相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

予告編:八八艦隊2023年ヴァージョンの再現計画の開始:架空艦(未成艦)製作の計画

予告:八八艦隊2023年ヴァージョンの再現計画の開始

今回、うまくいけば、表題の日本海軍八八艦隊の未成主力艦群の新モデルの3D Printing Modelの到着と制作開始のお話ができるかな、と思っていたのですが、まだ手元に到着していません。

とりあえず荷物は近くまでは来ているようなので、次回にはご紹介できるかな、と言う状態です。

今回は本稿でこれまで扱ってきた日本海軍の八八艦隊の主力艦群についてのおさらい等を簡単に。

 

と本論の前に、やっぱり今週の「ピカード 」を

もう6話まできてしまいました。

***(ネタバレがあるかも。嫌な人の自己責任撤退ラインはここ:ネタバレ回避したい人は、次の青い大文字見出しに「engage!」)***

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本当にオールスター、やるんだなあ。しかも「人」だけじゃない!

どんどん顔馴染みが出てきますね。

二度とちゃんとは会えない、と筆者も、それ以上にピカード も思っていた、あの登場人物も、こんな形で出てくるとは。

しかも今回は「人」だけでなく「航宙艦=スペースシップ」も、オールスターですね。記念艦のミュージアムがあるなんて、行ってみたいなあ。

「ああ、美人さんだ。なんて船?」「私が生まれかわった、我が家だ」なんてやりとりは、皆さんグッときたのでは?

鹵獲クリンゴン艦の「バウンティ号」も出てきた。私の大好きなクリンゴン・バード・オブ・プレイですね。「サンフランシスコ湾から引き揚げた。探すのに苦労したそうだ。姿が見えなくて」「遮蔽装置が再起動したのか」なんて、もう堪りませんねえ。このやりとりが重要な役割を果たすことになります。

進化した(?)可変種は厄介ですね。簡単には見分けがつかない。しかし今回彼らの復讐計画に迫ることができる「記録」が手に入りました。さあ、反撃開始、と行くのかどうか。たどり着くには、いくつかハードルはありそうですが。ますます目が離せなくなってきた。

ピカード 」の話なのかどうか、は少し脇に置いて、楽しんでいきましょう。

 

八八艦隊計画

2018年ヴァージョン 八八艦隊

そもそも本稿は筆者の八八艦隊の諸戦艦のコレクションの完成を期して、何か記録に残しておきたいなあ、と言うような気持ちで始めたものです。これが2018年ヴァージョンというわけです

fw688i.hatenablog.co

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その時点でのモデルは上記の回でご紹介しています。

(上掲の写真は本稿第16回で掲載している八八艦隊:「長門級」戦艦(左上)、「土佐級」戦艦(右上)、「紀伊級」戦艦(左下)、「改紀伊級=相模級」戦艦(右下):「土佐級」戦艦は一隻は湾曲煙突を装備していますし、「紀伊級」「改紀伊級」はいずれも集合煙突に換装しています)

これらのモデルは「長門級」を除く未成艦のベースは3D printing modelで、上記のコメントにあるように煙突に手を入れたり、特に前檣の構造がモデルのオリジナルデザインでは納得できないところがあったりして、手を入れています。前檣についてはロッドを足したり、頂点の射撃指揮所にこだわったりしたせいで、帰ってゴテゴテした感じになってしまったかなあ、という反省もありつつ、一応の完成を見た、という状況でした。

 

史実の八八艦隊計画

史実の八八艦隊計画は「長門級」戦艦2隻、「土佐級」戦艦2隻、「紀伊級」4隻のいずれも41センチ主砲を搭載した戦艦8隻tp、「天城級巡洋戦艦4隻(41センチ主砲搭載)、「13号級」巡洋戦艦4隻(46センチ主砲搭載)の8隻の巡洋戦艦で構成される強大な艦隊を建造する、という計画でした。これらの諸主力艦の建造は、「長門級」戦艦2隻を覗いて、ワシントン軍縮条約の締結により中止されてしまいます。

