相州の、1:1250スケール艦船模型ブログ 主力艦の変遷を追って

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

何故か、「スカイ・クロラ」!!(おいおい、海自 やるんじゃなかったっけ?)

突然の「スカイ・クロラ

完全に予告を裏切って、今回は本稿の本筋とはなんの脈略もなく、突然「スカイ・クロラ」です。

前回予告していた「海上自衛隊護衛艦開発史のシリーズ」は準備、ほぼ完了(後は写真を揃えるなど)しています。が、今回は見送りです。ですので今回は艦船模型は一切出てきません。1:1250スケールの話ですらありません。平にご容赦ください。

 

何がきっかけだったか、実は自分でも失念しているのですが(あるいは理由などなかったのかも知れませんが)、最近、「スカイ・クロラ」にはまっています。(なんで今更?とは自分でも思うのですが、DVDを引っ張り出してきて映画を見て、通勤途上は電車の中で川井憲次さんのサウンドトラックを聴き、森博嗣さんの小説をポツポツ読みながら・・・。さらに時々は、通勤途上にNetFlixで映画版を見たりと、結構、ドップリ浸る日々です)

 

スカイ・クロラ」って何だ、という方は、まず、この動画を。映画版「スカイ・クロラ」の冒頭4分40秒!

www.youtube.com

 で、もし、「少し興味が持てそう」だったら、こちらを。(但し、ハマっても知りませんのでご用心を)

 

スカイ・クロラシリーズ - Wikipedia

原作は森博嗣さんの小説(群)。ここでは、民間軍事会社が戦争を請け負い、一般市民は戦火に見舞われることもなく、それでもスポーツゲームを見るように、少し戦争の行方を気にしている、というような世界が描かれています。

戦闘機のパイロットは「キルドレ」と呼ばれる成長も老化もない「子供」達で、彼らが架空の戦闘機、爆撃機を操って戦闘を行ってゆきます。登場する航空機は、すべてレシプロ機で、実際には主流にならなかった推進型(プッシャー型)の航空機も多数登場します。

一連の小説は、2001年ごろから刊行され、それをベースに、押井守さんが2008年に映画を製作。以降、ゲームなどマルチでの展開がされているシリーズです。映画化からもう10年以上も経っているんですね。改めて、自分でも「何故、今更?」です。

 

小説などの文字情報では、私のような人間には、架空の機体などはなかなかイメージしにくいのですが、押井守という偉大な監督によって映像化と同時に架空の戦闘機もヴィジュアル化されました。(凄い!)

私の「押井守監督作品」との出会いはやや遅く、劇場版「パトレイバー2」だったと記憶します。映画は好きだったのですが、「アニメ映画」を観に行こうとは発想がなく、しかしこの映画によって「目からウロコ」状態になりました。でも、もうそれも30年前?

パトレイバー2についてはこちら

ja.wikipedia.org

 

映画冒頭の6分:はまっても知〜らない!

www.youtube.com

 

スカイ・クロラに戻りましょう。

映像化された機体の素晴らしさをお見せするために、空戦と飛行シーンの動画をもう一つ。

www.youtube.com

 普通はここでゲームで操縦、というところへ行くのでしょうか?(私の場合にはいきませんが)

 

「散香」という機体

f:id:fw688i:20190908154651j:plain

で、映画を改めて観て、映画で描かれる「散香」という機体が何とも言えず「良い」。「散香」と言うのは主人公が搭乗する戦闘機なのですが、これが推進式のエンテ型戦闘機なのです。(と、ここまで読んで「アレ」と思われた方は、相当にありがたい読者の方です。本稿で、ほぼ唯一登場した「艦船」以外の模型が、この推進式エンテ型戦闘機「震電」でした。おお、何となく全くの無関係な話ではなさそうだ!!!)

fw688i.hatenablog.com

 

そして、そこがモデラー・コレクターとしての「卑しい」ところだと思うんですが、「そういえば「散香」の1:144のキットがあったはず」と引き出しの奥からごそごそ引っ張り出してきて、ほぼ10年の放置を顧みず作成したのが、下の写真のキットでした。

f:id:fw688i:20190908142703j:image

(プラッツ社製 1:144  散香マークB  翼端長約60ミリ レジン製の機体とホワイトメタル製の足回り、二重反転プロペラ等の、いわゆるハイブリッドモデル。塗装は私のオリジナル塗装です)

 

