相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

海上自衛隊 第5護衛隊群

この連休に向けて、「空母いぶき:Great Game」の既刊分(1−9巻)を古書で大人買い。実は筆者はコミックというのが苦手で、読むのが大変遅いのです。

ですのでまだ4巻途中(コミックで「巻途中」というのが、全く理解できない、と家族にはよく言われます)なのですが、とりあえずこのコミックの主人公である「空母いぶき」から「第5護衛隊群」について、少しお話を。今回はそんな感じで。

 

空母「いぶき」(コミック)ついて

本稿をお読みいただくような艦船ファンの方ならば、何を今更、の感はあると思いますが、コミック「空母 いぶき」は2014年から「ビッグコミック」(小学館)に連載が開始されたかわぐちかいじ氏による漫画です。

海上自衛隊が導入した航空機搭載型護衛艦(DDV)「いぶき」をその物語の中心に据えて、日本周辺の「有事」を想定し、その有事に対処することの意味、方法、そして何を考えるべきか、というようなことを考えさせる物語になっています。

ja.wikipedia.org

第一シリーズでは南西諸島方面を舞台に離島が「隣国」に上陸占拠されたという自体に、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦(DDV)「いぶき」を中心とした艦隊が出撃し、どう事態に対処するか、という話になっています。日本周辺の有事を描いているので、関係諸国は近隣国であり、ストーリーもリアルさゆえに、表現はかなりセンシティヴなものではあるのですが、同書では登場する国、敵味方を問わず艦船等、現存するものは全て実名(あるいはNATO諸国での通称)で出てきます。(映画版ではおそらくその辺りへの配慮もあってか、全て架空名称に置き換えられていました)

そして、空母「いぶき」を中心に構成される艦隊は「第5護衛隊群」と呼ばれているのです。

第一シリーズでは、「第5護衛隊群」は以下の艦船で構成されています。

航空機搭載型護衛艦「いぶき」(DDV-192)

護衛艦「あたご」(DDG-177「あたご級」イージスミサイル護衛艦

護衛艦「ちょうかい」(DDG-176 「こんごう級」イージスミサイル護衛艦

護衛艦「ゆうぎり」(DD-153「あさぎり級」汎用護衛艦

護衛艦「せとぎり」(DD-156「あさぎり級」汎用護衛艦

潜水艦「けんりゅう」(SS-504「そうりゅう級」)

補給艦「おうみ」(AOD-426「ましゅう級」艦隊補給艦)

こちらの艦艇については本稿の以下の回で紹介しています。

fw688i.hatenablog.com

 ddv192.jp

 

 

護衛隊群、特に第5護衛隊群について

海上自衛隊は日本経済の生命線ともいうべき「シー・レーン」とそこを航行する船舶の保護をその重要な任務としていますが、1960年代の3次防、4次防で、当時の仮想敵であったソ連海軍の原潜配備の進展等により潜水艦脅威が増大した背景を受け、 改めてヘリコプター搭載護衛艦(DDH)の建造が具体的に検討されました。

背景には先行する研究から、有効な対潜戦闘には4機のヘリコプターが必要であり、4機の常時運用体制を確立するためには、一個護衛隊群に最低6機のヘリコプター搭載能力が求められる、という見解がありました。これにより対潜ヘリ3機を搭載する「はるな級」「しらね級」護衛艦(DDH)4隻が相次いで建造され、このDDHを基幹に4群の護衛隊群が構成されました。1護衛隊群はDDHを中心に対潜ヘリ1機を搭載する汎用護衛艦(DD)5隻と、この護衛艦群の防空を担当する対空誘導ミサイルを搭載したDDG2隻(初期はDDG1隻と対空射撃能力の高いDDA1隻でした)の8隻で構成される、というのが基本構想でした。この護衛隊群が8隻の護衛艦と8機の対潜ヘリを搭載していることから、「八八艦隊」なる俗称が生まれたりします。

