今回は趣をガラッと変えて航宙艦のお話です。
きっかけはガンダムシリーズの最新作GQuuuuuuX(ジークアクス)の放映開始。
最近の話題作ですので、既にご覧になっている方も多いとは思いますが(まだ観てない方には、ちょっとネタバレになるかも。お許しを)、ガンダムシリーズ初の(と言っても筆者は「1年戦争もの」と「ユニコーン」程度して観ていないので、「筆者にとっては初の」ということにしておいてください)パラレル・ワールドもの、とご紹介しておきます。最新エピソードからは単に別系統のパラレル・ワールドではなく「並行宇宙」ものとしての正統的な展開が色濃くなってきているように筆者には思えています。
実に面白い。毎エピソード、「ああ、こうくるのか」「え、そういう解釈になるのか」と実に興味深いストーリーになっています。
ある意味、これまでの「ガンダム」をご存知の方はもちろん大いに楽しめますし、初めてこちらからガンダム・ワールドに触れる方にも、一気に奥深い世界が広がるんじゃないかなあ、と意外と「入門編」としても面白いんじゃないかな、と思っています。
下はこのシリーズの先行版として劇場公開されたBeginningの予告編。(残念ながら筆者はまだ観ていません。とはいえ、重要な部分はTV放送版の中で逐次ご紹介されてゆくようです)
ここからが「艦船ブログ」としての本稿の今回の本題ですが、従来の「ガンダム」で「1年戦争」というと登場する艦船は「ホワイトベース」「ムサイ」「チベ」「サラミス」というようなところでしょうか。
筆者はこの中ではジオン軍の軽巡洋艦「ムサイ級」が大好きなのですが、「パラレル・ワールド」ということですので、やはりこれらの艦船が登場します。「ムサイ」ももちろん登場するのですが、ところがオリジナル版で筆者が慣れ親しんだ「ムサイ」とはかなり異なることに気がつきました。
ちょっと比較してみると。

上のイラストはオリジナル版というべきか、これまで筆者が慣れ親しんできた「ムサイ」
第35艦 ガンダム「ムサイ」の譜系 | アニメに見る宇宙戦艦・宇宙艦隊の研究室
に掲載されています。
そして下が「ジークアクス」で描かれている「ムサイ」
ムサイ[ファルメル] | MECHA | 機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト
から。

オリジナルの流線形の優美な船体から一転してトラス構造やパイプ(?)類が露出している形状として表現されています。刷り込みというのは恐ろしいもので、アニメでのエピソードを見ていた際には、登場した「ムサイ」がこのようなデザインになっているとは、実は筆者は全く気がついていませんでした。
エピソードの話をしていた際に「それにしても今回の「ムサイ」はいいよなあ」とガンダムファンの友人に言われて初めて気がついた次第です。
メカ好きなファン(筆者の友人にもいるのですが)には堪らないようです。「なんであんなに無骨にしちゃうんだ・・・」と筆者がこぼすと「熱伝達系統とか動力経路がよくわかっていいよね。しかもメガ粒子砲の砲塔はあのパイプさえなければ縦回転もできる設定になるのに。「ムサイ」の主砲は死角が多いと言われていたから、改造タイプじゃないかな」と蘊蓄が止まりません。
「あれあれ、マニアというのは・・・」お前がいうな、ということなんですが。
が筆者はやはりオリジナルデザイン推しですね。
改めてまとめておくと、「ムサイ級」軽巡洋艦は史上初めてモビルスーツの運用を前提に設計された軽巡洋艦とされています。1年戦争期に量産され、モビルスーツ運用能力も合わせて、ジオン公国軍の主力を構成していました。

(ジオン公国軍「ムサイ級:軽巡洋艦の概観:160mm in 1:1200 by Bandai??? 公開されている公称情報では同級の全長は234mですので、1:1200スケールでは195mmであるべきなのですが・・・実測値では 1:1463スケールと言うことになります。一方、大河原邦男・松崎健一監修、『ファンタスティックコレクション・スペシャル 機動戦士ガンダム・マニュアル』朝日ソノラマ、1981年3月、では197mと言うスペックも公開されており、サイズ的にはこちらが近い気もします)
2基の熱核融合推進器を備え、連装メガ粒子砲を3基、大型の対艦・対地上ミサイル発射筒2基、小型ミサイル発射筒10基を主要兵装としています。艦橋下の格納庫に4機のモビルスーツを搭載し運用することができます。
モビルスーツの運用を前提としながらも「ムサイ級」には近接防御用の火器は搭載されておらず、モビルスーツ戦における同級の大きな欠点となりました。また主要兵装を前部に集中したためこれらの兵装には死角が多く、これらも課題とされていました。

