた(ように見える」ものにしてみました。

    下は同級3隻。3番艦「はつしま:MSC-606」のみ、艦首の機雷処分・近接戦闘用の多銃身機関砲は遠隔操作型のものが搭載されています。(下の写真では一番手前)。

    f:id:fw688i:20260706172825j:image

     

    「えのしま級」でマストのディテイルを触ったら・・・

    「ひらしま級」や「あわじ級」もレベルを合わせたくなるのは必定です。場合によると、モデル自体に手直しを入れる可能性が出てきました。

    ・・・などと考えていると、「ひらしま級」掃海艇の底自体の外観が少し他のクラスに比べると違和感があることを思い出しました。舳先が他の級に比べるとややとんがっているように見えます。相手はAIですので、与える画像データでできるだけ丸い舳先のものを選ぶように工夫するとか、平面図を混ぜるとか、それくらいしかできないのですが(効果の程は筆者にはわかりません。全て筆者の気休め程度、だと思ってください)、一応それらしいモデルを得ることができました。

    「ひらしま級」の修正モデル

    そ他の写真は、上述の「舳先の形態」問題でリメイクした「ひらしま」級の修正モデルのキャプチャーです。艦尾の掃海装具類などは修正前のモデルの方がいいようにも思いますが、概観自体はこちらの方がいい感じの丸みのある舳先形態を示せているように思います。さらに下段では「えのしま級」の平面図も並べてみました。艦尾の丸みなど、今度は「えのしま級」の方が気になりそうですが、こちらの「ひらしま級」のモデルを採用しようかと思っています。

    f:id:fw688i:20260706184230j:image

    結局、モデルは全て出力し直しになります。出力はもちろん、モデル作成にも都度費用が発生します。今後もモデル作成にあたってはこうした試行錯誤がつきものになるのでしょうが、できれば以降のモデル作成の際には、これを画面レベルでできるように、手順化、工程化してゆく必要がありそうです。

     

    ということで、実に学びの多い、これからも「学び」を続けていかねばならないことがよくわかった、自作3Dモデル群ではありました。今回の学びの多くは、デザイン面での課題でした。モデルをどのようにチョイスし、デザインの完成までにどのようなチェックを行うべきか、というような点でした。

    一方で、出力段階では、今度は技術的な考慮点が出てきています。

    筆者がメインでお付き合いしている3Dプリント・ラボは小規模で融通を利かせてくださっているので、出力についてはあまり課題は出てきません。単純に、このスケール(1:1250)でこの細かいトラス構造は無理、あるいはこのぱ0つは出力できない、のようなもので納得しやすいのですが、Chinaなどの大規模なプリントサービスの場合、工程ごとにセクションがあり、それぞれにレギュレーションが決まっているようなので、ここは最低0.8mmは欲しい、それ以下の場合には出漁がうまくいかない場合があるかもしれないので、強行するなら一筆欲しい、というようなコミュニケーションが多くやりとりされます。費用は送料を入れても多分、上記のラボの25%程度なので、使いこなせれば、大変メリットがあるのですが・・・。

    そのレギュレーションのクリアの仕方が、今の筆者にはつかめていません。わかったところでクリアするような技術もまだありませんし。クリアするようなモデルにするとやたらエッジの立たない、丸いモデルになってしまったりします。

    ということで、当面は出力はラボ頼みなのですが、並行してChinaにもいくつか発注しています。上述のスライサーにかけて(=印刷用のデータにして)、さらに破損部分の自動修正などをかけてはあるのですが、ほとんどが「ここがうまく出力できていないけど、承認いただけますか」というようなメールが飛んできています。モデルが小さいことと、従って「壁面」の厚みが足りなくで強度が出せない、そのようなことのようです。

    「壁面?」当初は何を言われているのかわからず、「今回のモデルは中空のモデルじゃないよ」などと返答し、多分、先方にすれば「何をわからんことを言ってくるんだ」と首を傾げるようなやりとりだっただろうと思います。