長門級」戦艦

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世界初の41センチ主砲搭載戦艦で、同級の建造がワシントン海軍軍縮条約の実現化に大いに影響したとされています。この条約の結果、41センチ級の主砲搭載戦艦は同級の2隻(「長門」「陸奥」)を含め世界に7隻しか存在が認められないことになりました。

長く連合艦隊の旗艦を務めるなど、日本海軍の象徴的な位置にあり続けました。

「土佐級」戦艦

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長門級」戦艦の強化改良型、と言っていいと思います。「土佐」と「加賀」が建造される予定でした。ワシントン条約締結時には進水まで建造が進んでいましたが、建造中止となりました。のちに「加賀」は関東大震災で被災し損壊した同じく条約で空母へ転用された巡洋戦艦改造の空母「天城」にかわって、空母として完成され、太平洋戦争緒戦では日本海軍の空母機動部隊の中核を構成する一隻となりました。

紀伊級」戦艦

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「土佐級」戦艦に続き4隻が建造される予定でした。(「紀伊」「尾張」「駿河(仮称)」「近江(仮称)」)設計は「土佐級」とは一線を画し、巡洋戦艦天城級」の防御強化を図り本格的な高速戦艦としての完成を目指したものでした。そのため速力は「長門級」「土佐級」の26ノット台から29ノット台へと飛躍しています。条約締結により全て計画が中止されました。

天城級巡洋戦艦

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八八艦隊計画はの本海軍の伝統的な主力艦整備計画を継承して、砲戦主力となる戦艦8隻を、機動性の高い巡洋艦が補佐する、という構想によるものでした。従って「天城級巡洋戦艦は機動性が重視され30ノットを超える速力を持ち、戦艦と同等の41センチ主砲10門を搭載する強力な緩急と素手設計されました。重装備と高速の両立が目指されたため、長大な船体を持つこになりました。「天城」「赤城」「高雄」「愛宕」の4隻が建造される予定で、ワシントン条約の締結時には4隻共に寄稿されていました。締結と共に建造は中止されましたが、「天城」「赤城」については空母として完成させることが認められ、以降、空母として喧騒が続けられました。「天城」関東大震災で被災し、工事が放棄されましたが、「赤城」は空母として完成し、日本海軍空母機動部隊の中核戦力となりました。

「第13号級」巡洋戦艦

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同級は八八艦隊計画の最終整備艦級で、巡洋戦艦と称し30ノットを超える速力を持ちながらも「紀伊級」戦艦を凌駕する強力な砲力も併せ持つ設計でした。4隻が建造される予定でした。主砲にはそれまでの八八艦隊の標準装備であった41センチ主砲を上回る46センチ主砲の搭載が検討されていました。しかし46センチ主砲については開発に相当な時間がかかるkとが予想されたため、従来の41センチ主砲を三連装砲塔4基搭載する設計案もあったとされています。いずれにせよワシントン条約の締結で計画は中止され、建造されることはありませんでした。

 

筆者版八八艦隊計画

一方、筆者版の八八艦隊計画では、史実よりも少し制約の緩いワシントン軍縮条約の下で「長門級」戦艦2隻、「土佐級」戦艦2隻はそのまま、「紀伊級」戦艦は2隻のみ建造され、「13号級」巡洋戦艦が「改紀伊級」戦艦として防御構造を強化され、46センチ主砲搭載の戦艦として建造されています(筆者版ワシントン条約でも主砲口径は16インチを最大とする、という制約はありましたので同級の搭載する46センチ主砲は新開発の「2年式55口径41センチ砲」と実態を要る割ったものでした)。こうして揃えた8隻の戦艦と、既に存在した「金剛級巡洋戦艦4隻を可能な限り改装等により延命させ、加えて条約で認められる「金剛級」の耐用艦齢における代艦4隻を加え8隻の巡洋戦艦(この頃には巡洋戦艦の概念はほぼ無くなっており、「高速軽戦艦」的な存在でしたが)を揃える、という計画でした。

