相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

再掲編集版:3Dプリンティングモデル雑感:「たかつき級」護衛艦の製作・FRAM改装形態さらに架空艦への派生

今回は予告通り本業が立て込んでいます。ですので再掲編集版でお茶を濁します。

今回取り上げるのは、3Dプリンティングモデルの雑感。 

Shapewaysの隆盛に伴い、実に多くの1:1250スケールの 3Dプリンティングモデルが世に送り出されました。正直なところ、ディテイルの再現については既存のメタル製のモデルに対し大きく後塵を配している、というのが筆者の評価なのですが、それは転じて「手の入れようがある」ということでもあるわけです。

これは筆者にとっては大いに楽しみが増える、ということでもあり、一時期、多くのモデルを入手していた時期がありました。

 

今回の投稿は、その最盛期の投稿の編集版です。(2019年12月投稿をコアに大幅改稿)

 

本稿では3Dプリンティングモデルの2種類の素材例として、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦を紹介しました。

下の写真は、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦のモデルを、White Natural Versataile Plastic :WNV(1枚目の写真)と Smooth Fine Detail Plastic :SFD(2枚目の写真)の二種類の素材で出力してもらった例です。

White Natural Versataile Plastic:WNVで出力した例

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Smooth Fine Detail Plastic:SFDで出力した例

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取り上げた二つの素材、White Natural Versataile Plastic:WNVと Smooth Fine Detail Plastic:SFDの仕上がりの優劣については、「雑感のその2」で中国艦を例としてご説明しました。

 

その中で、仕上がり以外の素材選びのポイントとして、加工素材としての適性を合わせてご紹介しました。

「たかつき」級護衛艦のモデルストックは、すでに「たかつき」級の護衛艦の模型はHai社製のものがありましたので、いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです。その際には切ったり、削ったりが必要になるのですが、加工の種類によっては、White Natural Versataile Plasticの方が粘性が強く、切断等の作業には適性が高いかもしれません。一方で、Smooth Fine Detail Plasticは、硬度が高く、研磨等の作業には適性が高いかもしれません。

・・・なんて書いちゃったものだから、気になって、結局、前々回以降、チマチマと工作して、とりあえずストックしていた4隻(実際にはFRAM改装後のモデルとして、1隻は製作済みだったので残りの3隻)を仕上げちゃった、と言うのが、今回のお題です。

 

それぞれのモデルはそれぞれこちら(↓)でお求めになれます。 (今はお求めになれません)

www.shapeways.com

Takatsuki-class destroyer, 1/1250 (PCPXYBRAY) by Nomadier

www.shapeways.com

 

今なんとか入手する方法がないかと探しているのですが、筆者には見出せていません。

 

「たかつき級」護衛艦については、すでに本稿でご紹介済みですので、気になる方はそちらを読んでみてください。

fw688i.hatenablog.com

一応、さらっと要点のみ再録しておきます。

DDA「たかつき級」護衛艦 (就役:1967-2003: 同型艦4隻)

ja.wikipedia.org

Takatsuki-class destroyer - Wikipedia

第2次防衛力整備計画で、対潜任務に重点を置いたDDK「やまぐも級」護衛艦とのハイ・ロー・ミックス構成の構想の下、有力な対空・対潜戦闘能力を持つ多目的護衛艦(DDA)として4隻が建造されました。

 

DD-167「ながつき」(就役:1970-1996)

(106mm in 1:1250  Hai製モデルをベースに主砲塔のみSNAFU store製のWeapopn setに換装:写真は就役時の姿をとどめたままの4番艦DD-167「ながつき」)

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船型は当時、海上自衛隊の標準となってきた感のある遮浪甲板型を採用し、主機には蒸気タービンを搭載し、32ノットの速力を得ることができました。 

一時期ベストセラーとなったMk.42 54口径5インチ単装速射砲2基で広範囲の対空戦闘力を保持し、加えてボフォース対潜ロケットランチャーとアスロック、対潜短魚雷、さらにはDASH(無人対潜ヘリコプター)搭載、と非常に充実した対潜戦闘能力を誇る有力な汎用護衛艦でした。

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(写真は「ながつき」の主要兵装の配置拡大:艦首のボフォース対潜ロケットランチャー、5インチ単装砲、アスロックランチャー(写真上段)、対潜短魚雷発射管、5インチ砲、DASH格納庫と運用甲板)

