相州の、1:1250 Scale の艦船模型ブログ 主力艦の変遷を追って

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

新着モデル(だけではないけど)のご紹介

どうも「第二次ソロモン海戦」と「南太平洋海戦」のまとめ方で迷っています。短めに2回、もしくはその他のガダルカナル周辺での攻防を含め3回で行くのか、それとも中編1回で行くのか、その辺り、まとめて考える時間が取れないまま、資料を集めている、そんな状況です。いずれにせよ、あまり新しいモデルが出てこないので、あまり気合が入らない、と言う言うべきでしょうかね。新登場は米海軍の「ワスプ」くらい?本音はそんなところかも。

あるいは、この戦局で重要な働きをする日本海軍の潜水艦について、これまでちゃんと触れてきていないなあ、などと気付きがありながら、時間が過ぎています。余談ですが「魚雷交差点」なんてお聞きになったことがあるかもしれません。いつも思うのですが、アメリカ人(と言い切っていいのかな?)は命のかかった局面でも、上手いこと言いますね。アメリカの刑事ドラマなど見ていても、この場面でもジョークいうか、という場面が何度も出てきます。あれはもちろん演出面はありながらも本質なのかも、などと考えてしまいます。(と書いていると「魚雷交差点」で一回は書きたくなってきました。日本の空母機動部隊は出てきませんが、日本の潜水艦の紹介もサクッと)

ああ、何がお伝えしたいかと言うと、頭の中がとっ散らかっているので、今回も「空母機動部隊小史」は少し先延ばしさせていただきます、と言うことです。

少し整理するとこんなところでしょうか?

まず「第二次ソロモン海戦」サクッと。

「魚雷交差点:日本海軍の艦隊潜水艦」(上記でサクッとと書きましたが、これは結構大きなテーマになりそう)

「南太平洋海戦」

「第三次ソロモン海戦」(以前にも本稿で少し触れてはいます。かつ、空母機動部隊は出てきませんが、主力艦同士の海戦、と言うことで本稿としてはやはり触れねば、と)

こんな感じの展開でしょうか。4回から5回でガダルカナル攻防戦をご紹介、と言う予定です。

「第一次ソロモン海戦」は?と思われた方は、本稿では既に日本巡洋艦の開発史で一度触れているので、そちらをご覧いただければ、と思います。

fw688i.hatenablog.com

と言うことで今回は本論ではなく、最近の新着(必ずしも最近の新着モデルではなく、これまでご紹介機会のなかったモデルの一部)をご紹介します。

 

そして今回も、少し恒例になってきた感もありますが、本論の前に

スター・トレック ピカード  シーズン2」Episord 4

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(見方によってはネタバレあるかも:できるだけ気をつけますが。いや、今回はネタバレを避けるのは難しいでしょうね)

**(ネタバレ嫌な人の自己責任撤退ラインはここ:次の青い大文字見出しに進め!)**

 

 

「どこへ行くんだ?」「我が家へ」という前回のやりとりの意味が明確になりました。「我が家」、本当に「シャトー」だったんですね。しかも廃屋だったとは。廃屋の中で暖炉に薪をくべて暖を取るシーンがあるのですが、こう言うのを見るたびに「暖炉」が欲しくなります。火がある、火を見つめている、と言うのは本当に心地良さそうですね。

実は筆者のご近所に数年前にロッジ風の小さな住宅が建てられ、夫婦お二人が住んでいらっしゃるのですが、どうやら「薪ストーブ」を据えていらっしゃるようで、冬になると薪を燃やす匂いが周辺に漂ってきます。「煙っぽい」と嫌な方ももちろんいらっしゃるでしょうが、なかなかいいなあ、と羨ましく思っています。もう一歩進んで「暖炉」がいいなあ。(もちろんうちは無理ですけどね)

その暖炉で語られる「シャトー」の歴史、さりげないシーンですが、大好きです。

前エピソードで始まった、今回のシーズンの鍵を握るであろう「ウォッチャー」探しでしたが、二つのチームで話が進むのかと思いきや、やはりピカード が乗り出すんですね。しかも中継に若きガイナンが登場するなんて(ああ、もうネタバレばっかりじゃないか!)

