相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

架空戦艦「H-45型」戦艦の製作進捗:下地処理と武装パーツの決定、基本彩色等

今回は筆者が最近入手した「究極の架空艦」ナチス・ドイツ海軍の「H-45型」戦艦のモデルの製作アップデートです。

前回投稿はこちら。

fw688i.hatenablog.com

さらに本稿では下記の回で、ナチス・ドイツ海軍の未成艦の一環として「H級」と呼ばれる一連の未成戦艦のシリーズを紹介しました

fw688i.hatenablog.com

「H-45型」とは、この一連の「H級」戦艦の最終形、というか、実は計画すらなく、ゲームの世界のみで存在する、妄想の集積から生まれた、そういう意味で冒頭に記述した「究極の架空艦」なのです。

 

では「H 級」戦艦とは何か

背景をおさらいしておくと、第一次世界大戦に敗れたドイツ帝国は、帝国自体が崩壊。新たに生まれた共和国はヴェルサイユ体制下で厳しい軍備制限を受けます。海軍ももちろん同様で、この制限下で、新生ドイツ海軍は沿岸警備程度の規模・装備を持つ海軍に止められようとしていました。

厳しい戦後賠償と世界恐慌が重なり、混乱する世情を背景にドイツにヒトラーを総帥とするナチス党が台頭し、やがて彼らが政権を握ると、1935年3月にヴェルサイユ条約の破棄と再軍備を宣言。さらに同年6月に締結された英独海軍協定で事実上の軍備制約が撤廃されると、新生ドイツ海軍は大建艦計画「Z計画」を発動させます。

この「Z計画」ではヴェルサイユ体制下では保有を許されなかった本格的戦艦の建造も組み込まれており、その第一陣は「ビスマルク級」戦艦2隻(「ビスマルク」「ティルピッツ」)として建造されました。両艦の「Z計画」における計画艦名が「F」「G」であり、これに続く一連の戦艦群をその最初の艦の計画艦名「H」を冠して「H級」戦艦という総称で、世に知られることとなるわけです。

「H級」戦艦は1939年に着工された「H」「J」、38年度計画において予算承認された「K」「L」、さらに計画が具体化しつつあった「M」「N」と6隻の建造計画が具体化されており、それぞれ計画の進捗レベルは異なりましたが、いずれも第二次世界大戦の勃発で中止となりました。

 

というような次第で、「H級」戦艦は世に存在しなかった軍艦、つまり未成艦なのですが、下のURLで計画の全貌について実によくまとめられた文章を読んでいただくことができます。

myplace.frontier.com

原典も複数にあたっていらっしゃって、細部の比較も実に興味深い。関心がある方にとっては、スペック表、図面なども揃っていて「よだれの出るような情報満載」(だと筆者は思っています)ですので、ご一読をお勧めします(「英語かよ」とおっしゃる方も、Google翻訳でかなりの精度で大意が取れると思います。少し表現のおかしなところは、概ね専門用語、軍事用語絡みですから、多分、そこは皆さんの「マニア・マインド」がカバーしてくれるはず)。

 

「H級」戦艦の諸形式

第一グループ:建造可能な設計「H-39型」から「H-41型」

「H-39 型」

実際には「H-39型」と言われる「H」艦「J」艦の2隻は(「I」の文字は数字の「1」等と誤りやすいという理由で欠番となっています)、1939年に着工されましたが、第二次世界大戦の勃発で建造中止となりました。

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(上の写真は「H-39型」戦艦の概観:224mm in 1:1250 by Neptun: 「ビスマルク級」をタイプシップとして、それに準じた兵装配置であることがよくわかると思います)

「H-39型」は、「ビスマルク級」戦艦の拡大改良型で、「ビスマルク級」では実現できなかった機関のオール・ディーゼル化を目指した設計案です。大型ディーゼル機関の搭載により30ノットの高速と、長大な航続距離を併せ持った設計でした。機関の巨大化により船体も55000トンに達しています(「ビスマルク級」は41700トン)。主砲口径は「ビスマルク級」よりも一回り大きな40.6センチ砲として、これを連装砲塔4基に搭載していました。

全体的な概観や兵装配置は「ビズマルク級」を踏襲しており、大きな外観的な特徴としては巨大な機関搭載により煙突が2本に増えたことと、航空機関連の艤装が艦尾に移されたことくらいでした。

 

