相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

ロイヤル・ネイヴィーの駆逐艦(その4):第一次世界大戦期の駆逐艦(後編)=V/W級

今回は前回に引き続き、第一次世界大戦期の英海軍の駆逐艦の後編です。

英海軍は第一次世界大戦の勃発に伴い、ドイツ帝国海軍が量産しているとされた高速駆逐艦、大型水雷艇に対抗するために高速航洋型駆逐艦の量産に着手します。その流れは「M級」「R級」「S級」と続き、併せて多くの「特型」と言われる民間造船所に設計を委託し、各造船所の持つ技術を積極的に導入したヴァリエーションが建造されました。

その集大成が「V/W級」として世に送り出されます。今回はそういうお話。

 

その前に・・・

ゴジラ -1.0  見てきました

www.youtube.com

必見、とだけ言っておきましょう。

 

ネタバレ・スキップライン*************************

(もちろんそんな深い話はするつもりはありませんが、以下は「ちょっとネタバレ」と言われるかもしれないので、嫌な方は次の青字にスキップしてください)

筆者にとっては実は全くの予想外の映画でした。筆者がちょっと「シン・ゴジラ」に引っ張られていたということかも。しかし、登場人物の背負っているものが違う、ということなのかも、とも感じています。

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(何故、唐突にここで「震電」なのか:一つは筆者が最も好きな日本海軍の戦闘機だから、そして・・・)

そして何より、見事なまでに「山崎貴監督の映画」でした。もちろん褒め言葉です。

とにかく、「是非おすすめ」、です。

 

 

というわけで、ここからは今回の本論です。

最後の第一次世界大戦駆逐艦

V/W級駆逐艦(初代)(就役期間:1918-1947   同型艦:準同型艦、改W級等を含み67隻)

ja.wikipedia.org

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 (「V級駆逐艦の概観:写真は「アドミラルティV級」だと思われます:75mm in 1:1250 by Navis)

「V/W級」駆逐艦は、英海軍が第一次世界大戦中に建造した駆逐艦の艦級で、艦名がVまたはWで始まっているところから「V/W級」と総称されています。

同級はドイツ帝国海軍が建造中と伝えられた大型駆逐艦・大型水雷艇への対抗上から、大型・重武装駆逐艦として設計されました。従来の英駆逐艦の基本装備であった40口径4インチ(10.2cm)砲3門を強化し45口径4インチ(10.2cm)4門とし、さらに連装魚雷発射管2基の標準装備を3連装発射管2基搭載へと、魚雷射線の強化も行われました。(実際には3連装発射管の製造が間に合わず、当初は連装発射管を搭載し就役し、後に3連装に換装されています)

「V/W級」と総称されますが実は大別して下記の5つのサブ・クラス(おお大好きなサブ・クラス!)に分類されます。

アドミラルティV級(28隻:大戦に間に合ったのは25隻)

アドミラルティW級(19隻)

ソーニクロフトV/W級(4隻)

ソーニクロフト改W級(2隻)

アドミラルティ改W級(14隻)

さらに「改W級」では搭載主砲が45口径4インチ(10.2cm)から45口径12センチに強化されています。

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(直上の写真は「V/W級」の主要武装等の拡大:艦首部・艦尾部に背負い式に主砲(45口径4インチ単装砲)を配置し、連装魚雷発射管を2基(こちらは第一次世界大戦後、3連装に換装されました)、艦の中央部に搭載しています。艦のほぼ中央部に3インチ対空砲を搭載しています(写真中段))

武装の強化に伴い艦型は大型化(1100トン級)しましたが、機関の見直しは行われなかったため、速力は前級(S級)の36ノットから34ノットに低下しています。しかし後述する「ソーニクロフトV/W級特型」では機関の強化も併せて行われ36ノットの速力を発揮しています。