そして「ウォッチャー」は、なんと驚きの・・・。そんな伏線で・・・。筆者はすっかり取り込まれていました。多分、この投稿にもはっきりと出てしまっています。(これ以上はやめておきます。さらに驚きの展開が次回以降あるかも)

 

ところで、最近、「事実」と「真実」についての話を耳にしました。「真実」は人の数だけあるが「事実」は一つだけ、とそこでは語られていました。ピカード の今回のエピソードでは「真実は人の都合次第、事実は幾つでも作れる」と、より絶望感に満ちた表現がされていました。これはガイナンが語った言葉なのですが、こんなガイナンは見たことがない。ガイナンといえば全てを受け入れてくれる存在。エル・オーリアンでも若い時があったんだなあ、と言うことでしょうか。

Star Trek Picard Season 2 Intro Opening Sequence Version #1 ► 4K ◄ (Teaser Trailer Clip Promo) - YouTube

(オープニング曲はこちら⬆️でどうぞ)

ネタバレを恐れずに語り出すと、どれだけ時間があっても足りなくなりそうなので、この辺で。

 

新着モデル、ご紹介機会のなかったモデルのご紹介

 

伊勢級」戦艦の空母改造案の完成

以前本稿で触れたように、ミッドウェー海戦で艦隊主力空母4隻を失った日本海軍は、喪失空母戦力の早期の補完に迫られますが、建造中の艦隊空母は2隻に過ぎず、既成軍艦から改造中、または改造可能な小型空母が併せて3隻、商船からの改造中型空母が完成間際の状態で1隻、これらも戦列に加われるのは、上記の商船からの改造中型空母を除いて早くて1944年と言う状況でした。急遽艦隊中型空母の戦時急増計画を組んだりするわけですが、これとて1944年後半にならねば戦力化できず、このため、建造途上の戦艦・巡洋艦の空母転用、既成の戦艦・重巡洋艦等大型軍艦の艦隊空母への改造が検討されました。結局、大和級戦艦3番艦の「信濃」、改鈴谷級重巡洋艦「伊吹」の空母転用での建造継続が決定され、他の既成大型軍艦の空母転用は資材の手当と改造に必要な工数・時間を考慮して検討のみで見送られます。

その中で「伊勢級」戦艦の航空戦艦への改造のみが実現するのですが、航空戦艦への改造案が検討される過程で検討された本格空母への改造案の図面から空母形態の完成形を作ってみた、と言うのが下のモデルです。

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(「伊勢級」の本格空母への改造案の概観:163mm in 1:1250 by semi-scratched model based on Delphin model : 右下のカットでは、一体型の環境を。直下の写真は、「伊勢級」の本格空母改造案(奥)と実現した航空戦艦案(Delphin)の比較)

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同級の「日向」がミッドウェー海戦直前に砲塔爆発事故で5番主砲塔を欠いており、いずれにせよ修復工事を行わねばならなかったという事情も働いていたようです。

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(資料:申し訳ありません。原典が不明です。上記の画像では、上から「伊勢級」航空戦艦(実現案)、「伊勢級」全通飛行甲板空母改造案、「伊勢級」航空戦艦別案が示されているようです、どなたかご存知なら:大内健二氏の著作「航空戦艦 伊勢・日向」(光人社NF文庫)にも参考図面とスペックに関する記述があり、以下の記述はそれを参考にさせていただいています

 

具体的な改造案としては、「赤城」「加賀」の転用工程に倣い、主砲・前檣等も含むすべての上部構造物を一旦撤去して機関部等のみ残した船体に格納庫を追加し、その上に飛行甲板を設けるというものでした。

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(直上の写真は、「伊勢級」を本格空母化した場合に、どの程度の空母たり得たのかを把握するための「隼鷹級」空母(奥)との比較:船体規模はほぼ同等で、「伊勢級」を改造した場合、構造から見て一段半の格納庫を設定できそうですから、個有の搭載機数も、おそらくほぼ同等になり得たのではないかと想像します。速力も「伊勢級」は25ー26ノットで、ほぼ同等。戦艦出自ですので、防御力の備わった「隼鷹級」と考えるべきかも。しかし、標準的な艦隊空母としての運用は可能だったのではないでしょうか?)