これに続く「K」「L」「M」「N」までは「H-40a型」「H-40b型」「H-41型」などと呼ばれる実現可能な設計案が準備されていたと言われています。

「H-41型」

(上の写真は筆者版「H-41型」戦艦の概観:232mm in 1:1250 by semi-scratch based on Superior:「筆者版」の種を明かすと1:1200スケールのSuperior製H-class(おそらく「H-39型」)をベースにしています(≒Superior社の1:1200スケールのひと回り大きな「H-39型」を1:1250スケールの「H-41型」のベースとして流用している、と言う訳です)。筆者が知る限り、「H-41型」の1:1250スケールモデルはAlbert社からのみ市販されていますが、未だ見たことがありません)

この「H級」シリーズの実現性のある設計案の最後の「H-41型」は、「H-39型」の主砲の強化を狙った設計案でした。排水量68000トン(「大和級」並)の船体に、42センチ(連装砲塔4基搭載)の口径の主砲を搭載し、機関は再びオールディーゼルとして速力28.8ノットを発揮するというスペックでした。

 

第二グループ:研究段階の「H-42型」から「H-44型」

「H級」計画は、さらに、研究段階の設計案として「H42 型」「H43 型」「H44型」と続いています。どうも「ナチス・ドイツ」の兵器設計の常、というか(架空戦記小説から筆者が影響を受けているだけかもしれませんが)「大きく強く」のような発想が色濃く見受けられる(あくまで筆者の私見ですが)計画案が多いように感じています。いずれも強大な船であり、既に「H-41型」ですら建造施設に課題が見つかっている(従来の施設や機材では建造が難しかっただろう、と言うことですね)ことから、これらの建造についてはドライ・ドックでの建造等、建造方法についても研究・検討が必要だっただろうと上掲の文書では記述しています。

 

「H-44型」

「H-44型」は公式な設計案が残る史上最大の戦艦とされています。排水量130000トン、 50.6センチ(20インチ)砲8門を主砲として搭載し、ディーゼルと蒸気タービンの併載で29.8ノットを発揮する、というスペック案が残っています。複数の枝記号を持つ図面が見つかっており、設計案が複数あったかもしれません

(「H-44型」の概観:293mm in 1:1250 by Albert: 破格の大きさで、いつも筆者が使っている海面背景には収まりません。仕方なくやや味気のない背景で。下の写真は「H-44型」の兵装配置を主とした拡大カット:巨大な20インチ連装主砲塔(上段)から艦中央部には比較的見慣れた副砲塔や高角砲塔群が比較的オーソドックスな配置で(中段)。そして再び艦尾部の巨大な20インチ連装主砲塔へ(下段))

この辺りの資料は「研究段階の計画艦」ということもあって「諸説」が残っていて調べ出すとキリがありません。何か面白い資料をご存知の方、ぜひ教えてください。

「H-44型」のフルハルモデル

この第二グループ「H-42型」以降の形式では、魚雷防御の強化に重点の一つが置かれています。背景には、第二次世界大戦で舵に被雷して行動の自由を失った「ビスマルク」の戦訓があり、舵と推進器の損害を防ぐ構造が取り入れられていました。

実は上掲のサイトにも以下のような記述が出てきます。

"From this 'H-42' design onwards, efforts were made to give rudders and propellers maximum protection by extending the stern of the ship in the shape of two side fins forming a kind of tunnel and protecting the rudder and propellers from the sides. This design was to offer protection against the kind of fateful torpedo hits sustaned by Bismarck. The effect such a stern would have on manoeuvrability of so large a ship was not looked into and extensive model tests would have been necessary before such a project could have been carried out." 

抄訳すると「「ビスマルク」に致命的な損害を与えた魚雷攻撃への防御強化策として、一種の「覆われた船尾」を装備している」とされています。「舵とスクリューを魚雷の打撃から保護するための両側にサイドフィンが装備されている」ということです。併せて「このような設計の船尾構造が巨大な戦艦の操縦性にどのような影響を与えたかは検証が必要だっただろう」とも述べています。

「覆われた船尾」とは、いったいどんな艦尾構造なんだろうか、という興味が湧き上がっていたところに、筆者がAlbert製の「H級」戦艦のモデルを探していると伝えたいつもモデル調達では大変お世話になっているE-bay出品者から、「Arbert社の「H級」戦艦なら、ハル部分(船底部分)のモデルもセットできるけど」と嬉しい連絡をいただき、「モデルがあるのなら、是非とも」という次第で入手に至ったと言う経緯があります。