(「ムサイ級:の主要兵装の拡大:上段ではメガ粒子砲とミサイル発射筒:下段左では艦橋下のモビルスーツ発進扉:下段右では大気圏降下用の「コムサイ」。モビルスーツ2機を収納して地表に降下できました)
さらに「ムサイ級」軽巡洋艦自体には大気圏への降下能力はありませんでしたが、艦首部に降下用のカプセル「コムサイ」を搭載していました。「コムサイ」にはモビルスーツ2機を収容でき、地球への降下作戦以降のモビルスーツの地球での運用も想定されていました。
そのヴァリエーション
「ムサイ級」軽巡洋艦にはいくつかのヴァリエーションがあることが知られています。
通常型「ムサイ」

「ムサイ級」軽巡洋艦就役時の基本設計です。
(モデルはメガハウス社から販売されている(されていた?)コスモフリートコレクションから:このコレクションはアニメに登場する宇宙艦をコレクションする目的でラインナップされています。コレクター心は大いにくすぐられます。難点はノンスケールだと言うところ。モデル間の比較が難しいのです。
「ムサイ」は全長72mmのモデルですので、1:3250スケールと言うところです。おそらく上掲のバンダイ製「ムサイ」をベースとした解釈だと思われますので、ヴァリエーション等を考察するベースとしては最適かと。入手はそれほど難しくはありませんが、オークション等ではかなり高価で取引されています)
「指揮官用ムサイ」

「ムサイ級」軽巡洋艦は、1年戦争時には、その搭載するモビルスーツによる索敵・侵攻作戦を実行すべく、時として3−4隻の小編成での戦闘群を構成して運用されることがありました。このモビルスーツ部隊の指揮官用の作戦支援施設を搭載したタイプがこの「指揮官用ムサイ」と呼ばれるタイプです。基本設計は同じですが、操艦ブリッジの上部にモビルスーツ部隊指揮官用の作戦指揮・支援施設が増設されているため、艦橋形状が異なっていました。
1年戦争緒戦の著名なエースパイロットに率いられた小艦隊の「指揮官用ムサイ」は指揮官の名前から「シャア専用ムサイ」と呼称されていたことは有名です。
ちなみにこうした小戦闘群はモビルスーツ部隊指揮官が率いることが通例(?)で、「ムサイ級」軽巡洋艦の艦長は通常「大尉」でしたが、モビルスーツ部隊指揮官はそれより上級職の「佐官」であることが多かったようです。
(モデルはメガハウス社から販売されている(されていた?)コスモフリートコレクションから)
後期簡易量産型「ムサイ」

量産性を高めるため、連装メガ粒子砲塔を3基から2基に減らしたタイプです。モビルスーツ戦が戦闘の主流となり、主砲への依存度が下がったこと、併せてモビルスーツへの補充品の搭載量などを増やす効果もありました。一部には同級の弱点だった近接防御火器を搭載したタイプも建造されたようです。
(モデルはメガハウス社から販売されている(されていた?)コスモフリートコレクションの「ムサイ」に手を入れたもの。単に最上部の砲塔を撤去してエポキシパテで整形しています)
「ムサイ級」軽巡洋艦のヴァリエーション

(「ムサイ級」のヴァリエーション:右から通常型「ムサイ」、「指揮官用ムサイ」、「後期簡易量産型「ムサイ」の順)
スケールモデルの観点からの考察
本稿は一応、1:1250スケール艦船モデルのブログですので、以下ではそれらしい一枚の写真と、それにまつわるお話を。
下の写真では今回ご紹介したバンダイ製1:1200スケールの「ムサイ級」とNeptun製1:1250スケールの「大和」を並べたものです。前述のように「ムサイ級」自体には地球への降下能力はありませんので、このような情景はあり得ないのですが、両者がかなり近しい大きさであることがわかっていただけるかと思います。

