相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

レキシントン級巡洋戦艦、巨大集合煙突デザイン、制作の話

今回は、巡洋艦のお話は少しお休み。

そのかわりに、と言ってはなんですが、以前、モデルの到着をご案内していた「レキシントン級巡洋戦艦」が、一応完成しましたので、ご紹介します。

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今回は、そう言うお話し。

一番最後に投票がありますので、そちらもよろしくお願いします。(申し訳ありません。せっかくの投票を、私の不手際で消してしまいました。再開しますので、お手数ですが皆さん奮って投票をお願いします)

 

本稿で以前ご紹介した「レキシントン級巡洋戦艦

本稿では既に「レキシントン級巡洋戦艦を、「コンステレーション級」巡洋戦艦として、ご紹介しています。

(以下、再録です) 

コンステレーション級(レキシントン級)巡洋戦艦 - Wikipedia

en.wikipedia.org

同級のうちレキシントンサラトガ航空母艦に転用建造され、コンステレーションとコンスティチューションの2隻が建造された。

米海軍はこれまで巡洋戦艦を建造せず、米海軍初の巡洋戦艦となった。

それまで、米海軍の主力艦は21ノットの戦隊速度を頑なに守っており、高速艦で揃えられた日本艦隊、あるいは英海軍のクイーン・エリザベス級、レナウン級、アドミラル級などの高速艦隊に対抗する術を持たなかった。これを補うべく設計された同級であったが、当初の設計では、備砲(16インチ8門)と速力は強力ながら(当初設計では33.3ノット)、その装甲は極めて薄く、ユトランド沖海戦以降に、防御に対策を施した諸列強の高速艦には十分に対抗できるものではなかった。

この為、装甲の強化を中心とした防御力に対する見直しが行われ、代わりに速力を30ノットに抑える、という設計変更が行われた。
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(42,000t, 30knot, 16in *2*4, 2 ships, 213mm in 1:1250 by Hai)

 

コンステレーション級(レキシントン級巡洋戦艦 近代化改装

同級もケンタッキー級に準じた、射撃システムの変更、副砲撤去、両用砲を砲塔形式で装備、上部構造物の一新、等々で目での近代化改装を受け、艦様が一変した。

特に、外観上での米海軍主力艦の特徴の一つであった艦上部構造の前後に佇立する篭マストが、塔状の構造物に置き換えられた。

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直上の写真:舷側に迷彩塗装を施してみた)

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(直上の写真は、コンステレーション級の新造時(上)と最終改装後(下)の艦型の比較)

この最終改装後の形態については、以下の3Dプリンティングモデルを使用しています。

www.shapeways.com

 

もし、本稿での記述に関心がある方は、下記も合わせてお楽しみください。

fw688i.hatenablog.com

fw688i.hatenablog.com

 

レキシントン級巡洋戦艦の別案制作

さて、3月28日の投稿で、以下の写真をチラッとご紹介しました。

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レキシントン級巡洋戦艦は、アメリカ海が初めて計画した巡洋戦艦です。ダニエルズ・プランで6隻の建造が計画されていましたが、ワシントン海軍軍縮条約の下で建造が中止され、そのうち起工していた「レキシントン」と「サラトガ」はその高速性により空母に転用、大型空母としてとして完成されました。この辺りの経緯は、日本海軍の空母「赤城」「天城」建造の経緯と酷似しています。

この巡洋戦艦転用の「レキシントン級」空母の最大の特徴は、なんと言っても巡洋戦艦に搭載予定であった巨大な機関に由来する巨大な煙突だと思っています。(写真↓)

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下の写真は「レキシントン級巡洋戦艦のオリジナル案の一つで、五本煙突に見えますが、実は写真の2番目と4番目の煙突は左右に並列状態で配置されており、実は七本煙突なのです。この案で建造されていたなら、「七本煙突の4万トンを超える巡洋戦艦」と言う大変ユニークな艦型になっていたかもしれません。

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七本煙突、が意味するところは、非常に大きな機関を搭載していた、と言うことで、繰り返しになりますが、その強力な機関が生み出す高速力が、飛行甲板に適した長大な艦型と併せて空母に適していると言うことで空母に転用されたわけです。
空母に転用されるには、艦載機の発着艦に影響を発生させそうな煙突を巡洋戦艦案のように乱立させるわけには行かず、集合煙突とした結果、あの巨大な煙突が生まれたわけです。

 

ここからはちょっと本稿と模型の話。

本稿では、前述のように、IF艦を登場させるために(私の個人的な趣味ですので、ご容赦を)ワシントン体制はもう少しゆるい形で成立し、「レキシントン級巡洋戦艦は「レキシントン」「サラトガ」は空母として完成され、巡洋戦艦としては「コンステレーション」と「コンスティチューション」の2隻が建造されることになり、既に上述のように2本煙突の巡洋戦艦として、模型を製作していました。

今回の別案作成のきっかけは、そもそもは、空母「レキシントン」の巨大な煙突を転用して、何か面白いものを作れないだろうか、と突然思い立ち(常のことです)、ならばいっそこの煙突を搭載した「レキシントン級」を作ってみようかと。実は、竣工時も作っちゃおうかと考えて、煙突は二つ入手してはいるのですが、ベースになるはずの3Dプリンティング・モデルが、何らかデータの不備で入手できなくなってしまい、今回は、最終改装時のモデルだけのご紹介になります。ご容赦を。