就役は1918年からで、この年の11月に第一次世界大戦終結したことから、奇しくも第一次世界大戦型の駆逐艦の最終形となりました。

大戦終結後、英海軍は疲弊した国力と、大戦期中に膨大に膨れ上がった大量の艦船の整理に追われるわけですが、最も艦齢の若い同級は多くが残置され、第二次世界大戦でも活用されました。

 

サブ・クラスの紹介

モデルは全て揃っているわけではありませんが、それぞれのサブクラスの特徴を簡単にまとめておきます。

 

アドミラルティV級

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(再掲しておきます。「アドミラルティV級」の概観:75mm in 1:1250 by Navis)

V/W級の基本となった型式です。1100トン級の船体に、45口径4インチ(10.2cm)4門を搭載、設計では3連装魚雷発射管2基搭載により魚雷射線の強化する予定でした、しかし結局、3連装発射管が間に合わず従来の連装型のまま就役し、大戦後に換装しています。さらに対空兵装を3インチ高角砲として強化しています。

28隻が建造されましたが、大戦に間に合ったのは25隻でした。大戦後は英海軍の駆逐艦御主力となり、18隻が第二次世界大戦にも参戦しています。

 

アドミラルティW級

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アドミラルティW級の概観:75mm in 1:1250 by Argonaut :V級との最大の差異は、就役時から3連装魚雷発射管を装備していたこと。下の写真ではW級の主要兵装配置の拡大を。3連装魚雷発射管は連装発射艦の上に3本目を追加した形、つまり俵型とでもいうのでしょうか、ちょっと面白い配置になっています(写真下段))f:id:fw688i:20231104094548p:image

1916年度計画で建造された第二グループで19隻が建造されました。ほぼV級の仕様をそのまま踏襲しています。艦名が全てWから始まります。

就役年次がやや遅かったため、V級で導入予定だった3連装魚雷発射管が間に合い、これを装備して就役することができました。同級のうち5隻は就役直前に敷設駆逐艦(後述)に改造されています。

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(「V級」(上段)と「W級」の最大の差異である魚雷発射管部分の比較)

大戦後もV級と併せて英海軍の駆逐艦の主力となりました。さらに第二次世界大戦には16隻が参加し、うち5隻が後述の高速護衛艦(WAIR)に、6隻は長距離護衛艦(こちらの後述)に改装されました。

高速機雷敷設駆逐艦への改装

同級のうち数隻が、魚雷発射管1基を撤去し、さらに主砲1基も撤去、艦尾形状を整形すると共に機雷敷設軌条を設置して、60基程度の機雷敷設能力を持つ高速敷設駆逐艦に改造されています。

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 (機雷敷設駆逐艦タイプの概観 by Navis:下の写真は、「機雷敷設駆逐艦」に改装された艦の細部の拡大:艦首部の主砲配置は変わらず、魚雷発射管は1基のみ搭載、艦尾部は主砲1基を撤去して艦尾形状を機雷敷設軌条等の張り出しを追加しています )

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ソーニクロフトV/W級特型

(ソーニクロフトV/W級特型「ヴァイスロイ」の概観:by Argonaut :モデルは未保有です。写真は例によってsammelhafen.deより拝借しています)

同級は、武装強化のために速力の低下(前級の36ノットから34ノットへ)を甘んじて受け入れたV/W級の速力回復のためにソーニクロフト社が建造した特型です。機関出力の強化が試みられ36-38ノットの速力を記録しています。武装はそれぞれのアドミラル型に準じています。4隻が建造され、第二次世界大戦には3隻が後述するWAIR改造を受け高速護衛艦として、1隻が長距離護衛艦として参戦し、4隻共に第二次世界大戦を生き抜きました。

 

アドミラルティ改W級

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アドミラルティ改W級:「ワイバーン」の概観:75mm in 1:1250 by Argonaut: 写真では後方の3連装魚雷発射管が撤去され高角砲台が設定されています。本来の高角砲位置にはポンポン砲が設置されているのかも。おそらく1940年に短距離護衛駆逐艦への改装を受けたのちの姿ではないかと思います。標準的な改装では最艦尾部の4番砲も撤去され爆雷投下台になっているのですが、このあたりの改装状況には個艦ごとに差異がありますので)

