相州の、1:1250スケール艦船模型ブログ 主力艦の変遷を追って

1:1250スケールの艦船模型コレクションをご紹介。実在艦から未成艦、架空艦まで、系統的な紹介を目指します。

坂本龍一の映画音楽

またまた、お詫びから。すみません。やはり予告通りにはいかず(前回、次は「否定と肯定」という映画について、と言いましたが、少しこれは後回し)、今回は坂本龍一さんの映画音楽を、少し。

 

言い訳をすると、前回の「大好きな韓国映画、総ざらい」で、最後に「天命の城」という映画について少し触れましたが、その音楽を担当したのが坂本龍一さんで、そこから坂本龍一の映画音楽のミニ・ブーム(私の日常生活では、しょっちゅうこういうミニ・ブームが起こるのですが、皆さんは起こらない?)が起きていて、私の中では、一応、流れとしては、つながってはいるのです。(そんなの知るか!おっしゃる通りです)

 

ということで、「天命の城」のテーマを再掲。

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 ついでに、前回紹介した坂本龍一さんの「天命の城」の音楽メイキングインタビューも再掲しておきます。

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 「天命の城」は2018年の映画ですので、坂本龍一さんの映画音楽作品としては、比較的新しい物です。上掲のインタビューの中でも、韓国の伝統的なモチーフを取り入れた、という様なことが語られていますが、ストリングスを多用した静かな、うねる様な曲想は、坂本龍一という映画音楽作曲家の一つの特徴の現時点での「高み」を味合わさせてくれる物だと思っています。

 

坂本龍一(1952年ー)

私が同系列の名曲と感じているものをもう一つ。

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シェルタリング・スカイ(1991年)。これもストリングスを多用した、テーマが美しい。

さらに、リトル・ブッダ(1993年)

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私は映画音楽が大好きです。

クラシックも大好きなのですが、実は、私の中で順序としては映画音楽が先で、その背景、派生を調べてゆくうちに、そのベースとなっているクラシックにたどり着いた、という経緯があります。もちろん歴史的な長さを考えても、クラシックの奥深さは映画音楽の比ではない、とは思うのですが、元々が宮廷や教会のBGM、オペラなどの舞台の「装置」として奏でられた曲からスタートした音楽が、今やクラシックの名曲として残っているところから考えても、我々の現在の生活の中で重要な位置を占めている映画や、TV番組のために書かれたオリジナルの音楽は、やがていくつかがクラシックとして伝わっていくのだろうな、などと想像しながら、いろいろと頭の中でその系譜を整理したりするのは、本当に豊かな時間だなあ、と、時にふと思ってしまいます。

誕生に立ち会っているのかもしれない、なんて贅沢な体験なんだろう、と。

私にとって、そうした「誕生の予感」を曲を聴くたびに濃厚に感じさせてくれる作曲家の一人が、坂本龍一、と言う人なのです。

今回は、そう言うお話。

 

坂本龍一の映画音楽。次に取り上げるのは、「オネアミスの翼」(1987年)。映画そのものも、正にアニメのクラシックと言っても良い作品ですが、その音楽もまた。

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YMOの血脈を色濃く残した作品、と言っておきましょう。前へ前へと進もうとする世界を、少し物悲しく表した様な。スチームパンク的なアナログな世界観が、その様な色合いを醸すのでしょうか?私にはそんな曲に聞こえます。もちろん大好き。

 

そして、なんと言っても次の2作品に触れないわけにはいかないでしょう。

ラスト・エンペラー(1988年)と戦場のメリークリスマス(1983年)。

ラスト・エンペラーは、エンディング・テーマを。アカデミー作曲賞受賞作品ですね。

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これらは坂本龍一さんの映画音楽作曲家のキャリアとしては、年代を見ていただいてもわかる様に、最初期の作品群、と言えます。最初期からこの完成度。やはり才能ですね。何も、おこがましく私が言う必要はないですが。(すみません)

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映画音楽家として記念すべき最初の作品。このあまりにも有名な曲には「Forbidden

colours」というタイトルがあり、歌がついていたりします。

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坂本龍一さんの作品は、映画のサウンドトラックとしてのみならず、音楽単独でも演奏される機会が多く、その中には坂本龍一さん自身による演奏も多く含まれています。上掲のシェルタリング・スカイなどもその一例ですね。私にとっては、クラシックの誕生に立ち会えている様な、そんな瞬間です。

 

その中でも、坂本さんご自身が率いるskmt trioによる、演奏をご紹介しておきたいと思います。

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特に次にご紹介する「Merry Christmas Mr Lawrence」もskmt trioによる演奏。曲も演奏も最高です。改めて言うまでもないですが、この曲は正に「名曲」の名にふさわしい、この演奏を聴くたびにそう思います。特に少し心が痛んだいる時など、最後には少し元気になれている、そんな一曲かと。

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続けて坂本龍一氏、自身によるピアノ独奏も

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さらにオーケストラとのコラボ。

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これらがYoutubeでいつでも楽しめるなんて、やはり我々は豊かな時代に生きている。

 

でも、こうしてコレクションするのも確かに豊かなんですが、演奏会の次元の違う豊かさもまた。一日も早くコロナ騒ぎが収まって、いろんな人と音楽を聴く時間を共有できると良いなあ、と、最近本当に実感します。

 

最後に、坂本龍一さんとは全く関係ないですが、前回ご紹介した、韓国映画のキムチ・ウエスタン「Good Bad Weird」のサウンドトラックからも一曲。こっちも元気になれるから!

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次回予告・・・。

どうしようかな。

巡洋艦路線は、少し回数がかかりそう。もう一つ、企画物(と言うか、私の中でミニ・ブームになっているだけなんですが)があるのだけれど、一回でおさまるかなあ?

そうすると次回こそ「否定と肯定」という映画を巡るお話を?ああ、T-34 Mod 40だってあるぞ。Picardも佳境に入ってきたし。

と言うことで、出たとこ勝負でいかせてもらいます。(あ、開き直った。・・・まあ、そう言わずに)

 

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大好きな韓国映画、総ざらい(或いは、ソン・ガンホという俳優)

T-34 Mod 40 その後

すみません。(なんだよ、また、お詫びからかよ。・・・まあ、そう言わずに)

このところ、いろいろとあって中々落ち着かず、模型に手をつけられない日が続いています。前回ご紹介した「T-34 Mod 40」もサーフェサーで下地を作り、ベース色を塗ったところまでは行きましたが、ディテイルに至らず、完成編、には今少し時間がかかりそう。

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(直上の写真はサーフェサーを塗ったT-34 Mod 40。やっぱり短めの砲身は、なんか好きだなあ)

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(直上の写真はサーフェサーを塗ったM2ブラッドレー。サーフェサーを塗布すると、分厚いリアクティブ・アーマーが目立ちます。歩兵戦闘車は、基本、歩兵に帯同して行動するのですが、リアクティブ・アーマーで周辺の歩兵を傷つけたりしないのでしょうか?或いは、歩兵の先頭に立つので、大丈夫、ということかな?)

 

と、そんなこんなで、今回も模型の話はこの程度で。

 

で、映画を色々と観ています。

ポン・ジュノ監督、受賞おめでとうございます

まずは、ポン・ジュノ監督のアカデミー賞受賞に因んで、というわけではないですが、久しぶりに「グエムル」と「殺人の追憶」を観ました。

www.youtube.comhttps://www.youtube.com/watch?v=VqstXpk4K1s

元々、ソン・ガンホという役者さんが、大好きなのです。シリアスな役をやっていても、どこかコミカルで、彼がいるだけで映画の世界に奥行きが出る、というか・・・。「グエムル」は私がソン・ガンホという役者さん注目した記念すべき映画。もちろん何度見ても、毎回いい映画だなあ、と、ため息をつくのです。この映画、乱暴に言ってしまうと「怪獣映画」なのですが、怪獣の扱いも、日本の怪獣とは一味違って、リアルで存在そのものが物悲しい。さらに、そこで垣間見る親子の絆。最後には、「この後、どうするの?でも、生きていくんだよね」という様な、切ない、でもある意味力強い結末のある映画だと思っています。

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 「殺人の追憶」は、まさにソン・ガンホの本領発揮、そういう作品だと思っています。

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実際にあった未解決連続猟奇殺人事件を題材にしながら、ソン・ガンホは捜査を担当する刑事の役どころです。最初は周辺の証言(というより周辺の曖昧な心象)を元に犯人をでっち上げ「とっとと片付けちまおうぜ」という様な乱暴な捜査を行うのですが・・・。

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ストーリーそのものは、もしかすると「スッキリしないなあ」と言われるかもしれません(何せ、実在の未解決事件が題材ですので)。が、ソン・ガンホを楽しむなら、是非ともご覧ください。


今回のアカデミー賞受賞作「パラサイト 半地下の家族」でも、ソン・ガンホは出演していますし、是非、観に行きたいのですが。

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期待感いっぱいです。時間作らなきゃ。

 

その他にも、ソン・ガンホの出演作品で、もちろんおすすめが一杯あります。

「シュリ」JSA」「大統領の理髪師」「弁護人」「密偵」「タクシー運転手」どれも名作揃いです。特に、ソン・ガンホファンとしては、以下の3作品、是非ともおすすめです。

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特に、この映画は是非とも。テーマは光州事件と重厚ながら、一転、ソン・ガンホの軽妙な演技が、映画に奥行きを与える典型と言っていいと思います。

 

おお、ポン・ジュノ監督の作品一覧を改めてみて、今気がついたのですが、「ユリョン」もこの監督の作品ですね。

韓国海軍がロシアのシエラ級原子力潜水艦を密かに手にいれて極秘に「幽霊( ユリョン)」と命名。極秘任務中に艦内で民族主義者の副長が反乱を起こし艦を掌握。日本に対する核攻撃を企てる、という様な内容でした。少しモデラー的な視点で言うと、シエラ級原潜の潜舵の位置にちょっと違和感があった(確か艦橋に潜舵があった様な?)という記憶があります。

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ね、やっぱり艦橋に潜舵があるでしょう。こういうのは、ちょっと・・・。なんか説明が欲しいですよね、そう思いませんか?

 

この映画の主人公はチョン・ウソンという役者さんなのですが、この人も好きですね。

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この「監視者たち」という映画では、悪役を努めます。これがかっこいい。この映画、韓国警察(だか、諜報機関だか?)の犯罪監視チームの活躍を描いた映画なのですが、この監視対象となる犯罪組織の親玉が、チョン・ウソン。もちろんものすごく面白い。

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監視チームの新人女性捜査官 を演じるハン・ヒョジュ(右)が可愛い。

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で、チョン・ウソンソン・ガンホと共演したのが(実はイ・ビョンホンも加わって、韓国3大スター共演という、すごい映画なのですが)、「グッド・バッド・ウィアード」(良い奴、悪い奴、変な奴 まさにその通り?)という韓国版西部劇(キムチ・ウエスタン、というそうです。ほんとかな?)。

舞台は(多分)満洲。一枚のお宝(実態は不明。登場する全員がそれぞれの憶測で狙っています)を巡って日本軍も絡んで、ド派手なアクション映画になっています。

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色々と考えずに楽しむことができれば、最高の映画です。たまにはこういう映画もいいですよ。3人共に、それぞれ持ち味全開、という感じですしね。

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イ・ビョンホンといえば、最近、「天命の城」という韓国歴史映画を見ました。

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中国の明朝末期、朝鮮は北方から新興の清(この直前「後金」から国号を「清」と改めています)の大軍の侵攻を受け、さて朝鮮はどうすべきか、という映画です。明に殉じ、大義を守るべきと言う大勢の意見に反して、清に降り、王朝の命脈と国民を守るべきと主張する重臣役をイ・ビョンホンが演じます。f:id:fw688i:20200224114502j:plain

本稿でも度々記述してきましたが、半島国家というのは、古来、何かと難しいですね。

議論の末、南漢山城という山城に立てこもるのですが、1636年のこの時期、朝鮮軍は火縄銃で武装しています。この戦いの約40年前の「文禄の役」では侵攻した豊臣軍の鉄砲に圧倒されっぱなしであったことを考えると、著しい兵備の近代化が行われたのだな、と思われます。

イ・ビョンホンといえば、どちらかと言うと、アクション系のイメージが私にはあったのですが、一転、抑えた演技が光ります。この役者も好きだなあ。

ちなみに、音楽は坂本龍一です。

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という事で、今回は大好きな韓国映画の紹介を長々してしまいました。

まだまだ、韓国映画には名作がいっぱいですが、今日はここまで。

 

冒頭にも弁解がましく述べましたが、このところ少し落ち着いて模型に手をつける時間がなく(映画はみてるじゃないか。・・・まあ、そう言わないで)、今しばし、こんな感じでお付き合いください。

実は多分、次回も映画ネタ。「否定と肯定」という映画を巡るお話を、と思っています。(予定通りだった事あったっけ?・・・まあ、そう言わずに)

 

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『T-34・・・』という映画、雑感(2)T-34 Mod40の制作:前編

T-34 ナチスが恐れた最強戦車」映画紹介からの、まさかのスピンアウトです。(「何でも広げたがるなあ」と自分でも思いますが、何卒、お付き合いください)

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映画のご紹介の最後 に、「ちょっと模型関連のサイトらしく」という事で、前回、登場するT-34について下記のようにコメントしました。

 

この映画、T-34Wikipediaにも未掲載ですが、多分、我々が見慣れたT-34よりも単砲身の40年式のT-34(A-34)の30.5口径L-11型76mm戦車砲を搭載するなどの特徴をよくあわらしているように思いました。(通常目にするT-34 41年式は41.6口径F-34 76mm戦車砲を搭載しています)

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(下の写真は、私の1:144戦車コレクションから、上段がT-34 1940型(41年型から砲身を切り詰めてあります。本当はヘッドライトとかつけてみたいのですが)下段はオリジナルの1941年型。まあ、簡単な加工だけですので、雰囲気だけでも掴んでもらったら。ちょっとお粗末に過ぎるかな、と思うので、急遽、T-34 Mod40の1:144スケールの模型を取り寄せる事にしました。お得意の3Dです。いずれは写真を差し替えるか、追加しますので、それまではご容赦ください

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で、今週、T-34Mod40の3Dモデルが到着。

今回はそんな話の1回目、です。(仕上げまでまだ手が回っていません、という事です)

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素材はSFD。写真のような、こんな感じで到着します。やっぱりヘッドランプは付いてないですね。どうしようかな?何かそれらしいジャンクパーツが見つかれば、手を付ける、ということにしておきましょう。

今回は発注から到着まで、丁度、一週間でした。Shapeways からの配送には通常、UPSが使われるのですが、このトラッキングが、結構、見ていると楽しい。

Shapeways のあるEindhoven, Netherlands(「遠すぎた橋」:第二次大戦のマーケット・ガーデン作戦の主戦場になった街ですね)を起点に、Koeln, Germany、Shenzhen, Chinaを経由してNarita, Japanに到着。更に「ローカルのエージェントが配達中」と続くのですが、それぞれ、到着スキャン、出発スキャンの時刻の表示があったりして、「ああ、来てる、来てる、来たぁ」という感じです。

 

下の写真は、WTM(ワールド・タンク・ミュージアム)のT-34との比較。大きさ(寸法)に差が出ることを少し警戒していたのですが(同一スケールでも、製作者によって、結構、大きな差が出ることが、まま、あります)、そこは幸い大丈夫のようです。

目につくのは、当たり前ですが、砲身長の差。個人的には、砲身が短い方が好みなので、いい感じです。

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この後の手順としては、少し必要であれば細部に手を入れ(今回はざっと見たところでは、気になるところは特にありません。先述のヘッドランプの扱い、くらい、でしょうか?)、サーフェサーで下地処理をした後、塗装、ということになります。

 

下の写真は、他のモデルで下地処理まで済ませた状態。

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本来は、写真のこのモデルは1:200スケールのE-75(ナチスドイツの未成重戦車)なのですが、1:144スケールの架空軽戦車のベースにしたくて、購入した物です。ベースのE-75からは、砲身を既にかなり切り詰めてあります。

ヴァルキュリアエーデルワイス風に」というのが、何となくの仕上がり目標です。

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下の写真は、同時に到着したM-2(あれ?M-3だっけ?)。いわゆるアメリカ陸軍の歩兵戦闘車ですね。

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ja.wikipedia.org

湾岸戦争以降の苦闘するアメリカ陸軍歩兵部隊の先頭には、常にMー2  がいる、という感じですね。「ロング・ロード・ホーム」でHAMVEEと共に進む姿が、なぜか印象的なので、砂漠色で作ってみたいですね。

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という事で、さて、次回は、おそらく完成編をお伝えする事になるでしょう。

今回はここまで。

 

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『T-34 ナチスが恐れた最強戦車』という映画、雑感

T-34 ナチスが恐れた最強戦車」(すんごい邦題!いつも思うのですが、どうしてこの手の映画は、たいてこんな邦題なんでしょうか?まさか、原題も一緒だったりして。だったらゴメンなさい)という映画がCSで配信され、「おお、戦車の映画か」くらいの気持ちでなんという事はなく録画しておいたものを、観ました。

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予告編でもないかと探したのですが、ちょっと見つけられませんでした。字幕なしの本編なら見つけましたが(いいのかな?) 