この護衛隊群の艦艇の基本構成は現在も変わっておらず、DDHあるいはDDV、DDG 各1隻とDD2隻からなる護衛隊と、DDG1隻とDD3隻で構成される護衛隊の二つ護衛隊を統合指揮する部隊が護衛隊群と呼ばれています。

第1護衛隊群は横須賀を母港とし、第2護衛隊群は佐世保、第3護衛隊群は舞鶴、第4護衛隊群は呉をそれぞれ母港としています。自衛艦隊の基幹部隊編成の基礎単位と言っていいでしょう。

コミック「空母 いぶき」に登場する第5護衛隊群は、こうした基幹編成よりも、もっと任務色の濃い任務部隊として臨時編成された部隊であると解釈をしたほうがいいと思っています。例えば海上自衛隊は8隻のイージスミサイル護衛艦保有していますが、上掲の護衛隊群の説明では、これらはすべて第1から第4の護衛隊群に配置されています。つまり第5護衛隊群に所属する2隻はどこかから引き抜かれた、と解釈できるわけです。(間違ってるぞ、あるいは何を読んでるんだ、などのご指摘、あるいは設定の詳細をご存じの方、いらっしゃいましたら、是非コメントをお寄せください)

 

空母「いぶき」Great Game(コミック)ついて

今回入手したのは2020年から連載が開始された第二シリーズの既刊9冊。

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既刊9冊と書いたのは、まだ連載中だからです。現時点で10巻まで刊行されています。冒頭に記述したようにまだ筆者は4巻途中なのですが、第一シーズンが「尖閣有事」(ちょっと誤解を恐れずに簡単に書いてしまました)であったのに対し、今回は「北方有事」を扱っています。

お話は北極海で調査任務中の海上自衛隊護衛艦「しらぬい」が、攻撃を受けたアルゼンチンの海洋調査船を救助するところから始まります。「攻撃をしたのはどうやらロシアの潜水艦で、アルゼンチンの海洋調査船が同国が秘密裏に設置したソナーシステムを引き上げてしまったかららしい。攻撃で行動の自由を失ったアルゼンチン船は「しらぬい」の救援で第二撃を免れ、曳航されて日本に寄港するのですが、寄港直後に破棄工作で引き揚げたソナーもろとも爆破されてしまう」というような始まりで、物語はやがて「北方有事」へと展開してゆきます。この「一癖ある」「しらぬい」艦長が「いぶき」の第二代艦長として赴任してくる、こんな話の展開になっています。

 

ということで以下は登場する艦艇のご紹介を。

汎用護衛艦「しらぬい」(DD-120: 「あさひ級」)

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(「あさひ級」汎用護衛艦の概観:121mm in 1:1250 3D Printing メーカー、Amature Wargame Figures(Nomadire)のキット。マストと兵装の一部はF-toysのキットから転用) 

「しらぬい」はGrear Gameの冒頭で北極海での調査任務中に、攻撃を受けたアルゼンチンの海洋調査船を救助します。

本級は「あきづき級」をベースとして新型ソナーシステムを搭載し対潜戦闘能力を強化する一方で、僚艦防空の能力を省いたシステムを搭載したタイプとして、建造コスト等に配慮が払われています。

主機には、護衛艦として初めて電気式推進を主推進としたハイブリッド推進機関(COGLAG)を搭載しています。これは低速時、巡航時にはガスタービン発電を用いた電気式推進を用い、高速時にはガスタービンエンジンによる直接機械駆動も併用する形式で、燃費に優れるとされています。(5100トン、30ノット)

兵装は、基本的に「あきづき級」に準じ、艦首部のMk. 41 VLS 32セルに、発展型シースパロー(ESSM)と垂直発射型アスロック(VLA)を搭載、 主砲には62口径5インチ単装砲(Mk. 45)、対艦兵装として90式対艦誘導弾の4連装キャニスター2基、さらに対潜兵装として対潜短魚雷3連装発射管を両舷に装備、個艦防空用にCIWS2基を搭載しています。

ヘリコプターの運用については、搭載機定数1、搭載能力2機は「あきづき級」に準じ他ものですが、RASTの機体移送軌条は、2条から1条に改められており、洋上での2機の同時運用は現実的ではないとされています。

