2019-01-01から1年間の記事一覧
ドイッチュラント級ポケット戦艦の登場と、仏ダンケルク級戦艦 前回紹介した通り、ヴェルサイユ条約下で戦力を限定されたドイツ海軍は、その保有する前弩級旧式戦艦の代艦として、その制約の範囲内でドイッチュラント級装甲艦を建造した。 重巡洋艦並みの1万…
ワシントン海軍軍縮条約の失効 ワシントン条約の制限は、1930年のロンドン海軍軍縮条約によって拡張及び修正が行われた。しかしもはや参加諸国に条約を継続する意思はなく、条約は1933年に失効する。(史実では、失効は1936年) この条約失効には、日本が建…
八四艦隊 前回、本稿で登場した「もう一つのワシントン海軍軍縮条約」下では、日本海軍は八八艦隊計画に予定されていた「長門」に始まる八隻の戦艦を基幹とする艦隊を完成した。(その詳細は第16回を参照願いたい) 一方で八八艦隊計画中の巡洋戦艦八隻の計…
八八艦隊計画とダニエルズ・プラン 前稿で記述したワシントン海軍軍縮条約(1922年)により、列強諸国の海軍軍備の拡充には歯止めかけられた。 その骨子を特に主力艦に関連する部分に焦点を当て整理すると、 現在建造中の主力艦(戦艦・巡洋戦艦)の計画破棄…
ワシントン会議 例により、これらの史実を詳報する事は、本稿の目的ではないため、概略に止めるとしたい。 第一次世界大戦は終了した。戦争後のヨーロッパの体制については、一般には1918年から1919年のパリ講和会議でで大勢が決した。 次いで1921年、アジア…
フランス主力艦コレクションの完成 フランス海軍の、「新生学派(ジュール・エコール)」時代最初の前弩級戦艦「ブレニュス」、シャルル・マルテル準級で唯一コレクションから漏れていた「カルノー」、装甲巡洋艦「アミラル・シャルネ」、同「ジャンヌ・ダル…
戦艦石見の改修完工 (前回、製作記前半と書きましたが、あとは塗装と細部を整えるのみ、ということで、いきなり完成です。製作記後半はありません。すみません) ja.wikipedia.org (from 1907 INJ, 13,516t, 18knot, 12 in *2*2 & 8 in *6, 95mm in 1:1250)…
戦艦石見の前身:オリョール(ボロジノ級戦艦3番艦) 日本海軍の前弩級戦艦石見の前身は、ロシア帝国海軍のボロジノ級戦艦3番艦オリョールである。(1904-, 14091t, 18knot, 12in *2*2, 5 ships, 95mm in 1:1250 ) ボロジノ級戦艦は、ロシア旅順艦隊における最良…
第一次世界大戦の戦訓 本稿で見てきたように、第一次世界大戦に対する日本海軍の関与は、ほぼ独海軍の展開する通商破壊戦への対応に尽きると言っても過言ではない。 具体的には、開戦当初のシュペー率いるドイツ東洋艦隊への対応、そしてANZAC派遣軍の護衛で…
海戦の背景と企図 1915年1月のドッガー・バンク海戦は、独帝国海軍が戦前の建艦競争以来続く英海軍の戦力優位を揺るがすべく、高機動を誇るその巡洋戦艦戦隊の挑発で英艦隊の一部を誘引し、大海艦隊主力でこれを叩き、戦力バランスの改善を図るという構想の…
装甲巡洋艦 ゲイドン級、エドガー・キーネ級の戦列参加 先週に引き続き、フランス海軍装甲巡洋艦が2クラス新たに戦列に加わったので、ご紹介する。 繰り返しになることを恐れずに言うと、フランスは世界初の装甲巡洋艦を世に送り出した、いわばこの分野の家…
前回(補遺9)の後半でご紹介したフランス艦船がほぼ完成しました。 シャルル・マルテル準級 大鑑巨砲に懐疑的な「新生学派」支配下のフランス海軍は、次世代の主力艦に明確な構想を見出せないままに、主として英海軍への対抗上、建艦計画をスタートさせた。…
年が明けて、続々と後続感が到着し始めた。 本編の方が少し滞っているので、本編に近いところから、ご紹介する。 第一次大戦のドイツ帝国海軍の通商破壊艦 第一次大戦のドイツ帝国海軍は、英国相手の通商破壊戦に、多くの仮装巡洋艦を投入した。仮装巡洋艦は…
新年、明けましておめでとうございます。 昨年中は、お付き合いいただき、心より感謝いたします。今年もよろしくお願いします。 すでにご紹介済みのフランス海軍 超弩級戦艦プロヴァンス級ですが、号外Vol. 2カタログで、下記のように紹介していました。 プ…