 

完成すれば216メートル級の飛行甲板を持ち、搭載機54機を運用できる「雲龍級」空母、上掲の「隼鷹級」空母に匹敵する規模を持つ艦隊空母になることが期待できました。機関の換装は計画しないため速力は25ノットでしたが、これも「隼鷹級」中型空母と同程度ですが、戦艦出自から来る防御性能は商船改造の「隼鷹級」を遥かに凌駕するものになるはずでした。

計画図面では「隼鷹級」と同様の煙突一体型のアイランド艦橋を持った案が残されています。

結論としてはこの案では改造工期が一年半ほどかかり、その間、資材の分配等から他の新造空母の建造工事にも影響が出るとして見送られ、結果的には「伊勢級」戦艦は航空戦艦としての改造を受けることなったのです。

 

航空戦艦「 伊勢」「日向」

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(直上の写真は伊勢級航空戦艦の概観:172mm in 1:1250 by Delphin)

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(直上の写真は伊勢級航空戦艦2隻:伊勢(奥)、日向) 

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模型制作的な視点から

下の写真は今回「伊勢級」本格空母改造にあたって準備したパーツ類です。写真に撮ったパーツ類は、未使用のセットですので、もう一隻の製作が可能ではあります(いずれ作るのかな)。

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メインはDelphi社製の航空戦艦「伊勢(日向?)」のモデル(写真のほぼ中央:上掲の航空戦艦のモデルがまさに「それ」)で、Delphin社のモデルはebayで比較的安価で入手できるので、ストックパーツとしては最適で、筆者は数隻をストックパーツとして保有しています。そのうちの1隻を分解し、上部構造を実際の改造のように可能な限り除去します(除去したパーツは、もちろんストックパーツとして収納しておきます)

この平たくなった船体上にプラロッドで格納庫スペースを立ち上げ、その上に飛行甲板を乗せる。あとは細部をプラロッドなどで整えて、最後に煙突一体型アイランド艦橋を右舷に設置。と言うような手順です。

今回、煙突一体型アイランド艦橋は実は大小二種を作成し、結局、最終的には「大」(ほぼ「隼鷹級」に等しい大きさ)を採用しています。

飛行甲板は、今回は古い「飛龍」のストックモデルを使っています。船体に合わせた長さ調節、形状等の整形が必要です。写真に写っている飛行甲板にはまだ除去前の艦橋が写っていますね。(写真の上部部中央に写っている航空戦艦「伊勢」の船体後部の飛行甲板は、今回のモデルには使いません。ただ写っているだけ)

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(上掲の各パーツを組み上げ、さらに対空砲等の艤装を終えた状態。あとは細部を少し整え(艦橋上の電探の設置とか、艦橋周辺の対空砲座の追加など)塗装をして仕上げ、です)

 

ロシア海軍ソビエト海軍?)「ガングート級」弩級戦艦の近代化改装

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「ガングート級」戦艦はロシア帝国海軍が初めて建造した弩級戦艦です。バルト海での運用を想定した設計で、国内のみならず、イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカに広く設計案を求めたものでした。外観から、イタリア海軍の弩級戦艦「ダンテ・アリギエリ」に範をとったとされることが多いですが、実際にはドイツ式の戦艦でした。

(直下の写真:「ガングート級」戦艦の竣工時の概観:143mm in 1:1250 by Navis:三連装主砲塔の配置等から「ダンテ・アリギエリ」との類似性が語られるkとがいいのですが、実際にはドイツのブローム・ウント・フォス社の設計案を採用したものでした)

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23000トン級の船体に12インチ三連装主砲塔4基を搭載するという、弩級戦艦としては最強クラスの武装を誇る戦艦でした。速力は23.4ノットを発揮することができました。同型艦は4隻が建造されました。