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が、これがなかなかの映画。(実は「なかなか」どころのでは、なかったんですが)

 

この後、ネタバレしますので、以後は自己責任でお願いします。(が、読んだ方がいい!この邦題の映画、自分ではなかなか手に取らないでしょうから)

 

冒頭、ジューコフ(!)が焼けごげた戦場に佇んでいるシーンから、この映画は始まります。傍には擱座したT-37(?!)。え、なんか本物っぽいじゃない?

ja.wikipedia.org

戦跡を歩くジューコフの足元にテロップが流れ「1939年ハルハ河」の表示。

ハルハ河ですよ!このテロップだけで、実は私は「あれれ。何かちゃんと観なきゃ」と思ってしまいました。

そして「20mmの対戦車ライフルとは驚きです」とか「軽装甲の部隊を送った責任を感じている」とか反省と驚きをジューコフが述べた後で、「本物の戦車が必要です。砲火に耐える戦車です」と続くのです。

そしてタイトルテーマが始まります。

 

と、どうですが、これだけで観たくなった人がいるのでは?(ね、ハルハ河、で始まる映画なんて。もう鷲掴みでしょ?ハルハ河?はあ?という方に少しヒント。ソ連側、モンゴル側の呼称は「ハルハ河戦争」です)

ja.wikipedia.org

 

というわけでこの映画、T-34の開発期を扱った映画です。ですので、派手な戦車戦や砲撃戦は出てきません。しかし、結論から言うと十分に面白い(と思います)。

 

この映画、主人公はT-34の開発責任者である、ミハイル・コーシュキンです(実在の人物です)。ハリコフの工場でT-34の試作1号車と2号車はほぼ完成し、モスクワでの閲兵式でのお披露目を予定しているのですが、突然の電報により、「戦車の積載を禁ずる」という指令を受けます(その辺りの背景はあまり語られず、詳細は不明です)。

一同、積載が禁じられたら閲兵式参加は無理だなあ、という事になるのですが、ミハイルは、列車への積載が禁じられたなら自走して行けばいいんだ、と、情熱だけで動き始めます。一応、ジューコフの許可だけは取るのですが。(この件、間に合わないと恥をかく、と軍の上層部だけの関知事項で、軍そのものには知らされません。これも話を面白くする伏線)

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 (ウクライナの草原を爆走するT-34。主砲上のライトが目立ちますね。後にこの位置には多くの戦車で夜間戦闘用の赤外線ライトが搭載されたりしますが、この写真のライトは、あくまで前照灯です)

 

というわけで、移送の旅が始まるのですが、これにお約束として、当時の党の内務人民委員部の堅物少尉が同行者として絡んだり、同行を強く求める女性技師(彼女が装甲の設計について責任を持っているのです!)とそれを認めないミハイルのやりとりがあり(結局、彼女は随伴トラックにこっそり潜り込んでついてくるのですが。まあ、これもお約束)、加えてドイツの情報機関がこれを阻止しようとして暗躍し始めます(なんと、潜入部隊がハリコフに配置されている!どう観ても、皆んなさっぱりしたドイツ人の髪型で、ドイツ人にしか見えない。加えてご丁寧にMG34やMP40でばちばちに武装しています。最初は馬で移動する潜入部隊だったのですが、彼らが失敗するとサイドカーに乗った精鋭部隊が出てきたりして。まだ独ソ戦の開戦前のはずなんですが。下の写真は、ドイツ情報機関の司令官の女性秘書。ステレオタイプ、と言うか。まあ、この映画、ドイツ情報部だけでなく、登場人物は全てステレオタイプではあるのですが)。

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驚くべきは、山賊が襲ってくる事。映画の中の説明では、20年間国家から隠れて狩猟や盗みで生活している、とのこと。ミハイル等の車列を新型のトラクターだと勘違いして、「これは金になる」ということで狙うわけです。捕らえてみて初めて戦車だとわかってびっくり。「トラクターだと思ったもんでよ」と弁解する盗賊頭(実行部隊の長)に、「こんなもん盗んだら、軍が黙っとらんわ。どうすべ」というような、親分のやりとりがあり・・・。

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(「トラクターだと思った」って、ねえ。まあ、当時の山賊にとっては「トラクターって、なんだべ?」だったかもしれませんね。大きいから金にはなりそう。欲しがる奴は見つかるだろう、という感じ?)

 

この山賊の基地(アジトといった方が雰囲気が出ますかね。いわゆる山塞。山塞と、つい書いてしまいましたが、実はくぼ地に隠れています)が凄い。列車の引込線に貨車を連ねて屋形らしきもの形作っているようでした。歯車でギリギリ引き上げる鉄板の城門のような仕掛けがあったり、さらに機関車の動力で電気も発電できたりして、こうした設定や前述の親分と盗賊頭とのやりとり含め、この辺りはスタジオ・ジブリの映画を見ているようです。(もしかしたら、かなり影響を受けているのかも)

彼らが捕らえたT-34を目当てに、ドイツ情報機関が交渉にやってきます。

「あれは我々の戦車だ」/「そうかい、今は、俺のだ」/「保管してもらったお礼に、この金額を進呈しよう」/「そうかい、なら、この倍、持ってきな。一台に付いてだけどよ、ひひひ」

このやり取り、思わず膝をたたいてしまいます。

結局、その後ドイツ情報機関の猛攻撃が開始され(くぼ地だけにこの砦、実は周りが全て高所で、実に射撃に弱い)、結局 T-34の主砲の試射用に積んでいた砲弾が山賊を救うことになり、「もう、出てってくれ」と燃料をもらって追い出されるのです。(うーん、やっぱりジブリでしょう)

 

その後も、閲兵式に間に合わないと、騎馬警察隊の検問を強行突破したおかげで軍の阻止線で対戦車砲の砲撃を浴びたり(これは、例の女性技師が、この戦車の装甲はどんな対戦車砲でも大丈夫、と太鼓判を押し、結局跳ね返して無事。「まさか無傷」と砲兵部隊の隊長が頭を抱えて、T-34の高性能をアピールする、これもお約束。ジューコフはこの報告を受け「いいぞ」と喜びます)、川を渡る途中で橋が落ち、川に落ち込んだ2号車が動けなくなったりします。 

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(直上の写真は、川にはまり込んだ2号車。引き上げる手立てがなく、途方に暮れています。「1号車だけ先に行ってくれ」という事になるのですが・・・。砲弾の搬入口等を兼ねたため大きく前に跳ね上がる構造の、砲塔上面のハッチがよくわかります。上部に小さな車長用のペリスコープもついてますね。このハッチ、重くて、かつ大きすぎて車長の前方視界を塞いでしまうため、前方確認のためには、車長が左右いずれかに大きく体を傾けねばならず、ドイツの狙撃兵の格好の的だったようです)

 

この窮地を救ったのは、何と例の彼らを追いかけているドイツ情報機関の精鋭部隊で、未だ乗員が中に残って居るとも気づかず、サイドカー部隊を駆使して川から引き揚げたのです。もちろんT-34奪取が目的ですが、車内に潜んでいた乗員が、引き揚げてもらった後、エンジン全開で、彼らを振り解きサイドカー部隊を蹂躙して脱出します。(ああ、それで途中でサイドカー部隊が交代しないといけなかったわけですね。やっと納得。この映画では、ドイツ情報部は先のT-34車列を捕獲した山賊との交渉経緯等も含め、徹底して、真面目な顔をした間抜けな連中、というような役回りです)

 

こうして2台はスターリンの閲兵の最中にモスクワの閲兵場に登場し、無整備でこの距離(ハリコフ、モスクワ間、約1000キロ)を走行する性能を報告し、めでたしめでたし。f:id:fw688i:20200211103020j:plain

(確かに、ウクライナの草原(?)を無整備1000キロ走破、というのは、凄いんだろうなあ)

 

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(この堅物の党内務人民委員部の少尉さんも、最後には仲間の一員に溶け込んで、一時は射殺までしようとした女性技師と恋に落ちたりします)
 

冒頭に「史実に基づく物語である」という注釈が入るのですが、どこまでが史実か?でも、どうやらハリコフ、モスクワ間の実車走行を行った事は事実のようです。

 

ちょっと模型関連のサイトらしく。

この映画、T-34Wikipediaにも未掲載ですが、多分、我々が見慣れたT-34よりも単砲身の40年式のT-34(A-34)の30.5口径L-11型76mm戦車砲を搭載するなどの特徴をよくあわらしているように思いました。(通常目にするT-34 41年式は41.6口径F-34 76mm戦車砲を搭載しています)

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(下の写真は、私の1:144戦車コレクションから、上段がT-34 1940型(41年型から砲身を切り詰めてあります。本当はヘッドライトとかつけてみたいのですが)下段はオリジナルの1941年型。まあ、簡単な加工だけですので、雰囲気だけでも掴んでもらったら。ちょっとお粗末に過ぎるかな、と思うので、急遽、T-34 Mod40の1:144スケールの模型を取り寄せる事にしました。お得意の3Dです。いずれは写真を差し替えるか、追加しますので、それまではご容赦ください

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映画、興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。レンタルとかあるかどうかは?下記では字幕版がご覧になれます。

www.youtube.com

という事で、今回はここまで。

 

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スター・トレック ピカード テーマ曲雑感

ああ、はまってしまった。

前回に引き続き、ピカード話題です。今回は音楽の話。(また、模型はでてきません。ごめんなさい)

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既にご覧になった方もいらっしゃると思いますが、ストーリーは、私の期待をもちろん遥かに超えて、素晴らしいの一言です。

ストーリーももちろんなのですが、音楽がまた素晴らしい。

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いかがです。いいでしょう?

作曲はJeff Russo。ひとつ前のシリーズである「スター・トレック ディスカバリー」と同じ作曲家です。

ちなみに「スター・トレック ディスカバリー」のオープニングタイトルはこちら。

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ピカードの円熟か、マイケルの若さか、と言う感じの二曲、とご紹介しておきます。いずれも僅か1分40秒の小曲ですが、モチーフを忠実に継承しながら、奥深さを感じさせる仕上がりになっています。

このシーンと関係あるのかな?

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モチーフが似ているだけ?

 

ところで、このシリーズ、ドラマシリーズはこれまで7作。そのどれもがドラマそのものはもちろん、テーマも本当に名曲揃いです。

Star Trek: The Original Series (宇宙大作戦なんと、スポックのあの有名なコメント付き!

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Star Trek: The Next Generation (新スター・トレック

www.youtube.com

Star Trek: Deep Space Nine(スター・トレック ディープ・スペース・ナイン)

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Star Trek: Voyager(スター・トレック ヴォイジャー

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Star Trek: Enterprise(スター・トレック エンタープライズ

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そして

Star Trek:  Discovery(スター・トレック ディスカバリー

Star Trek: Picard(スター・トレック ピカード

と続きます。 

 

個人的には前回も述べましたが、Deep Space Nineが大好きですが、テーマ曲も深みが一層増してきた、と言うか、完成度が上がった、と言うか。贔屓目、ですが。

また、第一シリーズのテーマはAlexander Courageにより作曲されたものですが、あの有名なフレーズはその後の各シリーズに、モチーフとして継承されているのです。

Youtubeにはそれぞれのオープニング動画付きのテーマ曲も公開されていますので、そちらも楽しんでみては?

 

ところで、いろいろと攫っているうちに「スター・トレック ピカード」のCello Coverを発見。これは凄い!ぜひお聞きになってみてください。

www.youtube.com

 

Celloという楽器は時に凄いことをやってのけます。

私のお気に入りを何曲か。

巨匠の演奏を今に伝える・・・。

www.youtube.com

そしてCelloと言えばこの曲。

www.youtube.com

私の大好きな名曲。Villa-Lobos /ブラジル風バッハ第一番。なんという奥行き!

www.youtube.com

ちょっと変わったところで、タンゴの巨匠(?)Piazzollaの珍しい曲。これも生で聞いてみたいなあ。

www.youtube.com

ということで、今回は音楽尽の回でした。

でも言いたいのは、「スター・トレック ピカード」を皆んなで見よう、ということです。

 

感想や、情報、あるいはご質問などがあれば、是非お知らせください。

 

もしかすると、しばらくはこんな感じかも。でも必ず、1:1250に戻りますので、しばらく呆れ顔で結構ですので、お付き合いを。

 

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スター・トレック ピカード エンゲージ!

またまた予告をあっさり裏切って・・・。

 

いよいよ、首を長〜くして待っていた(・・・えっ、私だけ?)「スター・トレック ピカード」がAmazon Primeで配信開始、です。金曜日が来るのが、いつもに増して、一層、楽しみになりそうです。艦船模型とは全く関係ないけど、今回はそんな話です。

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実は我が家の二台の車のナンバーは、代々、いずれも「1701」です。これで、私がどれほど楽しみに待っていたか、どうかお察しを。これでピンと来ない方は、それほど大した話ではないので、引っかからずに読み飛ばしてください。

スター・トレックの話をすると、「最も好きなシリーズは?」という質問をよく受けます。「1701」は出てきませんが、実は「DS9」です。クワークが大好きです。

金儲けの秘訣 | Memory Alpha | Fandom

もちろん「敢えて一つを選べと言われたら」という条件付きではありますが。

・・・とここまで書いて、艦船模型とは関係ない、と言いながら、「艦番号」の話になってきつつあります。やっぱりどこかで関連してるのかも。

 

「実は、」という話をもう一つ。

今回の新シリーズに先立ち、こちらはNetflixで配信された「スター・トレック ディスカバリー」は、実は、ちょっと馴染めませんでした。少し悲しい。

なんだろう、と考えると、その理由は多分、二つほど。

一つは、クリンゴンの特殊メイクと、何もあそこまでクリンゴン語を突き詰めなくてもよかったんじゃないか、と。

最初のクリンゴンの特殊メイクの変遷は、私の大好きなDS9の本編エピソード中でも、クリンゴン人であるウォーフが周りから「なんか、お前たち変わりすぎじゃないの?」的ないじられ方をするほど、オリジナルとその後のシリーズで特殊メイク技術の差異がはっきり出ていたのですが(優生ウィルスによる遺伝子改造、とかなんとか、よく解ったような解らないような、解説があったように記憶します)、時代がオリジナルシリーズ以前に遡ったにも関わらず、一層クリンゴン化(と言うか、非人類化)が進行しているようで、どうなっちゃたの、と言う感じです

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クリンゴン人の容姿変遷:上段;ディスカバリー時代、下段左;オリジナルシリーズ時代、下段右;ネクスト・ジェネレーション以降の姿。 優生ウイルスの影響で、「人類化」し、その後、その影響が消えつつある、と言うことでしょうか???

