相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

2024-01-01から1年間の記事一覧

英海軍の航洋型装甲艦開発事情(その1):舷側砲門式装甲艦から中央砲郭式装甲艦

今回は前回・前々回のフランス海軍の航洋型装甲艦の発達系譜の話の流れで、当時の最強海軍だった英海軍の航洋型装甲艦事情に、少し触れておきます。 少し、と言ったのは、英海軍にとってもこの時期は、列強海軍の例にもれず、航洋型主力艦のあり方についての…

フランス海軍 装甲艦の系譜(後編:艦隊装甲艦としての発展)

本稿前回では、19世紀後半の艦艇開発をリードしていたフランス海軍の装甲艦整備の始まり時期のお話をしました。 海軍主力艦の変遷を見ておくと、19世紀初頭には、舷側砲門をずらりと並べた「ナポレオン期」に全盛を迎えたいわゆる木造帆装戦列艦が海軍の主力…

フランス海軍 装甲艦の系譜(前編:装甲フリゲート艦の登場)

このところ本稿で続けて取り上げている各国の装甲艦(近代戦艦=前弩級戦艦の登場以前の主力艦)を紹介する際に、時折、「フランスが整備している装甲艦への対抗を意識して」と言いようなフレーズが出てきます。 今回はそのフランス海軍の装甲艦のご紹介、そ…

19世紀後半、装甲艦の海戦史 その1:リッサ海戦(蒸気装甲艦と衝角戦法)

本稿では最近、戦艦の揺籃期、つまり「前弩級戦艦以前の主力艦」のご紹介が続いています。 この傾向は当面続く予定ですが、今回は史上初の蒸気装甲艦同士の本格的な海戦として、これまでにも時折登場している「リッサ海戦」(1866年)についてのお話です。 …

新着モデルのご紹介:日本海軍最初の戦艦「扶桑艦」と清国北洋艦隊の「定遠級」他

本稿では最近、戦艦の揺籃期、つまり「前弩級戦艦以前の主力艦」のご紹介が続いています。 この傾向は当面続く予定で、今週も日清戦争期の日清両海軍の主力艦であった「扶桑」「定遠級」両装甲艦のモデルが到着しています。 装甲コルベット「扶桑」と「定遠…

再掲:「改扶桑級」戦艦:開発(改造)新噺:あるいは架空艦の架空戦記のような「噺」

現在、本稿前回でご紹介した英海軍の「前・前弩級戦艦」の艦級のモデルの整備をはじめ、各国海軍の装甲艦(1850−1890年頃)に興味が広がり、手元にあるモデル、さらに入手したいモデルのリスト作りや入手に向けて、模型に集中医値ので、新たな投稿を一回スキ…

新着モデル:英海軍、近代戦艦への模索期:モデル群到着!

今回は前回の予告通り、WTJ制作のモデル群の第二弾とこれに関連する他の3D printing modelが手元に届いたので、そちらのご紹介を。 今回到着したのは一連のモデルは、本稿前回でご紹介したイタリア海軍の中央砲塔艦のの設計情報に刺激を受けて、英海軍が1970…

新着モデル(完成版):イタリア海軍、揺籃期の戦艦:中央砲塔艦の系譜

今回は、本稿前回投稿でご紹介したイタリア海軍の近代戦艦登場以前の主力艦、近代戦艦に至る模索期の主力艦の一形態である「中央砲塔艦」の完成編、です。(完成編、と言っても完成までの経緯については特に記載していないので、ご容赦ください) fw688i.hat…

新着モデル:イタリア海軍、揺籃期の戦艦:中央砲塔艦の系譜

前回で「H-45型」戦艦という「究極の架空艦」のお話が一段落したので、今回から少し地味なお話(従来通りのマニアックなお話、と言うべきかな)に戻りたいと思います。 今回ご紹介するのは4隻の新着モデルです。 モデルはまさに手元に到着した直後で、まだ制…

究極の架空戦艦「H-45型」戦艦の完成

ようやく「H-45型」戦艦が完成。 今回はそのお話を。 完全な架空艦「H-45型」戦艦 本稿では1936年のナチス・ドイツによる再軍備宣言と、英独海軍協定により、ドイツ海軍が第一次世界大戦後のベルサイユ体制下での軍備制限から解放され、有名な「Z計画」によ…

架空戦艦「H-45型」戦艦の製作進捗:基本塗装の変更、各種艤装の作り込みへ

今回は先週に弾き続き「H-45型」戦艦の作業進捗のご紹介です。 鋭意、作業中ですので、今回は超簡単に先週からの進捗のアップデートを。 そもそも「H級」「H-45型」って何、とおっしゃる方は、お手数ですが前回投稿をご覧ください。 fw688i.hatenablog.com …

架空戦艦「H-45型」戦艦の製作進捗:下地処理と武装パーツの決定、基本彩色等

今回は筆者が最近入手した「究極の架空艦」ナチス・ドイツ海軍の「H-45型」戦艦のモデルの製作アップデートです。 前回投稿はこちら。 fw688i.hatenablog.com さらに本稿では下記の回で、ナチス・ドイツ海軍の未成艦の一環として「H級」と呼ばれる一連の未成…