モデルは下のAmature Wargame Figures(Nomadire)の3D printing modelをベースにしています。マストと兵装の一部はF-toysの「あきづき級」のキットから転用しています。 

www.shapeways.com

(「あきづき級」汎用護衛艦の概観:121mm in 1:1250 F-Toys 現用艦船キットコレクションをほぼストレートに組んだもの。こちらはF-toys 製のインジェクションキットですので、細部のディテイルが詳細に作り込まれています。下の写真はステルス性に配慮されたFCSー3A多目的レーダーアンテナを装備した艦橋の形状がよくわかります。「あさひ級」でも同様の配慮が上部構造のデザインには現れていますが、レーダーアンテナは艦橋にまとめられ、すっきりした上部構造となっています。やや煙突の形状が異なります)

Great Gameでは冒頭の北極海でのアルゼンチン海洋調査船の救助を行い、図らずも同船に向けて発射された魚雷に対し対抗措置としてこれを破壊するために、命令を待たず単独判断で魚雷を発射することになってしまいます。

その際の同艦の艦長が蕪木二佐で、事件後に「いぶき」の2代目艦長に就任します。

(汎用護衛艦「不知火」艦長:蕪木二佐)

 

ここからは、第5護衛隊群(Great Game版)

航空機搭載型護衛艦「いぶき」(DDV−192):いわゆる空母「いぶき」です

(航空機搭載型護衛艦「いぶき」の概観: 26,000t, CWIS *2, SeaRAM *2, F-35JB *15 etc, 202mm in 1:1250 by Amature Wargame Figures(Nomadire):3D printing model

空母「いぶき」と呼称されていますし、コミックも映画もそのままのタイトルなのですが、正確にいうと「航空機搭載型護衛艦」で、あくまでも海上自衛隊における艦種分類は「護衛艦駆逐艦:DD」なのです。

「いずも級」ヘリコプター搭載型護衛艦をベースとして、固定翼機運用のためのスキージャンプ台形式の飛行甲板をつけたものになっています。上掲のモデルも原作の設定と同じく(?)「いずも級護衛艦」のモデルを既に上市されていた3D Printing メーカーさんにジャンプ台の追加をリクエストし、制作していただいています。

www.shapeways.com

モデルの素材は、White Natural Versatile Plasticというやや柔らかめで粘度のある樹脂で、下地処理をした後、普通に塗装ができます。(筆者の場合にはサーフェサーで下地処理をしたのち、エナメル塗料で塗装をしています。基本、全て筆塗りです)上掲の写真の通り、マスト、CIWS、SeaRAMなどの対空火器も全て一体整形された完成形で手元に届いたのですが、ややディテイルに疑問があったのでマストのみ、F-toys製のストックモデルと交換し、仕上げています。

搭載機も同様、3D Printing メーカーさん(SNAFU Store:   SNAFU Store by Echoco - Shapeways Shops)によるもので、F-35JBの他に、X-47Bという無人機(下の写真では、ブリッジ後方の黒っぽく塗装されている数機)を搭載している、という設定にしています。原作では無人機などは搭載していません。ヘリはF-toysのモデルから流用しています。 

下の写真ではベースとなった「いずも級」護衛艦とのツーショットを。

Great Gameにおける第5護衛隊群司令と「いずも」艦長

Great Game時点での第5護衛隊群は、「いぶき」初代の艦長であった航空自衛隊出身の秋津一佐が海将補に昇進して群司令を務めていました。

(第5護衛隊群司令:秋津海将補/「いぶき」初代艦長)

秋津海将補の元で第二代艦長を務めていたのは、秋津が艦長時代に副長であった新波一佐でした。

 

(「いぶき」第二代艦長:新波一佐/「いぶき」初代艦長の元で副長を務めていました)

新波一佐の「いずも級」二番艦の「ほだか」艦長への転出に伴い、後任に蕪木二佐が一佐に昇進して着任しました。

(「いぶき」第三代艦長:蕪木一佐)

 