下の写真は、その艦尾構造のアップ。なるほどそういうことか、という写真です。舵とプロペラは分かりやすい様にゴールドで彩色してみました。by extending the stern of the ship in the shape of two side fins forming a kind of tunnel and protecting the rudder and propellers from the sides. :英語ではこんなふうに説明するんだなあ、などと感心しています。特にa kind of tunnelがあまりイメージできなかったのですが、ああ。こういうことなのか、と。百聞は一見に如かず、というやつですかね)

この「ハル」のモデルが手に入ったので、船体上部と合わせて見たのが下の写真です。

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(上の写真は「H44型」モデルの概要:入手した艦底部分にウォータラインモデルを乗せただけで、接着していないので隙間等見えますが、ご容赦を)

 

Z計画の戦艦総覧

ということで「Z計画」の戦艦群の手持ちのモデルを一覧したものが下の写真です。船体の大型化が理解していただけるかも。下から順に「ビスマルク級」(42000トン) by Neptun 、「H-39型」(55000トン) by Neptun、「H-41型」(68000トン)by  semi-scratch based on Superior、そして「H-44型」(130000トン) by Albert の順です。

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 そして「究極の架空艦」=「H-45型」の製作進捗

まず「H-45型」戦艦について

少しおさらいです。

これまで上記投稿でご紹介してきた「H級」の諸型式は第二グループにせよ研究段階という「淡い」状態ながらも何らか計画があったことが確認されていますが、もう一つ「都市伝説的」な型式「H-45型」が、The Wells Brothers' Battleship Index: Debunking the Later H-class Battleships では紹介されています。

「H-45型」は一切の公式な記録がなく、つまりこれまでゲームの中でしか語られた事のない「実存しない都市伝説的な設計案」なのです。

「都市伝説的な」とご紹介したのは、この設計案が、ヒトラーがグスタフ列車砲(800mm砲)を主砲として搭載する戦艦のアイディアについて語った、という逸話(史実なのかどうか?)のみを拠り所として、考えられているからです。(これまでご紹介してきた投稿には図面が掲載されてます。「ただしなんの根拠もないよ、でもこういう自由な設定は楽しいから、いいんだよ。どんどんいこう」的なコメント付きです:Let us state for the record that there is absolutely nothing wrong with making up purely fictional ship designs for wargames. We do it all the time. It can be fun. It only becomes a problem when people start to believe that these designs were real. Since these are fictional designs, it is difficult to impossible to find good, reliable references on them. We are forced to rely on saved pictures and saved bits of text from defunct websites, as well as personal memories. So, here we present some more-or-less fictional designs that readers might find on the internet:「H45型」に関するコラムの冒頭部分をそのまま引用しています。fictional designsが何度も出てきて、ちょっと嬉しいですね)

同サイトに掲載されていた図面(と言っていいのか想像図・もはや妄想図(?)と言うべきか)がこちらです。

(上図は「H-45型」(上記のコラムでは”The (mostly) Fictional H-45 Design”とタイトルがついています)と称して紹介された「オバケ戦艦」:上図の上左に「ビスマルク級」の図が対比として載っているので、大体の大きさがわかっていただけるかと)

さらに上掲のサイトでの紹介では、55万トン(一説では70万トン)、全長609メートル、80センチ主砲(グスタフ列車砲)搭載、なんと28ノットの速度が出せる、とコメントされています。

この「H-45型」には、驚くべきことに(嬉しいことに!)、1:1250スケールの3D printing modelが市販されていて、xpforge.comで入手可能です。

Battleship - H-45 - What If - German Navy - Wargaming - Axis and Alies - Naval Miniature - Victory at Sea - US Navy - Tabletop - Warshipsxpforge.com

 

というような次第で発注をかけていたモデルが3月上旬に到着。2月4日の本稿投稿の直後の発注だったと記憶しますので、到着までに約1ヶ月を要したことになります(制作期間も考慮すれば、まあ順当はところでしょうね)。

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(写真は到着した「H-45型」のモデル:中央で2分割されてプリントアウトされた船体と、主砲塔(なぜか5基:予備を付けてくれた?)。さらに副砲や高角砲などの武装パーツが別袋にまとめられています)

前述のように、xpforge.comで指定できるスケールは1:1200で、ただし発注時に「1:1250スケールを希望」とメモをつけておけば、1:1250スケールでプリントアウトしてくださいます。かつ今回は、「砲塔類を全て別パーツにしておいてほしい」というスペシャルリクエストをしたところ、快く請けてもらえました。「ああ、それは簡単。ちょっと手間賃もらうけど」という感じで、ほんの少しだけサイトの掲載料金より高い請求が来ました。でも全て砲塔類をゴリゴリ撤去する手間と、その後の仕上げを考慮すると、断然、このお願いをしてよかったと思っています。言ってみるもんです。