 

もう一つは、これは歴史的な流れなので仕方がない、と言うことなのかもしれませんが、「連邦」の価値観(「宇宙艦隊」の価値観、と言うべきかも)が、ディスカバリーの時代には、ちょっとギラギラしすぎているような気がするところでしょうか?

これは、その後の様々な経験を経て洗練されていくのだ、と思えば、違和感とは言えず、単に「あまり好きな時代ではない」と言うだけかもしれません。

 

第一話では、クリンゴンは表立っては出てきませんでしたが、主人公はあの洗練された艦隊士官をそのまま具現化したようなピカードですので、二番目の点は、安心です。

www.youtube.com

この先、気をつけるつもりではありますが、ちょっとネタバレしちゃうかも、ですので、ここから先は自己責任で。

 

実はこのシリーズについては、あまり予備情報を持っていません。

予告編をいくつか観たのと、第一話を観た限りでは、ピカードが艦隊を離れるきっかけとなった事件を発端として、データへの回顧と深い愛情を縦糸に、懐かしいメンバーとの再会や思い出を横糸に張り巡らせて、やがては事件の背後の(或いはそこから生じた)謎の解明と、もしかすると素晴らしい奇跡へと導いてくれる美しい物語を期待してしまったのでした。

Something wonderful の予感満載の第一話。

 

一点、気になることといえば、ロミュランが出てくるのですが、特殊メイクが少しこれまでよりも濃厚なような。耳の感じって、ヴァルカン人と同じじゃなかったっけ?(気にしすぎ?)

 

ともかく、金曜日が待ち遠しい。

もちろん、主演のパトリック・スチュアートは素晴らしい。ピカードそのもの、です。

 

アイリッシュマン 観ましたか? 

もう一つ、こちらはNetflixで公開されている「アイリッシュマン」。 

www.youtube.co

ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ出演、マーティン・スコセッシ監督で贈る大作『アイリッシュマン』。20世紀の名立たる悪人たちと関係していた元軍人の暗殺者フランク・シーラン。彼の視点から描かれるのは、今なお未解決とされる労働組合指導者ジミー・ホッファの失踪事件。巨大な組織犯罪と、その背後でうごめく権力争いや政権との繋がり…。第二次世界大戦後のアメリカの闇の歴史を、数十年にわたって紐解いていく。

・・・とこちらは、Netflix Japanが公開している公式予告編(上の動画ね)のキャプションです。

キャストと監督を見ただけでも、凄いでしょう?

もちろん作品も「凄い」の一言です。

この映画は、アメリカ本国で、限定劇場公開ののちNetflixで配信されました。日本ではNetflixでの配信ののち、一部名画座で上映、と言うような形式で公開されています。

これまでの常識では、ちょっと考えられないような形態での公開だと思いませんか?

いきなりスマートフォンで見れちゃうなんて、ある意味、大変嬉しい手軽さですが、作品の重厚さを知るにつれ、なんか勿体ないような。

 

これも「時代」と言ってしまえば、それまでなんですが・・・。

 

なんだかんだと書きましたが、物凄い作品です。特に「ゴッド・ファーザー」がお好きな人は、是非。

少し個人的な視点で突っ込んだことを書くと、サウンド・トラックの創り方、と言うか位置付けが、凄いなあ。まあ、観てみてください。

クラシック音楽好きの流れで、映画音楽も大好きです。

 

と言うことで今回はここまで。取り止めのない話になってしまいました。

 

感想や、情報、あるいはご質問などがあれば、是非お知らせください。

 

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3Dプリンティングモデル 雑感(その6: 試験艦「あすか」)

またまたお詫びです。

次は日本海軍の巡洋艦、と予告しましたが、もう一隻、3Dプリンティングモデルで、試験艦「あすか」の紹介をするのを失念していました。

・・・と言うか、件の「巡洋艦」については、少し準備不足の感があり、繋ぎで、「あすか」をご紹介します。

 

試験艦「あすか」

その名の通り、海上自衛隊の様々な装備を試験する目的で建造された船です。

ja.wikipedia.org

モデルは、これまで時折登場していただいている幕之内弁当三次元造形の作品で、SFD素材による、ディテイルまで再現性の高いモデルです。

お求めはこちらで。

www.shapeways.com

Desktop Fleetと言う非常に充実したラインナップをお持ちのブランドを展開されているのですが、筆者にとって残念なことに、その主力スケールは、1:1800あるいは1:2000で、1:1250スケールは、今のところラインナップ充実のスコープには、あまりいれていらっしゃらないようなのです。

 

直下の写真は、以前にご紹介した Desktop Fleetさんの数少ない1:1250スケールの海上自衛艦試験艦「あすか」の下地処理後の姿。

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このモデルの艦橋上にあるミニ・イージスシステムのドームは、当ブログでご紹介したイージス護衛艦いそかぜ」三態のうち、「亡国のイージス」小説版の第一形態「いそかぜ」の艦橋上部に追加された「イージスシステムドーム」に転用されました。f:id:fw688i:20191201184805j:image

そして直下が仕上がりの写真。

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さらに艦橋前には新アスロック運用試験用のVLSや、おそらく12式地対艦誘導弾の艦載化に向けての試験用発射キャニスターが作り込まれています。

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実はこの船、文字通り「試験艦」なので、実戦等には投入されないはずなのですが、私の記憶では、随分以前の話ではあるのですが、大石英司さんの小説(「環太平洋戦争」だったかな、「アジア覇権戦争」だったかな、いずれにせよかなり以前の作品だったかと)で、海上自衛隊がその性格上、表立って介入できない周辺有事に、試験中の先進の装備を活用して、こっそり介入するベースになる、と言うような話があったような・・・。その時に、海上自衛隊には面白い船があるんだなあ、と強い関心を持った記憶があります。

 

ヒストリーチャンネル「Defending JAPAN」と言う番組

話は全く変わりますが、ヒストリーチャンネルで、 Defending JAPANと言う番組の一気み企画があり、特集の第1回第一話を見てみました。

日本のメディアによる日本の防衛力、国防意識に関する番組ではないので、非常に視点が新鮮で、例えば日本の防衛力に対する期待などが、比較的わかりやすく表現されていていました。

自衛隊は、外からの侵略に対しては、第二撃までは退けることができる。その後は、それまでの損耗でどうも。まあ、仕掛ける方はそれを計算するでしょうから」とか、「海自は50隻の駆逐艦を持っている。これはかなり大きな勢力として、期待され、警戒されている」など、自衛隊のOBの方が仰っていまして、おお、そこまで言うか、と言う感じです。

興味のある方は、是非。

www.youtube.com

www.youtube.com

 

と言うことで、今回はちょっと一休み的に、ここまでです。

 

感想や、情報、あるいはご質問などがあれば、是非お知らせください。

 

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3Dプリンティングモデル 雑感(その5:「たちかぜ」級護衛艦の完成)

明けましてめでとうございます。

2020年最初の更新です。今年も、どうかよろしくお願いいたします。

 

2020年の開幕は、2019年最後に下記でご紹介した3Dプリンティングモデルを用いた「たちかぜ」級DDG護衛艦の 完成編です。

 

「たちかぜ」級DDGの製作

fw688i.hatenablog.com

少し繰り返しになるかもしれませんが、おさらいをしておくと、昨年末の前回は、入手したAmature Wargame Figures製のWhite Natural Versataile Plastic :WNV素材の「たちかぜ」級DDGのモデル一点と、 Smooth Fine Detail Plastic :SFD素材の同級のモデル二点を用いて、「たちかぜ」級3隻(「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」)を完成してみよう、と言うものでした。

その際に、元々、入手したAmature Wargame Figures製のモデルをベースにして、武装やマスト、アンテナ関係はストックの部品を用いてディテイルアップする予定だったのですが、艦橋が少し大きすぎることが気になり、艦橋部分も換装するなど、結構広い範囲で手を入れる結果になりました。(この辺りは前回ご紹介しています)

 

ディテイルアップの大まかな流れは、ほぼ以下の通りです。

(直下の写真:入手したAmature Wargame Figures製のSFD素材のモデル。この他にSFD素材のモデルも一点あり、これも併せて今回仕上げることに)

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(艦橋部分等の除去:使用したのは、ほとんで船体だけ・・・)

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 (F ~toyの「しまかぜ」級DDGから艦橋部分を移植。サーフェサーで下地処理)

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(直下の写真:Amature Wargame Figures製のWNV素材のモデルをベースに、上部構造及び武装を換装してディテイルアップ/SFD素材モデルもほぼ同様のディテイルアップを行っています)

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ちなみに、たちかぜ」級護衛艦の概要については、本稿、下記でご紹介しています。

fw688i.hatenablog.com

 

「たちかぜ」級DDGの完成

さて、ここからが今回のお話です。

「たちかぜ」(DDG-168)

(直下の写真:DDG-168:たちかぜ Hai製のダイキャストモデル)

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Hai製のダイキャストモデルです。本艦はもともとコレクションにあった船で、今回は艦番号をつけました。作業としてはデカール を貼り、上からマットコーティングするだけですが、これが大変小さいので、老眼の進む(とほほ)筆者には作業自体が結構大変です。(字も小さくてみにくいし、貼る対象も、そもそもが1:1250モデルの船ですので、これまた小さい。   

さらに言うと、このスケールのデカール を入手するのはこれまた結構大変で、そもそも市販等のものが出回っていません。一時期は自作等も考えたのですが、これも自宅の環境では限界があり(白線が家庭用のプリンターでは再現できません)、結局、下のリンクの1:1250 Decaleに制作を依頼したものを使っています。

 

1-1250-decals.jimdofree.com

こちらの業者さんは、おそらくは趣味の延長でやっていらっしゃって、時折、模型ショーのようなところに出展する、と言う感じの活動を行っていらっしゃるようで、先方のペースで依頼対応等、なさいます。ですので、欲しい時に発注してすぐに手に入る、と言うわけにはいきません。「もうちょっとまとまったら、一緒にやるから、ちょっと待っててね」と言うようなメッセージが、オーダーに対して帰ってきます。まあ、こう言うのもやり取りも、楽しい驚きがある、と言えばそうなのですが、どのタイミングでお願いするか、など、結構難しい。

 

「あさかぜ」(DDG-169)

(直下の写真:DDG-169:あさかぜ Amature Wargame Figures製 SFD素材モデル)

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「あさかぜ」は、ほぼ「たちかぜ」に準じる形で作成します。前回も準備で触れましたが、「たちかぜ」は艦橋前のアスロックに自動装填機構が未装備で、したがって、今回換装用の艦橋として準備したF-toys製の「しまかぜ」の艦橋はそのまま使えませんので、一旦、艦橋基部の自動装填機構用のハッチ等のモールドを削り、パテで埋め形を整えたものを船体に装着し、仕上げてあります。

最後に艦番号169を貼り付けて、出来上がり。

(直下の写真:準備段階で「しまかぜ」の艦橋基部のオールドを削り、アスロック装填用のクレーンを艦橋前部に追加)

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「さわかぜ」(DDG-170)

(直下の写真:DDG-170:さわかぜ Amature Wargame Figures製 SFD素材モデル)

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「さわかぜ」から 、アスロックの自動装填機構が搭載されました。ですので、こちらは「しまかぜ」の艦橋をそのまま拝借。ややアスロック・ランチャーを、艦橋寄りの位置に近づけて配置します。艦番号「170」を貼付。

 

さて、手持ちのAmature Wargame Figuresの「たちかぜ」級モデルのうち、SFD素材の2点は、こうして「あさかぜ」「さわかぜ」になりましたが、もう一点WNV素材のモデルが残っています。

「たちかぜ」級の4番艦、と言うことになりますが、実際には「たちかぜ」級は3隻しか建造されていないので、いわゆる架空艦を制作することにします。

 

本稿で、以前、架空の護衛艦いそかぜ」(DDG-183)について述べたことがあります。

fw688i.hatenablog.com

いそかぜ」と言う護衛艦は実在しないのですが、一方で、「亡国のイージス」(小説版・映画版)あるいは「空母いぶき」(映画版)で活躍する「有名な護衛艦」なのです、と言うのが、この回の主題だったのですが、この「亡国のイージス」に登場する「いそかぜ」の第65護衛隊を構成する僚艦が「うらかぜ」として登場します。

本稿の上記URLでも、ほんの少しだけ「うらかぜ」について触れているのですが、その際には、私の勉強不足から、てっきり「うらかぜ」は「いそかぜ」と同様、「はたかぜ」級DDGなのだと決め付けていました。

しかし、その後、原作等を読み返すと、「隊司令の衣笠一佐が、あえて旧型の第二世代ミサイル護衛艦「うらかぜ」を座乗艦に選んだのも・・」と言う記述があるではないですか。

ありゃリャ、これは「たちかぜ」級だぞ。と言うわけで、残った一隻は「うらかぜ」として制作することに・・・。

 

「うらかぜ」(DDG-162):架空護衛艦

(直下の写真:DDG-162: うらかぜ Amature Wargame Figures製 WNV素材モデル。写真を下記のようにアップにすると、やはりWNV素材の仕上がりの荒さが気になりますね。肉眼で見ている分には、それほど気にならないのですが)

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細部は、武装の換装など、ほぼ「さわかぜ」と同じ仕様で仕上げてあります。最後に艦番号「162」を貼付して、出来上がり。

この艦番号、決定までに少し紆余曲折がありました。

と言うのも、「いそかぜ」については原作中に「183」と言う艦番号が明記されているのですが、「うらかぜ」については、艦番号に関する記述はありません(少なくとも、私が読みこんが限りでは。もしどこかに記載があったら、是非お知らせ下さい)

そこで、「たちかぜ」級の4番艦であれば、本来は艦番号「171」が付与されるべきなのですが、この番号は実際には、すでに次級「はたかぜ」級DDGのネームシップ「はたかぜ」に付与されています。その後はミサイル護衛艦の番号は最新型の「まや」級の「はぐろ」の「180」まで、すべていっぱいで、さらにその後は181から184までDDHの「ひゅうが」級、「いずも」級に付与されていて、空きがありません。(そう言う意味では小説版「亡国のイージス」の「いそかぜ」の183番も、実際にはDDH「いずも」の艦番号になってはいるのですが)

止むを得ず、「うらかぜ」の就役時点ではすでに退役していたであろう防空担当護衛艦の番号を、と言うことで、初代「あきづき」級の2番艦「てるづき」(1981年、特務艦籍に変更 この時点で、DD-162からASU-7012に艦番号を変更)の番号をいただいた、と言うわけです。「うらかぜ」の前の「たちかぜ」級3番艦の「さわかぜ」の就役が1983年ですので、少なくとも「うらかぜ」の就役はそれ以降と想定できますので、なんとか辻褄は合うかと。(余談ですが、前述の「いそかぜ」の項でも触れましたが、映画版「空母いぶき」の「いそかぜ」は初代「あきづき」の艦番号「161」をもらっています)

と言うことで、少し苦労しましたが、艦番号は「162」に決定。

 

第65護衛隊(「いそかぜ」(DDG-183), 「うらかぜ」(DDG-162))

(直下の写真は、第65護衛隊の2隻。手前:「うらかぜ」(DDG-162) と奥:ミニ・イージスシステム搭載艦に改装後の「いそかぜ」(DDG-183))