イージス護衛艦「まや」(DDG-179 :「まや級」)

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(「まや級」イージスミサイル護衛艦の概観:137mm in 1:1250 3D Printing メーカー、Amature Wargame Figures(Nomadire)のキット。マストと兵装の一部はF-toysのキットから転用)

「まや級」DDGは、「はたかぜ級」DDG の代艦として建造されたイージスシステム搭載ミサイル護衛艦(DDG)です。本級の建造で、海上自衛隊の4個護衛隊群は、その艦隊防空をそれぞれ2隻のイージス艦で賄う事が可能となりました。

本級は「あたご級」DDGの設計を基本として、推進機関を電気推進(COGLAG)に改めたもので、これに伴い、関係がやや大型化しています。(8200トン、30ノット)

搭載するイージスシステムは、弾道ミサイル防衛(BMD:Ballistic Missile Defense)により対応力を向上させたバージョンを搭載しています。

兵装は「あたご級」に準じています。主砲として62口径5インチ単装砲(Mk. 45)、対艦兵装としては、国産の90式対艦誘導弾を4連装キャニスター2基に装備、さらに主砲として62口径5インチ単装砲(Mk. 45)が装備されています。

前甲板にMk . 41 VLSを64セル、艦尾部のヘリハンガー上部に32セルを搭載、ここからSMー2, SMー3併せて垂直発射型のアスロックを発射することが可能です。対潜兵装として対先端魚雷発射管を2基、艦の両舷に配置し、また近接防御兵器としてはCIWS2基を、艦上部構造の前後に配置しています。

前級「あたご級」同様、固有の搭載ヘリコプターは保有しない設定ですが、艦後方のハンガーでは2機の運用が可能です。

(上の写真は「あたご級」のMk.41 VLS あたご級艦首甲板の64セルと艦尾ヘリコプターハンガー上の32セル。「まや級」でも同王の配置となっています。この辺りは、やはりF-toysのインジェクションキットの方が再現性が高いので、そちらを掲載しておきます上の写真にはあたご級から採用された主砲62口径5インチ単装砲(Mk. 45)が写っています)

Great Gameにおける第5護衛隊群、「まや」艦長

第5護衛隊群所属の「まや」艦長は海老名一佐が務めています。海老名一佐は、第一シリーズで第5護衛隊群に参加した汎用護衛艦「あまぎり」の艦長を務めていました。

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イージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176 :「こんごう級」)

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(イージス護衛艦「ちょうかい」の概観:129mm in 1:1250, F-toys)

「ちょうかい」は「こんごう」級ミサイル護衛艦の4番艦で、第四世代のミサイル護衛艦として設計されたいわゆる海自最初のイージス艦4隻の中の一隻です。

米海軍の同じくイージスシステム搭載艦であるアーレイ・バーク駆逐艦タイプシップとし、艦型・機関ともこれに準じています。

併せて、本級から、従来DDHが担っていた護衛隊群旗艦が同級に移管されることとなったため、上部構造および艦型も大型化しています。(7250トン、30ノット)

本級の中核的な装備となるのはもちろんイージスシステム(AWS)ですが、そのセンサーシステムの中心的な役割を負う多機能レーダーは、艦橋の4面に固定された巨大なパッシブ・フューズドアレイアンテナに象徴され、これに上記の旗艦施設などを加え、非常に重厚な上部構造物が特徴となっています。

これに連動するミサイル発射機はMk. 41 VLS(垂直発射機)を艦首甲板に29セル、艦尾甲板に61セルを装備しています。

(Mk.41 VLS :「こんごう級」艦首甲板の29セルと艦尾甲板の61セル。VLS前方には主砲として装備されたオート・メララ製54口径5インチ単装速射砲(127mmコンパット砲)が写っています)

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他に対空兵装としては、主砲にオート・メララ製の54口径5インチ単装速射砲(127mmコンパット砲)を装備し、近接個艦防空用に2基のCIWSを艦上部構造の前後に保有しています。

