相州の、1:1250スケール艦船模型ブログ 主力艦の変遷を追って

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

(補遺11) フランス艦隊の更なる充実:仏装甲巡洋艦の開発系譜 とロシア旧式装甲巡洋艦

装甲巡洋艦 ゲイドン級、エドガー・キーネ級の戦列参加

先週に引き続き、フランス海軍装甲巡洋艦が2クラス新たに戦列に加わったので、ご紹介する。

繰り返しになることを恐れずに言うと、フランスは世界初の装甲巡洋艦を世に送り出した、いわばこの分野の家元である。

その系譜は大雑把に以下の三つに区分できると考える。

すなわち、世界初の装甲巡洋艦の栄誉を担うデピュイ・ド・ローム同型艦なし)、その縮小量産型のアミラル・シャルネ級、その強化版のポテュオ (同型艦なし)が第一期のグループで、速射砲の発達により全盛を極めた防護巡洋艦を凌駕し、通商破壊戦を実施する、あるいは通商破壊戦を防止する目的で建造された。

4,000トンから6,000トン程度の中型艦艇で、いずれも流麗なタンブルホーム形式の船体を持っている。

 

第二期のグループは外洋での通商破壊活動(あるいはその防御)を行えるように大型の船体を持ったグループで、ジャンヌ・ダルク同型艦なし)、その縮小量産型であるゲイドン級、植民地警備に主題をおいて開発されたデュプレクス級、ゲイドン級の改良版として計画されたアミラル・オーブ級がこの群に属している。

通商破壊活動から艦隊直衛まで幅広い任務への適性を模索した時期の艦と言って良いであろう。

魅力的なタンブルホーム形式の船体を廃止し、高い乾舷を持ち、外洋での凌波性の良好さを狙った艦型となった。

 

今回、戦列に加わったのは、このグループに属するゲイドン級である。

ジャンヌ・ダルクタイプシップとしてやや縮小し、汎用装甲巡洋艦として量産したものである。副砲口径を再び6.5インチとした。

ゲイドン級装甲巡洋艦 - Wikipedia

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(1902-, 9,516t, 21.4knot, 7.6in *2 + 6.5in *8, 3 ships、101mm in 1:1250/ Hai社製改造)

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実はこのクラスのネームシップであるゲイドンは第一次大戦後も長く砲術練習艦として、現役にとどまっており、今回入手したのはその砲術練習艦時代のモデルであった。主砲の換装、マストのリファインなどを行い、装甲巡洋艦当時の姿を再現した。(迷彩は例によって私のオリジナルです。ごめんなさい)

 

第三期の装甲巡洋艦のグループは、砲力と防御力を前汎用巡洋艦のグループから格段に強化し、艦隊主力艦を補助する、いわゆるミニ戦艦的な運用を意識したものになった。

このグループには、レオン・ガンベッタ級、ジュール・ミシュレ、エルネスト・ルナン、そして今回戦列に加わったエドガー・キーネ級が入っている。いずれも12,000トンを超える大型艦である。

 

エドガー・キーネ級装甲巡洋艦 - Wikipedia

フランス海軍が建造した最後の装甲巡洋艦である。建造中に副砲を廃し、搭載砲を全て7.6インチ(19センチ)とし、結果的に主砲14門を搭載する強力な艦となった。このあたりの経緯はドイツ海軍のブリュッヒャーに似ていると言えなくもない。ブリュッヒャー同様に、すでに巡洋戦艦の時代に入っており、位置付けが微妙ではあったが、幸か不幸かフランス海軍は巡洋戦艦の建造予定を持たなかった。 

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(1911-, 13,847t, 23knot, 7.6in *2*2 +7.6in *10, 2 ships. 124mm in 1:1250 3D printing model by Master of Military)

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これらの写真等は、こちらにもアップデートしました。

fw688i.hatenadiary.jp

 

さらに・・・。

下のリンク、フランス海軍の艦船開発史について、大変興味深くまとめていらっしゃいます。

上記の整理についても、大変参考にさせて頂きました。紹介させて頂きます。

フランス艦艇に興味のある方、必読です。

軍艦たちのベル・エポック(前編)

