フランス主力艦コレクションの完成
フランス海軍の、「新生学派(ジュール・エコール)」時代最初の前弩級戦艦「ブレニュス」、シャルル・マルテル準級で唯一コレクションから漏れていた「カルノー」、装甲巡洋艦「アミラル・シャルネ」、同「ジャンヌ・ダルク」が、日本に回航された。
これにより、フランス海軍の第一次世界大戦時までの前弩級戦艦、準弩級戦艦、弩級戦艦、超弩級戦艦、装甲巡洋艦のコレクションは完成した。
(1891-, 11,190t, 18knot, 13.4in *2*1+11,97mm in 1:1250 by WTJ )
「新生学派」時代(ジュール・エコール)における、最初の戦艦 である。
13.4インチ(34センチ)砲を主砲とし、前部に連装砲塔、後部に単装砲塔の形で搭載した。全周装甲の連装砲塔や、16センチ速射砲を単装砲塔形式で登載、あるいは新型のボイラー採用等、新機軸を多数盛り込んだ意欲的な設計であった。当時としては18ノットの高速を発揮した。
(1897, 11,954t, 17.8knot, 12in *2 + 10.8in *2, 98mm in 1:1250, WTJ)
トゥーロン海軍造船所が建造した。
シャルル・マルテル準級 (おさらい)
大鑑巨砲に懐疑的な「新生学派」支配下のフランス海軍は、次世代の主力艦に明確な構想を見出せないままに、主として英海軍への対抗上、建艦計画をスタートさせた。上記のブレニュスとほぼ平行して、シャルル・マルテル準級が建造される。これは、設計の基本スペックを規定し、すなわち排水量(11,500t ±)、搭載砲(30.5cm * 2+27cm *2)、速力(17.5 knot ±)などのスペックを与え、設計者・造船所による一種の競争試作のような様相で建造されたグループである。
シャルル・マルテル、カルノー、ジョーレギベリ、マッセナ、ブーヴェの5隻が属している。いずれも主兵装を菱形配置とし、12インチ(30.5センチ)砲2門を艦の前後に、10.8インチ(27センチ)砲2門を艦の左右に単装砲等で登載している。
(シャルル・マルテル:左上段、カルノー:左下段、マッセナ:右上段、ブーヴェ:右中段、ジョーレギベリ:右下段)
注:それぞれの塗装は筆者のオリジナル塗装です。この様な迷彩(?)塗装の記録はありません。「ふざけるな!」<<<お叱りごもっともです。ご容赦ください)
(1895, 4,748t, 18knot, 7.6in *2 + 5.5in *6, 4 ships, 89mm in 1:1250 WTJ)
前級を小型化し、量産したもので、 やや航続距離が短い。
(1899, 11,445t, 21knot, 7.6in *2 + 5.5in *14, 116mm in 1:1250, WTJ)
艦型を一気に大型化し、高速と大航続距離を兼ね備えた本格的な艦隊装甲巡洋艦となった。以降のフランス海軍の装甲巡洋艦の標準的な設計となった。
フランス海軍 ブヴィーヌ級海防戦艦の日本回航
沿岸防備用の海防戦艦として設計されていながら艦種甲板を高くして外洋での航行能力を持つ艦となった。同型艦として、「ブヴィーヌ」「アミラル・トレトゥアール」の2隻が建造されたが、前者が二本煙突であるのに対し、後者は一本煙突である。(従って模型「アミラル・トレトゥアール」)
(1895-, 6,798t, 16knot, 12 in *2, 78mm in 1:1250 2 dhips)
長門就役時の製作
本稿第14回にて紹介した日本戦艦長門級のモデルは、就役時ではなく1925年ごろの湾曲煙突への換装後の姿であった。同モデルをベースに就役時の直立前部煙突装備時の姿を製作してみた。(煙突をガシガシ切断し、手持ちのストック部品から寸法の合いそうな物を物色。接着後塗装、という手順です)
(竣工時の長門級。当初、前部 煙突は直立型であったが、前檣への排煙の流入に悩まされた。煙突頂部にフードをつけるなど工夫がされが、1924年から1925年にかけて、下の写真のように前部煙突を湾曲型のものに換装した)
(1920-, 33,800t, 41cm *2*4, 26.5knot, 2 ships: 176mm in 1:1250 by Hai)
(直上の二点の写真は、1925年ごろのもの。1924年から1925年にかけて、前部煙突を湾曲型のものに換装した)
次回から数回にわたって、ワシントン軍縮条約と七大戦艦、ネーバルホリデーについて。さらに本稿では軍縮条約下でも八八艦隊計画が進められる予定ですので、その背景と八八艦隊の諸艦、さらに米英海軍で建造されたライバル艦などをご紹介していく予定です。
***模型についてのお問い合わせ、お待ちしています。或いは、**vs++の比較リクエストなどあれば、是非お知らせください。
これまで本稿に登場した各艦の情報を下記に国別にまとめました。
内容は当ブログの内容と同様ですが、詳しい情報をご覧になりたい時などに、辞書がわりに使っていただければ幸いです。