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対潜兵装としては、前述の艦首部のMk.41 VLSに垂直発射型のアスロック(VLA)を装備し、併せて対潜短魚雷発射管を両舷に装備しています。

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対艦兵装としては、艦対艦ミサイルハープーンを4連装ランチャーで2基装備しています。

DDGとして前級に当たる「はたかぜ級」DDGと同様に、艦後部にはヘリコプターの発着甲板が設けられていますが、ハンガー等の設備はなく、従って固有の対潜ヘリコプターの運用能力はありません。

Great Gameにおける第5護衛隊群、「ちょうかい」艦長

第5護衛隊群所属の「ちょうかい」艦長は浮船一佐が務めています。「ちょうかい」第一シリーズで第5護衛隊群の一隻で、艦長はやはり浮船一佐が務めていました。

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汎用護衛艦「むらさめ」(DDG-101 :「むらさめ級」)

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(汎用護衛艦「むらさめ」の概観:120mm in 1:1250 F-Toys 現用艦船キットコレクションをほぼストレートに組んだもの)

 汎用護衛艦の第二世代として、「むらさめ級」は9隻が建造されました。現在の護衛隊群の基準構成艦となっています。

兵装等の装備は前級と同様を想定しながら、搭載電子機器類の増加への対応や、ヘリ運用能力の強化、居住性改善等の要請から、船体は大型化しています。(4550トン、30ノット)

砲熕兵器としては、主砲に62口径3インチ単装速射砲(76mmコンパクト砲)、個艦防御兵器としてCIWSを両舷に1基づつ搭載しています。

主要対潜装備としては短対潜誘導魚雷発射管とアスロックを装備し、対空兵装としてはSAM(シースパロー)を、いずれも垂直発射式で搭載しています。

(前部甲板に装備されたMk.41 VLS 16セル:アスロック用と、艦中央部に装備されたMk.48 VLS 16キャニスター:シースパロー用)

アスロックは艦首部のMk. 41 VLS 16セルに搭載されています。

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SAM(シースパロー)は、艦中央部にMk. 48 VLS 16連装のキャニスターに収容されています。

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いずれも、搭載弾数は前級「あさぎり級」と同様ながら、いずれもVLS搭載とすることで、即応発射弾数は倍になっています。

艦対艦兵装としては、従来のハープーンに替えて国産の90式対艦誘導弾を4連装キャニスター2基に搭載しています。。

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加えて1機の対潜ヘリコプターを固有の搭載兵装として保有していますが、ハンガーは「あさぎり級」よりも大型化され、「あさぎり級」ではあくまで応急的な運用とされていたのに対し、2機運用を想定したものとなり、実際にソマリア派遣等の際には2機運用が実施されています。

(艦尾部のヘリコプター発着甲板と大型化したヘリハンガー)

Great Gameにおける第5護衛隊群、「むらさめ」艦長

Great Game時点で第5護衛隊群に所属していた汎用護衛艦「むらさめ」艦長は柊二佐が務めていました。

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多機能護衛艦「くまの」(FFM-2 :「もがみ級」)

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(多機能護衛艦「くまの」の概観:95mm in 1:1250 by FSpace RPG:3Dprinting model)

「くまの」は「もがみ級」多機能護衛艦の2番艦です。

それまでの海上自衛隊護衛艦に見られたシステム化と高性能化に伴う大型化の傾向と一線を画し、任務の多様化を踏まえた多機能化とコンパクト化を両立した設計となっています。それを反映して艦分類記号もDD(駆逐艦)よりは小型のイメージを持つFF(フリゲート)に”Multi-purpose"の頭文字のMを加えたFFMとされています。

ちなみにこれまで海上自衛隊フリゲートという呼称で艦種分類記号が付与されたのは、その草創期の米海軍からの貸与艦「くす級護衛艦」(1950−60年代)以来です。

3900トン級の船体にCODAG方式の機関を搭載し、30ノットの速力を発揮することができます。曝露部の通路を廃止した設計の傾斜平面を多用した船体せっけいに加え、艦橋部とその上部に設置された複合空中線およびその下部のセンサーが概観上、これまでの海上自衛隊護衛艦とは大きな差異を示しています。f:id:fw688i:20230430135222p:image