    状況を筆者がわかる範囲・表現で整理しておくと、3Dプリンターで出力されるモデルは、実は、極小の三角錐や四角錐が積み重なって構成されているもので、この積み重ね方や順番等を、スライサーが設計しているのだそうです。つまり中は空洞の小構造物の集まりで、外壁部分のみ密度の高い層で形成されていて、外からは平面に見えている、ということのようです。この外壁が最低0.8mmは必要だが、そうなっていないよ、とプリンターのアプリが警告している、ということらしいのです。

    我流の解釈ですので、正しいかどうかは? ですので、あまり外で話さないようにお願いします。

    まあこちらの「学び」も続けていかねばならない、やっとスタートラインに立ったところです。

     

    ということで今回はここまで。

    次回は今回の続き、「うらが級」の2隻くらいは完成しているといいなあと。China発注分も含め、その他の進捗なども。

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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    自作3Dプリントモデル第一弾のご紹介:掃海母艦・掃海艦・掃海艇

    今回は、前回投稿でご紹介した自作3Dモデルの第一弾が、上がってきましたので、そちらをご紹介します。

    ご承知のようにこの週末の台風の通過に伴い、乾燥させる時間が得られず、いずれのモデルも下地処理をする前の状態でのご紹介となります。

    今回のモデル群は全て海上自衛隊の機雷戦関連の艦級ですので、その背景を少しだけ。

    2026年海上自衛隊大改編における「水陸両用戦機雷戦群」とその艦艇

    2026年の大改編で、海上自衛隊はその創立以来続いてきた「護衛艦隊」という編成を廃止し、新たに「水上艦隊」を新編したことはご承知の通りです。この「水上艦隊」は、第一から第三の3つの「水上戦群」、「水陸両用戦機雷戦群」、「哨戒防備群」、「水上訓練指導群」、「第一水上補給隊」、「第一水上訓練支援隊」から編成されています。

    筆者のコレクションの視点で語ると、上記のうち、いわゆる正面主力として主要な護衛艦で構成された第一から第三までの「水上戦群」、以前は「地方隊」と呼称されていた主要基地に配備された沿岸警戒と防衛にあたる「哨戒防備群」については、それぞれを構成する艦艇のモデルは全て揃っています(「水上戦群」については一応「個艦」レベルまで、「哨戒防備群」は艦級のレベルで、など濃淡はありますが)。

    一方、揚陸線の展開やそれに先立つ機雷掃海を担当する「水陸両用戦機雷戦群」については、投稿時(2026年6月現在)には、「いせ:DDH-182」を旗艦とし、輸送艦3隻、エア・クション艇6隻、掃海母艦2隻、掃海艦4隻、掃海艇12隻で編成されています。

    これらの艦艇群のモデルのうち筆者のコレクションにあるものは、「いせ:DDH-182」と3隻の輸送艦(「おおすみ:LST-4001」「しもきた:LST-4002」「くにさき:LST-4003」)と前回投稿でご紹介した「すがしま級」掃海艇のうち現役にある6隻で、やや物足りない気がしています。しかも未保有の艦艇群については市販のモデルが少なくとも筆者の知る限りではなく、3Dプリンティング用のデータも見つかりません。

    という次第で、ついに3Dプリントでのモデル自作、というある種の「暴挙」に踏み出すことを決意したわけです。

    ということなので、今回ご紹介するのは、コレクションで欠けている以下の4艦級のモデルです。

    「うらが級」掃海母艦

    「あわじ級」掃海艦

    「ひらしま級」掃海艇

    「えのしま級」掃海艇

    いずれのモデルも、これも前回投稿で触れていますが、制作にはAIを搭載した3Dモデリングサービスを利用しています。

     

    「うらが級」掃海母艦(就役:1997-就役中:同型艦2隻:MST-463, 464)

    うらが型掃海母艦 - Wikipedia

    (写真は「うらが級」掃海母艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案)

    同艦は6850トンの船体を持つ海上自衛隊最新最大の機雷敷設機能も備えたいわゆる機雷戦母艦です。掃海ヘリコプターの運用支援も視野に入れ、艦尾には航空掃海具の展開・収容のための開閉扉や機雷敷設軌条と敷設扉などを装備しています。