ベースとなった3Dプリンティングモデルは下記です。

www.shapeways.com

このモデルの煙突をゴリゴリと除去し、Deagostini社の空母「サラトガ」の完成模型(プラスティックとダイキャストのハイブリッドモデル)から拝借した巨大な集合煙突(プラスティック製)を移植したものが、下の写真です。f:id:fw688i:20200328161044j:image

このモデルの設定では、二本煙突案の「レキシントン級巡洋戦艦を近代改装後の対空砲強化の際に、上甲板にケースメート形式で搭載していた副砲を廃止して単装5インチ両用砲を搭載したと言う想定になっています

ちなみに、データの不備で入手出来なかったもう一つの竣工時のモデルが下記です。

www.shapeways.com

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作りたかったなあ。

(ちょっと制作のさらに裏話。上記のモデル、もしかするとSmooth Fine Detail Plasticと言う素材であれば、入手可能かもしれません。しかしこの素材、以前に少しお話しした記憶があるのですが、硬度が高く、細部の再現性は格段に高いのですが、その分、高価($65.94+送料)。かつ、船体の一部の除去と移植(煙突と艦中央部のボート甲板等を除去して、巨大な集合煙突を移植)というような加工作業が想定される今回のようなケースでは、私の手には余るかと。パーツの除去作業を行うと、多分船体が割れてしまう。・・・・ということもあって、入手を断念、という事情もあります。と言っていても、まあ、余裕のある時には、あるいはすごく退屈した時にはトライするかも。これも、また楽しみの先送り、ということにしておきましょう

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(いっそこのダイキャストモデルを潰してしまおうか?一隻完成模型を潰すことになるので、ちょっと勇気が要りますが。このHai製、ウン?Delphin製かな?どちらにせよこの両社のモデルであれば、上部構造は分割しやすい構成になっているはずなので、煙突の移植(換装)作業は比較的楽、かもしれません)

 

一方、七本煙突デザインは、当時の米海軍の戦艦の標準主砲であった14インチ砲10門搭載の初期案で、実は昨日(4/25)下記のモデルを発注。到着したら、まずはストレートに作ってみます。それはまたいずれご紹介します。

www.shapeways.com

 

本当は七本煙突デザインモデルも含め、七本煙突当初計画案:14インチ主砲搭載➡️竣工時集合煙突:16インチ主砲搭載➡️集合煙突一時改装時:副砲を単装高角砲に換装(これが今回製作したものですね)➡️二本煙突最終改装時:単装高角砲を連装高角砲に換装(こちらは本稿で以前に紹介したモデルです)、という一連の流れを作りたいという、少々大きな計画を持っています。(となると、やはり今回入手できなかった二本煙突竣工時のモデルを入手し、これをベースに集合煙突竣工時をどうやって制作するか、ということになりますね。困ったなあ、でもちょっと楽しい)

 

 

と、ごちゃごちゃと裏話を書きましが・・・。 

完成がこちら。(やはりなんと言っても巨大集合煙突が目を引きますね。煙突の中央にDeagostini製空母「サラトガ」にならい、中央に黒の太いラインを入れてみます。二本煙突に見えるような偽装、でしょうかね。まあ、この巨大な煙突は、放っておくと標的としては最適でしょうねえ)f:id:fw688i:20200426140053j:image

次いで、二本煙突デザインとの比較。

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(この直上の撮り方だと、近代化改装のバリエーション、枝分かれ的なストーリーラインが見えてきますね。

上の写真からは「一番艦の「コンステレーション」は近代化改装の際に巨大集合煙突を採用したが、二番艦の「コンスティチューション」は改装時期が少し遅くなったため、機関も換装、二本煙突に上部構造をコンパクト化した。その為、同型艦ながら異なる艦影を持つことに」という感じでしょうか。

一方下の写真からは、「第一次改装で副砲を撤去し、対空兵装強化のために単装両方砲に換装。その後、最終改装時に、機関経緯等も更新し、標的となる恐れの大きい巨大煙突を、コンパクトな二本煙突に換装。弱点を減らせるための改装ではあったが、長年親しんだ艦影を惜しむ声が」という感じでしょうか?あるいは「日本海軍との海戦で、一番艦は格好の標的となり轟沈。大損害を受けながらも生還した二番艦は、修復時に巨大煙突を撤去し上部構造をコンパクト化。併せて対空兵装を強化」というような感じでもいいかもしれません

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皆さんはどちらのデザインがお好みですか?ぜひご意見を。(広告消して=×、投票してください。+++申し訳ありません。せっかくの投票を、私の不手際で消してしまいました。再開しますので、お手数ですが皆さん奮って投票をお願いします)

 

あるいは、こんなストーリーだってあるんじゃないの、というようなお話も、もちろん大歓迎です。

 

まあ、この巨大な煙突は、敵方に格好の照準目標を与えてしまうのかもしれませんが、しかし、デザインとしては好きだなあ。作って良かった、となんとなくニヤニヤしています。

 

ということで、今回はここまで。 

次回は「平賀デザイン」の重巡洋艦、誕生」というタイトルで「妙高級」重巡洋艦にスポットを当ててお届けする予定です。(多分)

 

引き続き、模型に関するご質問等は、大歓迎です。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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