写真の同級4番艦「ながつき」はFRAM改装が行われず、概観は就役時の姿をほぼそのまま残していました。

 

FRAM改装(1980年頃)

上述のように、就役時には本級は非常に有力な戦力であったわけですが、ミサイル化の流れの中で装備には陳腐化が目立つようになりました。一方で、急速な新戦力整備にも限界があるため、FRAM(艦隊再建近代化計画)の名の下に、同級の「たかつき」「きくづき」に対して大規模な改装が行われ、当時新鋭の「はつゆき級」と同等の戦力化が目論まれました。具体的な内容としては、艦尾部の5インチ砲、併せて艦尾部にスペースを取っていたDASH関連装備を撤去し、短SAM(シースパロー)、ハープーン艦対艦ミサイル、20mmCIWS、および種々の電子装備の換装、追加などが行われ、8年程度の艦齢延長が目指されたわけです。

 

DD-164「たかつき」(就役:1967-2002)

多目的護衛艦「たかつき」級のネームシップ。強力な54口径5インチ砲を2基装備し、ミサイル護衛艦の防空機能を補完する役割をになっていました。装備近代化のFRAM改装後の姿。艦後部にCIWSを装備していますが、実際にはCIWSは「きくづき」のみ装備し、「たかつき」は装備しませんでした。

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(上の写真はFRAM改装後の「たかつき」の概観:下の写真ははFRAM改装後の「たかつき」の主要兵装配置:級。Amature Wargame Figuresの3Dモデルをベースに、武装をSNAFU store製のWeapopn setから転用:艦首部の対潜ロケットランチャー、5インチ砲、アスロック(写真上段)、対潜短魚雷発射管、ハープーン発射筒、CIWS:実際には未装備でした、シースパロー発射機の順)

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DD-165「きくづき」(就役:1968-2003)

多目的護衛艦「たかつき」級の2番艦。装備近代化のFRAM改装後の姿。後部主砲と、Dash格納庫を撤去して、対艦ミサイル、シースパロー、CIWSなどを搭載し、ミサイル化対応を促進し、艦齢延長が図られました。ヘリコプターの搭載能力を除けば、ほぼ「はつゆき」級汎用護衛艦に匹敵する戦力に。

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(上の写真はFRAM改装後の「きくづき」の概観:「きくづき」はCIWSを装備していました)

DD-165「きくづき」のFRAM改装後のモデル制作

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上掲はWNV素材で出力されたFRAM改装後を再現したモデルです。

少しディテイルアップを図るために、WNV素材モデルのいくつかのパーツを切断。艦前部から順に、主砲塔、アスロックランチャー、前部マスト、CIWS、シースパロー発射機、これらを一旦切断し、Ftoys製の現用艦船コレクションから、各パーツを転用し、ペタペタと貼っていきます。

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こう言う比較的大掛かりなパーツの撤去と置き換えには、粘性の強いWNVは安心して切断などできるので、適性が高いかもしれません。この後、サッと下地塗装をして、仕上げ塗装を行います。

最後に艦首に艦番号のデカールを貼って、艶消しコーティングをさっと行って出来上がりです。

 

DD-166「もちづき」(実艦の就役:1969-1999)

多目的護衛艦「たかつき」級の3番艦。本級の3番艦DD-166「もちづき」、4番艦DD-167「ながつき」には、FRAM改装は行われませんでした。

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(上の写真は「もちづき」の概観:就役時の姿、装備等は「ながつき」と同じでした)

竣工時の状態のモデル(FRAM改装なし)をもう一隻

WNV素材の就役時のモデルから主要兵装のパーツ(主砲塔2基とアスロックランチャー)と、マスト上部等をFtoys製のパーツに置き換えた後、さっと下地処理を済ませた状態。艦中央に白いパーツが見えるのは、短魚雷発射管をロッドで作成したものです。

このあと塗装を行い、艦番号のデカールを貼って、艶消しコーティングをおこなって仕上げています。

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このあと塗装を行い、艦番号のデカールを貼って、艶消しコーティングをおこなって仕上げています。

 

架空艦の製作へ

さて、SFD素材の竣工時モデルがもう1隻残ったけど、どうしよう?