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629093928j:image

    (上の写真は今回出力した「うらが級」掃海母艦のモデル概観:112mm in 1:1250:今回投稿の冒頭で記述した通り、この週末の台風の通過に伴い、乾燥させる機会が得られず、いずれのモデルも下地処理をする前の状態)

    下の写真では同艦の特徴であるマスト周りと艦尾のヘリ甲板やバンカー、艦尾の掃海ヘリ用の開閉扉なども再現されていることは見ていただけるかと。

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    ちなみに実艦は下の写真です。

    f:id:fw688i:20260629100807j:image

    概観や特徴的な装備類については一応合格点を出したいと思っています。これから仕上げに移るわけですので、これから制作を進めるにつれて手を入れてゆきたいと思っています。まずはマスト周りの細部、もう少し綺麗にして、さらに細かい部分は真鍮線・白金線。プラロッドで手を入れていきたいと思っています。さらにヘリ甲板のマーキングは、現時点ではモールドされて出力されていますので、デカール転写にするのか(であればモールドは削らねばなりません)、あるいはこのモールドを活かした塗装仕上げにするのか、決定しなくてはなりません。

    ・・・と、これから仕上げに向けて色々と課題はありそうですが、最初の自作モデルとしては合格ですので、今後コレクションの充実に向けて、市販モデルのない艦船など、この方法も選択肢として入れてゆけそうだと考えています。

    ラーニング

    今回のモデルに至るまでにはかなり多くのドラフト作成過程での試行錯誤がありました。データ(今回の場合には写真や図面の画像)を与えれば、ドラフトを作成するまではAIがやってくれるのですが、どれを採択するか、なぜこの様なドラフトが出てくるのかなどは、「AIがやることだからという割り切りで=背景や理由はAIは一切語ってくれませんので」良いモデルが生成されるケースなどを体験的に積み上げてゆくしかないのだろうと思っています。よく巷で聞く「AIあるある」ですね。

     

    「あわじ級」掃海艦(就役:2017-就役中:同型艦計画では9隻:2026年時点では4隻が就役中、1隻が就役準備中:MSO-304〜308)

    あわじ型掃海艦 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260619234701j:image

    (上の写真は「あわじ級」掃海艦の自作3Dモデル、第一ドラフトのキャプチャー画像:、暫定決定版の出力モデルとして採用したのは下の写真のモデルです)

    f:id:fw688i:20260629091742j:image

    同級は満載排水量780トンのFRP製の船体を持つ最新鋭かつ海上自衛隊唯一の掃海艦で、9隻の建造が計画されています。海上自衛隊では、掃海艇は主として港湾周辺や商用航路など浅深度の機雷処理を任務としているのに対し、掃海艦は浅深度はもちろん対潜水艦機雷など深深度の機雷処理も視野に入れ、広い海域の安全航路の確保を任務としています。

    同級は計画段階では9隻の建造が予定されており、現時点では4隻が就役済み、2026年度中に5番艦も就役する予定で、いずれも水陸両用戦機雷戦群に配置される予定です。

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629094527j:image

    (今回出力した「あわじ級」掃海艦のモデル概観:53mm in 1:1250:今回投稿の冒頭で記述した通り、この週末の台風の通過に伴い、乾燥させる機会が得られず、いずれのモデルも下地処理をする前の状態)

    このスケールではマストや艦尾の装具群など、細いパーツは出力できないので、ロッドや白金線で再現しています。仕上げる途中でさらに手を入れたくなる箇所が出てきそうな予感がしています。

    ちなみに下の写真は実艦です。

    f:id:fw688i:20260629104635j:image

    この大きさのモデルの場合には(以降で紹介する「ひらしま級」掃海艇や「えのしま級」掃海艇も同様です)、細部のどこを残してどこを簡略化するかなど、いくつか決定せねばならないようですね。今回のケースで言えば、トラス構造のマストなど再現でいれば再現したいし、3Dモデルのドラフトではもちろん再現されています。しかしプリントアウトする過程では再現できないパーツとして示されますので、総当たりは割り切りながらの作業が必要だと、これも「ラーニング」ですね。過度に期待してはいけないかもしれません。