スケールをめぐる余談
上記のようにややこのモデルでの1:1200スケールは怪しい、と言わざるを得ません。もしかすると原型製作者が見たのは上述の朝日ソノラマ版の方だったのかも(こちらはあの大河原氏が監修されていますので、メカのデザイン、と言うことでもあり、こちらの方に準拠されていても理解できます)。こちらでは全長197mと言うデータが出てきますので、スケール的には160mmに近いものになってきます。
話がそれましたが、元に戻して通説の全長234mだとすれば、このモデルはあと35mmほど長くなくてはなりません。
スケールへの疑念は少しおいておきましょう
スケールの話を頭に置きながら、つまり「きっともっと長いんだなあ」と思いながら見てみると、ふと頭に「?」が。
ということは「ムサイ」と「宇宙戦艦ヤマト」は、ほぼ同じ大きさなんだろうか?
かたや木星系領域までを舞台として熱核融合推進を主要なエネルギー源として描かれる世界観、2045年のスペースコロニー建造開始を宇宙世紀0年として展開します。件の「1年戦争」は宇宙世紀0079年から0080年にかけて戦われました(西暦で言うと2124年から2125年ですね。ちょうど100年後!)。
もう一方は2199年にもたらされた外来の技術により、ワープ航法を可能にする波動エンジンを手にした地球人が種の存亡をかけた往復30万光年の航海を行うという物語が描かれています。
それぞれの設定等には何の疑問もあるはずもなく、好みのレベルは異なりますが(筆者は圧倒的にガンダム派なのです)それぞれに素晴らしい作品だと考えています。
では「?」はどこに?
それは「ヤマト」の艦載機はどこに搭載されていたのか?
この疑問の原点は上のように両者を比較するまでは、筆者が勝手に圧倒的に「ヤマト」が大きい、と思い込んでいた、と言うところにあります。
「ヤマト」は単艦でイスカンダル星系への往復30万光年の旅に出るわけですが、相当数の艦載機(コスモ・ゼロ、コスモ・タイガー等々)を搭載し最初の航海では「ガミラス帝国」の機動部隊と戦うのです。搭載機数は作品が進むにつれ増えているように思われ、シーンによっては50機程度の護衛機が描かれているシーンもあるようです。
実艦では主砲の射撃時の爆風による損壊を避けるために搭載機は船内に格納される形式をとっていました。水上偵察機7機を収納する格納庫が上甲板下に二層に分かれて設置されていたとされています。さらに同艦は内火艇等も同様に主砲発射時の爆風からの損壊を避けるために艦内に収容する形式をとっていました。これらのスペースを全て収納に充て、仮に搭載する小型の宇宙戦闘艇が第二次世界大戦時の航空機程度の大きさだったとして、15機程度が限界ではないでしょうか?
乗員は3300人から114人へと大幅な省力化がかない居住区画は大幅に縮小できそうですが、船体中央には艦首の波動砲と艦尾の推進機構を貫く波動エンジンを中心とした軸が通っているはずですので、やはり50機の艦載機搭載、と言うのはやや無理がありそうですね。
プロダクション側に設定では実在の戦艦をベースに置いているので最大で300メートルを超えないと言う設定があったようです(実艦は263メートル)。
波動エンジン技術には亜空間ストレージ生成も含まれている、とでもしておきましょうかね。
と、最後は少し与太話の類いになってしまった感はありますが、今回はこの辺りで。
次回はこれまで何度かプランだけ出ているのですが、八八艦隊計画のこれまでの投稿記載の統合を試みてみようかと。しかし実のところは未定です。(「ジークアクス」関連で強襲揚陸艦「ソドン」の製作を試みてみゆかな、などと考え手持ちのコスモフリート・コレクションのモデルの改造など考えてみていますので、そちらもいずれは・・・)
もちろん、もし、「こんな企画できるか?」のようなアイディアがあれば、是非、お知らせください。
模型に関するご質問等は、いつでも大歓迎です。
特に「if艦」のアイディアなど、大歓迎です。作れるかどうかは保証しませんが。併せて「if艦」については、皆さんのストーリー案などお聞かせいただくと、もしかすると関連する艦船模型なども交えてご紹介できるかも。
もちろん本稿でとりあげた艦船模型以外のことでも、大歓迎です。
お気軽にお問い合わせ、修正情報、追加情報などお知らせください。
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