 

まずは550000トンという船体がどの程度大きいか、上掲の「H-44型」と並べてみたカットを見ておきましょう。「大和級」とも並んでいるので、3者比較をしておくと65000トン(大和)、130000トン(「H-44型」)とはやはり桁違いに大きなモデルです。「H-44型」が上掲のように30センチ弱のモデルですので、50センチを超える長さ、ということになります。

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さらに前回の3月上旬の投稿で、すでにモデルのディテイルで気になっているところとして「主砲塔、特に砲身の太さ、長さ」と「艦橋、後橋の作りはあっさりとしすぎている」としてそれぞれ真鍮製砲身への変更や、ストックパーツへの置き換えをおこなっています。

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(真鍮製の砲身に換装した主砲塔(上段)とストックパーツへの入れ替えを行った艦橋と後橋(下段の2カット))

とここまでは3月10日投稿のおさらいです。

 

船体と主砲塔の下地処理

その後の作業で船体と主砲塔の下地処理(サーフェサーの塗布)を行いました。

このモデルは船体を2パーツに分けてプリントアウトされ手元に届きましたので、筆者が接合(下の写真上段の船体中央の白い部分が接合部の継ぎ目を埋めるパテ処理を行なった部分です)を行いました。下段では船体と主砲塔に下地処理を施した後の状態を表しています。

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さらに下の写真では下地処理後の船体各部の拡大を示しています。

モデルの船体には艦首部、上部構造、艦尾部等に対空機関砲座がモールドされています。さらに3種類の大きさの穴が多数空いています。これは副砲塔、24センチ重対空砲の単装砲塔、12.7センチ連装対空砲の設置箇所をそれぞれ示す砲塔基部としてモールドされています。

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実はこの主砲以外の兵装パーツがやや厄介で、3月10日投稿でも、下記のような記述をしています。

(以下、少し編集していますが3月10日の武装パーツに関する記述です)

武装パーツを見てみる

別袋の武装パーツは下の写真の3種類の砲兵装でした。

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上段:三連装副砲塔?:16基入っています。下段左:単装砲塔:重対空砲?これが15基付属しています。下段右:連装高角砲:これが21基入っています。

が、そもそも「H-45型」には主砲以外にはどんな兵装が想定されているのか、例のサイトを覗いてみたところ、以下のような記載を見ることができます。

Armament:
Main: 8 31.5" (80cm) Gustav siege guns (4 x 2)
Secondary: 12 9.45"/73 (24cm) Long Range AA guns (12 x 1)
Tertiary: 24 5.04"/60 (12.8cm) AA guns (12 x 2)
Light: 5.5cm/77 Gerat 58, 30mm AA guns

上から、主砲は800mm(31.5インチ)グスタフ砲 連装4基:これはこの通り。800mm列車砲は世界最大の口径の列車砲で、2門が生産されたのみです。「H-45型」はこれを8門搭載しているわけです。これは解決済み。

そして副砲(Secondary)として、240mm(9.45インチ)73口径重対空砲 単装砲塔12基:これが上掲の写真の左下段でしょうね。73口径という長い砲身を持った対空砲ですね。実在しないのではないかな。これも付属部品は砲身が太すぎる?

さらに128mm(5.04インチ)60口径高角砲 連装砲塔12基:これは「ビスマルク級」などが搭載していた高角砲(105mm)よりも口径の大きな高角砲ですね。(注:12.8cm Flak 40と言う正式名称で実在しました。これを連装砲塔で搭載したものですね)

さらに近接火器として55mm砲や30mm対空砲を多数搭載、という仕様になっています。

あれれ?なんとなんと、3連装砲塔に関する情報がどこにも記載されていません。上掲の表だけではなく、本文にも記述がありません(筆者は見つけられませんでした)。にもかかわらず、上掲の図には少なくとも4基の3連装砲塔が記載されているようです。図面では150mm級(軽巡洋艦なみ?)のように見えますが、モデルに付属しているものはもっと大きな口径の砲のように見えます。形状が似ているのは280mm(11インチ)3連装砲塔です。まあ、この辺りは最後に決めてもいいかも。いずれも筆者のストックパーツに置き換えましょう。

 

と言うことで、次は換装する武装パーツの決定の過程を。基本方針はモデル付属のパーツは使わずに、筆者のストックパーツのものから最も適したものに置き換えてゆくこととします。