アメリカ海軍の駆逐艦(その5:ミニ・シリーズ最終回):第二次世界大戦後から現用艦まで

今回は米海軍の駆逐艦開発小史の5回目。一応、このミニ・シリーズの最終回です。 前回では、第二次世界大戦期の駆逐艦建造のお話をしました。この時期、米海軍は第二期の量産駆逐艦の時代を迎えます。 少しこのミニ・シリーズのまとめ的なおさらいをしておく…

アメリカ海軍の駆逐艦(その4):第二次世界大戦と艦隊駆逐艦 第二期決定版:フレッチャー・ファミリー

今回は前々回に続き米海軍の駆逐艦開発小史の4回目。 第一次世界大戦で当時の艦隊駆逐艦の決定版として、大量に建造した「平甲板型」駆逐艦の影響で、米機軍はその後13年余りの期間、新造駆逐艦を建造しませんでした。 大戦後の復興と経済の停滞を背景として…

新着モデルのご紹介:凄いのが来た!:H-45級戦艦

本稿ではこのところ米海軍の駆逐艦開発小史を展開中ですが、小史の方は一回お休みして、今回は急遽、新着モデルのご紹介です。 今回ご紹介するのは「究極の架空艦」とでも言えばいいのかナチス・ドイツ海軍の「H-45型」戦艦です。 本稿では下記の回で、ナチ…

アメリカ海軍の駆逐艦(その3):大戦間の駆逐艦:ロンドン条約締結を契機とした駆逐艦建造の再開

今回は米海軍の駆逐艦開発小史の3回目。 前回ご紹介したように、米海軍は19世紀末から大発展を遂げ、創設当初のの沿岸防備型海軍から大洋型の海軍へと変貌します。特にヨーロッパでの第一次世界大戦の開戦から米国の参戦までの間、想定される作戦に向けて、…

アメリカ海軍の駆逐艦(その2):艦隊駆逐艦の第一期決定版 平甲板型

今回は「米海軍駆逐艦開発小史」の2回目。 本稿の前回では、米海軍の駆逐艦黎明期から航洋型駆逐艦の開発期まで、その初期を見てきましたが、第一次世界大戦を経て、米海軍は英海軍に匹敵する、あるいは凌駕する規模の大海軍へと成長を遂げてゆきます。 この…

アメリカ海軍の駆逐艦(その1):黎明期から艦隊駆逐艦の模索期

今回から数回に渡り、新たなミニ・シリーズとして「米海軍駆逐艦開発小史」を開始します。5回から6回のミニ・シリーズになると考えています。 かなり地味なテーマですが、馴染みの薄い領域でもあるので、かつ筆者はこういう小さな軍艦の発達を見るのが大好き…

ドイツ海軍の未成艦特集(後編):「D級」装甲艦、「O級」巡洋戦艦(通商破壊艦)、「グラーフ・ツェッペリン級」航空母艦 

今回は、「ナチスドイツ海軍の計画のみで終わった艦艇」の第三回目(後編)、ということで、「ドイッチュラント級」装甲艦と強化型装甲艦として設計されながら、ドイツ再軍備宣言、英独海軍協定の締結で新造艦に対する制約がなくなったことから建造中止とな…

ドイツ海軍の未成艦特集(中編):「H級」戦艦の系譜 あるいは未成艦コレクションの醍醐味

今回は、「ナチスドイツ海軍の計画のみで終わった艦艇」の第二回目(中編)、ということで、「H級」戦艦の系譜のご紹介、過去投稿等をまとめて振り返っておきたいと考えています。 筆者は本稿を初めて改めて自覚したのですが、こうした未成艦の体系的なコレ…

ドイツ海軍の未成艦特集(前編):航空巡洋艦・巡洋艦・敷設巡洋艦など

今回は、本稿前回でご紹介した未成艦「D級」装甲艦に引き続き、これまでに本稿でご紹介してきたナチスドイツ海軍の計画のみで終わった艦艇を、まとめて振り返っておくのもいい機会ではないかと。 そういうお話です。 前編・中編・後編の三部構成で、今回その…

新作モデルのご紹介:未成艦ドイツ海軍D級装甲艦のご紹介

今回は新着モデルに大幅に手を入れた新作モデルのご紹介です。 今回ご紹介するのは、ドイツ海軍が第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に起工された「D級装甲艦」という艦級です。起工の直後に工事が中止されたため、いわゆる未成艦です。その辺りの経緯は後…

新年、原点回帰の架空艦満載:八八艦隊計画と、計画中止後の戦力補完としての「扶桑級」大改造

新年、明けましておめでとうございます ・・・などと、呑気なご挨拶からは占めましたが、年明け早々、本当に色々なことが立て続けに起こりました。言葉もありません。被災者や事件の関係者の皆さんには、心からお見舞いを申し上げます。 さて、今回は昨年末…