軍艦たちのベル・エポック(後編)

 

ロシア海軍の旧式装甲巡洋艦モノマフ、ドミトリー・ドンスコイ

写真はロシア帝国海軍の旧式装甲巡洋艦、モノマーフとドミトリー・ドンスコイである。この2隻は旧式艦ながら、旅順艦隊の壊滅の報を受けて、急遽バルティック艦隊に追加戦力として加えられ、ネボガトフ指揮下の第三太平洋艦隊麾下の艦として、日本海海戦に参加した。いずれも同海戦で損害を受け自沈した。

装甲巡洋艦という分類になっているが、実際にはより旧式で、例えば日本海軍の「扶桑(初代)」等と同様に装甲コルベット、あるいは装甲フリゲートと呼称した方が、その特徴に近いかもしれない。
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ドミトリードンスコイ(左)とウラジミール・モノマフ(右)

 

ヴラジーミル・モノマフ (装甲巡洋艦) - Wikipedia

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(1883, 5,593t, 15.2knot, 8 in*4 72mm in 1:1250, 3D printling by WTJ)

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ドミトリー・ドンスコイ (装甲艦) - Wikipedia

en.wikipedia.org

(1885, 5,882t, 16.5knot, 8in * 2, 73mm in 1:1250, 3D printling by WTJ)

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両艦とも、帆装の面影を色濃く残しており、スチームパンク的な味わい深いシルエットである(と、筆者は思うのですが)。

 

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「おい、また補遺かよ」というお叱りの声は、しっかり聞こえています。

このところ新着、新加入の諸艦の紹介に忙しく、なかなかユトランド沖海戦に至らない

・・・とこれは言い訳ですが、その実は、ユトランド沖海戦が、これが筆者にとってなかなかの難物なのです。規模が大きく重要な海戦であるとは思うのですが、つかみどころがなく、なかなか今ひとつ興味が持てず、まとまりません。

が、次回こそは、と一応、(あまり自分でもあてにならないなあ、と思いつつ)申し上げておきます。

もしかすると非常にマイクロな視点で駆け抜けるかも。

 

一方で、新着予定が目白押し、である事も事実なのです。

特に、先般来、多分お気付きだと思いますが、フランス艦艇に重心が偏っており、仏海軍の前弩級戦艦の草分けであるブレニュス、また前回ご紹介したシャルル・マルテル準級5隻のなかで唯一残っているカルノーが、3Dプリンティングメーカーでの1:1250スケールへのコンバートを終え、出力ラインに乗っている(はずです)し、装甲巡洋艦でもアミラル・シャルネ級(こちらも1:1250スケールへのコンバートをリクエストしていました)、ジャンヌ・ダルクも同様に出力ラインに乗っているはずなのです。

さらに装甲巡洋艦ジュール・ミシュレは、こちらは完成モデルとして日本に向かっています。多分、今週着?

 

一方で、少し言い訳に聞こえるかもしれませんが(事実、言い訳です)、ユトランド沖海戦対策が何も取られていないかというと、そうでもないのです。例えば、この海戦のドイツ大海艦隊のヒッパー艦隊の主力であった、巡洋戦艦アフリンガーとリュッツォーのこの海戦向けの写真等を撮影したり(三脚マストから単檣への変更など、少し手を入れてもいます)、一応の準備はしています。

何れにせよ、この「ユトランド沖」を越えないと、その後のネーバルホリディの時代は来ず、従って八八艦隊計画への至れない、ということは重々承知しています。。

 

と、自分への叱咤なのか、言い訳なのか、予告なのか、よくわからない文章を書いてしまいました。要するに、まだ続ける(続けたい)、ということですので、何卒、寛容なお心を持ってお付き合いください。

 

あわせて、模型に関する質問、是非お願いします。

これまでご紹介した時代以外でも、この辺りの時代の模型はないのか、など、ご質問でも結構です。また、模型の入手方法等について、多少のアドバイスなど、差し上げることができるかもしれません。そのようなご質問でも結構です。

お待ちしています。