相州の、1:1250 Scale の艦船模型ブログ 主力艦の変遷を追って

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

コレクターの日常:架空艦「Flugzeugkreuzer A IIa ; カール・フォン・ミュラー」投稿後の追加情報あり

前回、おそらく今回はこのところ筆者の大関心事であるドイツ海軍Z計画で開発予定だった「H級」戦艦の「H44型」(排水量:13万トン強の巨大戦艦)のモデルが手元にと届いている頃だと思うのでそのご紹介を、と予告していたのですが、いまだに手元に到着していません。

ドイツの発送元から「ウクライナ情勢で迂回の輸送ルートになるらしいから、ちょっと時間がかかるかも」と言われていた通りになっているようです。

これは待つしかない、ということですので、今回はこのところの未成艦(架空艦?)への気持ちの高まりから、長らく手をつけていなかったドイツ海軍の航空巡洋艦のモデルを仕上げましたので、そちらをご紹介しておきます。

 

航空巡洋艦Flugzeugkreuzer A IIa ; カール・フォン・ミュラー

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(「A IIa型」航空巡洋艦の概観:199mm in 1:1250 by C.O.B. Constructs and Miniatures:艦橋部と主砲塔をストック・パーツに置き換えています。右舷側舷側に煙突が見えています。この右舷側の煙突を写したかったので、珍しく右舷側からの写真になっています)

同艦については、実は筆者は計画が存在したという証左を見出せていません。今のところWorld of Warshipというゲームに関連したフォーラムで、いくつか話材を見出せているのみです。

What if Izumo was built like this - General Discussions - World of Warships Official Asia Forums

ここでは図面が上がっています。

(下の図面は上記のURLより拝借しています:概ね上掲のモデルと同じように見えますが、上掲の模型よりも若干艦橋が前方に位置しているようにも見えます)

またebay.atでは1:700スケールのレジンキットが出品されており、ここではかなり詳しい設定が展開されています。

www.ebay.at

ここでは計画名が「Flugzeugkreuzer (aircraft cruiser) A IIa」として紹介されています。解説は、第二次世界大戦前に各列強海軍で同種のハイブリッド設計案については検討が盛んだった、というイントロで始まり、しかし実現したのは日本海軍の「伊勢級」のみ、としています。ドイツ海軍でも「ビスマルク」の喪失後、航空援護のない水上艦艇の脆さが露わになり、1942年ごろに「A II」「A III」「A IV」の各設計案が提示され、そのヴァリエーションがこの「A IIa」だ、としています。

「A IIa」は55口径28センチ砲を主砲として三連装砲塔2基に納め、副砲として15センチ単装砲を片舷3基、ケースメート形式で搭載しています。さらに10.5センチ連装高角砲8基も搭載し、かなり強力な火力を有していました。

(「A IIa型」航空巡洋艦の細部:55口径28センチ主砲塔(上段)とケースメート形式で搭載されている15センチ副砲+高角砲(中段))

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搭載機

搭載機についてはMe109T艦上戦闘機(いわゆるメッサーシュミット艦上戦闘機版)9機とJ87T艦上爆撃機(こちらもシュツーカを艦上爆撃機に改造したもの)12機を搭載可能だったと記述しています。見ての通り飛行甲板の前端中央に艦橋があり、発艦は艦橋両側のカタパルトから行う設計でした。

ドイツ海軍は同種の艦艇を航空機運用能力を活かした広域の通商破壊戦に投入することを想定し検討していた、という設定になっています。

日本海軍が具現化した「伊勢級」航空戦艦は喪失した機動部隊空母の補完として、空母機動部隊戦力としての運用が期待されていたようですが、同艦はその搭載機数から考慮しても、機動部隊での運用は考慮されていない、純粋な通商破壊艦だと言っていいと思います。

搭載機数は微妙ですね。通商破壊戦に投入する艦爆12機というのはさておき、航続距離の短いMe109を改造した艦上戦闘機9機というのは、どう運用するんでしょうか?

(下の写真は「A IIa型」航空巡洋艦の大きさ比較:上段から「ビスマルク級」戦艦との比較、「シャルンホルスト級」戦艦との比較(中段)、「ドイッチュラント級」装甲艦との比較(下段))f:id:fw688i:20221030100625p:image

実は筆者が調べた限りでは、同艦の排水量等についての情報を見出せていません。上の比較から類推すると、三万トン級の船であることはおそらく間違いなさそうです。同じく未成艦ではありますがより具体的な計画の残っている空母「グラーフ・ツェッペリン」が33500トンでしたので、おそらくその辺りの概要だったんじゃないでしょうか?

ja.wikipedia.org

グラーフ・ツェッペリン級」空母についてはモデルもあるのですが、少し整備が必要と考えていますので、またいずれご紹介します。

**まずは今回ご紹介した「A IIa型」について、どなたか具体的な情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非、お知らせください。

 

投稿後の追加情報

色々と調べるうちに下記のサイトを発見しました。

www.german-navy.de

排水量40000トン、ということですが、それ以上に色々なタイプがある、ということのようです。スペックをよく見ると、15センチ副砲が12門、という設定になっていて、ケースメートではなく連装砲塔なんでしょうか。

 

Shapewaysのモデル

モデルはShapewaysでいつでも購入が可能です。

www.shapeways.com

(写真はShapewaysに掲載されている同艦の1:1800スケールモデルの写真:by C.O.B. Constructs and Miniatures)