1918年計画でW級の火力強化改良型として52隻が建造される計画が承認されましたが、第一次世界大戦終結により大半がキャンセルされ就役したのは14隻でした。

火力強化目的で主砲口径が4インチから4.7インチに変更され、それに伴い射撃管制のために大型の測距儀を装備するなどして艦橋が大型され、位置がやや後ろに移動しています。これにより排水量が増大し、一方機関を変更しなかったため、速力は32ノットにとどまりました。

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(上の写真ではW級と改W級の際の最大の目玉である主砲の比較を(上段がW級、下段が改W級)。上段がNavisのモデルで下段がArgonautモデルですので、製作者による差異もありますが、主砲の大きさが艦首部の構造にも差異となって表れているようです)

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(上の写真はArgonautモデル同士で全体構造を比較したもの(上段がW級、下段が改W級)。船首楼が延長されているのがわかるかと思います:下段の写真は筆者ん保有モデルではなくsammelhafen.deより拝借しています)

就役は全て第一次世界大戦後で、14隻のうち6隻が長距離護衛艦(後述)への改装を受け、残る8隻はほぼ原型のまま第二次世界大戦に参加しています。

 

ソーニクロフト改W級特型

(ソーニクロフト改W級特型「ウィッチ」の概観:by Argonaut モデルは未保有です。写真は例によってsammelhafen.deより拝借しています)

同級は、兵装強化に伴う船型の大型化で速力が低下したアドミラルティ改W級の速力回復を狙いソーニクロフト社に発注された特型です。34ノットの速力を記録しています。2隻が建造されましたが、いずれも第一次世界大戦終結後の就役となりました。2隻共ほぼ原型のまま、艦隊駆逐艦として第二次世界大戦に参加しています。

 

第二次世界大戦時:護衛駆逐艦」への改造

先述のように、第一次世界大戦駆逐艦としては最も艦齢が若かった「V/W級」は、一部(4隻?)がオーストラリア海軍に供与された他、本稿でも「巡洋艦」の回に見て来たように航空機や潜水艦の脅威の増大を見越して、通商路保護の役割を担う「護衛駆逐艦」への改装に充当されます。

 

WAIR改修艦(14隻・15隻?)

本稿では、航空機の脅威に備えて英海軍は「C級」巡洋艦の数隻を防空艦へと改装して例をご紹介しています。

fw688i.hatenablog.com

WAIR改修は、それと同趣旨で「V/W級」駆逐艦に長射程の対空砲を搭載し、併せて対潜兵装も強化して船団護衛の要として活用しようとする狙いでした。

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 (「V/W級」WAIR改修型駆逐艦の概観 by Argonaut:下の写真は、WAIR改修型の主要武装の拡大:艦首・艦尾に4インチ連装高角砲(QF 4 inch Mk XVI gun)を各1基搭載。魚雷発射管は全て撤去され、対空火器が強化されています。艦尾部には爆雷投射機と投射軌条が搭載され、対潜能力が強化されています)

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改修対象となった艦は全ての主砲・魚雷発射管を撤去し、代わりに4インチ連装高角砲(QF 4 inch Mk XVI gun)2基を搭載、他にも対空機関砲を増設した上で、対潜装備として爆雷投射機、投射軌条を搭載する他、後にはレーダーやソナーなどを装備しています。en.wikipedia.org

主要兵装となった4インチ連装対空砲は、「C級」巡洋艦を改装した防空巡洋艦などにも搭載されていた対空砲で、80度の仰角で11800m、45度の仰角で18000mの範囲をカバすることができました。

***さて、ちょっとこぼれ話。名称の「WAIR」が何に基づくものか、今でははっきりしないようです。「W級」の「対空化(ant-AIRcraft)」ではないか、という説も。

 