同級の先進性の表れでもある三連装砲塔は艦体全体に満遍なく配置され、一見バランスの取れた配置に見えますが、日本海軍の「扶桑級」でもこの配置が大きな課題となったように、防御配置、重量配置、機関部と弾薬庫の配置、その拡張の困難さから、同級でも課題となりました。船体の強度計算でも建造途中で問題が見つかり、設計がやり直されるなど、建造工期が延長されています。結局、この船体強度の不足は完全に解消されず、主砲の斉射はできない状況でした。

全て第一次世界大戦中に完成しましたが、戦局にはほとんど寄与できまえんでした。その後ロシア革命が起こり、船内火災で座礁し半ば放棄された一隻を除いてはソビエト海軍に引き継がれました。

第二次近代化改装

1920年代後半から第二次近代化改装に着手され、外観的には艦首形状がクリッパー式に改められ、「セバストーポリ:改名後バリジスカヤ・コンムナ」ではバルジが増設されたりしています。艦橋はは露天式の簡素なものから塔構造のものに改められ、頂上に測距儀と射撃方位盤が設置されました。前方の煙突は大型化した艦橋との関係から煤煙の流入防止のために誘導煙突に変更され、主砲の仰角引き上げによる遠距離射撃対応の強化、対空兵装の強化などが行われました。

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(直上の写真:「ガングート級」戦艦の第二次近代化改装後のの概観:148mm in 1:1250 by Neptun)f:id:fw688i:20220327130230p:image

(直上の写真:第二次近代化改装の目玉である環境構造の大型化、複雑化、誘導式の煙突などの拡大)f:id:fw688i:20220327130514p:image

(直上の写真:クリッパー型の艦首形状の改良の際に凌浪性の向上を狙い艦首甲板が嵩上げされましたが、錨位置が変更されなかったので、少し不思議な位置に錨鎖穴が設定されています。上段が就役時、下段が改装後。)

ソビエト海軍は上述のように同級の3隻を引き継ぎましたが、「ガングート:改名後オクチャブルスカヤ・レボルチャ」と「ペトロパヴロフスク:改名後マラート、のち旧名に復帰」をバルト海で、「セバストーポリ:改名後パリジスカヤ・コンムナ、のち旧名に復帰」を黒海で運用しました。

「ペトロパヴロフスク」は爆撃で大破着底する損害を受け、のちに浮き砲台とされましたが、3隻とも最終的には練習艦となり1950年代まで運用されました。

 

ヴェルサイユ条約下のドイツ海軍の主力艦とその後

第一次世界大戦の敗戦で当時世界第2位の規模を誇っていたドイツ帝国海軍は解体され、その後、戦勝国への賠償艦となることを忌避したドイツ帝国海軍は抑留地のスカパ・フローでほぼ全ての主力艦を巻き込む大自沈を遂げ、文字通りこの世から消え去りました。

その後締結されたヴェルサイユ条約により、新生のドイツ海軍は沿岸警備に限定された保有戦力となるべく、制限を受けることになります。

少しおさらいをしておくと、その海軍の戦力は以下のような保有制限下におかれていました。

保有艦艇の制限:前弩級戦艦6隻(予備艦を含め8隻) 軽巡洋艦6隻(予備艦を含め8隻) 駆逐艦水雷艇各12隻

潜水艦・航空母艦保有禁止

戦闘艦の新造にも勿論厳格な制限があり、上記の保有艦艇のうち前弩級戦艦のうち艦齢が20年を超えるものに限って、1921年以降、「基準排水量1万トン以下で主砲口径も28cmまで」の“装甲を施した軍艦”の建造が認められていました。

この前弩級戦艦の代艦枠の規定を逆手にとり、ドイツ海軍はやがて「ポケット戦艦」と称される画期的な通商破壊戦に特化した水上戦闘艦を建造し、そのことが列強海軍を刺激し新型戦艦の嫌韓競争に発展するわけですが、そのあたりの経緯は本稿の下記の回の周辺をご覧ください。