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(直下の写真:参考までにターターシステムからイージスシステムへの換装後の「いそかぜ」(DDG-183)。「はたかぜ」級DDGをベースに、艦橋上部にミニ・イージスシステム用のドームを追加。主砲をオート・メララ製の54口径コンパット砲に換装、併せて、アスロック・ランチャー設置箇所に、16セルのVLSを設置して即応性を高めるなどの工夫があります)

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と言うことで、第二世代ミサイル護衛艦「たちかぜ」級4隻(一隻は架空艦です)が完成しました。

(直下の写真:DDG第二世代たちかぜ級の揃い踏み。手前から「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」そして架空艦「うらかぜ」の順)

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海上自衛隊の艦隊防空担当艦の系譜(160番台艦の一覧)

ちょっと良い機会なので、前述の「うらかぜ」の艦番号をどのように決めたかの経緯説明の話の流れで、艦番号絡みの話を少し。

海上自衛隊護衛艦のうち、護衛隊群等の艦隊防空の役割を担う艦には、従来から160番台(のちには170番台から180番へ)の艦番号が 付与されてきています。今回は、イージス艦以前の防空担当の護衛艦が、ほぼほぼ揃ってきたので、ご紹介しておきます。

 

DD-161「あきづき」(初代)/DD-162「てるづき」(初代) 

海上自衛隊護衛艦として初めて2000トンを超えた「あきづき」級護衛艦ネームシップ。5インチ単装速射砲3基と3インチ連装速射砲(スーパーラピッド)を装備し、高い対空戦闘能力を持っていました。

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「あきづき」「てるづき」共に、旗艦装備を保有しており、護衛艦隊、護衛隊群の旗艦任務につくことが多かったと言われています。

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DDG -162「うらかぜ」

第二世代ミサイル護衛艦「たちかぜ」級の4番艦(架空)。

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ミニ・イージスシステム搭載護衛艦いそかぜ」(DDG-183)と第65護衛隊を組んだことは、つとに有名。「亡国のイージス」事件で、僚艦「いそかぜ」によって撃沈されてしまいます。

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 DDG-163「あまつかぜ」

海上自衛隊初のミサイル護衛艦。ターター・システムを搭載

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DD-164「たかつき」

多目的護衛艦「たかつき」級のネームシップ強力な54口径5インチ砲を2基装備し、ミサイル護衛艦の防空機能を補完する役割をになっていた。装備近代化のFRAM改装後の姿。艦後部にCIWSを装備していますが、実際にはCIWSは「きくづき」のみ装備し、「たかつき」は装備しませんでした。

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DD-165「きくづき」

多目的護衛艦「たかつき」級の2番艦。装備近代化のFRAM改装後の姿。後部主砲と、Dash格納庫を撤去して、対艦ミサイル、シースパロー、CIWSなどを搭載し、ミサイル化対応を促進し、艦齢延長が図られました。ヘリコプターの搭載能力を除けば、ほぼ「はつゆき」級汎用護衛艦に匹敵する戦力に。

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DD-166「もちづき」

多目的護衛艦「たかつき」級の3番艦。本級の3番艦、4番艦には、FRAM改装は行われませんでした。

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DDG -166「もちづき」架空改装艦 

「もちづき」は、FRAM改装に代えて、DDG化の改装が行われた、と言う想定です。海上自衛隊初のDDG「あまつかぜ」の就役が 1965年。第二世代DDGの「たちかぜ」級の就役が1976年。この間、「あまつかぜ」は唯一のDDGであったわけで、ターター・システムの複数艦での運用データを得るためにも、この空白を埋めるために、1967年から就役の始まった「たかつき」級の1隻が早々にDDGへ改装・転用された、と言うカバーストーリーで製作されています。

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少し制作の裏話を。(この部分は前々回の再録です)

当初、艦後部のイルミネーターの後方に2番主砲を残していたのですが、Mk13ミサイル発射機とCIWSをその後ろに追加すると、2基のイルミネーターの配置に余裕がなく、併せてあまりにも艦後部が荷重になるように思われ、2番主砲の設置を断念しました。

その上で、少しイルミネーターの間隔に余裕を持たせ、Mk13対空ミサイル発射機をDASH無人対潜攻撃ヘリコプター格納庫上に設置、DASHの運用甲板であった後甲板にCIWSを設置、と言う配置にしました。CIWSの射界を広く持たせるためにはMk13とCIWSの配置を逆に、とも考えたのですが、Mk13の下に収納されるミサイル弾庫を考慮すると、この順序が良いのではないかと言う結論です。なんとなく、DASHの格納庫をそのままに、と言う状況も活かせたような気もしています。

 

僚艦「あまつかぜ」と護衛隊を組む「もちづき」

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その後、「うらかぜ」と一時は護衛隊を組むことも。(おお、架空艦での護衛隊編成)
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DD-167「ながつき」

DDGへの改装も検討されたが、予算上捻出できず断念、と言う設定です。ほぼ就役時の姿を残しています。f:id:fw688i:20200112142635j:image

 

DDG-168「たちかぜ」

海上自衛隊、第二世代のミサイル護衛艦「たちかぜ」級のネームシップ。1998年からは護衛艦隊旗艦を務めたことも。

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DDG-169「あさかぜ」

「たちかぜ」級の2番艦。

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DDG-170「さわかぜ」

「たちかぜ」級の3番艦。本艦から、アスロックの自動装填機構が導入されました。アスロック・アンチャーの位置と艦橋基部の形状の少し異なります。

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DDG-171「はたかぜ」

海上自衛隊のミサイル護衛艦としては第三世代「はたかぜ」級のネームシップ。イージスシステム以前の対空誘導ミサイル駆逐艦としては最終世代に属し、その頂点とも言われることもあります。「まや」級の就役で、そろそろ練習艦籍に移管されるかも。

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DDG-172「しまかぜ」

第三世代ミサイル護衛艦「はたかぜ」級の2番艦。

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DDG-183「いそかぜ

第三世代ミサイル護衛艦「はたかぜ」級の3番艦。ミニ・イージスシステム搭載艦への改装が行われた。直下の写真は、改装後の姿。改装再就役直後に「亡国のイージス事件の舞台となり、失われた。
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事件直前の第65護衛隊の2隻。手前:「うらかぜ」(DDG-162) と奥:ミニ・イージスシステム搭載艦に改装後の「いそかぜ」(DDG-183)。

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と言うことで、少し後半、取り止めのない一覧になりましたが、今日はここまで。

改めて一覧すると、よくみると、160番台の船は、もう一隻も現役に残っていないのですね。「たかつき」級や「たちかぜ」級がもう残っていないなんて、改めて、時の流れを感じます。

 

3Dプリンティングモデルの紹介は、今回でひと段落つきました。実は後、米海軍のアーレイバーク級を残しているのですが、こちらはもう少し情報を貯めて、米海軍、としてご紹介できれば、と考えています。

 

と言うことで、次回は、前々から予告している装甲巡洋艦の残余(米海軍とオーストリア=ハンガリー帝国海軍あたり)をご紹介するか、あるいはWW2の日本海軍の巡洋艦史を数回に分けて、どちらかをいよいよ開始しようかな、などと考えています。

 

もしかすると、その前に「スターウォーズ  スカイウォーカーの夜明け」の所感w一回挟むかも。

 

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3Dプリンティングモデル 雑感(その4:「たちかぜ」級護衛艦の製作)

今回は3Dプリンティングモデルの雑感の4回目。 

Amature Wargame Figures製の「たちかぜ」級DDGモデルが、WNV素材で一点、SDF素材で二点、到着しましたので、素材つながりで、ご紹介します。

 

「たちかぜ」級護衛艦については、「海上自衛隊 護衛艦発達史(3) 護衛隊群の整備・ DDHの登場」の回でご紹介しました。

fw688i.hatenablog.com

 

Amature Wargame Figuresの「たちかぜ」級

本稿内ではHai製のダイキャスト製のモデルをご紹介しましたが、Amature Wargame Figures製のWhite Natural Versataile Plastic :WNV素材のモデル一点と、 Smooth Fine Detail Plastic :SFD素材のモデル二点を入手しました。

下の写真は、SFDモデル。

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全体としては、Amature Wargame Figures製の標準的な仕上がりで、最初は細かい武装パーツとマストの交換で仕上げていこうと考えていました。

しかし、よく見ると、あれれ、ちょっと艦橋が大きいぞ。と、気になっちゃいました。

やれやれ、少し大ごとになる予感。

 

と言うことで、ゴリゴリとクラフトのこぎりで艦橋他の上部構造を撤去します。

あらら、すっきりしちゃいました。(実は、艦首部のナックルがあるのか無いのか、要ははっきりしないなど、さらに気になるところがいくつか。 でも、まあ今回はこれで進めましょう)

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WNV素材のモデルで、「さわかぜ」を制作

上記のSFD素材モデル同様、 上部構造物をF-toys製やSNAFU store製のパーツに交換していきます。

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ディテイルアップ箇所:艦首部から主砲、アスロック・ランチャーをF-toys製のストック部品に交換。

艦橋をF-toys「しまかぜ」の艦橋部に交換。:「さわかぜ」は「たちかぜ」級DDGの3番艦ですが、この艦からアスロックは艦橋基部から自動装填される機構を搭載しています。「しまかぜ」も同様の機構を搭載しているので、これをそっくり転用しました。

艦橋の上部のマックはF-toys製「しらね」のものを少し手を入れて転用。「しまかぜ」の艦橋では、少し長さが足りないので、少し長さを延長加工しています。

後部のマック上部も同様に「しらね」のものを転用。マック後方のイルミネータは「しまかぜ」から移植。後部主砲とCIWSはF-toys製、艦尾のMk 13はSNAFU store製のものを、それぞれ換装しました。

サーフェサーで下地処理をして、あとは仕上げのみの状態。
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SFD素材のモデル2点をディテイルアップ開始

下の写真は、「たちかぜ」級DDGの2番艦「あさかぜ」の制作。

ほぼ、前述の3番艦「さわかぜ」と同様のディテイルアップの予定ですが、これも前述のように2番艦「あさかぜ」は、アスロックに自動装填装置を装備しておらず、艦橋前部の基部には装填用のハッチ等はありませんので、転用したF-toys製の「しまかぜ」の艦橋部分から、そのモールドを削ってあります。

艦尾部には、SNAFU store製Mk 13を搭載しました。f:id:fw688i:20191228200626j:image

 

そしてSDF素材モデルのもう一隻は、「しまかぜ」の艦橋をそのまま転用します。つまり、アスロックは自動装填装置付き、と言うことです。「たちかぜ」級DDGの4番艦。

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あれれ、架空艦、ですね。「おお、あれか?」と心当たりのある方は、相当のマニアかと。

もったいつけるわけではないのですが、この艦がどのようなカバーストーリーを持つのかは、次回、完成時にご紹介します。

 

と言うことで、今回は、ここまで。

お正月の準備しなきゃ。年賀状、作ろうっと。

 

本年はこれで(多分)終了です。

昨年9月から始まった当ブログですが、今年、一応、そもそもの主題であった「主力艦の発達史」については、まがりなりにも完了することができました。さらに往生際悪く、派生のストーリーをチマチマと捻り出し続けてきましたが、これも毎回の皆さんのアクセス数に励まされてのおかげと、本当に心より感謝しています。

本当にありがとうございました。

そして、来年もよろしくお願いいたします。

 

皆さんにとって、良い新年でありますように。

 

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3Dプリンティングモデル 雑感(その3:たかつき級護衛艦の製作・架空艦への派生)「スカイウォーカーの夜明け」ブリーフコメント付き

今回は3Dプリンティングモデルの雑感の3回目。 

前々回、本稿では3Dプリンティングモデルの2種類の素材例として、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦を紹介しました。

下の写真は、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦のモデルを、White Natural Versataile Plastic :WNV(奥)と Smooth Fine Detail Plastic :SFD(手前)の二種類の素材で出力してもらった例です。

White Natural Versataile Plastic:WNVで出力した例

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Smooth Fine Detail Plastic:SFDで出力した例

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取り上げた二つの素材、White Natural Versataile Plastic:WNVと Smooth Fine Detail Plastic:SFDの仕上がりの優劣については、「雑感のその2」で中国艦を例としてご説明しました。

 

その中で、仕上がり以外の素材選びのポイントとして、加工素材としての適性を合わせてご紹介しました。

(「たかつき」級護衛艦のモデルストックは、すでに「たかつき」級の護衛艦の模型はHai社製のものがありましたので、いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです。その際には切ったり、削ったりが必要になるのですが、加工の種類によっては、White Natural Versataile Plasticの方が粘性が強く、切断等の作業には適性が高いかもしれません。一方で、Smooth Fine Detail Plasticは、硬度が高く、研磨等の作業には適性が高いかもしれません。)

なんて書いちゃったものだから、気になって、結局、前々回以降、チマチマと工作して、とりあえずストックしていた4隻(実際にはFRAM改装後のモデルとして、1隻は製作済みだったので残りの3隻)を仕上げちゃった、と言うのが、今回のお題です。

 

それぞれのモデルはそれぞれこちら(↓)でお求めになれます。 

www.shapeways.com

Takatsuki-class destroyer, 1/1250 (PCPXYBRAY) by Nomadier

www.shapeways.com

Takatsuki-class destroyer (1985), 1/1250 (ABVAWV8VA) by Nomadier

 

たかつき級護衛艦については、すでに本稿でご紹介済みですので、気になる方はそちらを読んでみてください。

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一応、さらっと要点のみ再録しておきます。

DDA たかつき級護衛艦(1967- 同型艦 4隻)

ja.wikipedia.org

Takatsuki-class destroyer - Wikipedia

第2次防衛力整備計画で、前出の「やまぐも級」護衛艦で既述の通り、「やまぐも級」とのハイ・ロー・ミックス構成の構想の下、有力な対空・対潜戦闘能力を持つ多目的護衛艦(DDA)として4隻が建造された。

(106mm in 1:1250  Hai製モデルをベースに主砲塔のみSNAFU store製のWeapopn setに換装)

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船型は海自標準となってきた感のある遮浪甲板型を採用し、主機には蒸気タービンを搭載し、32ノットの速力を得た。 

Mk42 54口径5インチ単装速射砲2基で広範囲の対空戦闘力を保持し、加えてボフォース対戦ロケットランチャーとアスロック、対戦短魚雷、さらにはDASH無人対潜攻撃ヘリコプター搭載、と非常に充実した対潜戦闘能力を誇る有力な護衛艦であった。

 

FRAM改装

上述のように、本級は非常に有力な戦力であったが、ミサイル化の流れの中で装備には陳腐化が目立つようになった。一方で、急速な新戦力整備にも限界があるため、FRAM(艦隊再建近代化計画)の名の下に、同級の「たかつき」「きくづき」に対して大規模な改装が行われ、当時新鋭のはつゆき級と同等の戦力化が目論まれた。具体的な内容としては、艦尾部の5インチ砲、これも艦尾部にスペースを取っていたDASH関連装備を撤去し、短SAM(シースパロー)、ハープーン艦対艦ミサイル、20mmCIWS、および種々の電子装備の換装、追加などが行われ、8年程度の艦齢延長を目指した。

(直下はFRAM改装後のたかつき級。Amature Wargame Figuresの3Dモデルをベースに、武装をSNAFU store製のWeapopn setから転用)

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(FRAM改装前後のたかつき級を比較。奥がFRAM改装後。改装前のたかつき級は艦尾部に大きなDASH運用スペースが取られている事がよくわかる)

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と言うことで、上記の写真ではHai社製のダイキャストモデルと、FRAM改装後のモデルとしてSFD素材の3Dプリンティングモデルを登場させていたために、手元には竣工時のモデル2つ(WNV素材とSFD素材:下の写真)と、FRAM改装後のWNV素材モデル(さらにその下の写真)の3隻が手元にはあり、さて、これをどんな風に仕上げて行こうか、と言うわけです。

f:id:fw688i:20191201163309j:image

f:id:fw688i:20191221115432j:image

 

「たかつき」級護衛艦は全部で4隻建造されており、一番艦から順に「たかつき」「きくづき」「もちづき」「ながつき」と命名されています。そのうち建造年次の古い「たかつき」「きくづき」は、後にFRAM改装を受けて艦齢延長が図られます。

 

と言うことで、まずはFRAM改装後のモデルをもう一隻

少しディテイルアップを図るために、WNV素材モデルのいくつかのパーツを切断。艦前部から順に、主砲塔、アスロックランチャー、前部マスト、CIWS、シースパロー発射機、これらを一旦切断し、Ftoys製の現用艦船コレクションから、各パーツを転用し、ペタペタと貼っていきます。

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こう言う比較的大掛かりなパーツの撤去と置き換えには、粘性の強いWNVは安心して切断などできるので、適性が高いかもしれません。この後、サッと下地塗装をして、仕上げ塗装を行います。

 

竣工時の状態のモデル(FRAM改装を受けない状態)をもう一隻。

下の写真は、上述のFRAM改装モデルと同じように、WNV素材のモデルから主要兵装のパーツ(主砲塔2基とアスロックランチャー)と、マスト上部等をFtoys製のパーツに置き換えた後、さっと下地処理を済ませた状態。艦中央に白いパーツが見えるのは、短魚雷発射管をロッドで作成したものです。
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こうして、「たかつき」級護衛艦の勢揃い。f:id:fw688i:20191222153217j:image

写真上部:FRAM改装後の「たかつき」級護衛艦(奥:たかつき・注!!!本来は「たかつき」はFRAM改装後もCIWSは未装備だったのですが、ここでは一応装備したことにしてあります。手前:きくづき)写真下部:就役時の「たかつき」級護衛艦(奥:もちづき、手前:ながつき)

 

架空艦の製作へ

さて、SFD素材の竣工時モデルがもう1隻残ったけど、どうしよう?