 長距離護衛駆逐艦への改装(21隻)

「V/W級」に限らず、「艦隊駆逐艦」は高速をその特徴の一つとするため、実はあまり長い航続距離を持たせる設計にはなっていません。しかし、通商路の保護には経済性を持つ商船で構成される低速の船団の航行に合わせた長い航続距離が必要で、「V/W級」の一部はこれに適応するような改装を受けています。

具体的には機関の一部を撤去し、そのスペースに燃料タンクと居住区画を増設し長い航続距離の獲得と、乗員の居住性を向上させました。当然、速力は落ちましたが、対潜警戒用のソナーの運用等を考慮するとかえって20ノット以上では支障が生じるなどの要件もあり、この目的では25ノット程度の速力があれば十分だったということです。

兵装は主砲を2基減らせて、ヘッジホッグや爆雷投射機・投射軌条を搭載し対潜兵装を充実させ、さらに対空砲・対空機銃等を強化しています。

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(「V/W級」改造長距離護衛駆逐艦の概観 by メーカーは不明:下の写真は、長距離護衛駆逐艦型の主要武装の拡大:艦首1番主砲が撤去されヘッジホッグに換装されています(上段写真)。主砲は45口径4.7インチ(12cm)単装砲を、艦首・艦尾に1基づつ搭載しています。機関搭載数を減らしたため煙突が一本に。魚雷発射管は全て撤去され、4インチ単装高角砲が搭載されています(中段写真)。艦尾部には爆雷投射機と投射軌条が搭載され、対潜能力が強化されています)

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ちょっと余談

以前ご紹介したことのあるニコラス・モンサラットの小説「非常の海:The Cruel Sea」にも、「V/W級」が出て来ます。

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(「非常の海」ちょっと古い本です。古書は今のところそれほど高価ではなく手に入るのですが、本の状態もちょっと不安なので文庫を出してほしいなあ。特に最近、WFHで出勤時にはPC を持ち歩きます。手荷物が重いので、是非、文庫が欲しい! (「光人」文庫あたりにあってもいいかと、お願いしてみてはいるのですが・・・)でも、いい本ですよ。船団護衛とか興味のある方にとっては、ね)

 

この小説、主人公が乗艦しているのは「フラワー級コルベット「コンパス・ローズ」なのですが、「コンパス・ローズ」が属している船団護衛部隊の指揮艦が「旧式のV/W級駆逐艦:ヴァイパラス:Viperous」と表記されています。

「ヴァイパラス」は架空の船ですので、流石に「V/W級」駆逐艦のどのタイプかまでは記述がないのですが、船団護衛部隊はこんな感じかと。

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(左から「V級長距離護衛駆逐艦」、「フラワー級コルベット」(前期型)、「フラワー級コルベット」(改良型)、「対潜型トローラー」の順。船団の規模にもよるでしょうが、ちょっと、重装備すぎるかな。下の編成の方が現実的かもしれません)

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このほかにも、アリステア・マクリーンの「女王陛下のユリシーズ号」にも「V/W級」は登場するようです(ちょっと記憶がないです。「V/W級」が登場するかどうか、というよりも物語そのものの記憶が・・・。読み返してみよう。この小説は、そもそも「ダイドー級」と「ベローナ級」の中間の架空の艦級の防空巡洋艦が舞台でしたよね。大好きな「架空艦」である訳です。作ってみたくなるかも。さらに「シアリーズ級」軽巡洋艦も出てきた記憶があります。読んだ当時には「シアリーズ級」についての認識は旧式の巡洋艦、という程度だったので、今読み返すと、もっと興味深いんだろうなあ、と期待が膨らみます。ああ、話がうんと「V/W級」から外れてしまった)