直下は、私の大好きな「震電」との大きさ比較。同じく1:144スケールで、同じ推進式エンテ型の機体を持つ二種ですが、大きさには大差が。「散香」が、随分シャープな機体であることが一目瞭然です。あわせてこの角度で見ると、「散香」の二重反転プロペラもよくわかります。こう言う発見は、ちょっと嬉しいですね。

f:id:fw688i:20190908142836j:image

( と、ここまで書いてきて、どうして「スカイ・クロラ」だったのか、何となく思い出してきたような。「震電」を紹介して、「そう言えば震電(のような機体)が飛んでた映画があったな」と「スカイ・クロラ」に行き着いたのだった。繋がってきた!「要は、上の写真のようなことがやってみたかったんでしょう?」はい、多分、その通りです)

 

「スカイリィ  J2」の製作

「スカイリィ J2」は、主人公の所属する民間軍事企業ロストック社に敵対するラウテルン社の絶対的エース「ティーチャー 」の操縦する、化け物のような機体として登場します。「ヤツに空で出会ったら、戻ってこれない、ということだ」というような・・・。映画はティーチャーが「散香」を二機葬るシーンから始まります。(前述の動画でも、そのシーンはご覧いただけるはずです)

f:id:fw688i:20190908152309j:plain

 

www.youtube.com

長いノーズと、機種の二重反転プロペラと同軸のモーターカノンが、嫌でも記憶に残る機体です。それと排気タービン過給器(ターボ・スーパーチャージャー)のなんとも言えないエンジンの吹き上がり音が、悪魔的な印象を際立たせます。

とにかくスクリーンで、この敵役は圧倒的な存在感を見せつけます。

 

1:144スケールでは、どこを探してもモデルも作例も見つからないので、私の常として何かをベースに「似たようなもの」を作成できないか、ということになるのですが、「ロングノーズ」というところから最初に目をつけたのが下のTa-152Hでした。

f:id:fw688i:20190908142807j:image

 これを二重反転プロペラ仕様に変更し、翼を切り詰めて整形すれば「なんとかなる」かもしれない、と・・・。あるいはFw190Dの翼部と、こちらも換装してみようか。

しかし、実は1:144スケールでは、換装用の二重反転プロペラが、全く見つかりません。

 

と言う訳で、また、ストックをごそごそ。「確かどこかに二重反転プロペラを搭載した機体のモデルが、あったはず」という訳です。

で、ようやく見つけたのが、F-toys製のキ-99高高度戦闘機(1:144)。

f:id:fw688i:20190908150623j:image

この機体は漫画家松本零士の完全な創作機体です。

まともな液冷エンジンを開発できなかった日本陸軍の開発機体ということで、空冷式エンジンを搭載している設定になっています。したがって機首のプロペラ・スピナーにエアインテイク用の大きな口が開いています。更に「スカイリィ J2」の特徴の一つでもある排気タービン過給機がちゃんと再現されています。当初、二重反転プロペラのみの転用、と思っていたのですが、このターボ・スーパーチャージャーも当然捨てがたく、結局、こちらを液冷機っぽく加工してみよう、という結論になりました。(機種のスピナーが太くなるのは、この際、目を瞑ることにします。大口径(30ミリ)の機関砲を積んでいるんだから、と言うわけです)

 

と言うわけで、キ-99をベースに作成した「スカイリィ J2」がこちら。翼の形をもう少し触りたいところですが、多分、私の手に負えるような多少の手直し程度では、感じは出ないだろうと、触らないことにします。

f:id:fw688i:20190908142720j:image 

もう少し塗装を施し、あるいは細部に手を入れたりしたいところですが、それはおいおいやる事にします。

 

液冷エンジン機に見えるように機首に単排気管を追加。機首にティーチャーの「スカイリィ J2」の黒豹マークにちょっと似た感じのマーキングを施します。エンジン部の周りにいくつかデコレーションを貼り付けます。スピナー先端の開口部がモーターカノンぽく見えるように、フラットレッドの塗装をしてみます。ラジエーターを他のモデルから移植して・・・。と言うのが直下の写真です。

f:id:fw688i:20190908142754j:image

(気が向いたら、また手を入れてみよう。できれば同じような事を、当初のTa-152Hベースでも再度挑戦してみたいなぁ)

 