いちばん波風の立たないところから、というわけではないですが、あまり迷わなくて良さそうな12.8センチ連装対空砲塔から。

連装対空砲塔:12.8cm対空砲

こちらは筆者のストックパーツからHansa製「O級巡洋戦艦の密閉型の連装砲塔を流用することにします。

(下の写真は「O級巡洋戦艦(Hansa製)の連装対空砲塔(上段)とモデルに付属していた連装対空砲塔との比較(下段):モデル付属の連装砲塔はややモールドが「眠い」ように見えますので、変更します)

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24cm重対空単装砲

次は、24センチ重対空砲の単装砲塔です。

上述のようにモデル付属のパーツは砲身が太すぎるし、砲塔自体も大きすぎるように思います。さらに欲を言うと重対空砲らしく、砲身に仰角をかけた状態のものもいくつか準備したいと考えています。

そこで筆者の1:700スケールの武装パーツから米海軍の駆逐艦用の初期型両用砲用の単装砲塔Mk 30を選択し、Mk 30が1:1250スケールでストレートに使用するにはやや高さがありすぎるように感じますので、ゴリゴリとやすりで削って高さ調節をします。これに、同じく1:700スケールの真鍮製の8インチ砲の砲身をセットしたものを12個準備することに決定。

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(写真上段は、筆者が上述の要領で製作した24センチ重対空砲単装砲塔。いくつか砲身の仰角にバリエーションを持たせ対空砲らしさが出ればいいなあと思っています。下段はモデル付属のパーツとの比較。モデルの付属パーツは全体に大柄です)

 

副砲:28センチ三連装砲塔

これまでに何度か触れてきたどこにも記述のない「H-45型」の三連装砲塔ですが、3月10日の投稿では筆者のストックパーツから物色した結果、候補としてドイツ海軍の軽巡洋艦用の15センチ三連装砲塔、重巡洋艦用の20センチ連装砲塔、ポケット戦艦用の28センチ三連装砲塔の3つをあげていました。

同砲の装備目的(これも記録類がないので、妄想するしかないのですが)や実戦での速射性等を考慮すれば15センチ三連装砲が理論的には妥当な気もしますが、船体の大きさに対し、あまりにも小さく感じられ、併せてモデル付属のパーツとの類似性を思慮すると、結論としては28センチ三連装砲塔を選択したいと思います。

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(写真上段は、筆者が選択した28センチ三連装砲塔:下段はモデル付属のパーツとの比較。選択したストックパーツはHansa製のドイツ装甲艦(ポケット戦艦)モデルからストックに回したの28センチ三連装砲塔で、やや砲身が太い気もしますが、一旦はこれでモデルを仕上げて見たいと考えています。筆者の常としていずれは砲身を真鍮製のものに置き換えることを考えるんでしょうね)

 

武装セットの決定

と言うことで、搭載する武装パーツについても方向が決まりましたので、いよいよ塗装と仕上げに掛かってゆきたいと思っています。

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船体と武装パーツへの基本的な塗装

船体色をタミヤ・エナメルのミディアム・グレー(XF-20)、甲板にデザート・イエロー(XF-59)、武装パーツにスカイグレイ(XF-19)、各部にフラットアルミ(X F-16)、ライトシーグレー(XF-25)、クロームシルバー(XF-11)などで着色して、仮置きしてみます。

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なんとなく全体にフワッとしている感じがします。メリハリが足りないような。船体色を明灰白色(XF-12)辺りにしたほうが、もう少し色味を出せるでしょうかね。筆者はフランス艦(前弩級戦艦を中心に)によく使用しています。

もう少し考えてみようかな。

写真下段では艦尾に航空艤装甲板に「ハーケン・クロイツ」があしらわれてい流のがわかると思います(写真下段)。
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下のカットは各武装のアップを。砲塔の上部に少し色を入れればこちらももう少し締まった感じにできると思います。下段右のカットでは砲身に仰角をかけた24センチ重対空砲の単装砲塔を配置してみたのですが、そんなに大きな違和感はないように思いますが、いかがでしょうか?

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塗装はもう少し工夫する必要がありそうです。

さらに航空艤装周りでカタパルトやクレーンの追加、さらに煙突周辺にもクレーン類を追加してみようかな、などと考えています。測距儀やレーダーの類も追加してみてもいいかも。

と言うわけで、今回はまずはこの辺りで。

 

次回は「H-45型」の仕上げが間に合えば、しかし検討事項と試行錯誤がいくつかありそうな気もしていますので、時間はかかるように思います。ですので最近の新着モデルのご紹介をさせていただくかも、とも考えています。

 

もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

 

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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