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そうだ、そもそも、このモデルストックは「いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです」と書いてたんじゃないか。

 

と言うことで、ちょっと頭の中をゴソゴソ。

そう言えば、海上自衛隊初のDDG「あまつかぜ」の就役が 1965年。第二世代DDGの「たちかぜ」級の就役が1976年。この間、「あまつかぜ」は唯一のDDGであったわけで、ターター・システムの複数艦での運用データを得るためにも、この空白を埋めるために、1967年から就役の始まった「たかつき」級の1隻が早々にDDGへ改装・転用された、と言うカバーストーリーがなんとなくいい感じなのでは?

 

DDG「もちづき」の制作

こうして、DDG「もちづき」の誕生です。

SFD素材の竣工時モデルのいくつかのパーツを撤去。撤去部分は、艦首から前部主砲、アスロック・ランチャー、前部マスト上部、後部煙突上部、後部上部構造物、後部主砲。

換装、もしくは追加したパーツ:前部主砲(Ftoys)、アスロック・ランチャー(Ftoiys)、前部マスト上部(Ftoiys:「しらね」前部マストを転用)、短魚雷発射管(ロッドより製作)、ハープーン・ランチャーを追加(Ftoys)、後部煙突上部(Ftoiys:「しらね」後部煙突上部を転用)、ボートを両舷に追加(Ftoys)、イルミネーター2基を追加(Ftoys「しまかぜ」より転用)、Mk13対空ミサイル・ランチャーを追加(Ftoys「しまかぜ」より転用)、CIWSを追加(Ftoys)

下の写真は、上記の作業後、下地処理を経てざっと塗装をしてみたものです。艦中央部の白いパーツは、ロッドで製作した短魚雷発射管です。

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少し制作の裏話を。

当初、艦後部のイルミネーターの後方に2番主砲を残していたのですが、Mk13ミサイル発射機とCIWSをその後ろに追加すると、2基のイルミネーターの配置に余裕がなく、併せてあまりにも艦後部が荷重になるように思われ、2番主砲の設置を断念しました。

その上で、少しイルミネーターの間隔に余裕を持たせ、Mk13対空ミサイル発射機をDASH無人対潜攻撃ヘリコプター格納庫上に設置、DASHの運用甲板であった後甲板にCIWSを設置、と言う配置にしました。CIWSの射界を広く持たせるためにはMk13とCIWSの配置を逆に、とも考えたのですが、Mk13の下に収納されるミサイル弾庫を考慮すると、この順序が良いのではないかと言う結論です。なんとなく、DASHの格納庫をそのままに、と言う状況も活かせたような気もしています。

直下の写真:DDG改装後の「もちづき」

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直下の写真:僚艦「あまつかぜ」と共に。

上記のカバーストーリーでは、DDG「もちづき」は「あまつかぜ」と組んで活躍することになります。

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直下の写真:そしてやがては第二世代DDGの「たちかぜ」級と共に行動する機会もあるかもしれませんね。

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さて、どちらのクラスと護衛隊を組んでも、いくつもカバーストーリーが書けそうな・・・。

 

と言うことで今日はここまで。

次回はもう少し3Dプリンティングモデルの続きをご紹介する予定です。

 

ところで、スターウォーズ ースカイウォーカーの夜明け」、観てきました。

www.youtube.com

もう一度、或いは、もう数度観ないとなんとも言えませんが、まあ、一回ではすっきりと腹落ちしなかった、と言うことですかね。

つまり両膝を叩いて「良かった。お勧めです」とはならなかった、と言うことで、昨日あたりに巷のネットに書き込まれた感想と、私の感想もほぼ同範囲、と言うことですね。

でも、まあ一度ご自身で見てみて下さい。話題(話材?)にはなること間違いなし、です、今ならね。急げ!

 

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3Dプリンティングモデル 雑感(その2:中国現用艦の仕上がりは?)

前回、新着3Dプリンティングモデルをご紹介しましたが、その際にプリントアウト素材に触れました。

簡単にまとめると、White Natural Versatlie Plastic (ちょっと長いので、以降はWNVと略して良いでしょうか?他所では通用しないと思うので、ご注意を)は、やや仕上がりが荒いが、価格が安い。一方、Smooth Fine Detail Plastic(同様にSFD。これも他所では通用しませんよ)は、細部の再現性が高いがやや価格が高い。さてどっちを選ぼうか、と言うような課題を積み残し、「これは作って比べてみるしかないでしょう!」なんて大見え切ってしまいました(ちょっと後悔)。

と言うわけで、今回はその続きを。

(こういう話は、読んでて面白いのかな、と首を傾げつつ)

 

中国海軍 052D級駆逐艦 Kunming class(昆明級)

このクラスについては、前々回の「中国海軍現用艦」の回で、一度ご紹介しています。その際にご紹介したモデルはAmatuer Wargame Figures製のものでした。

fw688i.hatenablog.com

(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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下の写真が、今回新たに入手した幕之内弁当三次元造形の昆明級モデルを、サーフェイサーで下地処理した段階のものです。

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同級について、その特徴を再録しておきましょう。

***現状では中国海軍の主力艦隊防空艦である。中国版イージスと呼称される。現在19隻が就役しており、最終的には同級の建造数は22隻に達する予定であるとされている。

NATOのコードネームは「旅洋Ⅲ」。7500t、30ノット。

同級では、これまでの中国海軍の(ロシア海軍の、というべきか?)特徴的なリボルバーVLSではなく、米海軍や海上自衛隊と同じようなキャニスター式のVLSを採用している。(装填等が同じ方式かどうかは不明である)

このVLS64セルにHHQ-9対空ミサイルと、YJ-18対艦ミサイルで共用していると思われる。このVLSは対潜ミサイル、巡航ミサイルにも対応している、と言われている、

搭載するフューズド・アレイ・レーダーは改良型のドラゴン・アイに変更された。

主要武装は、主砲を130mm単装速射砲を装備し、近接防御用に30mm CIWSとHHQ-10近接防空ミサイルを保有している。

対潜装備としてはヘリコプター1機を搭載し、短魚雷発射管を装備している。***

ja.wikipedia.org

Type 052D destroyer - Wikipedia

 

そしてこちらが、今回入手したSFD素材の幕之内弁当三次元造形製「昆明級」モデルを仕上げたものです。艦橋の窓、艦首部のブルワーク内側の再現、艦尾のヘリコプターハンガー部の再現など、SFDと言う素材による、と言うべきか、製作者のデザインに準じる差異と言うべきか、非常にディテイルの再現されたモデルとなっています。

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早速、WNVモデル(写真上段:Amatuer Wargame Figures製)とSFDモデル(写真下段:幕之内弁当三次元造形を比べてみます。塗装等は同じカラーを基本的に用いています。

やはりSFDモデルにシャープでの優位が認められます。特に本級の特徴である艦中央部の八木アンテナがコンパクトの再現されるなど、その特徴が顕著に現れているように思います。

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こちらWNVモデル(写真上段:Amatuer Wargame Figures製)とSFDモデル(写真下段:幕之内弁当三次元造形製)の比較。八木アンテナ、小さい!VLSの細部再現も。

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中国海軍 054A級フリゲート Youncheng class

このクラスについても、前出の本稿前々回「中国海軍現用艦」の回で、一度ご紹介しています。その際にご紹介したモデルは、やはりAmatuer Wargame Figures製のものでした。

(108mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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本級の特徴を再録しておきましょう。

***外洋進出を目指す中国海軍の中核的な存在となるべく、艦型を一気に大型化し、これまでのフリゲートとは一線を画する高い航洋性を有している。

NATOのコードネームは「江凱」。3400t、27ノット。

西側諸国の技術を導入し、ステルス性を意識した艦容となった。

VLSに搭載した対空ミサイル、対潜ミサイルで高い対空・対潜戦闘力を保有し、YJ-83対艦ミサイル4連装ランチャー2基で対艦戦闘能力も確保した。他に対潜ロケット、短魚雷発射管、対潜ヘリ等、対潜兵装も充実した、汎用フリゲートとして一定の完成度に達している。***

 

054(江凱)級フリゲート:Jiangkai-class frigate  同型艦:30隻

ja.wikipedia.org

Type 054 frigate - Wikipedia

 

そしてこちらも、下の写真が、今回新たに入手した幕之内弁当三次元造形の054級モデルを、サーフェイサーで下地処理した段階のものです。

f:id:fw688i:20191130143027j:image

seesaawiki.jp

 

そしてこちらが、今回入手したSFD素材の幕之内弁当三次元造形製「054級」モデルを仕上げたものです。やはり艦橋の窓、艦尾のヘリコプターハンガー部の再現など、前出の「昆明級」同様、ディテイルの再現されたモデルとなっています。f:id:fw688i:20191215160837j:image

ここでも、SFDモデル(写真上段:幕之内弁当三次元造形製)とWNVモデル(写真下段:Amatuer Wargame Figures製)と比べてみます。塗装等は同じカラーを基本的に用いています。

こちらは「昆明級」以上にSFDモデルの再現性の高さが見て頂けるのではないでしょうか?

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 特にアンテナの細部の再現は、SFDが圧倒的に優位だと思います。

 

さらに、実は写真では少しお伝えしきれないと思うのですが、手に持った際の感触が、WNV製の場合には、どうしても「ざらざら」、と言うか、表面の滑らかさにはSFDとの間で大きな差を感じてしまいます。

 

と言うことで、これはある意味予想通りで、ある種つまらない結論ではありますが、SFDの方がシャープさがあり仕上がりの満足度は明らかに上回ります。

もう一つ、幕之内弁当三次元造形製品の原型がSFD指定で、したがってSFDとの相性がいい、と言うこともあると思います。

あとはお財布の中身とよく相談をして、コレクション重視(つまり数を揃えたい)か、モデラー視点の重視(つまり仕上がりが気になる)か、で都度選択していかねばならない、と言うことになるのでしょうね。どうでしょうね、Amature Wargame Figures製のWNVモデルが$11.27、同社のSFDモデルは$20.81。あくまで筆者の主観として、Amature Wargame Figures の原型の場合は、あえてSDFを選択しなくとも、十分だと思っています。

これに対し幕之内弁当三次元造形のSFDモデルが$43.6ですからね。これは難しい判断、と言うことになると思います。コレクションにおけるそのクラスの重要さ、と言うか、どこまでそのクラスに思い入れがあるか、その辺りでの判断になりそうです。

 

本稿で扱っている1:1250スケールの場合、特に上記のバランスが微妙なのかもしれません(例えば筆者はどちらかと言うと前者=コレクション重視の傾向が強く、数をそろえたい派であるように思います。まあ、モデラーとしてのスキルも低いのですが)。

もしかすると、もう少し大きなスケールの場合(1:700など)には、あまり迷う余地はないのかもしれません。

 

それにしても、3Dプリンティングモデルの登場で、選択肢が非常に広がったことは大変嬉しい事実だと感じています。

データのみの販売も行われていますので、自前の3Dプリンターを購入して、と言う選択肢まで入れれば・・・。ああ、何か大きなものの蓋が開いてしまったような。(困ったようなふりをして、実はもちろん楽しんでいますよ)

 

次回は、引き続き、残りの3Dモデルについての情報と、前回少し素材例のところでご紹介した「たかつき級」護衛艦にも手をつけました(加工して架空艦を作成する際の素材として入手した、なんて書いてしまって、少し火がついた、と言うことなんですが)のので、そちらのご紹介も併せてしたいと考えています。

 

全く今回の内容とは関係のない話ですが、本稿でも紹介した「空母いぶき」のブルーレイ、DVDが出ましたね。

www.youtube.com

 早速、レンタルしちゃいました。

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浮舟艦長の「いそかぜ」も活躍してます。「いてまえ!」

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新着3Dプリンティングモデル 雑感

新着3Dプリンティングモデル

前回、少し触れましたが、1:1250スケールの3Dプリンティングモデルがいくつか到着しました。今回は雑感を少々。

 

今回、入手したモデルは、直下の写真、奥から

海上自衛隊 試験艦「あすか」

米海軍 アーレイ・バーク級イージス駆逐艦 フライトIII

中国海軍 052D級駆逐艦 Kunming class(昆明級)

中国海軍 054A級フリゲート Youncheng class 

の順です。

(直下の写真では、「あすか」のみ下地塗装済み、その他はサーフェサー塗布の状態です)

f:id:fw688i:20191130143003j:image

これらはいずれも幕之内弁当三次元造形さんと言う日本の方の作品で、筆者はいつも利用している(おそらく)世界最大の3D プリンティングモデル出力会社 Shapewaysから入手しました。

www.shapeways.com

www.shapeways.com

幕之内弁当三次元造形さんは、東京都大井町駅近くにある「軍事選書堂」さんでもモデルを販売していらっしゃるらしいのですが、筆者はまだお店を訪れたことがありません。あわせてオリジナルブランドのDesktop Fleetは1:2000スケールに重点が置いてあるらしく、1:1250のモデルは一部に限られているようです。

それぞれのモデルの詳細は、また完成後にご覧いただくとして、今回は概略のみ。

 

海上自衛隊 試験艦「あすか」

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ja.wikipedia.org

実はこのモデルを入手したのは2回目です。1回目の入手モデルは、実は当ブログでご紹介したイージス護衛艦いそかぜ」三態のうち、「亡国のイージス」小説版の第一形態「いそかぜ」の艦橋上部に追加された「イージスシステムドーム」に転用されました。

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(艦橋上部に追加搭載されたイージスシステムドーム)

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米海軍 アーレイ・バーク級イージス駆逐艦 フライトIII

f:id:fw688i:20191130143041j:image

ja.wikipedia.org

今回のモデルはフライトIIIですので、現時点では最終形のヘリコプター搭載モデルです。

 

中国海軍 052D級駆逐艦 Kunming class(昆明級)

f:id:fw688i:20191130143017j:image

ja.wikipedia.org

Type 052D destroyer - Wikipedia

 

このクラスについては、前々回の「中国海軍現用艦」の回で、一度ご紹介しています。

その際にご紹介したモデルは下記の通 Amatuer Wargame Figures製のものでした。

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(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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中国海軍 054A級フリゲート Youncheng class 

f:id:fw688i:20191130143027j:image

seesaawiki.jp

 

このクラスについては、前々回の「中国海軍現用艦」の回で一度ご紹介しています。

その際にご紹介したモデルは下記の通 Amatuer Wargame Figures製のものでした。 

(108mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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054(江凱)級フリゲート:Jiangkai-class frigate  同型艦:30隻

ja.wikipedia.org

Type 054 frigate - Wikipedia

 

3D Printing Modelの出力素材(今回の話の目玉はこちらかも?)

