相州の、1:1250スケール艦船模型ブログ 主力艦の変遷を追って

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

補遺:日本海軍巡洋艦開発小史(その4) 「青葉級:竣工時」の制作

GW中、皆さん、いかがお過ごしでしたか?まあ、大変なことになったもんです。

私の場合、今年はどこへも行きませんので、暇に任せて、今回はちょっとした「アップデート・ネタ」です。 今回はそう言うミニ・ストーリー。

 

スタートは、小さな「引っ掛かり」

本稿で「日本海巡洋艦開発小史(その4)平賀デザインの巡洋艦」を執筆した際に、実は小さな「引っ掛かり」が生まれていました。そう言えば「青葉級重巡洋艦」の竣工時について、何もモデルを準備していないぞ、と・・・。

 

前級の「古鷹級」については、その竣工時について、ご紹介したようにTrident社から優れたモデルが市販されているのですが、「青葉級」については、私の知る限りはモ竣工時のデルが市販されていません。まあ、「古鷹級」については竣工時の単装砲架を搭載したモデルと、その後の連装砲塔装備のような、外観にわかりやすい大きな変化が伴うので、双方のモデルをコレクションしたくなる需要が高いのでしょうが、確かに「青葉級」については、変更点が(どちらかと言えば)地味です。ですので、どこもモデルを出していない、のでしょうかね?(「古鷹級」については、前出のTrident社以外にも、日本の艦船模型メーカーである小西製作所(「妙高級:竣工時のモデルはこの会社のものです)からも、1:1250スケールで模型が発売されています。

 

やっぱり作っちゃおう 

最初は「小さな引っ掛かり」だったのですが、本稿前回「妙高級」の竣工時のモデルについてコメントを記述している際に、その引っ掛かりが無視できなくなてきました。あれれ、「青葉級」の竣工時と改装後の差異とそれほど変わらないのに、「妙高級」はちゃんと竣工時のモデルがあるじゃないか、と言うわけです。(ある種の病気か?)

特に「青葉級」重巡洋艦は、私が日本海軍の巡洋艦の中で、最も好きなクラスであるだけに、次第にこの「引っ掛かり」が放って置けなくなりました。

「では」と言うことで、本稿の方針の「常」として、「作ってみようか」と。幸か不幸か、今年のGWは家にいなきゃならないし、と言うわけです。

 

ベースとなるモデル選定

早速、ベースとなるモデル選び。これは以下のいくつかの条件を満たすモデルから選ぶことになります。

①複数の同型モデルを既にストックしているか?:潰してしまっても、コレクションに穴が開く事はないか?

②補充は比較的容易なモデルか?:万一、失敗しても再トライができるかどうか?今回のように一旦気になると、穴を開けたまま放置しておく事は、かなり辛いことです(わかってもらえるかなあ?もらえますよね?)。

③加工が比較的容易なモデルか?:気持ちに技術がついていくか、と言うことですね。(皆さんの厳しい目には叶わなくても、せめて自分が我慢できる程度の仕上がりにはしたいので)

 

と言うことで、今回はTrident社の「古鷹級:竣工時」のモデルをベースに選択することにします。上記のいずれの条件も、一応満たしていることと、さらに船体内に装備された魚雷発射管がモールドされているから、と言うのがその主たる理由です。加えて、これは条件の②とも通じるのですが、Trident社製のモデルは比較的安価で入手できる、と言う点も大きなポイントでした。(既に補充のモデルは、中古モデルを扱う海外の業者さんに発注済み!)

 

竣工時「青葉級』(らしきもの)の製作

以下が、制作した「竣工時:青葉級」です。

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手順は以下のとおりです。

①単装砲架形式の主砲を全て撤去。ダイキャスト製のモデルですので、撤去後をできるだけ平に見えるように、ヤスリがけして整えます。

②Neptune社製の「古鷹級」から主砲塔を移植します。その際に、1番・3番砲塔の下の主砲塔リンクと、2番砲塔の台座とリンクをストックのジャンクパーツからセレクトして接着します。

③もうひとつ、「青葉級」の設計時点での大きな特徴である、航空艤装について、2番煙突の後方に水上偵察機の格納庫を設置(これは、Delphin社の「足柄級」重巡洋艦から、同様のパーツを拝借しています)。

④高角砲の換装。「古鷹級」は8センチ単装高角砲を4門搭載していましたが、「青葉級」では竣工時から口径を一つあげた12センチ単装高角砲を搭載しています。ですので、ベースモデルでは煙突脇に搭載されている8センチ高角砲を撤去して、ジャンクパーツから12センチ単装高角砲に見えそうな部品(今回は1:700の模型の武装セットから、それらしい部品を選んで使用しています)を接着しました。

⑤最後に、塗装。「古鷹級」よりもちょっと明るめの塗装で仕上げました。

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(直上の写真は、今回製作した「青葉級」の特徴にクローズアップして示したもの。連装主砲塔(上段)、単装12センチ高角砲(中段)、航空艤装(下段)。舷側には「古鷹級」と同様に船体内に装備された魚雷発射管の射出口が見えています。これはTrident社製モデルのモールドをそのまま生かしています)

 

「古鷹級:竣工時」と「青葉級:竣工時」の比較

(結局、毎回こう言うことがやりたいだけ、なんですよね)

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(直上の写真は、いずれも竣工時の「古鷹級」(上段)と「青葉級」(下段:今回製作したもの)を比較したもの。主砲装備の差異がやはり目立った特徴ですが、艦後方の航空艤装も大きく異なっています。ベースは同じモデルですので、全体的な外観は似通っているかも。実際には、艦橋構造と煙突の形態がもっと異なっていたようですが・・・)

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(直上の写真は、いずれも竣工時の「古鷹級」(上段)と「青葉級」(下段:今回製作したもの)を、更に少し細部に寄って比較したもの。左列では、単装高角砲の差異を、右列では水上偵察機の運用方法の差異を示しています)

 

上の写真に関連して、少し水上偵察機の運用の違いについてコメントを。

「古鷹級」の竣工時、水上偵察機は4番砲架上に続き延長された滑走台から発艦させる形式(写真:右上段)を取っていましたが、「青葉級」では設計段階から水上偵察機を新開発のカタパルトにより射出することとし、運用改善を図る予定でした。この為、水上偵察機の格納庫と3番主砲塔の間には、カタパルト設置場所が予定されていました。しかし、カタパルトの開発が竣工に間に合わず、止むを得ず、竣工時には水上偵察機をデリックで海面に下ろして発艦する運用方式が取られました(写真:右下段)。

このカタパルト、本級竣工から2、3年後に同級の僚艦(「衣笠」「青葉」)に搭載されています。

 

と言うことで、今回はここまで。

本稿「日本海巡洋艦開発小史(その4)平賀デザインの巡洋艦」の方も、順次、改稿しておきます。

 

引き続き、模型に関するご質問等は、大歓迎です。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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