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ワイマール共和国海軍の発足時の主力艦

今回は新生ドイツ海軍(ワイマール共和国海軍)発足時の主力艦についてのお話です。

新生海軍の発足時に保有が認められていたのは、6隻の前弩級戦艦で、予備艦を含め「ブラウンシュヴァイク級」戦艦5隻(「ブラウンシュヴァイク」「エルザス」「ヘッセン」そして予備艦として「プロイセン」「ロートリンゲン」)とドイッチュラント級」戦艦3隻(「ハノーファー」「シュレージェン」「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン」)でした。

 

ブラウンシュヴァイク級」前弩級戦艦(「ブラウンシュヴァイク」「エルザス」「ヘッセン」の3隻「プロイセン」「ロートリンゲン」は予備艦)

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 f:id:fw688i:20220327125234p:image(直上の写真:「ブラウンシュヴァイク級」戦艦の概観:98mm in 1:1250 by Navis:副砲の口径が17センチと大きく、前弩級戦艦と準弩級戦艦の中間的存在と言ってもいいかもしれません)

同級はバルト海での運用を想定して設計された海防戦艦的な ドイツ帝国海軍の戦艦の性格を残した前弩級戦艦でした。

13000トンの船体を持ち、18ノットの速力を発揮することができました。1904年から順次就役し、第一次世界大戦期にはすでに主戦力が弩級戦艦世代に移っていたため沿岸防衛的な任務に割り当てられていました。1917年には戦闘任務を解かれ補助艦艇に類別され、訓練艦、掃海艇母艦として大戦中は運用されていました。

設計の特徴としては、主砲を射撃速度の速い新開発の28センチ速射砲として連装砲塔2基を装備していました。副砲には17センチ速射砲を採用し、これを単装砲塔形式とケースメート方式の混載で14門装備していました。この17センチ副砲はそれまでの15センチ速射砲よりも破壊力が大きく長射程でしたが、人力での砲弾装填等には弾丸が重く速射性に齟齬が出るなどの課題があったようです。

第一次世界大戦後、ヴェルサイユ条約下の新生ドイツ海軍の主力艦として復帰しましたが、代艦としての「ポケット戦艦」の就役に伴い。1931年から1932年に順次退役しています。「エッセン」のみは標的艦に艦種変更し、第二次世界大戦には砕氷艦として運用されていました。

(直下の写真は標的艦として使用された「エッセン」の概観:モデルは多分h素有しているはずなのですが、どこにあるのか不明なのでいつもお世話になっているsammelhafen.deから拝借しています。by Mercator)

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(代わりに、と言うわけではないのですが、同様に第二次世界大戦期に標的艦として使用された「ツェーリンゲン」の手持ちモデルをご紹介しておきます。同艦は前述の「エッセン」の一つ前の前弩級戦艦の艦級である「ヴィッテルスバッハ級」戦艦の一隻で、1915年に座礁し退役した「ヴィッテルスバッハ」以外の艦は1917年には老朽化で戦艦から補助艦艇に艦種変更し1920年前後に解体されています。その中で、一隻だけ標的艦に改造され新生ドイツ海軍に引き継がれたものでした。96mm in 1:1250 by Mercator)

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(直下の写真:「ヴィッテルスバッハ級」戦艦の概観:99mm in 1;1250 by Navis: 外洋に比べ比較的波の穏やかなバルト海での運用を想定し、主砲塔を一段高い位置に装備するなど海防戦艦的な設計の艦級でした)

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ドイッチュラント級」前弩級戦艦(「ハノーファー」「シュレージェン」「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン」の3隻)

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(直上の写真:「ドイッチュラント級」戦艦の概観:100mm in 1:1250 by Navis: ドイツ帝国海軍最後の前弩級戦艦の艦級でした。前級の「ブラウンシュヴァイク級」と同様、副砲の口径が17センチと大きく、前弩級戦艦と準弩級戦艦の中間的存在と言ってもいいかもしれません。就役時には、既に弩級戦艦の時代が始まっており、生まれながら二線級の戦力と見做されました)

同級はドイツ帝国海軍が建造した最後の前弩級戦艦(準弩級戦艦?)で、前述の「ブラウンシュバイク級」戦艦と同一戦隊を構成することを想定した、前級の改良型的な設計の艦級でした。13000トン級の船体を持ち19ノットの速力を発揮することができました。