実は、今回入手した幕之内弁当三次元造形さんのモデルは、全て、 Smooth Fine Detail Plasticという素材で出力されており、大変シャープなディテイルが再現されています。

前々回「中国海軍 現用艦」の際のご紹介したAmature Wargame Figures製のモデルは、White Natural Versataile Plasticと言う素材で、ややディテイルに甘さが残りますが、その分安価、と言う特徴があります。価格差は、例えば前出の「052D級(昆明級)駆逐艦」の場合、Amature Wargame Figuresさん(あるいは価格設定はShapewaysが行っているのかもしれませんが)が設定している価格は、White Natural Versataile Plasticの場合$11.27であるのに対し、 Smooth Fine Detail Plasticの場合には$20.81で、筆者のようにコレクション目的で数を揃えようとする場合には、この価格差は結構大きなものになります。

 

同一モデルの場合の出力例をご参考まで、以下に示しておきます。

下の写真は、Amature Wargame Figures製の海上自衛隊「たかつき」級護衛艦のモデルを、White Natural Versataile Plastic(奥)と Smooth Fine Detail Plastic(手前)の二種類の素材で出力してもらった例です。

f:id:fw688i:20191201163309j:image

「たかつき」級護衛艦:White Natural Versataile Plasticで出力した例

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「たかつき」級護衛艦:Smooth Fine Detail Plasticで出力した例

f:id:fw688i:20191201163317j:image

このモデルなら、White Natural Versataile Plasticで十分だとは思いませんか?

 

しかし、下の写真ほどのディテイルを再現しているモデルならば、Smooth Fine Detail Plasticで出力してみたいf:id:fw688i:20191130143017j:image

(参考:下の写真は、Amatuer Wargame Figures製 White Natural Versataile Plastic出力のモデルf:id:fw688i:20191110113305j:image

これは両者を比べてみるしかないでしょう!

 

3D Printing 出力素材比較:仕上がり以外にも検討すべき点があるかも?

もう一点、素材選びの際に比較的重要なポイントがあります。実は前出の「たかつき」級護衛艦のモデルストックは、すでに「たかつき」級の護衛艦の模型はHai社製のものがありましたので、いずれは加工して架空艦を作成する際の素材として入手したものです。その際には切ったり、削ったりが必要になるのですが、加工の種類によっては、White Natural Versataile Plasticの方が粘性が強く、切断等の作業には適性が高いかもしれません。一方で、Smooth Fine Detail Plasticは、硬度が高く、研磨等の作業には適性が高いかもしれません。もちろん作業者の得手不得手も吟味して、選択して頂ければと考えます。つまり、高ければいい(基本はそうなのだけれど)、と言うわけではない、と言うことです。

と、まあ、素材選びも楽しいですよ、と言う事が言いたいだけなのですが・・・。

 

と、最後は取り止めのない話になってしまいましたが、塗装等、完成したら、またこのブログでご報告させて戴きます。

 

と言うことで、次回は今回ご紹介したモデルの完成篇を、お届けします。

 

 


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メータ/ベルリン・フィルのベートベンに酔い痴れる

またまた予告を裏切って、今回は艦船模型には全く関係のない話です。

(本当に最後まで読んでもらっても、今回は艦船模型はかけらも出てきません。申し訳ありません)

 

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演・指揮ズービン・メータに行って来た!

2週間ばかり、大阪に帰省することになり、とある事情から、大阪でベルリン・フィルハーモニーのコンサート行くと言う僥倖に恵まれました。

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ベルリン・フィルの名誉団員でもある巨匠ズービン・メータを指揮者に迎え、思いもよらぬ素晴らしい夜になりました。 

 

演奏された曲目は以下の通り。

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リヒャルト・シュトラウス交響詩ドン・キホーテ」と、ベートーベンの交響曲第3番「英雄」の二曲でした。

 

リヒャルト・シュトラウス交響詩ドン・キホーテ

リヒャルト・シュトラウス (1864-1949)といえば、映画「2001年宇宙の旅」で使われた交響詩ツァラトウストラはかく語りき」(1896)の冒頭があまりにも有名ですが、特にオペラや舞台音楽、交響詩をたくさん残しています。

www.youtube.com

ja.wikipedia.org

ドン・キホーテ」は、有名なセルバンテスの同名の物語をモチーフとした交響詩で、独奏チェロ(ドン・キホーテ)と独奏ヴィオラサンチョ・パンサ)に、オーケストラが掛け合いのように絡んでいくような曲想を持った、40分をこえる大作です。(「チェロとヴィオラの協奏的作品」と言う付記が与えられています)

 

www.youtube.com

この曲は、上述の「ツァラトウストラはかく語りき」の翌年、1897年に完成しました。彼の交響詩としては最後から2番目の作品で、いわば交響詩作曲家としての頂点の作品で、この後、彼の作曲の重点はオペラや舞台音楽の方に移ってゆきます。

副題に管弦楽のための騎士的な性格の主題による幻想的変奏曲」とあるように管弦楽法を駆使した複雑な構成で、聞き応えのある曲でした。一方で、リヒャルト・シュトラウス 特有の時折垣間見せるユーモラスで「可愛らしい(?と言う表現が的確かどうか。汗!!)」フレーズも随所に散りばめられた、楽しい曲でもありました。

 

そして、圧巻のベートベン交響曲第3番

そして二曲目は、クラシック中のクラシック、かのベートベンの代表的な作品の一曲、交響曲第3番「英雄」でした。(あるいは「エロイカ」という通り名の方が、良いのかも)

おそらく「クラシックはちょっとね」と仰る方でも、一度くらいは耳にしたことのある名曲です。冒頭を聴けば「ああ、これか」と。

ja.wikipedia.org

 

本来はブランス革命後に登場したナポレオン・ボナパルトへの共感から書かれた曲で、その後ナポレオンが皇帝を名乗り、それに幻滅したベートベンが献辞を記した表紙を破棄した、というエピソードは大変有名です。(真偽の程は議論があるようです、が、まあ、そういう時代に書かれた一曲ではある訳です)

また、ベートベン自身は、自作の中でこの曲を最も出来の良い交響曲と評価していた、とも言われています。9番の作曲中にこの質問をされて、驚いた質問者が「5番、運命じゃないんですね?」と念を押したところ「いいえ、3番です」と答えたと言われています。

 

一応、代表的な演奏をYoutubeでお楽しみ下さい。(一応、全曲聴けますが、50分ほどかかるので、そこはご判断を)

www.youtube.com

と、エピソードに事欠かない第3番ですが 、これくらい有名な曲になると、本当にいろいろな解釈と演奏があるので、それも併せて聴き比べしてみるというのも、クラシックの楽しみの一つです。(それで結局、CDのコレクション、最近だとMP3ですが、が増えていく。コレクター魂の悲しい性、ですね、困った、困った!「面白いのはね・・・」、とこの話も止まらなくなりそうなので、また別の機会で。:別の機会があるのか!?)

 

それはそれとして、ベルリン・フィルにベートベンの「英雄」といえば、「良くて当たり前でしょう」と思っていただいて当たり前の組み合わせではあるのですが、これが、なかなか、想像を遥かに超えたパフォーマンスでした。

とにかく楽しい!「ベルリン・フィルとベートベンが楽しいの?」と首を傾げた方がいらっしゃると思うのですが、おそらくクラシックに対する概念を覆すほど、軽やかで躍動感に溢れた演奏だった、と私は感じました。

オーケストラ自身が揺れ動いていました。それにつられるように会場の観客も波打つように。

私の斜め前には若いお嬢さんがお座りになっていたのですが、彼女の頭はこの曲の演奏中、ずっと揺れ続けていました。

「よっしゃ、今夜はどこまで楽しい曲にできるか、やって見せようぜい」とでも言うような、とてつもない熱量を感じる、まさに決してCDでは味わえない、演奏会ならではのパフォーマンスを見せてもらった一夜でした。

しかもそれをベルリン・フィルが・・・。あるいは、世界一の実力者揃いのベルリン・フィルだからこそ、そしておそらく彼ら自身は目を瞑っていても演奏できる習熟のベートベンだからこそ、と言うべきかもしれません。

なんという至福の時間だったことか。

 

言葉ではなかなか伝わらないので、少しでも近い演奏がないかとYoutubeをさらってみたのですがそのようなう都合のいい展開があるはずもなく、前出のカラヤンとの違いを少しでもお伝えすべく、ヤルビィとドイツ室内管弦楽団の演奏を以下に掲げておきます。(こう言う演奏もあるよ、程度のサンプルです)

www.youtube.com

 

こんなのも見つけた! 史上最小のオーケストラ:タッシェンフィルハーモニーのベートーベン

Youtubeでベートーベン交響曲 第3番をさらううちに、ちょっと面白い演奏に出くわしました。

このオーケストラは「史上最小のオーケストラ」の触れ込みのとおり、弦楽四重奏を中心にした小規模な弦楽団に管や打楽器などを加えた総勢20人に満たない小編成のオーケストラながら、ベートーベンやマーラー交響曲などの新しい解釈や表現を導こう、と言う試みを行っています。

本来のオーケストラ編成とは異なる室内楽的な演奏のため、管と弦のバランスに違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、各パートほぼソロ演奏に近い小編成ならではの繊細さと軽やかさが大変新鮮に感じました。

www.youtube.com

tower.jp

もし気にいったら、ベートーベン の交響曲は全曲音源化されているようですので、楽しんでみられてはいかがでしょうか?

あれれ、ブルックナー弦楽四重奏の小オーケストラ版もあるじゃないか、と、またずぶずぶと深みに嵌りそうな悪い(けど楽しい)予感がしています。

 

と言うことで、今回は本当に最後まで艦船模型の話は「なし」です。(あえて繋がりを見出すとすれば、「コレクター」の話、と言うところでしょうか?)

 

と言うことで、今回はおしまい。

次回は、また艦船模型の話に戻って、予告通り装甲巡洋艦か、日本海軍の巡洋艦の話を。(と思っていたら、大阪から自宅に戻ったら、米海軍のアーレイ・バーク級フライトIIIの3D printing mdeleが何隻か中国海軍の3Dモデルと一緒に届いていましたので、もしかするとそちらの話になるかも)

 

もしクラシックの話も、お問い合わせやリクエストがあれば、お知らせください。ただしこちらはそんなにレパートリーが広くはないので、ご容赦を。

 


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中国海軍の現用水上戦闘艦艇ー海自護衛艦開発史 スピンアウト第三弾 (いつの間にか、シリーズ化?)

最初にお詫びから。

前回の予告では、「次は装甲巡洋艦特集か、日本海軍の巡洋艦軽巡重巡)のどちらか」なんてことを書いてしまっていましたが、実は海上自衛隊護衛艦のスピンアウトがもう一つあったのを、すっかり忘れていました。

 

冷戦終結以来、海上自衛隊といろいろな意味で何かと接点の多い中国海軍。ところが、あまりその実情を私はよく知りません。

「ああ、空母を買ったんだ」程度。

ここらで、ちょっと勉強をしておくのもいいのかな、と。

幸い、3D printing makerのAmature Wargame Figuresからかなり大量のモデルが販売されていますので、こちらをまずは制作するところから、とぼつぼつ始めました。

www.shapeways.com

ある程度揃ってきたので、今回は、こちらを紹介しておきましょう。 

 

中国海軍の現用水上戦闘艦

中国は元来大陸国家で、明朝の一時期を除いて海洋進出には比較的淡白であったといえる。21世紀に入り、それまで沿岸海軍に止まっていた中国海軍は、空母を中心とする機動部隊の保有をはじめ、本格的な外洋艦隊を持つに至った。

当初、その艦艇の多くはソ連(あるいはロシア)の艦艇のコピー、あるいはタイプシップとした発展型が多かったが、最近は西側の技術を導入し、一線を画する設計思想に基づいた発展を遂げている。

 

特に水上艦艇は、空母を中心とした機動部隊の防空担当艦(中国版イージス駆逐艦)、その周辺を防御する汎用フリゲートという基本構成になっていると言っていいだろう。

兵装はもちろんミサイル化がその中心に置かれ、明らかにステルス性意識した外観、さらにはフューズド・アレイ・レーダーを装備した(と見られる)艦橋など、西側諸国に路線を同じくした「洗練性」が見受けられるが、その実力の程は(幸いなことに、と言うべきか)未だベールに包まれている、と言えるだろう。

 

駆逐艦

当初、対艦戦闘をその主要業務に置いたが、空母の保有と同時に、空母機動部隊の防空警戒にその中心機能が移行した。当然、兵装の重点が対空兵装に移行し、中国版イージス艦の登場に至っている。

 

051(旅大)級駆逐艦:Luda-class destroyer 同型艦(現役):4隻(就役:1971年-)

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Type 051 destroyer - Wikipedia

 

旧ソ連海軍のコトリン級駆逐艦タイプシップとして、中国海軍初の国産駆逐艦

旅大はNATOのコードネーム。

1971年から就役を開始し、1990年にかけて都合17隻が建造された。建造期間が長期に渡り、兵装の装備には多くの変遷があり、艦容に多くのヴァリエーションがある。艦容は良くも悪くも「ロシア的」と言えるだろう。あるいは一時代前を感じると言うべきか。

現在は最終型の旅大Ⅲ型の2隻(051G/051GⅡ)のみが現役にとどまっている。

現在、現役の2隻は、56口径100mm連装砲2基、 HQ-7短SAM、YJ-83対艦ミサイル、対潜ロケット、対潜短魚雷等を主要兵装として装備している。 

3670t、35ノット

(113mm in 1:1250 Hai製)

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(直下の写真:051級駆逐艦の主要兵装。YJ-83対艦ミサイル発射機) 

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(直下の写真:051級駆逐艦の艦型の変遷。写真上は建造当時の051級駆逐艦 

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052(旅滬)級駆逐艦:Luhu-class destroyer 同型艦:2隻 就役:1993年-

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Type 052 destroyer - Wikipedia

 

本級はそれまでソ連製の艦艇を輸入、あるいはタイプシップとして軍艦を建造してきた中国海軍が、西側の技術を大幅に導入して建造した初めての駆逐艦である。

旅滬」はNATOのコードネーム。

機関にガスタービンを採用し、ヘリコプターの搭載能力も付与された。

56口径100mm連装砲2基、 HHQ-7短SAM、YJ-83対艦ミサイル、対潜ロケット、対潜短魚雷等を、主要な兵装として装備している。 搭載する対潜ヘリは2機。

4800t、31.5ノット

(残念ながら、私のコレクションにはまだ加わっていません:no photo) 

 

「空母いぶき」で「哈爾浜:Harbin」が海自の「ちょうかい」と交戦し、兵装を破壊された。

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051B級駆逐艦:深圳(しんせん):destroyer Shenzhen 同型艦なし 就役:1999年-

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Type 051B destroyer - Wikipedia

 