その8隻の戦艦が、上掲の写真、です。

 

もう一つのSuperior版 八八艦隊
実はそれに先駆けて、はるか以前にSuperior製のモデルでやはり一度八八艦隊の戦艦群を再現してはいました。Superior社製、ということで、スケールは1:1200で、少し大柄なのですが、当時、八八艦隊のモデルを系統的に入手できる先は同社くらいしかありませんでした。

スケールが1:1200ということもあって、2018年ヴァージョンの充実と共に、細部の部品取り等にまわってしまって、その後今となってはその残骸くらいしか手元に残っていなので、ここでご紹介はできないのですが、ちょうど下記のような写真がWeb上では見つけることができます。

 

(上掲の写真はSuperior Brandの運営社であるALNAVCOのサイトに掲載されているもの:手前から13号巡洋戦艦天城級巡洋戦艦紀伊級戦艦とほぼ同型)、土佐級戦艦の順) 

http://www.alnavco.com/faq.htm

写真の前檣の形態から推測すると、近代改装後の姿、ですね。

 

2023年ヴァージョン 八八艦隊

そして今回、筆者としては3ヴァージョン目に当たる2023年版の製作を始めようと考ええいるのですが、そのきっかけは、2018年ヴァージョンのモデル紹介で記載した前檣の形状に対して筆者抱えてきた軽い「不満」、でした。

その気持ちに火をつけたのが、本稿で既にご紹介済みのModelFunShipyard製「陸奥」変体モデルとのShapewaysでの出会いでした。

このモデルはModelFunShipyardがShapewaysに出品されていた1:600や1:700スケールのモデルがベースとなっています。これらのスケールで大変精巧なディテイルを再現されている同社に、同じモデルの1:1250スケールへのコンバートの相談を持ちかけてみたのです。

すると快く「やってみよう。ちょっと時間ちょうだい」とお返事をいただき、さらに「そのスケールならワンパーツの方がいいよね」と追伸が。実は分割されたパーツはパーツで使い勝手が色々とあると考えていたのですが、確かに各パーツが薄くて工作しにくいモデルになったかもしれず、この辺りを配慮していただけるのは大変ありがたかったです。

そして先行して完成しているのが既にご紹介した「陸奥」変体のモデル。

(戦艦「陸奥」変体の概観:173mm in 1:1250 by ModelFunShipyard: 下の写真は同モデルの特徴である前檣付近と、艦尾部の山形配置された連装主砲塔群のアップ・全体として大変すっきりとした、しかし細部は繊細に表現されたモデルです)

この「陸奥」変体の製作者ModelFunShipyardの他のモデルをベースに今回の2023年版八八艦隊は製作してゆくことになります。

 

・・・と、ここまで書いた時点で、なんと、届きました!

本当に近所まで来ていたんですね。

ということで、とりあえず、各モデルの原型をご紹介。

「土佐級」戦艦

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2隻を製作する予定ですが、これまで1隻は湾曲煙突に換装していました。今回も同様の措置をするかどうか、ちょっと迷っています。

 

紀伊級」戦艦
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紀伊級」はこれまでも、入手したモデルはいずれも二本煙突だったのですが、集合煙突に換装した仕上げとしていました。単に筆者が集合煙突すき、という好みの問題と、実際に計画図面でも集合煙突案が残っているので、そのように仕上げてきました。下の写真のように、既に換装用の集合煙突も入手済みです。今回も集合煙突で製作する予定です。