などと過去には書いていましたが、下記の回で少しまとめ直しています。興味のある方は是非ご一読願います。ここでも、V/W級の登場は確認しながらも、型式までは特定できていません。

fw688i.hatenablog.com

さらに未邦訳のダグラス・リーマンの「The Destroyer」という小説では「V/W級」で構成される駆逐艦部隊(8隻全部?)が主役(物語の舞台?)のようなのですが、もちろんこれは読んだことがありません。

やや旧式になってしまった艦級が、新たな役割を与えられて奔走する、英国の海洋小説のある種ステレオタイプではないかと思います。そうした際に艦齢の高い同級は役回りにピッタリのような気もします。ちょっと疲れた艦と訳ありの艦長(やっぱりちょっと疲れている)、が緊張感の高い任務(船団護衛とか)に何とか立ち向かう、もうそれだけで小説になりそう。

 

これぞコレクションの醍醐味というカット

(下の写真は「V/W級」駆逐艦のヴァリエーションの贅揃い。手前から第一次世界大戦期の「V級駆逐艦のオリジナル。第一次世界大戦期の「V級」機雷敷設駆逐艦への改造。第二次政界大戦期のWAIR改修護衛駆逐艦への改装。第二次世界大戦期の長距離護衛駆逐艦の順)

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第一次世界大戦期の英海軍駆逐艦総覧

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(今回ご紹介した4艦級:手前からアドミラルティM級、アドミラルティR級アドミラルティS級、V/W級の順) 

 

これらのV/W級駆逐艦の戦隊旗艦として、これらに対応する嚮導駆逐艦の以下の2艦級が建造されました。

V/W級対応の嚮導駆逐艦

スコット級:アドミラルティ嚮導駆逐艦級(就役期間:1917-1947   同型艦:8隻)

ja.wikipedia.org

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(「スコット級」嚮導駆逐艦の概観:79mm in 1:1250 by Navis)

 同級は、4.7インチ主砲を装備したV/W級駆逐艦の旗艦任務を想定して設計された嚮導駆逐艦の艦級です。

1800トンの大きな船体に4.7インチ単装砲5基、53センチ三連装魚雷発射管2基を装備し、36.5ノットの速力を発揮することができました。f:id:fw688i:20231028145520p:image

(「スコット級」の兵装配置の拡大:艦首部に背負い式に配置された4.7インチ砲(上段)、煙突間に3番主砲が配置され、後方の煙突直後には3インチ高角砲が設置されています(中段)。艦後部には3連装魚雷発射管2基と背負い式に配置された4.7インチ砲2基(下段))

全て大戦末期に就役したため戦没艦はネームシップの「スコット」のみで、第二次世界大戦では船団護衛任務につきました。

 

シェークスピア級:ソーニクロフト嚮導駆逐艦級(就役期間:1917-1945   同型艦:5隻)

ja.wikipedia.org

 (シェイクスピア嚮導駆逐艦の概観:by Argonaut: モデル未入手。写真は例によってsammelhafen.deより拝借しています)

スコット級同様、V/W級駆逐艦で構成される水雷戦隊を指揮する事を想定し設計された駆逐艦の艦級です。全てソーにクロフト社で建造されました。

1500トン級の船体に4.7インチ単装砲5基、53センチ三連装魚雷発射管2基を装備し、36ノットの速力を発揮することができました。

第一次世界大戦末期から戦後の就役で、戦没艦はなく、第二次世界大戦には3隻が護衛艦として使用されています。

 

という事で前回と今回で第一次世界大戦期に建造された駆逐艦の艦級までを総覧したわけですが、戦勝国ではありながら、英国は戦争により荒廃した人身と経済の回復が急務となり、かつ戦時向けに大量の駆逐艦保有した事情もあり、しばらくの期間、新造駆逐艦には手をつけない時期が続いてゆきます。

次回はそうした大戦間の時期、そしてやがてはワシントン・ロンドン軍縮条約の時代を迎えた英海軍の新たな駆逐艦設計の再始動を見てゆきたいと考えています。

もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

 

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

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