NATOコードネームは「旅海」

前出の052級の発展型と考えられるが、艦型が大型化し、外観にステルス性への配慮が見受けられる。

機関はガスタービンディーゼルエンジンの組み合わせで、30ノットの速力を出した。6100t 、30ノット

兵装は建造当初、ほぼ前級の052級駆逐艦のものを踏襲した。が、2015年に近代化改装が行われ、艦橋前に32セルのVLSを装備しここにHHQ-16中距離対空ミサイルを装備した。艦中央部には対艦ミサイルYJ-12A、ヘリコプターハンガー上部に30mm CIWSを装備した。主砲としては99式56口径100mm連装砲を、これは一次改装後継続装備している。

本艦は先進的な装備に対する試験実験艦的な性格が強く、その後の駆逐艦建造に大きな影響を与えた。

(123mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(直下の写真:051B駆逐艦の主要兵装。艦首部の換装後のVLS(上)と、対艦ミサイルYJ-12A発射機)

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杭州駆逐艦:Hangzhou/ Fuzhou 1999年-

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Sovremenny-class destroyer - Wikipedia

 

1995年の第三次台湾海峡危機でそれまでの国産艦艇の性能不足を痛感した中国海軍は、ロシアから対空能力に定評のあったソブレメンヌイ級(956E級)のミサイル駆逐艦2隻を購入し、艦隊防空の緊急手当として導入した。中国海軍初の対空誘導ミサイル駆逐艦(DDG)である。

対空兵装としては、130mm連装砲2基と対空ミサイルの単装発射機2基を搭載している。さらに対艦ミサイル4連総発射機(SS-N-22)2基を搭載している。

7940t、33.4ノット

加えて近接防御兵装として30mm CIWS 4基、さらに対潜ロケット、対潜短魚雷発射管等を搭載している。艦の中央部に対潜ヘリの発着甲板とハンガーを有し、ヘリ1機を搭載している。

(125mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model 写真は2016年の近代化改装以降の杭州駆逐艦

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(同級は2016年から近代化改装を受け、対空ミサイルを2基の単装発射機からVLS発射形式に改めた。VLSの前部、あるいは後方に見えるのは、近接防御用の短 SAM発射機)

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杭州駆逐艦改:Taizhou/ Ningbo    2001年-

前出の956E級2隻の購入に続けて、ロシアより956Eの改良型、956EM2隻を購入した。956E級からの変更点は、対空・対艦両ミサイルを射程延長型に変更し、130mm連装主砲を1基、改良型のCIWSを2基と、それぞれ搭載数を減らし、対潜ヘリの運用スペースをやや拡大している。

(125mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(956-EM型駆逐艦の主用兵装。前部の主砲と単装対空ミサイル発射機(上)と、やや拡大され固定型のハンガーを持つヘリ発着甲板)

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(956-E型駆逐艦(上)と956-EM駆逐艦の艦型比較)

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051C(瀋陽)級駆逐艦 :Shenyang-class destroyer  同型艦:2隻 就役:2006

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NATOコードネームは「旅洲」。

前級051Cの発展型ではあるが、ステルス性への配慮はされていない。

機関は051Cを踏襲している。

7100t、30ノット

(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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本級の兵装面での最大の特徴は、リフ-M艦隊防空システムの導入である。VLSは8連装リボルバー式B203-Mを6基搭載、さらに近接防御として30mm CIWSを2基装備している。

対艦兵装としてはYJ-834連装発射機2基を搭載、さらに主砲に100mm単装速射砲を装備した。

上記のB203-Mを4基、本来のヘリコプターハンガー部分に搭載したため、ヘリコプター着艦甲板のみで搭載能力はない。

(中国海軍の特徴的な8連層リボルバーVLS。後部のヘリハンガーに見える部分は、実はリボルバーVLSの収納スペースで、ヘリの搭載能力は、同級にはない)

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052B(広州)級駆逐艦 :Guangzhou-class destroyer 同型艦:2隻 就役:2004年-

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Type 052B destroyer - Wikipedia

 

中国海軍念願の国産艦隊防空駆逐艦(DDG)である。

NATOのコードネームは「旅洋I」。

ロシアより購入した956E級、あるいは956EM9と同じロシア製の艦対空システムを搭載している。同システムは2基の単装ミサイル発射基と複数のイルミネータにより、同時に最大8目標まで対応可能であった。装弾数は単装発射機あたり24発で、これを2基、計48発を搭載している。

その他の兵装として、主砲として100mm単装速射砲を搭載し、対艦兵装としてはYJ-83対艦ミサイルの4連装発射機を2基装備している。加えて近接防御として30mm CIWS 2基を搭載している。
対潜装備としてはヘリコプター1機を搭載し、短魚雷発射管を装備している。

ほぼ並行して開発された次級の052C級が成功を収めたことから、同級の建造は2隻で終了した。

7000t、29ノット

(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(052B級駆逐艦の主要兵装の拡大。前部甲板上の100mm速射砲と単装対空ミサイル発射機(上)。対艦ミサイル発射機とヘリ格納庫上の後部単装対空ミサイル発射機)

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052C(蘭州)級駆逐艦 :Lanzhou-class destroyer 同型艦:6隻 就役:2004年-

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Type 052C destroyer - Wikipedia

 

052B級の設計の基礎に、HHQ-9艦隊防空システムを搭載し、さらにアクティブ・フューズド・アレイ・アンテナ を艦橋の周囲に貼ったことから、中国版イージスと言われた。

NATOのコードネームは「旅洋II」。7112t、29ノット。

艦橋の周囲にアクティブ・フューズド・アレイ・アンテナ を装着したところから、052B級よりも一段高く設計され、異なる艦容を見せている。

兵装の目玉はなんと言ってもHHQ-9A対空ミサイルで、このミサイルをリボルバー式6連装VLSを8基に搭載している。ミサイル搭載数は48基とやや少なめではあるが、これは052Bの装弾数と同数である。

その他の兵装は、ほぼ052B級に準じ、主砲として100mm単装速射砲、対艦兵装としてはYJ-83対艦ミサイルの4連装発射機を2基装備している。併せて近接防御として30mm CIWS 2基を搭載している。
対潜装備としてはヘリコプター1機を搭載し、短魚雷発射管を装備している。

(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(同級に特徴的な6連装リボルバーVLS。前部甲板に6基、ヘリハンガー上に2基装備している)

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(艦橋側面に装着されたフューズド・アレイ・レーダー)

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「空母いぶき」には、「西安:Xian」が登場している。

 

052D(昆明)級駆逐艦 :Kunming-class destroyer 同型艦:19隻 就役:2014年~

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Type 052D destroyer - Wikipedia

 

前出の052級駆逐艦の改良型DDGで、現状では中国海軍の主力艦隊防空艦である。中国版イージスと呼称される。現在19隻が就役しており、最終的には同級の建造数は22隻に達する予定であるとされている。

NATOのコードネームは「旅洋Ⅲ」。7500t、30ノット。

同級では、これまでの中国海軍の(ロシア海軍の、というべきか?)特徴的なリボルバーVLSではなく、米海軍や海上自衛隊と同じようなキャニスター式のVLSを採用している。(装填等が同じ方式かどうかは不明である)

このVLS64セルにHHQ-9対空ミサイルと、YJ-18対艦ミサイルで共用していると思われる。このVLSは対潜ミサイル、巡航ミサイルにも対応している、と言われている、

搭載するフューズド・アレイ・レーダーは改良型のドラゴン・アイに変更された。

主要武装は、主砲を130mm単装速射砲を装備し、近接防御用に30mm CIWSとHHQ-10近接防空ミサイルを保有している。

対潜装備としてはヘリコプター1機を搭載し、短魚雷発射管を装備している。

(124mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(同級に搭載されたVLS。前級のリボルバー式から、キャニスター式(?)への変更が見られる)

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(艦橋側面に装着されたフ改良型のフューズド・アレイ・レーダー) 

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海上自衛隊の「こんごう」級イージス護衛艦との大さ比較。手前から、中国海軍052C級駆逐艦、052D級駆逐艦:いずれも中国版イージス艦と言われる。一番奥が海上自衛隊「こんごう」級イージス護衛艦

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「空母いぶき」に、空母機動部隊の護衛艦として登場している。「銀川:Yinchuan」「太原:Taiyuan」「南京:Nanjing」

米TVドラマ「ザ・ラストシップ」には同級4隻が登場。アーレイ・バーク駆逐艦のコピー艦と紹介されている。

 

055(南昌)級駆逐艦:Nanchang-class destroyer 同型艦:8隻(予定・1隻が就役済/4隻が進水済)就役:2019年~ 

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Type 055 destroyer - Wikipedia

 

中国海軍の最新型防空駆逐艦。052D級駆逐艦の拡大・改良版である。

12000tを超える大型艦で、初めて統合電気推進システムを採用している。

12000t、30ノット。米海軍は本級を巡洋艦に分類していると言われている。

VLS112セルに対空ミサイル、対艦ミサイル、巡航ミサイル、対潜ミサイルを搭載している、とされている。

主砲は052D級と同じ 130mm単装速射砲。他に、30mm CIWS、HHQ-10近接防空ミサイル発射機を各1基装備している。

対潜兵装としては、短魚雷発射管と対潜ヘリ2機を搭載している。

(145mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(同級に搭載されたVLS。前級よりもセル数が大幅に増加された)

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(艦橋側面に装着された新型のフューズド・アレイ・レーダー) 

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(中国海軍のイージス艦の艦型比較。手前から052C級駆逐艦、052D級駆逐艦、055級駆逐艦  

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海上自衛隊の「あたご」級イージス護衛艦と中国海軍055級駆逐艦の大さ比較。「あたご」級イージス護衛艦(奥)、中国海軍055級駆逐艦(手前))

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フリゲート 

駆逐艦同様、当初は対艦能力に重点を置いた設計になっていたが、次第に対空戦闘へとその装備の重点が移行した。空母の導入とほぼ同時に、より高い外洋航洋性を求められ、艦型を一気に大型化することで、それまでの補助的な戦力から、空母機動部隊の外殻を構成する十分な汎用性を確保した中核的存在へと発展を遂げている。 

形式が多岐にわたり、装備に多くのヴァリエーションがあるため、ここでは主要なもののみ紹介する。

 

053(江滬)級フリゲート:Jiang-hu class frigate  同型艦:12隻(現役)

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Type 053 frigate - Wikipedia

1970年代に1番艦が建造され、1990年代までに、対艦ミサイルを主要兵器とした中国海軍の主力哨戒艦艇として32隻が建造された。

現在、II型、Ⅲ型、Ⅴ型のうち、まだ12隻が現役で就役しているとされている。

江滬:Jiang-huはNATOのコードネーム。1450t(形式により差異がある)、26ノット。

装備等は、建造年代、形式によって異なる。

 

(写真はII型。100mm連装砲2基、対艦ミサイル連装発射機2基、対潜ロケット2基、37mm連装機関砲4基等を搭載している。82mm in 1:1250  Hai製)

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053H(江衛)型フリゲート:Jiangwei-class frigate 同型艦:14隻

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Type 053H2G frigate - Wikipedia

1980年代から、それまでソ連の技術への依存から西側技術の導入に姿勢を改めて中国海軍が、前級に対空ミサイルとヘリコプター搭載能力を付加したものとして建造された。

江滬はNATOのコードネーム。2286t、27ノット。

100mm連装砲1基、対空ミサイルとしてHQ-61M6連想ランチャーまたはHQ-7 8連装ランチャーを1基搭載し、YJ-83対艦ミサイル4連装発射機2基、37mm連装機関砲4基、対潜ロケット発射機、対潜ヘリコプター1機などを搭載している。

 

(90mm in 1:1250 Hai製)

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(053H級フリゲートの主要兵装の拡大。前部甲板上の100mm連装砲と対空ミサイル発射機(上)。艦中央部の対艦ミサイル発射機)

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「空母いぶき」に「洛陽:Luoyang」が登場し、海自「ちょうかい」と交戦。「ちょうかい」の主砲により、主要兵装を破壊された。

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054(江凱)級フリゲート:Jiangkai-class frigate  同型艦:30隻

ja.wikipedia.org

Type 054 frigate - Wikipedia

 

外洋進出を目指す中国海軍の中核的な存在となるべく、艦型を一気に大型化し、これまでのフリゲートとは一線を画する高い航洋性を有している。

NATOのコードネームは「江凱」。3400t、27ノット。

西側諸国の技術を導入し、ステルス性を意識した艦容となった。

VLSに搭載した対空ミサイル、対潜ミサイルで高い対空・対潜戦闘力を保有し、YJ-83対艦ミサイル4連装ランチャー2基で対艦戦闘能力も確保した。他に対潜ロケット、短魚雷発射管、対潜ヘリ等、対潜兵装も充実した、汎用フリゲートとして一定の完成度に達している。

(108mm in 1:1250 Amatuer Wargame Figures製:3D printing model)

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(同級に搭載されたVLSと艦中央部に装備された対艦ミサイル発射機)

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(中国海軍のフリゲートの艦型比較。手前から053級、053H級、054級の順)

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(中国海軍のフリゲート駆逐艦の艦型比較。054級フリゲート(手前)と052D級駆逐艦フリゲート艦の大さが駆逐艦に迫ってきている?) 

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ロシアからの購入を皮切りに、空母も国産化に移行しつつある。

これらの空母を中心とした空母機動部隊を構成するイージス艦、さらにはその周辺を護衛するフリゲート艦など、駒は揃いつつある。

 

**********

と言うことで、中国海軍の現用艦船、いかがでしたでしょうか?