     

    「ひらしま級」掃海艇(就役:2008-就役中:同型艦3隻:MSC-601〜603)

    ひらしま型掃海艇 - Wikipedia

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    (上の写真は「ひらしま級」掃海艇の自作3Dモデル、第一ドラフトのキャプチャー画像:艦首の多銃身機関砲の砲塔などが大きすぎるので、暫定決定版の出力モデルとして採用したのは下の写真のモデルです)

    f:id:fw688i:20260629091809j:image

    同級は海上自衛隊最後の木造船体の掃海艇です。前級「すがしま級」が機雷掃討に重点をおき掃海具を都度搭載する形式を取ったのに対し、同級は掃海具を常時搭載しています。後方への視認性から、前級では2本煙突であった線型は単一煙突に改められました。3隻が建造され、全て水陸両用戦機雷戦群に配置されています。

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629094922j:image

    (今回出力した「ひらしま級」掃海艇のモデル概観:45mm in 1:1250:今回投稿の冒頭で記述した通り、この週末の台風の通過に伴い、乾燥させる機会が得られず、いずれのモデルも下地処理をする前の状態)

    マストや艦尾の作業甲板の装具類など、白金線やプラロッドで手を入れてありますが、仕上げ作業時にもう少し手お入れたくなるかもしれません。

    実艦は以下の通りです、

    f:id:fw688i:20260629110634j:image

     

    「えのしま級」掃海艇(就役:2012-就役中:同型艦3隻:MSC-604〜606)

    えのしま型掃海艇 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260619234655j:image

    (上の写真は「えのしま級」掃海艇の自作3Dモデル、第一ドラフトのキャプチャー画像:艦首の主砲塔などが大きすぎるので、暫定決定版の出力モデルとして採用したのは下の写真のモデルです)

    f:id:fw688i:20260629091849j:image

    同級は「ひらしま級」をベースに船体を木製からFRP製に改めたもので、海自の保有する最新鋭の掃海艇です。3隻が建造され全て水陸両用戦機雷戦群に配置されています。

    出力されたモデル

    f:id:fw688i:20260629095154j:image

    (今回出力した「えのしま級」掃海艇のモデル概観:50mm in 1:1250:今回投稿の冒頭で記述した通り、この週末の台風の通過に伴い、乾燥させる機会が得られず、いずれのモデルも下地処理をする前の状態)

    こちらも前述の「ひらしま」級掃海艇同様、マストや艦尾の作業甲板の装具類など、白金線やプラロッドで手を入れてあります。仕上げながら、細部をもう少し考えてみることにします。

    以下は実艦です。

    f:id:fw688i:20260629110645j:image

    「ひらしま級」「えのしま級」ともに、実感お写真を見ると、もっと幅があってもいいのかななどと思っています。現在の寸法はスペック等から計算した理論値です。

     

    今回の自作モデル第一弾の総覧

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    これらの自作モデルに前回投稿でご紹介した「すがしま級」掃海艇、群旗艦の「いせ」、「おおすみ級」輸送艦、エア・クッション艇のモデルを加えれば、「水陸両用戦機雷戦群」のモデルは全て網羅できそうです。

     

    自作3Dモデルのデータ制作工程

    少し誤解を恐れずに、このモデル作成の工程を大雑把に表現してしまうと、この種のサービスにモデリングをしたい対象(粉機の場合には艦船)の複数の画像をアップすれば、あとはAIがいくつかモデルのドラフトを提案してくれます。何度か再試行をさせることも可能です。もちろんアップする画像は異なる角度のショットが含まれている方がいいなど、少し工夫は必要です。そうして提示されたドラフトから一案を選び寸法などを指定して3Dプリンターで出力する、そんな工程になります。このレベルではサービスに入力する画像の収集と出力寸法の決定だけがサービス利用者(つまり今回の場合には「筆者」ですね)の作業で、CADや製図の知識や技術は一切必要ありません。

