相州の、ほぼ週刊、1:1250 Scale 艦船模型ブログ

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

号外:映画「空母いぶき」公開記念号

海上自衛隊 空母「いぶき」

いよいよ5月24日から、映画「空母いぶき」が公開される

kuboibuki.jp

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映画についての情報は、例によって他に譲るとして、本稿でも空母「いぶき」が海上自衛隊艦隊(いずれは、体系的に護衛艦開発史の号外を掲載する予定です)に編入された。「空母」の表記をしているが、正式呼称は、「航空機搭載型護衛艦」で、DDVと分類され、あくまでDD(駆逐艦護衛艦)である。

空母いぶき - Wikipedia

正確には、本稿での「いぶき」は、オリジナルの設定通り「いずも型護衛艦」にスキージャンプ台形式の飛行甲板をつけたもので、例によって「いずも型護衛艦」のモデルを既に上市されていた3D Printing メーカーさんにジャンプ台の追加をリクエストし、制作していただいた。

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製作者のAmature Wargame Figures(Nomadire)は、主として第二次大戦以降のいわゆる現用艦(もしくは計画艦)に多くの作品があり、スケールも実に多岐にわたるラインナップを揃えていらっしゃる。今回のリクエストのような既成モデルの改変、あるいはスケール間のコンバージョンにも比較的気楽に対応してくださるので、大変ありがたく利用させていただいている。現在も海自の護衛艦あさぎり級のモデルが日本に向かっているはずである。

 

モデルの素材は、White Natural Versatile Plasticというやや柔らかめで粘度のある樹脂で、下地処理をした後、普通に塗装ができる。(私の場合にはサーフェサーで下地処理をしたのち、エナメル塗料で塗装をしています。基本、全て筆塗りです)上掲の写真の通り、マスト、CIWS、SeaRAMなどの対空火器も全て一体整形された完成形で手元に届いた。下記の写真ではマストのみ、F-toys製のストックモデルと交換し、仕上げた。

 

搭載機も同様、3D Printing メーカーさん(SNAFU Store:   SNAFU Store by Echoco - Shapeways Shops)によるもので、F-35JBの他に、X-47Bという無人(下の写真では、ブリッジ後方の黒っぽく塗装されている数機)を搭載している、という設定になっている。(多分、オリジナルの設定はそんなことにはなっていないと思います。ヘリはF-toysのモデルから流用

 

(Ibuki: 26,000t, CWIS *2, SeaRAM *2, F-35JB *15 etc, 202mm in 1:1250)

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(直上の写真:イージス護衛艦ちょうかい、汎用護衛艦むらさめを伴って)

 

「いぶき」には本稿の一応の最終回でも、再度、例のイージス「やまと」と共に再度ご登場願う予定です。以下はおまけそのツーショット。

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船舶がらみの映画、と言えば、やはりあの・・・

そう、「タイタニック」。

船そのものもさることながら、ジェームス・キャメロンの映画もまた、豪華絢爛というか、オールタイム・ベストの一作だと、私は思っている。

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下の写真はまさに「タイタニック」である。左下の舳先が、あの有名なシーンの舞台となった。

冒頭の調査船から降ろされる新刊探査船による水中探査のシーンから、CG満載での船内再現、力強くもはかないストーリー、浸水の再現、音楽、と、この映画の魅力を上げれば数知れない。

(調査チームのヘッドがビル・パクストン!私はこの役者さんが、何故か(自分でもいまいち理由がよくわからないのですが)大好きなのです)

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タイタニック (客船) - Wikipedia

タイタニックはホワイト・スター・ラインが北大西洋航路用に建造したオリンピック級客船の2番船で、その処女航海が、有名な悲劇の航海となった。旅客定員は1等、2等、3等合計で2453人、これを乗員合計833名がサービスすることになっていた。処女航海時には、乗員・乗客2200人以上を乗せ、英国サウザンプトン、米国ニューヨークを6日間で横断する行程が予定されていた。悲劇の航海で1500人以上の犠牲者を出し、平時の海難事故としては、20世紀最大 の事故である。

ちなみに1等特別室の料金が4350ドル(現在価値で50000ドル:550万円??)、3等は15〜30ドル(現在価値172〜345ドル:2〜4万円)だったとのこと。

(Titanic: 1912, 46,328t, 23knot, 213mm in 1:1250 by Mercator)

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カルパチア (客船) - Wikipedia

そして、映画にはほとんど登場しないが、直下の写真は真っ先に救難に駆けつけたと言われるカルパチア号である。同船はキュナード・ラインの外洋客船で、1903年に就航している。救難信号受診後、全速力で遭難現場に駆けつけ、706名を救助した。

(Carpathis: 1903, 13,555t, 15knot, 138mm in 1:1250 by CM)

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ジェームズ・クック (海洋調査船) - Wikipedia

映画冒頭の沈没現場探索等に登場する大型調査船。映画に登場する船は、確かヘリの着艦ができたと記憶するので、さらにこれよりも大型か?

直下は調査船ジェームズ・クック。遠隔操作無人探査機による深海探査などの運用設備を船尾に備えている。

(James Cook: 2007, 5,800t, 16knot, 71mm in 1:1250 by AIK)

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直下の写真は、タイタニックとカルパチア、調査船ジェームス・クックの比較。タイタニックの大きさがよくわかる。

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もう一つ、少し変わったところで「マスター・アンド・コマンダー

ナポレオン時代の英仏戦を舞台とした帆船映画。主人公は小型のフリゲート艦の新人艦長で、神出鬼没のフランス艦との遭遇戦を繰り広げる。

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直下の写真は主人公が艦長を務める当時の代表的なフリゲート艦。

概ね上甲板下の一層に大砲を搭載している。戦列艦に比べ軽快で、運動性が高く、偵察、警備など、任務範囲が広い。一方で搭載砲数が少なく、基本的に戦列艦に出会った場合には、快速を頼みに逃げるということになる。

冒険映画の題材としては、艦長の機略なども合わせ、最適といえるであろう。

(65mm in 1:1250)

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ちょっと判別しにくいが、後ろから追撃してくるのはフランスの戦列艦で、砲甲板を二層持ち、逃げるフリゲートのほぼ倍の大砲を搭載している。

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(映画ではラッセル・クロウフリゲート艦の艦長役を務め、自艦よりも強力なフランス艦の海賊行為(通商破壊行動、というべきか)に、いかに立ち向かうか、というような筋立てだったと記憶します。大変、面白かった)

 

前回、「次回はいよいよ最終回」と予告しながら、号外にしてしまいました。少し仕込みに思いの外、時間がかかっています。

ユトランド沖」の二の舞にならねばいいが、と戒めつつ、次回こそは、本稿の最終回。話を本筋に戻して、海上自衛隊イージス艦「ヤマト」とその周辺を。(その後、自衛艦開発史、など、いくつかスピンアウト企画は残っていますが)

 

***模型についてのお問い合わせ、お待ちしています。或いは、**vs++の比較リクエストなどあれば、是非お知らせください。

 


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