その歴史上、ほぼ初めて海洋進出を目指している現代中国、彼らの海軍は間違いなく急速に成長しているようです。

その実力の程は不明ですが、明らかにならない方がいいのかもしれません。

 

次回は、多分、本稿の本筋に戻って、装甲巡洋艦アメリカ、ロシア、オーストリア=ハンガリー帝国など)、あるいは日本海軍の巡洋艦、どちらかを。

 

***模型についてのお問い合わせ、お待ちしています。或いは、**vs++の比較リクエストなどあれば、是非お知らせください。

 

 


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護衛艦「いそかぜ」その三形態 (「亡国のイージス」から「空母いぶき」へ)

いそかぜ」と言う護衛艦

今回は、海上自衛隊護衛艦開発史のスピンアウト第二弾(誰が勝手にシリーズにしたんだ?)として、護衛艦いそかぜ」について、いろいろと。

 

まず最初に、本稿を読んでいらっしゃるような方ならば(艦船好きな、というほどの意味です)、おそらくご承知のこととは思いますが、海上自衛隊に「いそかぜ」と言う名前の護衛艦は、その創設以来、かつて存在していません。

にも関わらず、護衛艦いそかぜ」の名前は、そこそこ「有名」なのです。(そもそも、護衛艦の名前の認知率などは、たかが知れていますので、「有名」の基準とは何か、などと言う話は、まあ、それは、ちょっと横に置いておきましょう)

そして、実在しない護衛艦ながら、実は「いそかぜ」には、三つの形態があるのです。

今回は、そういうお話です。

 

まず最初に「いそかぜ」第二形態 

海上自衛隊 護衛艦いそかぜ」の名は、筆者の知る限り福井晴敏さんの小説「亡国のイージス」で初めて登場します。そしてこの小説が映画化され、その名は一層広く世に出ることになりました。(2005年)

福井晴敏」という原作者にして優れたプロデューサーを持つ「亡国のイージス」は、小説に始まり、映画に続き漫画にもなる、と言ういわゆるメディアミックス展開されます。

ja.wikipedia.orgYouTube 

 https://www.youtube.com/watch?v=moqAqiyJ4eo&t=66s

 

 

www.youtube.co 

www.youtube.com

「艦船好き」の皆さんなら、おそらく既にこの作品はご覧になったでしょうが、ざっとこの作品のあらすじをご紹介しておくと、イージス護衛艦いそかぜ」を舞台として、「いそかぜ」を乗っ取り、東京湾でグソー(GUSOH)という化学兵器(毒ガス)によるテロを実行し、世界に反北朝鮮の世論を沸騰させ、祖国の政治形態を転覆させようとする北朝鮮の元工作員ホ・ヨンファ(中井貴一)と、それを防ごうとして、乗組員として潜入した防衛省情報局(DAIS)の工作員如月(勝地領)の死闘を描いたものでした。

 

映画では、「こんごう」級イージス護衛艦の3番艦「みょうこう」(DDG-175)が、「いそかぜ」の撮影舞台として使用されています。ですので映画に登場する艦番号は「175」なのです。

(直下の写真は、F-toysの「みょうこう」をストレートに組み立てたもの)

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映画の中で、「いそかぜ」に乗組員として潜入した防衛省情報局の工作員に協力する「いそかぜ」の先任伍長仙石(真田広之)が、「グソー(化学兵器)を発射するなら、前部のVLSか、後部のVLSか・・・」と迷うシーンがありますが、下の写真は艦首と後甲板の艦番号。それぞれの少し後ろ(前?)に前後部のVLSが写っています。
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 仙石と如月は凄惨な死闘ののち、ホ・ヨンファの計画を阻止するのですが、最後に「いそかぜ」は自爆して沈没してしまいます。

 

余談ですが、亡国のイージスに登場する化学兵器「グソー(GUSOH)」は、アメリカ軍が沖縄で開発したVXガスの50倍の毒性を持つとされる神経ガスですが、福井晴敏さんの小説には数度にわたり登場します。(もちろんフィクションの世界です。・・・と筆者は希望します)

最初は「Twelve Y.O.」という小説で登場し、そのあまりに強力な毒性のために、漏出事件の末、ほぼ唯一効果を無効にできるテルミット・プラスという兵器(架空の強力な特殊焼夷弾)で、漏出を起こした辺野古基地ごと焼き払われてしまいます。(「辺野古ディストラクション」:福井作品では、しばしば登場します)

この残り(試料)が移送中に元北朝鮮工作員のホ・ヨンファに奪われて、「亡国のイージス」事件に話が繋がって行くのですが、さらに、これが驚くべきことに、数千年後にやはり福井晴敏さんの「ターンA・ガンダム」(小説名「月に繭 地には果実』)にも登場するのです。

ちなみに「グソー(GUSOH)」とは「後生」の沖縄方言読みで、冥界(死後の世界)を意味するそうです。

  

次に「いそかぜ」第三形態

そして「いそかぜ」は2019年に、もう一度映画に登場します。

それは本稿でも紹介した「空母いぶき」。「いそかぜ」は「いぶき」が所属する第五護衛隊群の一隻で、やはりここでも「こんごう」級イージス護衛艦の一隻、という設定です。

映画では「いそかぜ」ですが、原作であるコミックでは実在するイージス護衛艦「ちょうかい」として登場し、「いそかぜ」は登場しません。
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ちなみに、第五護衛隊群は原作コミックでは、「空母いぶき」(DDV-192)を中心に、これを護衛するイージス護衛艦「あたご」(DDG-177)、同じくイージス護衛艦「ちょうかい」(DDG-176)、汎用護衛艦「ゆうぎり」(DD-153)、「せとぎり」(DD-156)、AIP推進潜水艦「けんりゅう」(SS-504)、補給艦「おうみ」(AOE-426)で編成されていることになっています。

一方、映画では、諸々の設定の違い(周辺への配慮?)から、第五護衛隊群は全て架空艦で編成されています。「空母いぶき」(DDV-192)はそのままですが(これは元々架空艦です)、これを護衛するイージス護衛艦「あしたか」(DDG-190):原作では「あたご」、同じくイージス護衛艦いそかぜ」(DDG-161):原作では「ちょうかい」、汎用護衛艦「はつゆき」(DD-122):原作では「ゆうぎり」、「しらゆき」(DD-124):原作では「せとぎり」、AIP推進潜水艦「はやしお」(SS-515):原作では「けんりゅう」、というような変更が加えられています。

 

(直下の写真は、「空母いぶき」版イージス護衛艦いそかぜ」。F-toysの「ちょうかい」をベースにして、艦番号をデカールを貼り替えて変更しました。ちなみに艦番号「161」は、現用艦では使用されておらず、初代「あきづき」級護衛艦の一番艦「あきづき」の番号です)

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(直下の写真は、艦首部、艦後甲板の艦番号の拡大)
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 そして、「いそかぜ」をこの映画で一際目立たせた要因は、なんと言っても山内圭哉さんが扮する浮舟艦長の「いてまえ〜!」ではなかったでしょうか?

www.youtube.com

 原作コミックでも「ちょうかい」艦長の浮舟一佐は、ここぞと言う時には関西弁で指揮をとります。

 

そして「いそかぜ」第一形態

さて、なぜ、本稿が「いそかぜ」第二形態から始まったか、と言うお話になるのですが、これまで二形態の「いそかぜ」をご紹介してきましたが、この2隻はいずれも「こんごう」級イージス護衛艦の外観を示してきました(あまり明言はされていないような記憶があります)。

が、実は「亡国のイージス」の原作小説に登場するいわゆる初代「いそかぜ」は、「はたかぜ」級ミサイル護衛艦の3番艦として登場します。

皆さんはご承知だと思いますが、「はたかぜ」級ミサイル護衛艦は、海上自衛隊の対空ミサイル護衛艦としては第三世代にあたり、搭載するシステムはイージス・システムではなく、ターター・システムでした。ターター・システム搭載艦としては、「はたかぜ」級は最終世代に属し、システムもデジタル化し高度化し、イージス以前のミサイル駆逐艦としては頂点に立つ、という評価を得ていましたが、やはり弱点として、2-3目標までしか捕捉追尾出来ないと言う限界を抱えていました。

海上自衛隊でも次世代DDGとしてイージス・システム搭載艦が就役しており、第一線で活躍できる期間はそれほど長くないと思われていました。

一方、次々と就役が予定されているイージス艦は、従来のDDHを中心とした護衛隊群の艦隊防空の他に、周辺有事の状況変化(相次ぐ北朝鮮弾道ミサイルの発射実験など)に伴い、弾道ミサイル防衛(BMD)の役割も担うこととなります。実はこの二つの役割は迎撃高度、タイミングの差異から、同時対応、つまり両立が難しく、新たに艦隊防空の任務の分担を検討することが必要になってきます。

現在、実際にはこの役割は、イージス艦とコンビを組む汎用護衛艦に一部負担させるべく、汎用護衛艦の高性能化で対応することになっていますが、「亡国のイージス」では、「はたかぜ」級3番艦の「いそかぜ」に試験的に白羽の矢が立ち、この対策の一つとして、試験艦「あすか」で試験されてきた「ミニ・イージス・システム」を搭載し、それに関連する改装を行った、と言う設定になっています。

これに関連した記事(もちろん架空)が下のURLにあります。

http://www.masdf.com/news/isokaze.html

www.masdf.com

この、ミニ・イージス・システムの搭載に伴い、艦橋前に搭載されていたアスロック・ランチャーを16セルのVLSに換装し、従来から搭載されていた艦首のMK.13ミサイル発射基に加え発射即応性を高め、主砲も従来の54口径5インチ単装速射砲(Mk.42)から、オート・メララ製の54口径5インチ単装速射砲(127mmコンパット砲)に変更し、対空能力の向上が図られました。

(直下の写真は、F-toys製「はたかぜ」をベースに改装された「いそかぜ」。「はたかぜ」の艦橋上部にDesktop Fleet 製のAsukaの艦橋上部のイージスシステムドームを追加。主砲を換装し、アスロックランチャーに換えて16セルのVLSを搭載しました。さらに艦番号を183に変更)

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www.shapeways.com

(艦橋上部に追加搭載されたイージスシステムドームと、換装した主砲、VLSのアップ。艦番号を変更)

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いそかぜ」という名前

ところで、本稿を読んでいただいているような方ならば、映画で「いそかぜ」が「こんごう」級 イージス護衛艦の姿で登場したことに若干の違和感を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

イージス護衛艦「こんごう」級は「こんごう」「きりしま」「みょうこう」「ちょうかい」と全て「山」の名前がつけられており、その後の「あたご」級でも、「あたご」「あしがら」と山の名前を命名することが踏襲されています。これは旧海軍の重巡洋艦巡洋戦艦(後に高速戦艦)が「山」の名前を艦名としてことを踏襲しています。

 

元来、護衛艦はDDの分類符号からも、多くは駆逐艦に分類され、旧海軍の慣例に倣って(慣例かどうかはよく知りませんが、多分そうですよね)「つき」「なみ」「きり」「ゆき」「あめ」そして「かぜ」など気象関連の名前が付けられる事が、創設以来一般的でした。

その慣例は海上自衛隊初のヘリコプター搭載護衛艦「はるな」級の就役から変わって行きます。「はるな」級は「はるな」「ひえい」、続く「しらね」級では「しらね」「くらま」と、以降、大型艦には「山」の名前がつけられるようになります。前出のイージス護衛艦もこの系列にありますね。(さらに最近はさらに大型の全通甲板型のDDHには日本の律令制以来の旧国名が艦名として使われ始めています。「ひゅうが」級の「ひゅうが:日向」「いせ:伊勢」、「いずも」級の「いずも:出雲」「かが:加賀」という感じですね)

そうした意味では、「こんごう」級イージス護衛艦の形態を示す艦に「いそかぜ」と気象関連の名前を付けることには違和感を覚えずにはいられません。

では、護衛隊群の防空を担うイージス艦以前のミサイル護衛艦(DDG)にはどのような名前がつけられていたか、というと、その初代は「あまつかぜ」、第二世代「たちかぜ」級は「たちかぜ」「あさかぜ」「さわかぜ」、そして第三世代「はたかぜ」級は前出のように「はたかぜ」「しまかぜ」と、全て「かぜ」で統一されています。

従って、「はたかぜ」級の3番艦であれば、「いそかぜ」の名はふさわしい、と言うべきでしょう。

 

もう一つ、ついでに艦番号について。

艦隊防空を担うDDGは、「あまつかぜ」DDG-163、「たちかぜ」級3隻がDDG-168~170、「はたかぜ」級2隻がDDG-171, 172、続くイージス艦「こんこう」級の4隻がDDG-173~176、「あたご」級2隻はDDG-177,178、そして最新の「まや」級2隻がDDG-179,180と続きます。

艦隊防空、という視点で言えば、初代「あきづき」級の2隻も、そういう役割を負っていましたが、艦番号はDD-161,162でしたし、「あまつかぜ」と「たちかぜ」級の間の「たかつき」級4隻(DDA-164,165,166,167)も、新型の54口径5インチ単装速射砲(Mk.42)を2基搭載する対空能力に優れた艦でした。「こんごう」級の就役以前には、ターター・システム搭載のDDGとDDA「たかつき」級が護衛隊群の防空を担当するという時期がありました。

こうした観点で見れば、「空母いぶき」に登場した浮舟艦長の「いそかぜ」第二形態がDDG-161の艦番号を継承したことも、なんとなく納得ですね。

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一方で「はたかぜ」級3番艦である「いそかぜ」第三形態が背負っているDDG-183は、現在、DDH「いずも」の番号になっていますが、当時はおそらく「いずも」級の計画前であり、この番号を付与された、と考えることもできるでしょう。

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 と、名前、艦番号にも選択や付与に一定の法則がありそうです。これもまた興味深い。

 

幻の「亡国のイージス」前日譚:Call the Role

余談ですが、長編小説「亡国のイージス」には、その姉妹編として、この改装にまつわる前日譚を描いた短編小説集があるのです。

その改装は非常に大規模で、約9ヶ月を要しました。更にその後の公試などで再就役までに、「いそかぜ」はほぼ1年を要しているのです。

その改装工事中には、前出の「いそかぜ」の仙石先任伍長 は、造船所とのやり取りに疲れ果て、完工後には艦橋上に現れた「芽の生えたタマネギ」のようなミニイージスシステムのドームを見て「おれの艦を、こんなに不細工に造り変えやがって」と憤慨し、更に彼自身の部署であったターター・システムがミニ・イージス・システムによって無用の長物化したことに、自分も時代遅れになったかのように寂しい思いをするのです。

さらに、艦長と副長以外ほとんどの幹部クルーが入れ替わり(実は、この異動は、その後のテロ実行に向け仕組まれたものだったのですが)、乗組員たちも入れ替わり、これから先の混乱を予想して、先任伍長はため息をつくのです。

・・・と言うような「亡国のイージス」前日談が、実は「Call The Role」という別冊小説になっています。この本は仙石先任伍長だけでなく、その他の主要な本編登場人物の前日譚の短編集というような趣の本になっています。(「Call The Role」というのは「点呼」というような意味合いだそうです)

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この本、実はピットロード社製の「いそかぜ」のフィギュアとセットで販売されていたのですが、今や入手が非常に困難な「幻の本」となっています。

https://www.amazon.co.jp/原作版《いそかぜ》-精密フィギュアセット-福井-晴敏/dp/4062751518

フィギュアはさておき、本だけでも再版されればいいと思うのですが。できれば文庫本でね。

この本にはもう一つ、大変貴重な点があります。実はその後書き(?)がフィギュアを手掛けた模型メーカー「ピットロード」の企画開発部のお二人(そのうちの一人は原型製作者)によって書かれているのです。前述の「後書き」という言葉に?をつけたのは理由があって、後書きと言うよりも、「いそかぜ」のFRAMによる性能向上と意義を記述された内容になっています。大変コンパクトで面白い!

欲しくなってきたでしょう。再版してくれればいいのに。

 

おまけ?

さて、最後に直下の写真は、「はたかぜ」級ミサイル護衛艦のそろい踏み(?)。手前からDDG-172「しまかぜ」、DDG-171「はたかぜ」、DDG-183「いそかぜ」の順。
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 前出の「DDG-183」の記事www.masdf.comには、僚艦「うらかぜ」と共に第65護衛隊を編成、という記載があります(もちろん架空ですよ)。どうしようかな、「うらかぜ」も作ってみようかな。

しかし、同記事の中にはしかしこの近代改修工事は、いそかぜの場合で450億円と高額であるため財務省片山さつき担当主計官は「近年の緊縮財政期においてこのような費用対効果が悪い計画に意味があるのか?ミニ・イージス戦艦なんて時代遅れよ!」と、今後の予算化には消極的。またアメリカ政府も日本の「ミニ・イージスシステム」開発に対して日本の軍事的独立を警戒し不快感を募らせており、今後順調に計画が進行するかどうかはまったく不透明である」という記載があり、その後さらにミニ・イージス化が進められたのかどうか。

つまり「うらかぜ」をミニ・イージス搭載艦形態で作るべきかどうか、はっきりしませんね。ちょっと困った。

・・・ああ、そうか、いいこと思いついた。両方作っちゃえ!

まあ、これも新たな楽しみ発見、ということで。

 

ということで、今回はおしまい。

 

次回は本稿の本筋に戻って、装甲巡洋艦アメリカ、ロシア、オーストリア=ハンガリー帝国など)、あるいは日本海軍の巡洋艦、どちらかを。

***模型についてのお問い合わせ、お待ちしています。或いは、**vs++の比較リクエストなどあれば、是非お知らせください。

 

これまで本稿に登場した各艦の情報を下記に国別にまとめました。(今回紹介した艦船からのアップデートは特にありません。でも、こっそり日本海軍の筑波級巡洋戦艦装甲巡洋艦の写真が変わっていたりするかも)

fw688i.hatenadiary.jp

内容は当ブログの内容と同様ですが、詳しい情報をご覧になりたい時などに、辞書がわりに使っていただければ幸いです。

 

 


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