    そしてモデルが生成され、そこから「決定稿」が決まったら、3Dプリンターで出力する行程にうつルわけですが、この部分は筆者は最近橋梁関係を気づいたラボという心強いパートナーがいるので安心です。彼らの存在によって「データさえあれば、そこそこのものが形にできる」という体験をさせていただき、この新領域へ足を踏み入れることになりました。

    今回、こ出力行程でもいくつか苦い経験があり、技術と筆者の思い込みのギャップなどの発見もあったのですが、それらはもう少し経験を積んでからご紹介したいと思います。

     

    ということで今回はここまで。

    ついに、自作モデルの扉が開きました。

    既に海上自衛隊の新編成「水上艦隊」の艦艇群について、既成モデルの見つからない「第一水上訓練支援隊」に所属する「くろべ」「てんりゅう」などの訓練支援艦や「ひうち級」多用途支援艦、さらには「第一水上補給隊」の「ましゅう級」補給艦などのモデル・データの試作を始めています。

    f:id:fw688i:20260629120216j:image

    (上の写真は試作中の海上自衛隊の艦艇群のモデル・データのキャプチャー画像:訓練支援艦「くろべ」(上段)「てんりゅう」(中段)「ひうち級」多用途支援艦(下段左)「ましゅう級」補給艦(下段右))

     

    次回は今回紹介した機雷戦群のモデルの仕上がり状況のお話などできればと考えています、

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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    ついに自作3Dプリントモデルへの扉が開く?:海上自衛隊 機雷戦群のモデル

    本稿、前回投稿では、F-toys 製現用艦船キットコレクションSPの付属品「すがしま級」掃海艇のお話をしました。

    海自コレクションの充実(再録)

    「すがしま級」掃海艇(同型艦12隻:1999年から就役:現役は6隻)の仕上げ状況

    すがしま型掃海艇 - Wikipedia

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    (「すがしま級」掃海艇の概観:43mm in 1:1250 by F-toys:このモデルはF-toys の現用艦船キットコレクションの幾つかのモデルの同梱されている付属品です:「あまけ」的な位置付けですが、同様な位置付けの「はやぶさ級」ミサイル艇同様、なかなかいい感じだと思っています。他の掃海艇の艦級もやってくれないかなあ)

    同級は2026年6月現在海上自衛隊が現役で運用している3艦級の掃海艇のうち、最古参となっている艦級です。2026年の海自の大改編では水陸両用戦機雷戦群の基幹戦力として12隻の掃海艇が在籍していますが、そのうち6隻を同級が占めています。

    掃海艇ならでは、木製の590トンの船体を持ち、ディーゼルエンジン2基を主機として、機雷掃討用の20mmガトリング砲1基を機雷処分用の兵装とするほか、ステルス機雷への対応も可能な情報処理装置・機雷探知機・機雷処分具を搭載しています。1999年から2004年の間に12隻の同型艦が就役し、現時点で6隻が現役にとどまっています。

    モデルは以下にご紹介するように現役にとどまっている6隻のうち5隻まではコレクションに加わってもらっており、残りの1隻もすでに調達済みで到着待ちの状態です。

    f:id:fw688i:20260615084934j:image

    (上の写真は2026年6月時点で現役に残っている6隻のうちの5隻。残り1隻は調達中:デカール転写等の仕上げに着手しています。もう少し色を入れたり・・・)

    6隻目の「くろしま:MSC-692」の到着

    上述のように到着待ちであった同級の6隻目のモデルが到着し、「くろしま:MSC-692」としてデカール転写を行いました。

    f:id:fw688i:20260620170100j:image

    (上の写真は今回コレクションに加入した「すがしま級」掃海艇の12番艦(艇?)である「くろしま:MSC-692」の概観 下の写真は水陸両用戦機雷戦群に配置されエイル「すがしま級」掃海艇のうち現役に残っている6隻:左から「いずしま:MSC-687」「あいしま:MSC-688」「あおしま:MSC-689」「みやじま:MSC-690」「ししじま:MSC-691」「くろしま:MSC-692」の順)

    f:id:fw688i:20260620170105j:image

    今後、掃海具等の彩色を6隻に施して、海自現役艦艇のコレクションとしては完成です。

     