前級からの改善点としては、武装過多からくる安定性の課題を解消するために艦橋構造を簡素化したことと、副砲を一部の砲塔形式をやめて全てケースメート方式の搭載としたことで、搭載武装等は前級との同一戦隊での運用を想定していたため、前級と同じものを踏襲していました。

1906年から1908年にかけて就役し、前弩級戦艦としては最新の艦級でしたが、既に弩級戦艦の時代が到来して旧式艦と見做されていましたが、第一次世界大戦の最大の海戦であったユトランド沖海戦には第二戦艦戦隊として同級の5隻と「ブラウンシュバイク級」の「ヘッセン」が序列され、英戦艦隊の追撃を受け苦戦していたヒッパー指揮のドイツ巡洋戦艦戦隊の救援に出撃しています。この救援戦闘で同級の「ポンメルン」が英艦隊の砲撃で損傷し、その後英駆逐艦の雷撃で撃沈されました。

前級と同様に1917年には戦艦籍から除かれました。ネームシップの「ドイッチュラント」は宿泊艦となり状態不良のまま1922年に解体されました。

残る「ハノーファー」「シュレージェン」「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン」が新生ドイツ海軍の主力艦となったわけですが、1930年代に上部構造や煙突の改修などの近代化改装を受けて、艦容が一変しています。

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(近代化改装後の「ドイッチュラント級」戦艦:ネームシップの「ドイッチュラント」が既に解体されていたため「シュレージェン級」と呼ばれることが多いかも。:下の写真では近代化により外観に変更の目立つ艦橋部と煙突を拡大して比較:(上段が就役時))

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その後ヒトラー再軍備を宣言し新造艦艇が就役し始めると同級は練習艦に艦種変更されました。

第二次世界大戦には、主としてバルト海方面で主砲を活かした艦砲射撃任務等に従事し、緒戦のドイツ軍のポーランド侵攻では「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン」のポーランド軍のヴェステルブラッテ要塞への砲撃が第二次世界大戦開戦の第一撃となったとされています。その後も主砲力を活かした地上砲撃等の任務に運用され、東部戦線での退却戦の支援艦砲射撃等を行っています。大戦末期には「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン」は空襲で、「シュレージエン」は触雷でそれぞれ損傷し、自沈処分とされました。

ハノーファー」は標的艦への改造計画がありながらも実行はされず、爆弾の実験等に使用された後解体されました。

(直下の写真は「ハノーファー」の標的艦仕様のモデルの概観(筆者は保有していません):実際にこの形態になったのかどうかは、不明です。こちらいつもモデル検索でお世話になっているsammelhafen.deから拝借しています。by Neptun:Neptunからモデルが出ているということは、実艦が存在したということかな?)

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以上、ドイツ帝国海軍解体から、ナチス・ドイツによる再軍備宣言までの間のワイマール共和国時代の新生ドイツ海軍の主力艦のご紹介、でした。これらの艦は、もちろん時代物の旧式でしたが、大変長期に渡り軍籍にあってそれなりの役割を果たした功労艦と言って良いと考えています。

(下の写真はドイツ帝国海軍の前弩級戦艦・準弩級戦艦の5つの艦級:手前から古い順で「ブランデンブルグ級」「カイザー・フリードリヒ3世級」「ヴィッテルスバッハ級」「ブラウンシュヴァイク級」「ドイッチュラント級」の順:このうち秋雨駅の比較的新しい「ブラウンシュヴァイク級」と「ドイッチュラント級」の残存巻から6隻が申請ドイツ海軍(ワイマール共和国海軍)に引き継がれました。いずれも既に二線級戦力で、戦勝国のドイツ海軍を沿岸警備海軍として留めておきたいという意図が現れていました)

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という訳で今回はこの辺りで。

 

次回は「第二次ソロモン海戦」のお話を、と思っていますが、冒頭に述べたような次第でどうなることか。簡単な新着モデルのお話を挟ませていただくかも。あるいは一回スキップも。

 

もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。「以前に少し話が出ていた、アレはどうなったの?」というようなリマインダーもいただければ。

 

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

 

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

 

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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