今回筆者は上掲の同社(C.O.B. Constructs and Miniatures)のモデルをベースに、主砲塔と艦橋部を手元のストック・パーツと置き換えています(ちょっと物足りない気がしたので)。艦橋の置き換えには贅沢にもHansa製のポケット戦艦「アドミラル・シェーア」の艦橋部が流用されています。あとはモデルのモールドでは副砲がケースメートだけで砲身がモールドされていなかったので、砲身をプラロッドで足している程度です。

 

「カール・フォン・ミュラー」という艦名

本稿をご覧になるような方ならばおそらく多くの方がご存知でしょうが、艦名は第一次世界大戦で通商破壊戦で名を馳せた巡洋艦「エムデン」の艦長カール・フォン・ミュラー少佐にあやかっています。 

en.wikipedia.org 

こちらもおすすめ。

www.amazon.co.jp

この「エムデン」の活躍を語り出すと随分な長文になってしまいそうなので、今回は控えますが、是非、上掲の書籍など、お楽しみいただければ、と。でも、あらら、古い文庫なのですが、結構いい値段になっていますね。

 

Grossflugzeukreuzer A III (「アトランティカ級」航空戦艦 のち航空母艦

Shapewaysからは同艦の拡大型ともいうべき「A III」デザインのモデルも購入することができます。

同艦は仮想戦記小説「レッドサン・ブラッククロス」にも登場していて、排水量70000トン余りの大きな船体を持ち33ノット超の高速を発揮することができました。武装は28センチ三連装砲2基(2番艦は設計の見直しが入り28センチ四連装砲塔1基)を主砲として、28機(2番艦は50機)の航空機を搭載するという設定で登場しています。しかし、戦力としては火力、航空機の搭載能力、いずれお中途半端で、実戦での戦力化に難があるとして、結局、主砲をおろし全通甲板、搭載機62機の正規空母に改造された、という設定になっています

(上図は佐藤大輔著「レッドサンブラッククロス(中公ノベルズ版第2巻掲載)より拝借しています.。下は「アトランティカ」のアップ)

www.shapeways.com

いずれは作ってみたいですね。主砲塔と艦橋は何か手を入れたいですね。

3D printing modelは柔らかな樹脂製(今回の上掲の「A IIa」もWhite Natural Versatile Plasticという樹脂製です)ですので、金属などに比べ比較的加工が容易です。ドイツ艦風の空母艦橋などはあまりストックパーツを筆者は持っていないので、これについては少し研究が必要です。(ああ、こうやってテーマがどんどんとっ散らかっていくんです)

でも手を入れればきっといいモデルになってくれそうです。ちょっと楽しみ。問題はいつやるか、ですが・・・。

 

というわけで今回はこの辺りで。

次回は今回予定していた「H44型」のモデルが届けばいいのですが。加えてNavis製の第一次世界大戦期のドイツ巡洋戦艦の改訂版モデルが同梱されているはずのなので、そのあたりも合わせてご紹介できればいいかな、と考えています。

 

「H44型」の到着(たった今)

・・・と書いていたら、まさに今、届きました。

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他のモデルと同梱で、結構嵩張る荷姿、です。ああ、しっかり課税されている(1900円!)。今回はちょっとだけご紹介しておきます。

(とりあえず取り出して・・・。ebay sellaer氏の通告通り、パーツをバラした状態で届きました(左下段写真)。仮組みしたらこんな感じ(上段)。13万トン級戦艦の大きさがわかるかなあ、のショット(右下段:筆者版「H41型」==68000トン、つまり「大和級」並の大きさ、との比較。とにかく1:1250スケールとしては異例の大きさです)

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ということで、幸い仮組み状態で届いたので、塗装はかえって容易かもしれません。ただし手持ちのエナメル塗料では足りないかも。少し時間をかけて塗装してゆきましょう。楽しみだなあ。

 

ちょっと妄想が風くらんで

このモデル、想像以上に「異例」の大きさです。置き場所から考えねば。あわせて同種の規模の船、やはり作りたいですよね。

ということで、ストックをゴソゴソ。「見つけた!」というわけではないのですが、1:1000スケールの「大和級」戦艦の未組み立てのモデル(グンゼ産業製)を引っ張り出してきました。(下の写真:シルバーがグンゼ産業製の1:1000「大和級

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1:1000スケールですので、「スケール違い」という理由で長らくストックの奥の方に眠っていたのですが、これをベースに「日本海軍も10万トン超えの大戦艦を建造」のような、まさに「仮想戦記」に出てきそうな船を作ってみようかな、などと、妄想が膨らんできています。

ああ、「レッドサンブラッククロス」なんて読み返すんじゃなかったかも。影響が出てきているかもしれません。もっとも同書に登場する日本海軍の「播磨級」巨大戦艦は21万トン、51センチ主砲3連装砲塔4基搭載のお化けですが。まあ写真をベースにするとそこまで大きなものにはならないでしょう。まあ、いずれにせよこちらはかなり先のお話ですね。

・・・・と、妄想はキリがないので、この辺で。筆者の興奮が少しでも伝わっていれば幸いです。

 

少しご紹介を急いだのは、次の週末にはちょっとした行事があって、多分、一回スキップするから。それまでに塗装などは間に合いそうもないし。

それにしても「H44型」でこの大きさだとすると、「H45型」はやはりちょっと考えものですね。あまりにも現実感がない、というか。どうしましょうかね。

 

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もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

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