    2026年海上自衛隊大改編における機雷戦関連の艦艇

    2026年の大改編で、海上自衛隊はその創立以来続いてきた「護衛艦隊」という編成を廃止し、新たに「水上艦隊」を新編したことはご承知の通りです。この「水上艦隊」の隷下に第一から第三の3つの「水上戦群」、「水陸両用戦機雷戦群」、「哨戒防備群」、「水上訓練指導群」、「第一水上補給隊」、「第一水上訓練支援隊」が編成されました。

    掃海艇等の機雷戦関連の艦艇は上記の「水陸両用戦機雷戦群」に所属しているわけですが、この「水陸両用戦機雷戦群」は、投稿時(2026年6月現在)には、「いせ:DDH-182」を旗艦とし、輸送艦3隻、エア・クション艇6隻、掃海母艦2隻、掃海艦4隻、掃海艇12隻で編成されています。

    これらの艦艇群のモデルのうち筆者のコレクションにあるものは、「いせ:DDH-182」と3隻の輸送艦(「おおすみ:LST-4001」「しもきた:LST-4002」「くにさき:LST-4003」)と前出の「すがしま級」掃海艇のうち現役にある6隻で、やや物足りない気がしています。しかも未保有の艦艇群については市販のモデルが少なくとも筆者の知る限りではありません。では、ということで3Dプリンティング用のエータを探したのですが、やはりこちらも見つかりません)

     

    機雷戦関連の自作プロジェクトの始動

    という次第で、ついに3Dプリントモデルの自作、というある種の「暴挙」に踏み出すことに。

    背景には最近、協力関係を構築しつつある3Dプリント・ラボのの存在があります。彼らの協力で、「データさえあれば、そこそこのものが形にできる」という経験を得て、さらにAIのサポートで画像からモデル・データの作成が比較的簡単にできるという体験も手伝って、いよいよ新領域へ足を踏み入れることになりました。

    おそらくそれほど遠くない将来に「そこそこのもの」では満足できなくなり、より精度や仕上がりを求めることになるのは目に見えていますが、いずれにせよまずは基礎的な体験を積んでおこうと思っています。

    昨今の驚異的なスピードでのAIサポートの領域拡大を見ると、止まっている場合ではない、とも思います。

    そして、何より直感的に使えて「面白い」。もちろん何の基礎知識も技術もない領域ですので試行錯誤の連続です。がモデル・データの作成までなら、比較的容易に短時間で、そして何より安価に試行錯誤が許されます。

     

    ということで、自作モデル群の第一弾のご紹介

    今回はモデル・データの進捗状況のご紹介のみにとどめ、各艦の概要等はモデルの完成時に、と考えています。

    「うらが級」掃海母艦(就役:1997-就役中:同型艦2隻:MST-463, 464)

    うらが型掃海母艦 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260619234703j:image

    (写真は「うらが級」掃海母艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案:提供した画像の関係で、ヘリ甲板にヘリの一部が残っていますが、これはプリントアウト後にモデルを修正することにしていたのですが・・・)

    同艦は6850トンの船体を持つ海上自衛隊最新最大の機雷敷設機能も備えたいわゆる機雷戦母艦です。掃海ヘリコプターの運用支援も視野に入れ、艦尾には航空掃海具の展開・収容のための開閉扉や機雷敷設軌条と敷設扉などを装備しています。

    余談:このモデルについては、モデル解析の時点で3Dプリントで出力できないことが判明しました。なぜか中空状態のモデルが生成されていて、特に艦首部の再現ができていないとのことで、プリントを依頼した3Dプリント・ラボにそうなった原因を聞いたのですが、「AIが作ったものなので、理由はAIにしかわからない。原因を考えるより、別案を作成した方がいい。AIとはそういうものだと割り切ってください」と言われました。

    「そういうもの」なのか・・・。

     

    「あわじ級」掃海艦(就役:2017-就役中:同型艦計画では9隻:2026年時点では4隻が就役中、1隻が就役準備中:MSO-304〜308)