(多機能護衛艦「くまの」の細部:左上:同級の大きな概観的な特徴となっている環境庁部に設置された複合空中線 /右上:5インチ砲、魚雷発射管室ドア:Mk 41VLS:計画ではこのVLSに垂直発射型の魚雷投射ロケットを搭載することになっているようです(未実装?)/左下:17式対艦ミサイルのランチャー/右下:哨戒ヘリのハンガーと発着甲板。ヘリハンガー上にSeeRAM近接防空ミサイルシステムを搭載しています)

兵装等は対空戦闘にはSeeRAM近接防空ミサイルシステムを搭載し、大水上戦闘には5インチ砲、遠隔操作型の50口径機銃架を備えています。対艦兵器としては17式艦対艦誘導弾の4連装発射筒を2基搭載しています。艦種部には16セルのMk.41 VLSを設置する設計になっていますが、ここから発射される垂直発射式魚雷投射ロケット(現時点では計画のみ?)と舷側に装備された三連装魚雷発射管が対戦装備ということになります。

同級の多機能対応を象徴するのが機雷戦装備で、簡易型の機雷敷設装備を搭載し、機雷敷設任務にも対応でき、かつ水陸両用戦に対応すべく対機雷戦ソナーシステムを搭載し、無人機による機雷捜索や機雷除去の装備を搭載しています。

併せて艦尾部にはヘリハンガーを設置し、哨戒ヘリ1機を搭載しています。

Great Gameにおける第5護衛隊群、「くまの」艦長

Great Game時点での多目的護衛艦「くまの」は、大竹二佐が艦長を務めていました。

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AIP潜水艦「おうりゅう」(SS-511:「そうりゅう級」)

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(AIP潜水艦「おうりゅう」の概観:56mm in 1:1250 by F-toys)

海上自衛隊では1950年代以降、通常動力潜水艦(非原子力潜水艦というほどの意味です)の水中持続性を高める推進システムとしてAIP(非大気依存推進:Air-Independent Propulsion) の研究を進めてきました。

AIPの詳述は例によって他の優れた解説にお任せしたいと思いますが、「はるしお級」潜水艦7番艦「あさしお」での試験運用の実績を経て、本級の建造に至り、スターリング式AIPの実装が行われました。

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11番艦以降では、リチウムイオン電池の導入により、さらに水中持続性の向上を目指すと言われています。

(PitRoad 1:700 海上自衛隊潜水艦史「そうりゅう」級(2009)120mm in 1:700 :スケール違いですが)

機関以外の部分は、基本的に前級「おやしお」級の発展形で、システムのアップグレード、効率化などが図られより高性能な潜水艦に仕上がっています。X字型の艦尾舵を採用し、水中での運動性を高めています。

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(「そうりゅう級」の艦首部の魚雷発射管(上段)とX字型の艦尾舵)

一方で、全長11メートルに及ぶスタリング式AIPユニットを「おやしお」級よりも2メートルだけ長い艦体に搭載したため、居住スペースは大きな圧迫を受けています。

 武装は「おやしお」級に準じ、艦首の6門の魚雷発射管から、魚雷と対艦ミサイル「ハープーン」を発射できます。

Great Gameにおける第5護衛隊群、「おうりゅう」艦長

Great Game時点でのAIP潜水艦「おうりゅう」は、菊池一佐が艦長を務めていました。

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ということで、これらの艦船で編成された第5護衛隊群が宗谷岬沖で無人機の攻撃を受けた非武装海上自衛隊海洋観測船「しょうなん」の救出に出撃してゆくのです。さあ、これからどうなるんだろう。(4巻途中、というのはそういうことなんです。早く読まなきゃ)

今回はこの辺りで。

 

さて次回は・・・。この連休はちょっと何かと立て込んでいて、何ができるか考えてみましょう。この続きで、いわゆる敵性艦船の話もいくつかできるかも。

もちろん、もし「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

 

併せて模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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