相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

ちょっとはしゃいだ番外編:水上機母艦「デダロ」改め遊覧飛行母船「アドリア海の真珠」号

このところ、本稿前回でご紹介したスペイン海軍水上機母艦海上移動航空基地)「デダロ」の工作に時間を使っています。その経過をご紹介。まだ途中なんで、これからまだまだ手を入れていく予定ですが。

今回はそんなお話し。

 

まずは「デダロ」のご紹介を改めて。(前回の再録、ここから開始)

スペイン海軍 水上機母艦「デダロ」

既に本稿の購読者の方にはお馴染みのShapewaysで、ちょっと面白い船を発見したので、早速お取り寄せしてみました。(作者は本稿でもお世話になっている C.O.B. Constructs and Miniatures)

www.shapeways.com

「デダロ」はスペイン海軍が第一次世界大戦後にイギリスから購入した商船を改造して建造した水上機母艦です。水上機母艦と書きましたが、実際には飛行船(気球)と水上機を運用することが可能で、スペイン海軍における正式呼称は「海軍移動航空基地(Estación Transportable de Aeronáutica Naval)とされていたようです。リーフ戦争(第3次リーフ戦争 - Wikipedia)で実戦参加しており、スペイン内戦で空襲をを受け沈没しています。

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(直上の写真:「デダロ」の概観。とりあえず下地処理をしてあります。103mm in 1:1250 by C.O.B. Constructs and Miniatures)

10000トン級の船体で、最大速度は10ノット程度。(もしかするとこの低速のために、あえて「母艦」という呼称を使わなかったんじゃないかな?と、これは筆者の憶測です)艦首甲板に飛行船の整備格納庫と繋留マストを持ち、艦尾部には12機から20機の水上機を運用可能な収納甲板を持っていました。

dedalod.jpg (12282 bytes)

http://www.revistanaval.com/www-alojados/armada/buques1/dedalo.htm (出典元)

ja.wikipedia.org

(直下の写真:「デダロ」の艦首部と艦尾部の拡大。何と艦首部の格納庫には飛行船が。筆者がこの船に惹かれた理由はまさにこれ!寸法からすると、飛行船としてはかなり小さいのですが、例えば実際に第一次世界大戦時には、飛行船が船団護衛に用いられたケースなどもあるようです。さらに、艦尾の飛行甲板にはエレーベーターも)

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こういう艦船は、筆者の想像力を、やたら、かき回します。

ストレートにスペイン海軍の艦船として作るべきだとはわかっていながら、「地中海、水上機・・・それになんだって?飛行船?」と頭のどこかがピクリ。そして「スペイン海軍が民間に払い下げて、その後、地中海で遊覧飛行の拠点になって・・・」などというストーリーが浮かび、大戦間のアドリア海で「表向きは遊覧飛行船の会社なんだけど、実は」なんて話に発展したりして。あるいは「当船のお客様の中には、確かに少しその筋の方々もいらっしゃいますが、皆さん、当船にとっては大切なお客様でして。当船はどなたにも同じサービスをご提供させていただいております。あ、はい、もちろん飛行艇の燃料やお食事などもご提供するサービスには含まれております。え?赤い戦闘飛行艇?最近は見かけませんね」なんてね。

・・・ということで、少し遊んでみましょう。年内には少しストーリー付きで、公開する(かも)。

(再録、ここまで)

 

で、想像をかき回されるままに・・・。

アドリア海遊覧飛行会社所有:遊覧飛行母船「アドリア海の真珠」号(Perla dell'Adriatico)

第一次世界大戦か終了して、ベネチアの資産家がヨーロッパの金持ち相手のアドリア海の遊覧飛行会社を設立します。

折からヨーロッパ各国で大戦終了と共に余剰の兵器の整理が始まり、まず同社はスペイン海軍が保有を計画し、しかしその途上で性能不足に気づいた水上機母艦「デダロ」を、改装計画も丸ごと引き取ります(ちょっと史実とは異なります)。

さらに各国が大戦中に発注し、戦後持て余し気味となっていた飛行船、飛行艇などを入手します。一方で、ベルサイユ体制でオーストリア・ハンガリー帝国が解体され、アドリア海沿岸を中心に職を失った飛行艇パイロットを雇い入れ、あっという間に会社の根幹が整うことになりました。

こうして、遊覧飛行母船「アドリア海の真珠」号を拠点として遊覧事業が起こされるのですが・・・。

・・・・と、こんなカバーストーリーでしょうか?

(直下の写真は、遊覧飛行母船「アドリア海の真珠」号の概観。103mm in 1:1250 by C.O.B. Constructs and Miniatures:搭載しているのはイタリア海軍が放出した水上飛行機とオーストリア海軍が手放した武装を外した戦闘飛行艇(Lohner L型)。黄色い一機は、オーナー家族所有の飛行艇

背景のアドリア海の古い要塞跡の上空に浮かんでいるのは、同社ご自慢の遊覧飛行船「トリエステ号」。同船はアメリカ海軍の最新鋭の飛行船(ZMC 21)の設計をベースに建造された同社オリジナルの飛行船で、ヘリウムを用い安全性と高速、快適さを売り物にしていました(とか?)。

(右下写真)「アドリア海の真珠号」の利用客は、ベネチアから大型の飛行艇アドリア海を遊弋中の同船に送迎され、数日の滞在期間中に小型の飛行艇や水上飛行機、飛行船などでアドリア海の遊覧飛行や観光を楽しむことができました)

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( ちょっと模型的な話をすると、実はこの「白い塗装」というのが、意外と難しいのです。ええ?そんなことない?私だけ?)

 

1920年台後半の、時代背景としては・・・ 

さて、呑気に遊覧飛行などを楽しめる「金持ち」とは裏腹に、世の中は実は第一次世界大戦後の深刻な不況の真っ只中で、敗戦国ドイツでは猛烈なインフラの中から、やがてナチスが台頭します。イタリアは先勝国ではありながらこれまた深刻な不況に喘ぎ、ファシスト党の独裁色が深まっていく最中にありました。

国家ファシスト党への投資を銀行で薦められたポルコ・ロッソが「そういう話は、人間同士でしてくれ」といなす、そんな時代ですね。

アドリア海では前述のオーストリア・ハンガリー帝国の崩壊と軍の解体の中で、大量の軍人が国と職を失い、アドリア海を航行する船舶の用心棒稼業=空賊として一世を風靡していました(ほんとかな?)

(直下の写真は、前述のアドリア海遊覧飛行会社の保有する2隻の飛行船。一隻は上で紹介した「トリアステ号」(銀色)。もう一隻(白)はその優雅な空中での姿から「Cara Gina :愛しいジーナ」と呼ばれた飛行船で、前身は英海軍の船団護衛用の対潜飛行船(SSZ 19)でした。あれれ、赤い戦闘飛行艇が・・・)

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ということで、今回は筆者の妄想の世界の入り口のご紹介。赤い戦闘飛行艇が現れたということは、もちろんいずれは奴らも・・・(ですね)。

イタリア海軍(空軍?どっちだ?)の空賊警備部隊も登場する予定。

もちろん、船自体ももう少し手を入れる予定です。

 

という訳で、今回はここまで。

ちょっと色々と頭の中で楽しいでいて、あまり物事が進みませんでした。ご容赦を。

 

次回は、どうしようか?今回の続きは、1週間では、ちょっと準備不足になるかも。

もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

 

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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