    あわじ型掃海艦 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260619234701j:image

    (写真は「あわじ級」掃海艦の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案:54mm程度のモデルになる予定)

    同級は満載排水量780トンのFRP製の船体を持つ最新鋭かつ海上自衛隊唯一の掃海艦で、9隻の建造が計画されています。海上自衛隊では、掃海艇は主として港湾周辺や商用航路など浅深度の機雷処理を任務としているのに対し、掃海艦は浅深度はもちろん対潜水艦機雷など深深度の機雷処理も視野に入れ、広い海域の安全航路の確保を任務としています。

    同級は計画段階では9隻の建造が予定されており、現時点では4隻が就役済み、2026年度中に5番艦も就役する予定で、いずれも水陸両用戦機雷戦群に配置される予定です。

     

    「ひらしま級」掃海艇(就役:2008-就役中:同型艦3隻:MSC-601〜603)

    ひらしま型掃海艇 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260619234658j:image

    (写真は「ひらしま級」掃海艇の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案:46mm程度のモデルになる予定:艦首の機雷処分用の多銃身機関砲は大きすぎるのでモデル出力後に修正の予定)

    同級は海上自衛隊最後の木造船体の掃海艇です。前級「すがしま級」が機雷掃討に重点をおき掃海具を都度搭載する形式を取ったのに対し、同級は掃海具を常時搭載しています。後方への視認性から、前級では2本煙突であった線型は単一煙突に改められました。3隻が建造され、全て水陸両用戦機雷戦群に配置されています。

     

    「えのしま級」掃海艇(就役:2012-就役中:同型艦3隻:MSC-604〜606)

    えのしま型掃海艇 - Wikipedia

    f:id:fw688i:20260619234655j:image

    (写真は「えのしま級」掃海艇の自作3Dモデルのキャプチャー画像:複数の画像データから生成されたモデルのドラフトから選んだ一案:50mm程度のモデルになる予定:艦首の機雷処分用の多銃身機関砲は大きすぎるのでモデル出力後に修正の予定)

    同級は「ひらしま級」をベースに船体を木製からFRP製に改めたもので、海自の保有する最新鋭の掃海艇です。3隻が建造され全て水陸両用戦機雷戦群に配置されています。

     

    という次第で上述のように今回の「すがしま級」掃海艇につづき、一気に水陸両用戦機雷戦群の艦艇を作成してしもうとの取り組みだったのですが、「うらが級」掃海母艦のみ、モデルデータが不備で発注に至っていません。しかし残りの三艦級については3Dプリント・ラボに発注済みで、おそらく次回投稿で進捗等、お伝えできるのではないかと思います。

     

    リトライの準備

    「うらが級」掃海母艦(就役:1997-就役中:同型艦2隻)

    (写真は「うらが級」掃海母艦の自作3Dモデル第二案のキャプチャー画像:少し寸法調整など必要かもしれません)

    一方で、今回不調だった「うらが級」についても早速リトライ。筆者手元での簡単な検証では、出力できない箇所は出ませんでした。現在製作中のモデルがひと段落したら、こちらのモデルを出力依頼する予定です。

     

    ということで今回はここまで。

    ついに自作モデルの扉を押してしまいました。

    計画上では、前回ご紹介した船体デザインに誤謬を見つけたフィリピン海軍のフリゲート艦や既成モデルの見出しにくい海上自衛隊の訓練支援艦など、自作モデルの対象には事欠きませんが、さてある程度満足できるものになるのかどうか、今回の発注次第かと。

    いろいろな意味で楽しみです。

    それにしても、とつくづく思うのは、AIの可能性の大きさとその進化の速さ。どんな形にせよ使わない手はないと。そして自身の使い方を見出すためには、まずは手を出すことかな、と痛感しています。あわせて、筆者の場合、これが仕事の領域ではなく、趣味の領域であったことに感謝しています。

     

    次回投稿では今回ご紹介した製作中のモデルの「出来」などご紹介できればと思っています。

    もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

    模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

    特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

    もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

    お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

     

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