これらの機体以外にも、映画「スカイ・クロラ」に登場する「染赤」と言う双発の推進式の機体なども、できれば製作してみたいのですが、こちらはそのベースに使えそうな機体すらも、今のところ見つかりません。

f:id:fw688i:20190909000528j:plain

f:id:fw688i:20190909000551j:plain

f:id:fw688i:20190909000640j:plain

f:id:fw688i:20190909000749p:plain

(直上の写真は、上から「染赤」の図面、正面、コックピット周り、後方からの各ショット。やや猫背っぽいシルエット。コクピットは随分前方に置かれています。主翼の独特な形状は、図面でないとわかりにくいですね。かなり味のある機体だと思いませんか?もし、どなたか、他のスケールでもいいので作例紹介など、情報をお持ちでしたら、是非、おしらせください)

 

ところで、これらの機体について、下記のサイトで、大変興味深い深い考察をされています。こうしたことを諸々考えながら、あるいは矛盾点に自分流の解釈を施しながら、模型製作を楽しむ、と言うのも架空機を製作する際の一興かと思います。(アレ、なんか同じことを「架空艦」の回の冒頭でも書いたような)

ともあれ、大変素晴らしいので、ご紹介させていただきます。

www.page.sannet.ne.jp

例えば、「散香」のようなエンテ型機の場合、拼莢(使用後の薬莢を機外に排出すること。動画でも「スカイリィ J2」が、バラバラと空薬莢を撒き散らしながら飛行するカットがあります。これはこれでカッコいい)は、機体後部にあるプロペラを傷めるリスクがある、と指摘されます。従って、エンテ型の戦闘機は空薬莢を機内の薬莢受けに収容する必要がある、と言うわけです。こう言う話を伺うと、目からウロコ、状態です。なるほどなあ、と。(空薬莢と言うと、映画「ブラックホークダウン」で、包囲され苦戦する地上部隊を支援するヘリがチェーンガン(ミニガン?)で敵を掃射するのですが、その熱い空薬莢が真下の歩兵にまともに降り注ぎ、襟から入ったから薬莢を慌てて取り出そうとのたうち回るシーンが印象的でした)

また、「スカイリィ J2」は排気タービン過給機を搭載しているわけですが、これは排気を利用してタービンを回し吸気を圧縮する機構であるため、単排気管が機外に露出することはない、と指摘されています。

筆者はベースになった空冷エンジンの「キ-99」を液冷エンジン機に見せるには、当然単排気管をつけなきゃね、と何も考えずに部品を手当てした口ですので、「先に読んでおけば良かった」と言う感じです。「あらら、でも自動切換えなんだよ、きっと」と開き直ったりして。

でも、本当にこう言う事を考えながら、模型を作ったり文章を書いたりするのは、至福の時、と言っていいと思います。

 

もう一つ飛行シーン、戦闘シーンの動画を。こちらは動画冒頭に、前述の「染赤」がしっかり映っています。

www.youtube.com

 

こちらはオマケ

【MAD】スカイ・クロラ 【たった一つの想い】 - YouTube

www.youtube.com

 

最後に、絢香さんの歌う映画のエンドクレジットで流れる主題歌も。

www.youtube.com

再生できなかったら、こちらでもお試しを。(ただし、空中戦動画はついていません)

www.youtube.com

 

と言う事で、やや登場機体中心の話材になってしまいましたが(模型だから仕方ない?)、実は原作小説も語りだすと止まらなくなりそうで。私は映画から小説へ入っていった口ですが、こちらも興味のある方は是非。

f:id:fw688i:20190909013719j:plain

 

サウンドトラックは押井作品には欠かせない川井憲次さんの作曲で、これも素晴らしい。川井節満載、です。

www.youtube.com

 

映画でも、小説でも、感想、ご意見など聞かせていただくと嬉しいのですが。

 

さて、次回こそは、「海上自衛隊護衛艦開発史」のシリーズを!(多分?)

 

***模型についてのお問い合わせ、お待ちしています。或いは、**vs++の比較リクエストなどあれば、是非お知らせください。

 

これまで本稿に登場した各艦の情報を下記に国別にまとめました。(今回紹介した艦船からのアップデートは特にありません。でも、こっそり日本海軍の筑波級巡洋戦艦装甲巡洋艦の写真が変わっていたりするかも)

fw688i.hatenadiary.jp

内容は当ブログの内容と同様ですが、詳しい情報をご覧になりたい時などに、辞書がわりに使っていただければ幸いです。