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「13号級」巡洋戦艦

筆者としては「改紀伊級=相模級」戦艦として製作予定です。日本海軍初の(おそらく世界初の)46センチ主砲搭載艦となる予定でした。計画では巡洋戦艦でしたが、第一次世界大戦の戦訓で巡洋戦艦脆弱性が浮き彫りになり、防御能力への要求が高まった結果、高速戦艦として建造されることとなりました(あくまで筆者版での設定ですので、ご注意ください)併せて上掲の集合煙突への換装も検討しています。
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このモデルは下の写真のような分割形態でパーツごとの発注になります。
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「土佐級」「紀伊級」「改紀伊級」の総覧
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手前から「土佐級」「紀伊級」「改紀伊級」の順です。大きさをみていただければ、「改紀伊級」といながらも全く別設計であることは一目瞭然かと。41センチ砲搭載の「長門級」で列強の警戒心に火をつけて、ワシントン軍縮条約の実現への端緒を開いた日本海軍としては、46センチ主砲塔歳をあくまで隠しておきたかった、そんな設定ですね。どこか既に書きましたが、主砲名称も「2年式55口径41センチ砲」と欺瞞されました(史実ではなく設定ですので、ご注意を)

陸奥」変体から「紀伊級」まで41センチ主砲搭載艦の系譜

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こうして比べると、「陸奥」変体がいかに日本艦離れしたデザインか、なんとなくわかっていただけるのではないでしょうか。「陸奥」変体は「長門級」二番艦でありながら、「長門」とも全く異なる設計でした。

 

一番気になっている前檣構造の比較

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(「陸奥」変体(左上)、「土佐級」(右上)、「紀伊級」(左下)、「改紀伊級」(右下)の順)

色がついていないので、少しイメージしにくいですが「陸奥」変体(左上)に準じる仕上がりになるのではないかと、期待しています。一点気になるのは、前檣の射撃指揮所直下の「フィン」。「陸奥」変体は左右に直線的に展開していますが、他は全て斜め後ろ方向への展開です。「陸奥」変体と同じ展開の方が筆者的にはしっくりくるので、そのように手を入れるかも。少し資料を漁って調べてからの結論としたいと思います。

 

主砲カットオフモデル

今回のスケールの変更に加えて、追加リクエストとして、主砲カットオフモデルの製作もお願いしていました。

下が「土佐級」(手前)と「紀伊級」の主砲カットオフモデルです。

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このリクエストの真意は、本稿で製作してきた「改扶桑級」戦艦(41センチ主砲への換装案)で使用した41センチ主砲塔が気に入っており、これに主砲塔を統一できないかな、という希望からでした。以前本稿でもご詳記しましたが、「陸奥」変体の制作時に既存モデルの砲塔を筆者自身でカットしようと試みたのですが、素材的にはあまりうまくいかないようで、改めて追加でカットオフモデルの製作も検討していただけるようにお願いしていたのでした。

早速、件の砲塔を置いてみると、なかなかいい感じです。工夫次第では旋回可能にもできそうです。

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今後の製作予定

ということで、まずは砲塔ありモデルをベースに、とりあえず1隻づつ3艦級(「土佐級」「紀伊級」「改紀伊級」)ストレートに近い状態で仕上げてみましょう。

ストレートに近い、と書きましたが集合煙突だけ「紀伊級」には装着。「改紀伊級」については、「紀伊級」の仕上がり次第で判断しましょう。

それがひと段落ついたら、「土佐級」と「紀伊級」については主砲カットオフモデルをベースに主砲塔をアップグレードしたヴァージョンを2隻づつ作成してゆくことにします(コレクションの本命はこちら、ということですね)。こちらを進める際には、多分、「陸奥」変体も主砲カットオフモデルを入手して再製作しましょう。

「改紀伊級」については主砲カットオフモデルを入手してから、改めて考えることにします。

そんな感じで、向こう3ヶ月程度の製作予定がほぼ決まりました。

 

ということで今回はここまで。

次回からは、当面は本稿ではこの辺りの作業進捗を追いかけて行きたいと考えています。一番怖いのは「飽きないかなあ」というところでしょうね

もちろん「ピカード ・シーズン3」のお話も。

もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

 

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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