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そうだ、そもそも、このモデルストックは「いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです」と書いてたんじゃないか。

 

と言うことで、ちょっと頭の中をゴソゴソ。

そう言えば、海上自衛隊初のDDG「あまつかぜ」の就役が 1965年。第二世代DDGの「たちかぜ」級の就役が1976年。この間、「あまつかぜ」は唯一のDDGであったわけで、ターター・システムの複数艦での運用データを得るためにも、この空白を埋めるために、1967年から就役の始まった「たかつき」級の1隻が1972年ごろ早々にDDGへ改装・転用された、と言うカバーストーリーがなんとなくいい感じなのでは?

ということで「もちづき」は、DDG-166「もちづき」として制作されることになりました。

 

DDG−166「もちづき」の制作(架空艦です)

こうして、DDG−166「もちづき」の誕生です。

SFD素材の竣工時モデルのいくつかのパーツを撤去。撤去部分は、艦首から前部主砲、アスロック・ランチャー、前部マスト上部、後部煙突上部、後部上部構造物、後部主砲。

換装、もしくは追加したパーツ:前部主砲(Ftoys)、アスロック・ランチャー(Ftoiys)、前部マスト上部(Ftoiys:「しらね」前部マストを転用)、短魚雷発射管(ロッドより製作)、ハープーン・ランチャーを追加(Ftoys)、後部煙突上部(Ftoiys:「しらね」後部煙突上部を転用)、ボートを両舷に追加(Ftoys)、イルミネーター2基を追加(Ftoys「しまかぜ」より転用)、Mk13対空ミサイル・ランチャーを追加(Ftoys「しまかぜ」より転用)、CIWSを追加(Ftoys)

下の写真は、上記の作業後、下地処理を経てざっと塗装をしてみたものです。艦中央部の白いパーツは、ロッドで製作した短魚雷発射管です。

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少し制作の裏話

当初、艦後部のイルミネーターの後方に2番主砲を残していたのですが、Mk.13ミサイル発射機とCIWSをその後ろに追加すると、2基のイルミネーターの配置に余裕がなく、併せてあまりにも艦後部が荷重になるように思われ、2番主砲の設置を断念しました。

その上で、少しイルミネーターの間隔に余裕を持たせ、Mk.13対空ミサイル発射機をDASH無人対潜攻撃ヘリコプター格納庫上に設置、DASHの運用甲板であった後甲板にCIWSを設置、と言う配置にしました。CIWSの射界を広く持たせるためにはMk13とCIWSの配置を逆に、とも考えたのですが、Mk13の下に収納されるミサイル弾庫を考慮すると、この順序が良いのではないかと言う結論です。なんとなく、DASHの格納庫をそのままに、と言う状況も活かせたような気もしています。

 

DDG-166「もちづき」(想定される就役期間:1972-2005)

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(上の写真はDDG仕様への改装後の「もちづき」の概観(架空艦です):下の写真ははDDG改装後の「もちづき」の主要兵装配置:艦首部の対潜ロケットランチャー、5インチ砲、アスロック(写真上段)、対潜短魚雷発射管、ハープーン発射筒、Mk.13大層ミサイル発射機、CIWSの順)

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直下の写真では僚艦「あまつかぜ」と共に。

上記のカバーストーリーでは、DDG「もちづき」は「あまつかぜ」と組んで活躍することになります。

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さらに下の写真では、第二世代DDGの「たちかぜ」級と共に行動する機会もあるかもしれませんね。

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さて、どちらのクラスと護衛隊を組んでも、いくつもカバーストーリーが書けそうな・・・。

実は上の「たちかぜ級」との写真で登場している艦にはDD-162の艦番号が見えているかと思います。実はこれは小説「亡国のイージス」に登場する「たちかぜ級」4番艦「うらかぜ」という架空艦です(「たちかぜ級」はDD-168から170の3隻しか実在しません)。「うらかぜ」は本来は「亡国のイージス」の主役であるイージスシステム搭載への改装を受けたこちらも架空艦である「いそかぜ」(「はたかぜ級」3番艦という想定)とペアを組んで護衛隊を構成しているのですが、今回はDDGに改装を受けた「もちづき」と架空艦同士でペアを組んで登場してもらいました。

 

と言うことで今回はこの辺りで。

このところあまり模型製作の時間が取れていないので、おそらく再録の続投になると思います。このところの現行艦の続きで行くか、あるいは大好きな「偽装商船」のお話でも。

もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。

 

模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。

特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。

もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。

お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。

 

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