相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

(補遺3)回航中の仏・伊艦が無事日本に到着

仏・伊回航艦隊の到着

前回の「補遺」に引き続き、日本へ向け回航途上であったフランス近代戦艦(前弩級戦艦シャルルマーニュ級が、フランス海軍が世界に先駆けて登場させた世界初の装甲巡洋艦デュピュイ・ド・ロームを伴い日本に無事到着した。

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併せて、イタリア海軍強化型近代戦艦(準弩級戦艦)レジナ・エレナ級が、同海軍サン・ジョルジョ級装甲巡洋艦を護衛に伴い、日本に到着した。

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それぞれのページ(号外 Vol.1)に、写真をアップしました。

 

 

それぞれの護衛艦について

フランス装甲巡洋艦デュピュイ・ド・ローム(1895: 6676トン 19.7ノット 同型艦なし 92mm in 1:1250)

デュピュイ・ド・ローム (装甲巡洋艦) - Wikipedia

French cruiser Dupuy de Lôme - Wikipedia

繰り返しになるが、世界初の装甲巡洋艦の栄誉を担う艦である。

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フランス海軍は、速射砲の性能向上に伴う戦闘艦の攻撃力の格段の強化に伴い、これに対抗し船団護衛、もしくは通商破壊をその主任務とする巡洋艦に、近接戦闘での戦闘能力を喪失し難い能力を与えるべく、舷側装甲を追加した。これが装甲巡洋艦である。

19.4センチ速射砲2基と16.3センチ速射砲8基を装備し、19.7ノットの速力を出すことができた。

性能もさることながら、そのデザインの何と優美な事か。

 

イタリア装甲巡洋艦サン・ジョルジョ級(1908-: 9832トン 23.2ノット 同型艦2隻 112mm in 1:1250)

サン・ジョルジョ級巡洋艦 - Wikipedia

San Giorgio-class cruiser - Wikipedia

イタリア海軍最後の装甲巡洋艦である。

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砲兵装は大変強力で、25.4センチ連装砲を主砲として2基装備し、19センチ連装速射砲4基を副砲として装備している。

サン・ジョルジョはレシプロ機関を搭載し23.4ノット、サン・マルコはイタリア初のタービン推進艦となり、23.7ノットを発揮した。

 

現在も数隻の艦船が日本に向け回航中である。到着次第、順次アップしていきます。

 

余談ながら

艦船模型の観点からのコメントを一つ。

本稿で紹介してきた1:1250スケールの艦船模型の多くは、初回にご案内したようにダイキャスト製の完成品である。ドイツを中心に多くのメーカーがあるが、細部の仕上げにかなり差があり、メーカーの選定はかなり重要である。

筆者のお薦めは、Neptune, Navis, HAI, Albatrosといったところであるが、いずれも新品はかなり高価で、かつ日本では入手ルートが限定されている。あるいは艦種、時代によっては、あまり選択肢がない場合が多い。

筆者は、おおむねEbayなどを通じ、中古品を入手し、これに場合によっては少し塗装を行ったり、あるいは若干の細部の修復、アレンジを行ったりしている。

今回の、仏・伊両回航艦隊のうち、イタリア艦隊は上記のダイキャスト製の完成品に少しマストなどに手を入れたものである。

一方、フランス艦隊は、昨今はやりの3Dプリンターによるもので、したがって未塗装の状態で送られてくる。素材はグレイ、もしくは透明な樹脂であることが多い。

こちらは3Dプリンターでの仕上げのため、比較的安価で入手ができる。(上記ダイキャスト製完成品新品の7分の1程度の価格、と言っておこう)筆者は前弩級艦に関してはWTJ storeを、未成艦についてはShapewaysで検索することが多い。

WTJ Store - WTJ Store

Shapeways - Create Your Product. Build Your Business

ただし、こちらは未だ品揃えに限界があるのでご注意を。また、3Dプリンターの場合、特に1:1250スケールに固執する必要はないかもしれない。

いずれも海外からの発送となるために、送料が発生し、かつ入手まで、少し時間がかかる。

 

次に、私事ながら、ご報告、あるいは予告。

本稿、「号外 Vol.1: カタログ: 近代戦艦(前弩級戦艦・準弩級戦艦)一覧」のフランス海軍の前弩級戦艦等をご紹介した際に、1891年から就役したシャルル・マルテル準級について、触れる機会があった。

そこでも触れたが、この耳慣れない「準級」とは「緩やかなグループ」というほどの意味で、すなわち、同一の設計規定に従った設計コンペのような準同型艦(と言っても外観は全く異なる)を意味していると解釈される。

現在、シャルル・マルテル準級5隻のうち、4隻の3Dプリンターモデルが、日本に向け回航中であり、いずれは特集を組むことになると考えている。もう一隻も1:1250スケールへの対応を交渉中である。

ついに、フランス海軍新生学派の迷宮の扉を開けてしまったかも知れない。

 

 

模型についてのご質問はいつでもお気軽にどうぞ。

 

あるいは、***と++++の大きさ比較をアップせよ、など「vs」モノのリクエストがあれば、こちらも大歓迎です。

 

次回は、第一次世界大戦における主力艦の戦いと、同大戦での日本海軍の動向を中心に。

 


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