今回は、ちょっと手抜き、という訳ではないけれど、制作の方にも週末の時間を使いたくて、サクッと行きます。
そういう時は、お決まりの「最近の新着モデルのご紹介」です。
以前、本稿では、Shapewaysで発見したスペイン海軍の「海軍移動航空基地:Estación Transportable de Aeronáutica Naval: デダロ」のご紹介をしています
「デダロ」を少しおさらいしておくと、第一次世界大戦後スペイン海軍が、飛行船と水上機母艦としてイギリスから購入した商船を改造した、日本海軍風に言うといわゆる「特設水上機母艦」です。
ちょっと面白くて購入したのですが、どんどん想像が膨らんで「アドリア海の遊覧飛行母船」のような仕上げにしてしまいました。民間の遊覧飛行母船だけど、実はアドリア海の空賊連合(あれ、どこかで耳にしたような?)が隠れ蓑に使っている、と言うような・・・。第一次世界大戦後の混乱期で、オーストリア=ハンガリー帝国が解体され、イタリアではムッソリーニのファシスト党が台頭してきている、ちょうどそのような時代。
空賊連合が出てくれば取締りのイタリア海軍も出てくる、と言う訳で、まず最初の新着はイタリア海軍のちょっと古い小艦艇群です。アドリア海の警備に当たっている、と言う想定。時々、遊覧飛行母船「アドリア海の真珠」号の動向にも注意を払っています、と言うような設定でしょうか。
上の写真:奥から「レオーネ級」駆逐艦(90mm in 1:1250 by Argonaut)、「セラ級」駆逐艦(69mm in 1:1250 by Hai?)、水雷艇「アウダーチェ」(70mm in 1:1250 by Hai?)、「クルタトーネ級」水雷艇(69mm in 1:1250 by Hai?)の順。
詳しくご紹介する機会は後々にあるとは思いますので、今回は簡単に。
「レオーネ級」駆逐艦
1920年台に3隻が建造されました。駆逐艦としてはやや大型で、当初は「軽偵察艦」と呼ばれていました。12cm連装速射砲4基とかなり重武装です。1700トン 34ノット
「セラ級」駆逐艦
1920年台後半に建造された駆逐艦で、4隻の同型艦を持っています。12cm連装砲2基と533mm連装魚雷発射管を搭載し、その後のイタリア駆逐艦の雛形となりました。1200トン 35ノット
水雷艇「アウダーチェ」
1910年台後半から就役し、同型艦はありません。日本海軍が英国に発注した「浦風級」駆逐艦の2番艦「江風」をイタリア海軍譲り受けた艦です。当初駆逐艦とされましたが、後に水雷艇に艦首が変更されました。10cm単装砲7基と450mm連装魚雷発射管を各舷に1基づつ搭載していました。900トン 30ノット
1920年台後半から就役した水雷艇で、当初は駆逐艦に分類されていました。同型艦4隻。10cm連装砲2基と450mm3連装魚雷発射管2基を搭載していました。880トン 32ノット
そして今回の目玉ですが、「アドリア海の飛行艇」といえば、やはりこの機体が欲しいなあ。
サヴォイアS21試作戦闘飛行艇ですね。1:1250スケールではわずか**mmほどの小さなモデルになってしまいます。もちろん市販モデルなどありませんので、手持ちの艦載飛行艇(イギリスの巡洋艦が時折積んでいます)を改造して製作しています。
とはいえ、もう少しやはり大きいモデルも欲しい、と言うことで収納と、できれば他のコレクションのスケールを考えて1:144スケールのモデルを探していました。しかし、市販のモデルはレジンキット等も併せて、筆者の知る限りでは見当たらず、ついに Shapewaysにアップされていた1:87スケールのモデルの作者にスケールダウンをお願いする事にしました。
お願いの際に色々とやりとりがあって(なんとこの方、おそらくスイス在住の方で、私の英語のリクエストに対し、必ずフランス語でお返事が返ってきます)、下記の写真を頂きました。
写真を拝見すると、なんとHOゲージ(=1:87)のジオラマの一部に組み込んでいらっしゃいますね。うらやましい。技術もスペースも。(出来上がったら、写真を送ってね、とちょっとプレッシャーをかけられています)
到着したモデルが下の写真。Smooth Fine Detail Plastic素材の素晴らしいディテイルを持ったモデルです。(最初は単純に1:87のデータを縮小処理してくださったようなのですが、Shapeways ではそのまま出力、と言うわけにはいかなかったようで、いくつか手を加えてくださったようです)
このモデルには飛行時と着水時の二つの形態があり、上が飛行時で、下が着水時。
いずれも素晴らしい! しかも、長年求めていた、おそらく世界初の1:144スケールのモデルです。大感激!
お求めはこちらで。
(直上の写真は下地処理をした状態:上が飛行状態、下が着水時)
で、もちろんこのライバルも忘れてはいけません、と言う事で、こちらも入手。
カーチスR3C-0非公然水上戦闘機(1:144)
こちらの作者の方は1:144スケールのモデルをたくさん作っていらっしゃる方で、「カーチス」はその中のゴールデンエイジ・エア・レーザー(1:144 Golden Age Air Racing)のシリーズにラインナップされていました。
www.shapeways.com素材はWhite Natural Versaitile Plasticで、こちらもなかなかいい感じです。機体とフロートのバランスが、なんともいい感じです。
(直上の写真は下地処理をした状態)
そして最後にご紹介するのは、Shapewaysでの上記のショッピングで偶然見つけたスウェーデン海軍の装甲巡洋艦「フィルギア」。(こちらは「アドリア海」とは関係ないですね)
同艦はスウェーデン海軍が沿岸防備のために1907年に就役させた同海軍唯一の装甲巡洋艦で、入手した模型は1944年当時の対空火器を強化したのちの姿を再現したものになっています。
(直上の写真は下地処理をした状態 93mm in 1:1250 by Brown Water Navy Miniatures)
スウェーデン海軍、ちょっと心がそそられますね。バルト海がその主な活躍の場、なんでしょうね。知識としてはスターリング機関を搭載した非大気依存型潜水艦の実用化先駆国と言う感じですかね。模型としては海防戦艦と軽巡洋艦、駆逐艦があったかな、と言う感じです。
もうちょっと調べてみよう。
と言う事で、今回はここまで。
冒頭にも述べましたが、ちょっと制作の方に時間を割きたいと思っています。
次回は、どうしようか?
もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。
模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。
特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。
もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。
お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。
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